睡眠

眠いけど寝たくない心理

投稿日:2018年9月28日 更新日:

・夜寝たくなくて朝起きたくないのは人の常だとも思うが。実際に翌日問題を生むレベルで寝たくないのなら、関心をもつべきだろう。

 

寝るべき時に寝たくない、ベッドに入りたくない、あるいは入っても眠れない。サイトを流し見たり、ゲームをやりだしたり、本を読んでみたりする。

 

まるで楽しいこと、価値あることを探すかのように。それが癖になって夜更かし大好きだとか。

 

「眠れない」ではなく、「眠いけどまだ寝たくない」という気持ち。

 

 

睡眠の基礎知識

 

・まず、必要睡眠時間はかなり個体差があり、目覚めがよく日中眠気に悩まされないなら現状で問題ない。

 

巷で言われる「理想の/必要な睡眠時間」は所詮理想値であり、「自分にとっての理想/必要な睡眠時間」は自分で自分を観察して判断する必要がある。

 

年齢によっても変化する。体調にもよる。

 

14時の眠気(生理的に眠くなる)以外に耐えられない眠気もなく、日中無難に活動できるのなら、現状で問題ないと見ていいだろう。

 

 

興奮している/緊張している

 

・今まで世間が睡眠の重要性を軽く見積もっていた。その反動で今度は「多く眠らなければいけない」かのような語調で、声高にその重要性が説かれている。

 

まぁ、以前のように夜更ししたところでたかが寝不足・睡眠不足とは思えなくなった。

「眠らなければいけない」という一つの義務や仕事、タスクとして睡眠を捉えるなら、真面目であるほど眠ることに緊張するだろう。

 

・また、ストレスによる興奮状態。日中の「緊張感」を引きずっている可能性。緊張感が開放されるような達成感を日中感じられなかった可能性。

 

あるいは、自由な時間で退屈な日中のストレスを開放しなければならない、つまらなかった分楽しまなければ「ならない」、と義務のように自らにプレッシャーを掛け、緊張させている場合。

 

 

・通勤から帰宅までを「不自由な時間」とすれば、8~19時だとしても11時間は拘束されることになる。この上で7時間眠りたいとすれば、残りはもう6。当然食事や入浴と言った予約済みの時間もある。

 

自由な時間は少ない。寝るまでの時間はまるでタイムリミットのようだ。時間制限は焦りを産む。

 

まだ時間はある。まだ楽しいことを探す時間がある。まだ「今日は楽しかった」と思いながら眠れるかもしれない余地はある、とかなんとか思って色々やろうとするのは、「急いでいる」状態であり、興奮状態だ。

 

寝る時間になってもすぐに興奮は冷めない。それまでは「寝るつもりが起きない」。

 

関連:「寝たくない気持ち」と「死んでいる時間」

 

 

寝てる時間がもったいない

「休むこと」ができない性格

 

・時間に対しての焦燥感。常に何かやっている人間は「止まる」ことが難しい。中には休憩などをしたくない人間もいる。言い方を変えれば「ゆっくりできない」性格。

 

常に何か意義あることを、と考える人間は結構いる。タイプAと言って、心臓や血管系の病気リスクが高い傾向がある。

 

関連:フリードマンとローゼンマンによる性格分類:タイプA、B、C、D

 

効率主義や完璧主義にこの傾向がある。割と多い。

また、「せっかくの自由な時間がもったいない」と考えれば当然焦りが生まれる。生来の性格とは無関係にこの傾向は出る。

 

 

「寝るのがもったいない」:明日への恐怖と自由への未練

 

・日曜の夜+月曜の朝が最たるものだろうが、明日が憂鬱であること。反対に自由である「今」つまり夜のこの時間がもったいないこと。「今」が自由/楽しいから。

 

単純に嫌だからとも限らず、前向きな「明日に備えて何かやっておくことはないか」のような時間を有効活用しようとする心理や、焦燥、不安探しも興奮状態にする。

 

興味深いのは、寝なきゃいけない時間になった時に「もうこんな時間か」と言ったり思ったりする点。この言葉って大体は、楽しい時間が終わる時に使う言葉だよなと。

 

あるいは何かやらなきゃいけない時間になった時。つまりは今への未練か、睡眠への義務感。

 

 

」に対するマイナスイメージ

 

・睡眠に対しての認識が、「何もしていない時間」「何もできない時間」のようなマイナスイメージを持っていないだろうか。

 

今ではそれほどでもないが、徹夜したことが自慢だとか、睡眠時間が短いと働き者で、長いと怠け者のようなイメージがあるとか、現代の睡眠への知識から見れば「古い」価値観とかもあったわけだ。

 

 

・マザーグースにもこうある。

かねもちになりたいひとは
5じにおきなきゃなりません

もうかねもちになっているひとは
7じまでねてていい

かねもちなんかガラじゃなければ
11じまでねてられる

 

