悪性自己愛とダークトライアドとダークテトラッド

一言で言えば犯罪者レベルで超性格悪い。この3つの性格は、各人格障害の「性格の悪さをかき集めた性格」と言える。

3つあるが、内訳としてはほぼ共通している。

ダークトライアド

以下の性格的特徴を併せ持つ。

  • ナルシシズム
  • マキャベリズム
  • サイコパス

ダークは「悪の気質」を指す。暗黒な性格が3つだからダークトライアド。後述のテトラッドも同様。
なお各性格については後述。


応用心理学においてダークトライアドの研究は、特に法執行、臨床心理学、経営管理などの分野でなされている。この3つの特性が高い人々は、犯罪を起こし、社会的苦痛を引き起こし、組織にとって重大な問題を引き起こす恐れがあり、それは特にリーダーシップポジションに置かれたときは顕著となる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ダークトライアド

人事の責任は重大だね。

他のもそうだが、法律を守るかどうかからして本気で怪しい。いわんや、人の気持ちをや。

ダークトライアドの各要素は概念的には区別されるものであるが、経験的な証拠ではそれらの重なりが示されている。彼らは不自然な対人的なスタイルに関連づけられる[9]。

実際に内訳を見ると今回紹介する3つはかなり被る面は多い。特に共感性の欠如と、攻撃性、誇大性(自分を大きく見せたがる)はある。


この内サイコパス、ナルシシズムは遺伝的な要素も大きいとされる。ただしマキャベリズムは少ないとのこと。

ダークテトラッド

ダークトライアドに4つ目を追加したダークテトラッドが提唱されることもある。

一般的にここにはサディズムが追加される。
他には境界性人格障害、ステータス駆動形のリスクテイク(よくわからん。状況・感情・気分によって駆動するリスク追求(=スリルを求める)の衝動のことか。衝動性でよくね)が候補に挙げられることも在る。


残りはサディズムの項目で。
サディズムを追加すると、特にネット社会での荒らし・トロールなどと話が繋がってくる。

悪性自己愛

悪性自己愛(あくせいじこあい、英: Malignant narcissism)とは、ナルシシズム、反社会性パーソナリティ障害、攻撃性、サディズムの極端な混合から成る一つの心理学的症候群である[1] 。

多くの場合は誇大性を示し、常に敵意の程度を上昇させる用意がある。悪性自己愛者は関わる組織を損ない、関係する人々の人間性を奪いもする。

ガン細胞かなんかか。

仮説上の病理現象として、悪性自己愛は自己愛性パーソナリティ障害はもちろん、パラノイアの側面をも包含しうる[2]。

https://ja.wikipedia.org/wiki/悪性自己愛

  • ナルシシズム(自己愛)
  • ソシオパス
  • 攻撃性
  • サディズム
  • パラノイア(妄想性・猜疑性の人格障害)

こちらではソシオパス。wikiのダークトライアドの記事の悪性自己愛の説明ではサイコパス(特に反社会的行動)ってなってたけどね。
これらは低い共感性、要は「人の気持ちを考えない」タイプということだろう。


現実に誇大型の自己愛程度じゃ言い表せられないレベルの自己愛と呼ばれるモノはいる。

というか、悪性自己愛についてのTEDないかなと検索した所(なかった)、サジェスト(Googleが提示する他のキーワード)に、

  • 自己愛性人格障害 頭おかしい
  • 自己愛性人格障害 追い込み方

などがあった。知っての通り、これらは他の検索キーワードからの一種の統計のようなもので、つまりは一定数このようなキーワードで検索されている。何やったら多数にここまで恨まれるの。

試しに関連キーワードを調べるツールで「自己愛性人格障害」を調べてみると、他には、暴言、嘘を付く、嘘泣き、撃退(害獣扱いか)、頭悪い、嫌い、口だけ、警察沙汰、関わってはいけない、etc。

これらには、悪性自己愛と呼べるレベルのものは相当数含まれているのではないか。
言葉の知名度的には、
自己愛 > 自己愛性人格(パーソナリティ)障害 > 悪性自己愛
だと思うので、そうだとすると検索ワードは左の方に一括される傾向はあるだろう。


一方で、サルバトール・ダリのようなタイプの自己愛、とにかく人に認めてもらいたい(彼の場合ルーツは両親だった)、というのは必ずしも有害性を持たない。迷惑なことはあるかも知れんが。

ダリはパフォーマンスに拘りすぎて窒息死しかけたり、一方でプライベートでは常識人だったりと興味は持てる余地もある。割と好きな方。

アイデンティティとサルバドール・ダリ
サルバドール・ダリ・太宰治や三島由紀夫と同様に、画家であるサルバドール・ダリも自己愛性パーソナリティ障害だとされている。他にも様々な精神障害の兆候が見て取れると言われるが、その中核をなすのがナルシシズムであると。だが今回は自己愛では...

