会社行きたくないから眠れない/寝たくない人:労働者の半数以上が職場に強いストレスを感じている

 会社行きたくないから眠れない。明日仕事行きたくない。明日学校行きたくない。明日のこと考えると吐き気がしたり頭痛がしたりイライラしてきたり涙が出てきたりする、などなど。そんな話があちこちに。

別記事でやった通り、寝ることは明日に場面が切り替わるトリガーでもあり、自発的に寝ることは「明日」に自ら赴くに等しいと感じられる時がある。「嫌な明日」には当然移動したくないわけで。だから寝たくない、あるいは緊張して眠れないなどはあり得る。

会社行きたくないのは甘えなのか:うつ/適応障害

例えば登校拒否の子供が親に相談したところで「甘えだ」と一蹴されるかもしれない。
大人ならなおさらで、そもそもこんなことを相談できる相手がいるのかどうかから怪しい。

ただし「会社に行きたくない」ことから吐き気、過呼吸、腹痛なども自覚症状としてあるようで、この場合明らかに心因性のなんかであり、もはや甘えではない。

会社行きたくないのと適応障害

 こう言った話ではうつ病や適応障害が思い浮かぶものだ。
適応障害はストレスで悪化し、ストレスから離れると改善するとされている。改善は即座に、というわけではないが。

たしかに憂鬱な気分、不安、情緒不安定などは情動面の症状としてはある。

行動面の症状としては、飲酒、暴食、無断欠席、その他攻撃的な行動などが挙げられている。

身体的には不眠、動悸、発汗、めまいなども。

もちろん症状には個人差がある。適応障害もうつ病も、攻撃的な人間もいれば、その逆もいる。

うつ病と違う点は、ストレスの規模に対して強い反応を示すこと、仕事に強い影響が出ていること。
うつ病だって決して軽くはないんだが、うつ病以上の反応/影響である。

「無断欠席」があったね。その前段階に、「会社に行きたくない」という気持ちがあるとしたら、怪しいと言えば怪しい。

不眠は仕事が嫌で眠れないなら該当することになる。

 ただし適応障害の原因は転勤、配転、新しい人間関係など特定の状況や出来事からであり、このような環境の変化的なイベントに心当たりが無いのなら、別の可能性も強い。

例えば入社数年経つが、新しい上司や部下がストレスフル、というのなら該当はする。自分が新人、あるいは新しい職場というのならもちろん該当する。

あるいは現状はコロナによる自粛下であり、リモートワークへの適応や景気から考える自分の将来への不安感など、理由はあるといえばある。

なんかもう言ったもん勝ちみたいなノリになってきたが、気の持ち方が変われば世界は変わる。悪い方向にも。
何かに気づく、あるいは思い当たることで、今まで何もなかった日常が、適応することが困難なほどのストレスに感じられてもおかしくはない。
毎日同じ風景が辛い、って人もいたし。

会社行きたくないのとうつ病

 適応障害と似ていて紛らわしいのがうつ病だが(実際区別は難しいらしい)、こちらは「脳の不調」とされる。

念を押しておくと、うつ病とうつ状態は違う。適応障害はうつ状態ではあるが、うつ病ではない。治療法も違う。紛らわしい。

うつ病の症状の例として、
・仕事にいけなくなる
・家事が全くできなくなる
等が挙げられている。

元から真面目な性格な人が多く、そのような自分をさらに責める、ということも珍しくない。

 今回はおそらく、うつ病とは違うだろう。うつ病の基準は症状が一定期間続くことだ。

今回は「会社に行きたくない」であり、これは休日にこの悩みは発生しないことになる。多分日曜日の夕方辺りから明日を想像して発生するが。ともかく大抵の場合は一週間も連続しない。
(ただし仕事のことを考えることもストレスになるため、切れ間がなく連続しているように見えることがある)

うつ病の場合は、ストレスを取り除いても持続するとされる。

逆に適応障害の線は濃くなるが。
なお、適応障害とうつ病の診断両方で黒だった場合はうつ病として扱われる。

 もう一つ言っておくと、適応障害はストレスに対しての「過剰な反応」が見られるだけで、正常に会社行きたくないという気持ちも普通にあるだろうと。

後述するが、半数以上の人間にとって職場はストレスフルなわけだから。
半分冗談、半分本気なのだろうが、「労働は心身に悪い」「仕事はうつ病の元」なんて言を見かけたりもするくらいには。

会社行きたくない病:出勤困難症/出社困難症


 検索キーワードに「会社行きたくない病」なんてのがあったが、ないねそれは。ただし、「出勤困難症/出社困難症」と呼ばれるものはある。困難じゃなくて「不能症」になることもある。