もちろんこれは、早起きするのは良いことだ的な意味で捉えられている。

 

今だと世界では学生の睡眠時間が致命的に足りなく、授業開始を遅らせるべきだなんて話も出ている。

 

起きる時間と寝る時間がズレるだけじゃないかと思ったが、意外と寝る時間はズレず、効果は結構出ているらしい。

 

 

明日が来るのが嫌だ

 

・寝たら明日が来る、明日が嫌だから寝たくない、朝が来るのが怖い、など。学校でも、仕事でも。

 

ブルーマンデーとかサザエさん症候群とか言われる。休日明けや休日が終わることを考えただけで憂鬱になる気持ち。

 

関連:明日が来るのが怖いから寝たくない人

 

・明日が来るのが嫌だ、というのが割と深刻な理由になっているケースが有る。

「寝たら明日になってしまう」と認識しているため、寝ることを拒絶する。

 

主観としては、確かに眠ったら、気づいたら数時間吹っ飛んでいて、「退屈な一日」が始まる形になるだろう。

眠るのなら、その日は「もうおしまい」なわけだ。

 

つまりこの場合、眠ることは「今日を終えて、明日へシーンが移動する」スイッチ/トリガーとして認知されている。

 

退屈な一日が始まるスイッチなんて、誰も押したくはないな。

 

 

認知的に寝ることに対して問題がある

夜だから眠れない

 

・具体的には夜になると、あるいはベッドに入ると目が冴えるタイプ。「寝なくてはいけない」との義務感による緊張。これにより眠気は遠ざかる。

 

あるいは単純に夜型。ただ、こうなることも習慣的な原因が多い。

 

」に纏わる条件反射的な要素

 

・寝たくないのに無理にベッドに入ると、嫌なことを思い出し始める、という話は結構多い。これを繰り返すうちに「寝ようとすると嫌なことを思い出して眠れない」という条件反射が出来上がる。

 

冗談抜きで、これに対しての認知行動療法があるくらいだ。影響は大きいと見ていいだろう。

 

・環境や状況に対しての条件反射。「ベッドは寝るための場所」と体に改めて「学習させる」必要は、人によってはあるかもしれない。

 

よく言われてはいるが、「ベッドに入って起きている時間」が長ければ長いほど寝付きは悪くなる。

人間が行動や精神状態を切り替えるには、トリガーが必要だ。それが「意志」だけでは、結構足りない事が多い。

 

入眠儀式なんて言われているが、寝る前の一連の行動に一貫性をもたせるなどは有効となる。これをやるとその一連の行動がトリガーとなり、そのまま「流れ」で眠気は来る。

 

 

・これらは布団に入ってからの話だが、「寝なくてはいけない」と思う「」に対しても同じことが言えるだろう。

 

時計を見る、

 

寝なくてはいけないと思う、

 

布団に入る、

 

眠れない、

 

焦る、

 

余計に目が冴える、

 

時間がもったいない、

 

起きて何か始める、

 

朝辛い、

 

日中眠い。

 

これを繰り返す内に寝ようとしている時間は「嫌な気分を味わう時間」になる。休息のための睡眠が「難しい仕事」になっている。

 

結果として、寝る時間が来ただけで「寝たくない」と思ったり、目が冴えたりは不思議じゃない。

 

「寝るべき時間」に対してプレッシャーを感じているのなら、これかもしれない。

 

 

精神生理不眠症

 

・こういった、身体的環境的には問題がないのに条件反射的な理由で眠れないことを「精神生理性不眠症」と呼ぶことがある。れっきとした病名だが、中身はただの不眠症のこと。

 

・学習された睡眠妨害連想

・身体化された緊張

 

の、2つを特徴とする。この場合の学習とは無意識的な物を含める。「癖がついた」と言ったほうがわかりやすいかもしれない。

 

要は寝ようとしても眠れなかったという経験の蓄積が原因。

 

 

・これを防ぐために、先程の認知行動療法がそうだが眠くなるまで布団に入るな、寝る時間そのものを遅らせろ、なんてのもある。起きる時間は固定だ。

 

布団で寝たくない、それ以外の場所だと寝落ちできる、なんてケースも結構あるようだ。「場所・状況」による古典的条件付けのような症状だと思えばいい。

 

個人的な経験だが、仮眠のつもりで横になった方が寝付きは良いことが多い。寝る際の「プレッシャー」というものは、影響が大きいのかもしれない。

 

 

夢恐怖症

 

・実際にある。本人の自覚としては気にしていないつもりでも、本能的な部分で嫌がっている可能性。

 

ただ、悪夢は体の不調が原因であることが多い。例えば風邪をひいて熱にうなされている時には悪夢は見やすいだろう。疲労も原因になる。この場合は睡眠が必要であり、寝ないのは悪循環を生む。