悪性自己愛に見られる要素(攻撃性、サディズム、ソシオパスなど)を持たないが自己愛は強い、というタイプとは分けるべきだろう。


悪性自己愛という名をつけたのはエーリヒ・フロムだとされる。
社会心理学もやってた人で、社会的な視点での性格分類もしている。「人が社会でどのようなポジションを取るか」。

エーリヒ・フロムの性格分類
エーリヒ・フロムの性格分類エーリヒ・ゼーリヒマン・フロム(1900-1980)はユダヤ系の社会心理学、精神分析、哲学の研究者。新フロイト派。彼の性格分類は、「人が社会でどのようなポジションを取るか」を主にしている。 受容的性格/権威...

各種の要素について

改めて注意点だが、今回は各人格障害そのものではなく、そのような性格的特徴、としておく。

サイコパス/ソシオパス

  • 継続的な反社会的行動
  • 衝動性
  • 利己主義
  • 無反省
  • 操作性(相手を)/偽り騙す行為
  • 共感性の欠如
  • 刺激を求める
  • 退屈しやすい

無反省については、サイコパスは脳的に「罰を理解しない」とは言われている。また道徳感情が無いともされる。

サイコパスの犯罪者は、罰を思わせる手がかりを示されても、そこから学んだり、それに合わせて行動を変えたりすることができなかったという。またサイコパスの脳は、共感や道徳的な思考、罪悪感や羞恥心に関係する部位の灰白質の体積が小さいことがわかった。さらに、報酬と罰を学ぶことに関係する前頭前野につながる白質の繊維にも異常が見つかった。
他方で、サイコパスではない犯罪者の脳は、犯罪歴のない健常者とほとんど同じ活動を見せていたという。

https://karapaia.com/archives/52184982.html

上記の「サイコパスでない犯罪者」もまた、ここでのサイコパスたちと同レベルの重傷害を犯した反社会性人格障害(ソシオパス)だが、このように脳の構造・反応は違っている。


ただし再三言っているように、今回は性格的特徴であり、ジェームズ・ファロンの三脚スツールに因めば反社会的なサイコパスは遺伝的・脳的な要素に幼少期の虐待(精神的なものを含める)が揃わなければ成立しない。生まれつきの要素が大きい。

サイコパスになる要素 ジェームズ・ファロンの三脚スツール
サイコパス特性を持つ者自体は多い。遺伝的な要因、脳的な要因も疑われている。 非犯罪的サイコパス、成功したサイコパス、向社会的サイコパスなどにカテゴライズされる者たちがいる。要は社会とある程度親和性があるサイコパス特性を持つ者。 ...

他方、遺伝的・脳的にサイコパスではないが、サイコパスと同様の性格となることはある。それが反社会性人格障害(ソシオパス)。

サイコパスは上記のように内面も研究されているが、ソシオパスは問題行動を評価対象とする。つまりは言動。なので反社会的サイコパスがソシオパスの診断をやったら大体引っかかるだろう。

逆に、向社会的サイコパス・ホワイトカラーサイコパスと呼ばれる「犯罪を犯さないサイコパス」は恐らく引っかからない。

以上からダークトライアド、ダークテトラッド、悪性自己愛の性格特徴の一部である「サイコパス」は、サイコパスじゃなくてソシオパスとするべきだと思う。

実際には「ソシオパスの最上位にサイコパスが分類される」とのことだが、意味的にサイコパスは2つに分かれてしまっている気がする。発達障害的な意味と、人格障害的な意味とで。

ともかく我々は、遺伝がどうこう内面がどうこうを気にする必要はないだろう。自他の言動に注意を払えばいい。

自己愛性人格障害/ナルシシズム

  • 誇大性
  • 自尊心
  • エゴイズム
  • 共感の欠如

自己愛性パーソナリティ障害(じこあいせいパーソナリティしょうがい、英: narcissistic personality disorder、NPD)は、ありのままの自分を愛することができず、自分は優れていて素晴らしく特別で偉大な存在でなければならないと思い込むパーソナリティ障害の一類型である[1]。

https://ja.wikipedia.org/wiki/自己愛性パーソナリティ障害

割と昔からやっかいさんで、研究も昔からある。結果分類が多すぎて、一度グレン・ギャバードによって「誇大型」「過敏型」に統一された。

2種類の自己愛 誇大型と過敏型
自己愛と言えば一般には性格が悪い、自分勝手な人間のようなイメージを持たれている。まぁ大体合ってるが、「別の自己愛」があり、こちらの方が日本人には多いとされている。「健全な自己愛」の存在まずはちょっと違う話を。オットー・カーンバーグに...