原因とされるものは様々で、
・職場のストレス
・挫折体験(特に今まで高評価を得ていた者)
・人間関係の問題(これを「失敗/挫折」と捉えるケースも有る)
・うつ状態(職場が原因ではない可能性も)
など。
思うに登校拒否の原因も似たようなもんじゃないだろうか。

出勤困難症の初期症状としては、不眠、怒りっぽくなった、趣味を楽しめない、イージミスが増えるなど。

 5月病。これは4月は新しい環境で緊張感が保たれるが、慣れてきた5月ごろに緊張の糸が切れるのが原因とされる。
今回の内いくらかは、このような緊張の糸が切れた状態はあり得るだろう。

半分以上の人が、職場に強いストレスがある

厚生労働省の平成30年労働安全衛生調査によれば、
・過去一年でメンタルヘルスの不調により一ヶ月以上連続で休業した労働者のいる事業所が6.7%
・過去一年でメンタルヘルスの不調により退職した労働者がいる事業所が5.8%

休業一ヶ月以上の後に退職した場合は退職のみに含まれている。つまりは休業の方は本来もっと多い。
どちらもそれが4人以上出ている事業所が0.1%ある。
なおこれは派遣労働者は含まれていない。

一方で労働者側の調査では、平成25~30年の調査で安定して仕事関係で強いストレスとなっている事柄があると回答した労働者が50%を上回る。一番多いのが28年の55.7%。一番少なくても25年の52.3%。
つまりは半分以上の人間にとって強いストレスがあるのが職場である。

仕事や職場のストレスの内容

厚生労働省の調査では、労働者のストレスの内主な3つを挙げている。

・「仕事の質・量」 59.4%
・「仕事の失敗、責任の発生等」 34.0%
・「対人関係(セクハラ・パワハラを含む。)」 31.3%

まぁ、快適ではないのが相場ようだ。

許容度も人によるからな。隣の奴のエンターキー叩く音がうるせぇ程度が強いストレスなのもいるだろうし。些細な物音、特に人が出す物音にあまりにも敏感ならうつ病の可能性とかあるけどね。

もちろん反対に、ソシオパスのような上司、同僚が職場にいるのかもしれない。
リモートワークでこのような話は減ったのか、といえば多分減ってないのだろう。なんか「部屋を全部映せ」とかキモい要求してくる上司とかいるらしいし。義務教育で自他境界プライベートの概念を教えたらどうか。

もう一つ、「恥」の概念も大きい。実際に失敗をして周りの目が痛い、というのもある。しかし自己イメージがご立派すぎて、そうじゃない自分を恥ずかしく思うことから、居心地の悪さを感じているケースも有る。

今回の話でストレスを2つに分けるなら、思い通りにいかないストレスと、攻撃されているストレスがある。人それぞれだが、後者の場合はリラックスやら認知療法やらという話でもない。

仕事の質と量は多くの意味を含める。もっと意義のある仕事をしたいから今の無意味に思える仕事がストレス、あるいはシンプルに忙殺されるなど。

こうして眺めてみると、捉え方次第で済む話から裁判沙汰にするべきことまで様々すぎる。

仕事に行きたくないが理由がわからない

 自覚できる原因やストレスはないんだけど、心身は反応している、という状態は結構ある。

例えば予定がストレスになることがある。それが楽しい予定でも。自分から約束した上でなんか嫌になってきた、ということもあるかもしれない。

メカニズムとしては、「予定」という概念自体が仕事を連想させ、緊張させるからというのがある。つまり「予定」という形態である限り、中身関係なくストレスを感じる余地がある。
今回の場合は「明日仕事」というのは必ずあるわけで。この場合、仕事が好きでもなんかイヤに感じるかもしれない。

嫌な予定の場合なお悪く、実際の体験よりも、それを予測して恐れているときのほうが脳が苦痛のシグナルを発している。このような状況では自分から「明日になる儀式」である睡眠は取りたくないだろう。

 しかし今回で濃厚な線は、リベンジ夜ふかしだろう。報復性夜ふかしとも呼ぶ。

今日がつまらなかった、自由にできなかった、充実感や達成感がなかった「復讐」として、邪魔の入らない自由な「寝る前の時間」を謳歌しようという心理がある。

当然このような心理的状況の場合、仕事のような「平日」は、不自由な時間の象徴である。この場合に仕事が嫌と感じるのは、「今が/自由な時間が惜しいから」なのが強く、職場のストレスとかが問題になっているとは言い切れない。ただ退屈なだけでも、おそらくリベンジ夜ふかしはしたくなる。