 

また、悪夢は悪夢で価値がある可能性もある。

 

参照:悪夢の役割について

 

 

日中の充実感との関連について

充実感とドーパミン

 

・旧ブログでも書いたが、日中に充実感を感じられないと夜「寝たくない」と思うという話はある。

 

これはNASAが発表した、と言われているが、こちらでは出典を確認できていない。

 

内容としては、

    • 起きてる時間の30%を好きなことをするか、思い通りの時間を過ごすと充実感を得られる
    • 睡眠時間7時間だとして計算すると(24-7)✕0.3=5.1
    • 現実に平日の一日にそれだけ好きなことやれるなんてことあるのか

という話。

 

過去記事:つい夜更かしをしてしまう:「夜眠れない」ではなくて「寝たくない」理由

 

・別の切り口で調べてみたことをいくつか書いておく。

 

充実感と眠気

 

・充実感や達成感を感じた時にはドーパミンが出る。このドーパミンは行動制御、学習機能などに関わっているが、睡眠にも関わっているらしい。

 

ドーパミンは意欲を作る/感じることに作用する。充実感を感じても出るんだが、頑張っても出る。

 

「充実感がある一日」から考えると、まぁ当然頑張りはするだろう。棚ぼたのラッキーで充実感は感じないはずだ。

 

裏を返せば、必ずしも充実感という言葉で連想するような「恵まれた環境で、楽しく、意義ある仕事をする」必要もそれほどない。真剣に集中できればいいことになる。

 

 

・要するに充実感がある一日と、そうでない一日ではドーパミンの総量がかなり変わってくるのではないだろうか。

 

そうなると当然、寝るべき時間に眠気を感じるかどうかも変わってくるだろう。

 

ドーパミンはアドレナリンとノルアドレナリンの前駆体(要は材料)である。この内ノルアドレナリンが「睡眠ー覚醒」に関わっていると見られている。

 

 

 

・関連してむずむず脚症候群というダサくてわかりやすい症候群がある。
脚とか肩とかが眠れないレベルでムズムズして気持ち悪くて眠れない症状。女性に比較的多いが、男性でもある。

 

原因は明らかではないとされているが、仮説のうちの1つはドーパミンの機能阻害。実際にドーパミン系の薬で症状は緩和する。

 

 

個人的に思うのが、これが軽度だった場合、身体の不快感はわからずに落ち着かない、眠れない気持ちだけになるのではないだろうか。

 

ウルトラディアンリズム

 

・体内時計の一種にウルトラディアンリズムと呼ばれるものがある。簡単に言えば、概日リズムと呼ばれる一般的なイメージの体内時計の中にある、個別の体内時計。

 

まぁ砂時計のようなイメージを持ってくれると助かる。

 

睡眠と体内時計は関連をよく挙げられるが、どちらかと言えばこのウルトラディアンリズムの方が関わっている。

 

 

・また、ウルトラディアンリズムの周期が90~120分であり、眠気もこの周期だと言われている。つまり「眠気の波」が引いてしまうと、しばらく寝たくなくなるということはある。

 

参照:さっきまで眠かったのに寝ようと思ったら眠れない

 

・このウルトラディアンリズムを調整しているのが、ドーパミン。どうやら睡眠に限らず、健康的に過ごすには充実感が必要そうだ。

 

 

「制限時間」

 

・日中つまらなかった場合、ドーパミンなんて気にするまでもなく、憂さ晴らしのような、つまらなかった分楽しもうとするような、「価値ある時間」を自由な時間に求める。ただ、この場合時間が足りない。

 

自由な時間である数時間で、一日分を取り戻そうというのはやはり難しい。加えて寝るまでの時間はそのまま「制限時間」になる。そうなると自然と、

 

もっと効率的に、

 

もっと効果的に、

 

もっと意味のあることを、

 

もっとためになることを、

 

もっと楽しいことを、

 

もっと充実感を、

 

となりやすい。残念ながら、コスパやら効率やらを気にするのは充実感とは程遠い。無駄なく計画的にやる必要がある時点で「作業感」が増すからだ。

 

寝るべき時間が「タイムリミット」になってしまうことで、自由時間が「作業時間」に変わってしまう。悪循環だろう。

 

 

夜型プログラマー

 

・眠いけど寝たくない、というよりは「夜なのにハイになってくる」という話。「」の方が近いかな。

こういうことは、プログラマーがよくあるそうだ。

 

プログラマによくあるタイムスケジュールのうち一つが朝4時に起床し、人々が活動しはじめる前にいくつかの仕事を終わらせるというもの。

そしてもう一つが朝の4時に仕事を終わらせるというものです。

 

https://gigazine.net/news/20130117-midnight-programmers/

 