なお、「自己愛」という言葉自体にはいい意味も含まれる。オットー・カーンバーグの定義では、

  • 健全な大人の自己愛
  • 健全な子供の自己愛
  • 病的な自己愛

健全な方は、その年頃の大体の人間が自然に持っている程度。


ナルシシズムと自己愛性人格障害はほぼ同義で使われていたが、最近ではこの2つの区別をつけようとする向きもある。ちょうど自己愛性人格障害と悪性自己愛で語ったのと同じ構図。


基本的に劣等感を抱えており、この上で「自分がありのままでは愛されない」あるいは「自分はもっと評価されるべき」あるいはこの両方の念を持っている。結果誇大的、誇張的となる。

マキャベリズム

  • 対人操作
  • 搾取
  • 道徳観に対する冷笑的無視
  • 自己中心
  • 欺瞞

どんな手段や非道徳的な行為であっても、結果として国家の利益を増進させるのであれば許されるという考え方[1]。

https://ja.wikipedia.org/wiki/マキャヴェリズム

別に政治家でもCEOでもなくて個人がこれだからな。


職位の高さやキャリアによる満足度が高いとされる。つまりそれらに拘る。
マキャベリズムだけは別に人格障害などではない。まぁ、今のところは。


「冷笑」と言うと普段遣いならシニシズムだが、ここでの冷笑は「自分の利益にならなければ価値はない」みたいなな意味で、らしい。道徳観に対して。

これも非共感性や自己中心性がある。あるというか強い。目的を持った人間はこのような傾向が増す話もあるが、逆を言えば生来性格悪いやつが目的を持ったら酷いことになる。

サディズム

日常的なサディズムは、残酷さを楽しむことと定義され、一般的に最も追加される特性の1つである[94]。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ダークトライアド

最も邪悪なのはこれだろう。これだけは明確に「他者を傷つける」ことを目的として持つ。
巷ではラフにサドだのマゾだの言っちゃいるが、今回は人格障害の一つ。サディスティック人格障害。


サディズムは、感情的残酷さの行使、恐怖の活用を通しての他人に対する意図的な操作、暴力への没頭、をも意味しうる[4]。
ある種のサディスティックな人々が痛みや苦しみを他者に与えることで快楽を得るのではあるのだが、サディズムというものは必ずしも肉体的な攻撃や暴力の行使を必要としない。
よりしばしば、サディスティックな人々は攻撃的な社会的振る舞いを示し、他者に優越しているという感覚を成就させるために公衆の面前で彼らに恥をかかせるのを楽しむ[5] 。

https://ja.wikipedia.org/wiki/サディスティックパーソナリティ障害

「加虐性」と言ったほうが話は早いかもな。

どの道、他者への攻撃に「価値」を見出していることに変わりはない。「敵を倒す」ではなくて、「攻撃している自分を第三者に見せる」ような方向もありえる。この点、ナルシシズムも含んでいるように思える。


巷で「自己愛」と呼ばれている者の行いを見ると、サディスティック人格障害の方が正確ではないかと思える。というか重なっているんだろうか。

区分でいうとNPDはB群で、サドは特定不能になるんだが。例えば人前で好んで他者に説教を垂れる、というのは自己愛上司と呼ばれるモノからチンピラまで見られるが(オスに多いか)、これは自己愛とも取れるし、サドとも取れる。

このサディズムで、ダークトライアドの範疇すら超えた反社会的行動もありえるとされる。

サディスティック人格障害はテオドール・ミロンによると、4つのサブタイプが在る。

  • 激発型:失望や不満からくる突発的な暴力性
  • 暴君型:激発型にある程度似ているとされるが、より(サディストとして)整然とした行動であり、犠牲者を脅し、残忍に振る舞うことを好む。これは恐怖や脅迫を呼び起こすために意図的に行われる。
  • 強要型:権威的であり、実際に権威的な職務に就く者に見出しうる。自分が「罰を与える者」やそのポジションであると思っている。一見公正に振る舞うが、自分の加虐性に逆らえない。他者の支配、処罰に依って彼らは「満足し、力がみなぎる」とされている。
  • 惰弱型:小心な臆病者であり、「先制攻撃」をすることで敵を未然に防ごうとする。実際にはいきなり殴りかかってくる形になる。自分がされたくないことを他者に行っているとされる。つまり攻撃されたくないから攻撃する。

