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充実感とマインドフルネス

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例えば快眠できる要素として充実感がある。日中の充実感が高ければその日は眠れる、という話。
例えメリットがなくても、充実感そのものが無いよりはあったほうがいい属性のものでもある。

さて、現代人は大抵は自分は忙しい、と自認しているわけだが、だったら充実感も得られそうなものだ。だが現実には、充実感を胸にというよりも「疲れ果てて」ベッドにぶっ倒れるか、「明日が来るのが嫌だ」と無理をして夜ふかしをするかな人もいるわけで。あるいはその両方。

つまり客観的な「忙しさ」と充実したかどうかは比例しているとは言えない。なぜか。

充実感とドーパミン

前提。充実感を感じた時、ドーパミンが出る。これ自体が複数ある体内時計の調整を担う。また、ノルアドレナリンの材料となり、これは睡眠と覚醒に関わっていると考えられている。睡眠に限らず、充実感は健康には良いと言えるだろう。

ここでは充実感=ドーパミンの分泌とする。これは充実感に限らず頑張った時にも出る。つまり心象的に好きか嫌いかとは無縁とする。嫌いなものでも頑張ればOKということ。まぁ嫌いなものは頑張りたくないだろうが、嫌いなものを無理して「好き」になろうとする必要はないとは言える。

意識がどこにあるか/どこに向いているか

2010年、ハーバード大学の研究者が2250人の被験者に対して「iPhoneアプリを使って1日の行動を思い返してもらう」という調査を行いました。

被験者の回答結果から、人間は1日の47%の行動が不明瞭であることが明らかになっており、この「ぼんやりした時間」は人々を不幸にすることにつながることも判明しています。

それとは対照的に、しっかりと意識的に生活することは、日々の生活の質を向上させることにつながるとクレスウェル氏は語っています。

つまり、瞑想することで無意識に過ごす時間が少なくなり、より幸せに日々を過ごせるようになるというわけ。

https://gigazine.net/news/20180511-mindfulness-meditation-over-hyped/

要するに一日の行動の内、記録には残ってるが当人が覚えていないというのが47%あった。当人が実際に行動した内容についてこれだ。認知症かな。

冗談抜きで認知症に見える。これが私達の「普通の脳の性能」だとしたら、それが低下して認知症の症状が出るのは不思議でもなんでもないだろう。

ではこの「半認知症」つまり人間は半分近くの自分の行動を記憶していないことについて。

なぜ自分の行動を覚えられなかったのか

まぁ別に覚えてなきゃいけないわけでもないんだけど。スーパー記憶とか言われる本当に全て覚えてしまう人もいるらしいが、ノイローゼ気味だったりするしな。もちろん自分の行動を認識し、記憶し、そして忘れた、ということも47%の中にはあるだろう。忘却もまた、必要な機能だ。

だがそれは「元から記憶していない」「元から認知していない」「元から自動的に動いていた」可能性を否定する要素にはなりえない。

五感による知覚と「認識」は別物とする。つまり、まぁなんだ、あなたは今、多分服着てると思うが、その質感などを知覚しているだろうか。

皮膚に接触しているのだから「知覚」はしている、というか信号が脳に送られているのは間違いないだろう。では「認識」はしているか。大体の場合はしておらず、理由は「気にならないから」ってところだろう。今服着てないとかだったら困るが。

意識的な認識、つまり「注意力/」は一度に一つに対してしか出来ないと思ったほうがいい。

何かに注意を向けると他が疎かになる

多分、下の動画を見たほうが早い。
普通におもしろいので、特に手品とか好きなら楽しめるかもね。

:アポロ・ロビンズ『注意をそらすテクニック』

 

はい、最後の質問に答えられたでしょうか。質問の意味がわからない人もいたかもしれないね。二度見ても面白いよ。

手品ではよくあるようだが、一点に注目させることで他の部分を「隙だらけ」にしてなにか仕込む、という手段が、動画ではチップだった。「フランク」は一度に一つしかできない。一人だからね。仕方ないね。

観客の視点で見れば時計を盗ったことなども気づけるわけだが(わざわざアピールしてくれてるし)、取られた側の主観としてはチップを気にしているだけで時計に関しては「認識していない」。

アポロ・ロビンズの例えで言えば、脳内のモニターやらセンサーやらに時計がパクられたりポケットにエビをねじ込まれたりした情報は送られてはいるわけだが、「フランクはそれを見ていない」。

今回の話に戻れば、この例のように「何か」に注意力を奪われた結果、記憶にない47%は自動的に処理された可能性がある。人間は結構自動的に「動ける」。特にパターン化されたものや熟練した動きなどは。その行動の動機にしたって反射/反応/習慣的なものだった場合、無意識下で処理されることはある。動機→実行→完了まで全てが自覚なく。これは行動よりも「思考」でよくあるか。