どちらも「人がいない時間帯」に仕事を進めたいかららしい。

彼らのスケジュールは「クリエイターのスケジュール」と呼ばれる、まとまった時間を必要とする人達の考え方。これらは作業を中断されることが嫌だから。

 

 

クリエイター的なものと作業的なものとで頭の理想的コンディションが違うのではないかとか色々考えられて面白い。

今回とはあまり関係がないからここらへんで端折るが、彼らに対しての考察で面白いものが2つ。

 

・夜モニターを見ているからブルーライトなどで目が覚め、寝るのが遅れる。

翌日起きるのも遅れる。

これを繰り返してズレたサイクルが「身についた」説。

生活習慣に焦点を絞れば、「夜型になる訓練」に見えるようなことやってるからね。

 

・もう一つは「脳が疲れていると集中が増す」とされていること。参照先ではバルマーピークが例に出されている。

これは「なんでか知らんが酒飲むとプログラムが捗る」という日本じゃまず受け入れられなそうな話だ。

ただ個人的にはほろ酔いだと捗るタイプのタスクはあると感じている。精密さは死ぬが、勢いとか発想力とかが必要なタイプでは捗る。

ついでに言えば、物書きの方面ではウイスキーが「覚醒の酔いをもたらせる」と言われている。明確な話はないが。

 

・ともかく、酒に限らず脳が疲労、または一部の機能低下状態になると、集中力自体は増す可能性があるようだ。

加えて夜はネガティブなことを思い出しやすい、考え込みやすいなどと言われている。

まとめて考えてみると、どうも脳が疲労するとまずはじめに「選択的注意」の機能がお亡くなりになるのではないだろうか。

 

これは「意識して何に注目するか」「何を余計な情報としてカットするか」などの無意識的に働く認知機能だ。

 

ここが働かなければ受動的になる。

目についたものに気を取られる、ぼーっと何時間もSNSを見る、一つのことが頭から離れない、なんてことも起こりそうだ。

 

眠る気がない人間は、大体は何かをやっているだろう。眠るというタスクに「行動を切り替えられない」のは、そういうことかもしれない。

 

 

対処法

 

・さてまぁ、こういう話になると生活習慣の見直しだのハーブだのアロマだの入浴だの運動しろだの朝飯を食えだの色々あるわけだ。

 

確かに健康的な生活習慣に越したことはない。

 

だが「寝たくない」って思うのが寝なきゃいけない時なわけで、そのタイミングで運動しましょうだの朝食をしっかり食べましょうだのは的外れだし、ハーブティーなんて家にねぇよってのが大半だろう。

 

・「寝たくない時は無理に寝ようとしない」なんてのもよく見るが、それは正しいが、今の役には立たないなと。寝なきゃいけないのに寝たくないから困ってるわけだ。

 

この状況になったら必要なのは睡眠導入剤だし、個人的には「睡眠導入剤飲んで寝ろ。そして決まった時間に寝ることを習慣化してから薬をやめろ」が正解だと思う。

 

 

・かろうじて今すぐできる、「寝たくない」と思っている心を説得させる方法について。

 

睡魔は優先順位自体は低い。最終的に睡魔が勝つのは寝ない限り収まらない「しつこさ」であり、強さではない。

 

なにかやっているならそちらのほうが基本的には優先度は高く、睡魔は比較的目立たない。

 

逆を言えば「何かやってる限り寝る気にならない」=「何かやってる限り眠気に気づかない」ことはある。つまり身体は眠いのにその自覚がないことは不思議じゃない。

 

今やっていることをやめて、目を閉じて、横になってみると良い。そうして深く体の力が抜けるような感覚がするなら、身体は「もう寝たい」ということだ。頭もね。

 

身体はその状態なのに、・興奮して何かをやり続ける/考え続けるなら、そちらが優先され、眠気は感じられないだろう。

 

自分からスマホとかいじって「刺激」を脳に与え続ける限り、限界が来るまで眠気を感じないかもしれない。眠れないなら本を読め、という話もあるが同様の理由でおすすめしない。

 

まず「刺激」を与えないこと。

 

あとは、「あくび」が脳内温度を下げて眠気を呼ぶって話もある。加えてあくびって人に移る。youtubeかなんかで動画探すのも手かもね。

 

 

・後は、布団に入ったあとでやっぱ寝たくないってなるタイプ向けに、非常に面白い方法を一つ。実際に不眠症の患者を対象にした研究で効果が出た方法だ。

 

1:まず布団に入る。

2:「絶対に寝ないつもりで」目を閉じて横たわる。

 

以上。

 

面白いことに他の不眠症のグループよりも先にこっちのグループが寝た。

 

裏を返せば「寝なければならない」という意識がどれだけ眠ることを邪魔していたかがわかるだろう。

 

関連:「早く寝たい」「眠らなくてはいけない」のに眠れない

 







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