いずれにせよ、「もう、『今日』が終わる」という状況で焦りを感じるのなら、日常が不満足なのだとは予測できる。満足してる奴がいるのかどうか知らんが。

事実、環境が強いストレスを与えてくる場合

 明日が嫌だという言葉が示す「明日」は、学校や会社など日常であることが非常に多い。それがずっと続くのなら尚更に。

これらの問題に対して、「気の持ちようだ」なんてアドバイスが飛び、そして炎上するなんて光景もまぁだいぶ見慣れたが、あながち的外れでもない。それで解決する場合もあるし、気にしないで済むなら気にしない方がいいのは確か。ただし程度による話で、「しちゃいけない我慢」があるのも確かだ。


「その仕事に向いてないから明日が怖いと思うのだ」との声もある。そうかも知れないが、「向いてない」と一口に言っても色々ある。

職種が自分に向いてない。例えば体力がないのに肉体労働に就いた場合など。

会社が自分に向いてない。例えば個人主義が、「会社は家族」がスローガンで週末飲み会が義務化してる会社に入ったらストレスフルになる。

そして職場での人間関係の問題。転職の「本当の理由」としては最も多いとされている。

この3つは、一口に「職場と合わない」なんて一括して言われたりする。確かに職場を変えれば内訳がどう有れクリアできるかもしれないが。
しかし向いてない職種・会社にまた入ったり、同じような対人トラブルに巻き込まれないためにも、理解は深めたほうがいいのではないか。自分に問題があるとは限らないのだが、「問題がある奴を引き寄せる特性」を持っている場合もある。


 環境から距離を置くことを「逃げる」と称し「恥」と繋げる向きも多いが、関わるだけ損な相手や環境に対して時間を浪費するのも好ましくないし、何より好転の展望が見えないままに有害な環境にただ耐えるのは最悪な事態になりかねない。
ちなみに自己愛性人格障害の人間と縁を切った人に「何が一番損害だったか」と聞いたら、「関わった時間全て」と返ってきた、なんて話もある。

ストレスが溜まるとまともな判断ができなくなってくる

 環境が強いストレスを与えるようだと、冷静に物事が考えられなくなってくる。
行動経済学に「トンネリング」と「ジャグリング」という概念がある。トンネルの中にいるように周囲が見えず、それ故に突発的(に感じる)トラブルに対してジャグリングをするように場当たり的な対処を繰り返す、そして自分がそういう状態だと気づかない。

中室さんが実例で説明するのは、ご自身の、スラムの調査研究での体験。その日暮らしのスラムの人々は、毎日小さな一回分の梱包されたシャンプーを買う。ほんのすこしお金を貯めればボトルが買え、節約にもなるのに、その行動ができない。

先を見通して、合理的な判断をくだすという思考経路が働かないのです。

https://news.line.me/articles/oa-mainichigahakken/de2ac1d2aefc

トンネリングは最悪なものの一つであり、これが起きればたった一つのトラブルに対して「人生が行き詰まった」とすら思わせる。

いくら方法があっても当人的にはそれに気づけず、絶望してしまったりもする。
過労による自殺で「そうなる前に会社をやめればよかったのに」と後出し孔明されたりするわけだが、このような心理的な状態も一因ではある。

このような時、自力で全て対処するというのは無理がある。というか、ひどくナチュラルに「自力で全てやらなきゃいけない」と思ってたりするわけで、既にトンネリングが始まっているように見えるケースも多々ある。

相談相手を作っておきましょう、というコミュ力の話に限らず、普通に金払って退職代行を使うなどもあるわけで。ちゃんと弁護士がやってるとこじゃないと違法や無効になったりするが。

法的には雇用者と被雇用者は対等なんだが、まぁ実際にはアレなことも多い。中小企業の場合はそもそも雇用者が労働基準法をろくに知らないケースがかなりあるという話もあったしで、弁護士が間に入ったほうが安全だろう。

「自分にはこの仕事は合わない」と判断する人は結構いる

 人間関係ではなく、労働環境そのものが当人にとって問題だ、というのも多いようだ。

【殺到】「退職代行サービス」10連休明けは1日で30件の依頼https://t.co/Hk1FuMHHh2

「20代が8割を占め、その半数は新卒だった」と話す。業種で多いのは運送業、保育士、介護士、引っ越し業者だという。 pic.twitter.com/uGKPCrunwF

— ライブドアニュース (@livedoornews) May 24, 2019

これらはきつい仕事だと言われている。人手不足、というか「求人誌の常連の業種」というイメージもあるな。

こういった退職代行の利用者が若い世代であることも「最近の若い者は」なんて言を誘発するが、業種や会社が時代に対応できていない面も多々ある。忍耐は美徳かもしれないが、それに寄生する者がいるのもまた事実。


2019年4月から従業員の有給消化は会社の義務となったわけだが(罰則あり)、中小企業の一部は「タスケテ!会社潰れる!」とか言ってる状態だし。

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