ただしかなり性能は落ちる。ながら作業やマルチタスクでクオリティが落ちるというのは昔から言われているし、「歩きスマホ」は事故率がかなり上がる。

国土交通省によると、携帯電話やスマートフォンを操作していて駅のプラットホームから転落する事故は、2010年度は11件、2011年度は18件、2012年度は19件(転落者数の0.6%だが、36.2%にあたる1,185人は「その他、不明」で、また、同省の担当者は「酔客は酔っているから自分では線路から上がれず、駅員が助けるから転落の事実がわかるが、歩きスマホで転落する者は自分で上がってしまい、自ら駅員に『スマホのため』とは告げないため、不明に入っているか、件数に上がっていない可能性がある」と指摘)、2013年度は45件と、年々増加している[14][15][16][11]。

東京消防庁管内(離島を除く)では2010年から2014年までの間に152人(このうち30人は2014年に搬送された人数で暫定値。毎年わずかながら増加)が歩きスマホ等に係る事故で救急搬送され、年齢区分別では40代が最多(2位は20代、3位は30代、4位は10代)で、事故種別では転落(階段・線路等)が25%も占め、場所別では道路・交通施設が80.3%を占めている(このうち全体の25%は駅)[8][17]。

このうち2013年までの搬送人数は122人で、102人(83.6″)が軽症、16人が中症等(要入院)、3人が重症で、1人が死亡した(後述)[15]。

また、京都府警は性犯罪被害に遭いやすくなるとして、セコムも犯罪被害に遭いやすくなるとして、歩きスマホをしないよう注意を呼び掛けている[18][4]。

Wikipedia:歩きスマホ

47%の喪失は殆どがこれで説明がつくだろう。フランクが気づかなかったから。その間別の何かをやっていたから。

注意の引ったくり

47%の「何が」失われたのだろうか。記憶か。それだけじゃないかもしれない。元から認識していなかったのなら「実感」を得られていないとも言える。これはそのまま充実感を得られる機会も減ることになる。逆を言えば充実感のためには、行動に対して「行動したという実感」を得る必要があるだろう。

47%の喪失を防ぐことは、主観的な一日としてそれを取り込めるということでもある。少なくとも「何もなかった一日」が「色々あった一日」くらいにはなるかもしれない。

ダニエル・デネットの「意識の評判モデル」というものがある。特定の内容(記憶とか)が忘却から逃れるために自己主張しあっているのが人間の意識状態だとする説。

彼は、この記憶や思考が意識に注目されようと自己主張している状態を「注意の引ったくり」と名付けた。

まぁ簡単に言ってしまえば、頭の中は元からうるさい。このせめぎあいは、デフォルトモードネットワーク(DMN)と同系統だろう。脳のアイドリング状態とされ、自動思考や反芻を行い、当人が何も考えていなくても勝手に動いている部分。

要するに実感を持てず、「心ここにあらず」の状態になるのは外的要因だけではなく、内的にも山積みだということ。大体は内側に誘拐されてる。人気者だな、フランク。

することモード

マインドフルネス認知療法の提唱者達によれば、意識は「することモード」と「あることモード」がある。前者は実行、後者は観察とすればわかりやすいだろうか。

加えて人間は大体がすることモードであり、まぁ簡単に言えばさっさと判断したがり、その分観察が雑な傾向がある。わかりやすいのが認知バイアスなどの勘違いや思い込み。別に都合の良い解釈だけではなく、都合の悪い方向での勘違いもザラだろう。

また、認知バイアスの対策としてメタ認知能力を養うことやマインドフルネスが挙げられてることも根拠となる。前者は自己の観察そのものだし、マインドフルネスもまた気づきや受容と言った反応せずに観察に専念することを学ぶからだ。

することモードの人間は、フランクで言えば「操縦」か、それに必要な情報のみに注目している状態と言えるだろう。やっぱりそれ以外のモニターとかセンサーは見ている余裕はない。集中状態もまた周りが見えなくなるね。

人間は「何をやったか」ではなく「何を考えたか/その時どういうつもりだったか」しか覚えていない傾向がある。まぁ、「操縦」に一生懸命なら、そりゃそうなんだろう。

私達は充実感が足りないのなら、何かしら「行動」が必要だと結構簡単に考える。だがむしろ「観察」が足りずに充実感を得られるような物事を知覚出来ていないだけの「獲得しそこねている」可能性。

メモ

ちなみに、フランクのおかげでメタ認知の説明が超簡単になる。

「フランクが何やってるか気づくこと」がメタ認知だし、フランクを観察し続けることはマインドフルネスのオープンモニタリングと言える。
フランクの注意をやってもらいたい仕事に向けさせるのは集中だ。フランク万能説。

この「フランク」は前述のダニエル・デネットが「カルテジアン劇場」として同じようなモデルを作っている。ただ、目的は否定するためだ。

「頭の中の小人にも頭の中の小人が居なきゃおかしいし無限ループするじゃないか」みたいな意見。

これは、神経科学者たちがこの「小人」が脳内に物理的にニューロンとか脳細胞としてあるものとして考えていること(カテゴリー錯誤)への意見だとされる。そういったわけで、機能の擬人化である「フランク」とは対立しないだろう。対立したらそれこそカテゴリー錯誤だ。

そして、「フランクを見ている『私』は誰だ?」とか考えると、概念としては居るね。小人の中の小人。







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