強要型と惰弱型はやたらと見かけるな。ちなみに惰弱は「だじゃく」である。じょうじゃくではない。


惰弱型は一番ザコに見えるかも知れないが、現代社会では最も危険かもしれない。なにせ「集中攻撃するためのスケープゴートを求める」とされており、これはどう見てもトロールによる荒らしやネットいじめと共通するからだ。

偽の自信や落ち着きによって公衆に対し注意をそらしたり印象付けることに寄与する。

https://ja.wikipedia.org/wiki/サディスティックパーソナリティ障害

公衆から注意をそらす必要が自分にある時点で、自分が何らかの「恥ずべき部分」を意識していることを物語る。それが大したこと無いのか、本当に恥ずかしいのか知らないが、スポットライト効果などの過剰な自己注目もあるだろう。

相対的に、誰も気にしてないのに自分だけ気にすることからの大暴れ、はあり得る。某事件で警察沙汰になった19人も、ほとんどが「普通に見えた」と言うし。精神病んでたのもいたけど。

この上で、総数としては1200人以上だからなアレ。割と惰弱型の攻撃衝動は、生まれやすい感情なのかもしれない。

内容そのものより、粘着質なのが最も危険な気もする。いや、最も危険なのは不特定多数の人間が一点に集中することか。示し合わせたわけでもあるまいにこうなるとは、日頃の言動や行動範囲がかなり共通しているのか。


最近の研究では、荒らしと認定された人はダークトライアドの性格的特徴を持つ傾向があり、サディズム、反社会的行動、サイコパス、マキャヴェリズムの兆候を示すことがわかっている[73][74][75] 。
2013年の事例研究では、反社会的な活動と炎上した荒らしの間には多くの類似点があることが示唆され、2014年の調査では、荒らしは日常的なサディズムのインターネット上での症状であることが示されている。
どちらの研究も、この荒らしが思春期と大人のいじめにつながっている可能性を示唆している。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ダークトライアド

荒らし認定済みの者はダークトライアドに加えてサディズムの徴候が示されている。つまりここで言うダークテトラッド。

荒らしやネットいじめなどのいわゆる「トロール行為」が「日常的なサディズムの症状」とされている。

荒らし・インターネットトロールについて:ダークトライアド 
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誹謗中傷について
・誹謗とは謗ること。悪口とかだね。 中傷とは根も葉もない事を言うこと。根拠のないことや嘘。 誹謗中傷による事件は昔からある ・最近、誹謗中傷による自殺者が出た。だから今関心を集めている所はある。 ただ、昔からこの手の...

ちなみに警察沙汰になった某タレント誹謗中傷事件の攻撃者の人数が、1200人以上とされている(全員特定されている)。恐らく当人たちは、「このくらいは問題ないだろう」とか思ってるのではないか。まぁその時点で間違ってたり、エスカレートしたりもあり得る。

攻撃性

サディスティック人格障害とも通じるが。

攻撃性の原因、つまり攻撃の動機は3つ考えられている。

内的衝動説:本能の表面化。
情動発散説:八つ当たりとか。欲求不満やストレスが原因。
社会的機能説:社会的葛藤の解決のために攻撃行動が「機能」しているとする。強制、制裁、防衛、威嚇。

社会的機能説で説明できる現象が一番良く見かけるか。懲罰的超自我の時にも思ったんだが、どうも人間の悪や病は「理性や道徳」が原因である場合がそこそこあるな。

戦争も国の都合ではなく「民衆の賛同」という視点で見れば、それが得られるのは理性や道徳だろ。だからナイラ証言なんていうとんでもないヤラセまでして「民衆の賛同を得て」、狙い通りにアメリカが参戦したわけでさ。

我々はアメリカ国民に対して世論を形成すべく虚偽の情報を垂れ流した。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ナイラ証言

昔見かけた悪人度チェックで正義感は「悪の要素」としてあったな。正義とは他者を「悪」と言う形で「攻撃しても良い」とみなすことだ。普通は「嫌って」「避ける」からな。攻撃のために粘着なんてしない。
特にそのような「見張る」傾向がかなり強い人間はいるな。事件を起こした者たちも、ほぼライフワークのようにターゲットを見張っていることが多い。


「正義感が強すぎる子供がいじめを行う」話はチラホラある。攻撃の動機に道徳・正義があるかはあんまり関係ない。攻撃性の問題。

この攻撃性を制御できないなら、正義感が強いのではなく、ただのサディスティック人格障害だな。強要型だね。

これらは恐らく誰にでもあり、だからこそ「同族嫌悪」を呼び起こすだろう。その中でも特に傾向が強い者への風当たりは多分強い。


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