心理・認知・感情・精神

スケープゴート:アダルトチルドレン

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つまるところ今回の話は、「誰か」が自分が背負うべき「何か」から逃げている。そのためにスケープゴートが設定される。

・アダルトチルドレンは機能不全家族であることが多いが、スケープゴートは特に機能不全家族の問題が大きく出る。

単純に攻撃者、つまり「生贄にする奴ら」が話に出てくるからだ。

当事者と同じかそれ以上に周囲が病んでいることもある。
いや、「普通」かもな? ロクでもない意味でな。

2つ意識してもらいたい。
①当人のスケープゴート行動
②周囲のスケープゴート扱い

アダルトチルドレンの話としては、①になる。だが環境要因として②はスルーできない。

スケープゴート

・アダルトチルドレンの概念の中でのスケープゴートの話ももちろんするが、その前に「スケープゴート」という概念は各種の差別やイジメにまつわる心理の切り口として研究されていることも説明しておきたい。

スケープゴートの元の意味

・アダルトチルドレンと無関係に、割と心理学で研究されている心理。ホロコーストから虐待やイジメにまで関わる心理ともされる。

シンプルに説明するなら、
①ある集団に属する人が
②その集団の正当性と力を維持するために
③特定の人を悪者に仕立て上げて攻撃する

という「現象」を指す。つまるところ自然発生する余地がある。狙って行う異常者ももちろんいるし、天然でやらかした者にしたって罪は認めないだろうが。

・言葉としてのスケープゴート(scapegoat)は『贖罪(あるいは生贄)の山羊』を指す。

古代ユダヤでは年に一度、ユダヤ人の罪業を山羊に身代わりさせ、荒野に放った。

この故事から転じて、個人あるいは集団の不安/不満/罪の意識などあらゆるネガティブなものを、報復や反撃の可能性の少ない者に転嫁し、非難と攻撃のターゲットとして血祭りにあげることを指す。

コトバンクの該当項目にはばっちり「血祭り」って書いてあるな。まぁそう言うレベルだね。対象は偏見や差別によって選別されやすく、言語的、精神的、身体的攻撃を受ける。

・興味深いことに、ターゲットは暴力を体現(発動)するものとして恐れられるともされている。支配者や権力者が民衆をそのように誘導するともされている。

要するにこれは、攻撃者が元からあった恐怖や不安を(対象へ)投影している。だからターゲットにも恐怖を覚える。
恐怖の二次感情として生じる怒りや攻撃性を遺憾なく発揮できる「無抵抗な者」が選ばれやすいのは道理だろう。

心理学で投影と言えばカール・グスタフ・ユングだが、実際にスケープゴートにまつわる論文では、彼の提唱した「影」の概念と共に名前が出てくることもある。今回は割愛するが。

・権威に対してマゾで、弱者に対してサド。フロムやアドルノによれば、大衆の大半は元からこういった人間だ。このためか、現代でもスケープゴートは大衆操作の手法として重要度が高いともされる。

スケープゴートの攻撃者の分類

・このような社会的心理としてのスケープゴートの攻撃者の分類は3つ。
①強迫型。他者に脅かされているという被害妄想に駆られて、その相手をスケープゴートにする。
②同調型。少数派への差別や不寛容という社会慣習に追従する。
③打算型。煽動家を典型とする。権力の獲得や維持の手段として用いられ、自分への非難をそらす、自分に都合の悪い存在への攻撃、自分への批判/憎悪/反感を転嫁ために誘導するなどの打算を目的とする。

SNSでクソみてぇなことやってる奴らは全部に当てはまるな。③は政治家もやるね。「カリスマ」とか「インフルエンサー」と呼ばれる(名乗ってるだけかも知れんが)者の中にもこういうのがいる。

まぁ単に素行の話だからね。見りゃわかるでしょう。

・ちなみに scapegoater で身代わりをさせる者、 scapegoating で責任転嫁を指す。


・つまるところ今回の話は、「誰か」が自分が背負うべき「何か」から逃げている。そのためにスケープゴートが設定される。

アダルトチルドレンのスケープゴート

・アダルトチルドレンのスケープゴートは、「悪役」ともされることがある。その名の通りに非行に走ったり家庭内暴力だったりのパターンもある。

反対に、暴力性は伴わない場合もある。この場合でも殆どが家族から嫌われるか、問題視されている。

アダルトチルドレンは機能不全家族の中で特定の役割を求められてきた/演じてきた者とされる。スケープゴートの場合は特に「そう扱われてきた」というのもありえるだろう。

・クリッツバーグの定義によれば、「家族の感情のゴミ箱」とされる。憎まれ役、嫌われ役。これにより「この子さえ居なければ問題はないのに」という機能不全家族の偽の原因であり続ける。

2つに大きく分けられる。両方のこともあるが。

①いわゆる不良やチンピラのような、実際に嫌われ者/問題児/厄介者のタイプ。

②「家族内イジメ」の被害者であるタイプ。本当の意味で生贄。

・問題は2つある。当人がそのような問題行動を無意識的に取ることと、周囲がそのように扱うこと。

自ら生贄になるパターンもあるんだが、周囲(家族)がそのように扱う「家族内イジメ」もある。讒言や差別などで一方的にスケープゴートにすることは可能であり、それが集団的に行われた代表例がナチスドイツによるホロコーストだとされている。

あるいは家族が生贄を求めているから、自らが進んでなるか。空気読みすぎるからね。

アダルトチルドレンの種類

・主に機能不全家族で育った過去を持ち大人になった者を指すアダルトチルドレンは、定義にもよるがいくつかの種類に分けられる。

診断したがる人もいるし、それも悪かないが、アダルトチルドレンは「自覚用語」なので、中身を見て自分で考えてみるのもいいんじゃないか。

・クリッツバーグによる6タイプと、ASKによる5タイプの内の一つにスケープゴートはある。ほとんど重複してるのでクリッツバーグだけ覚えればいい。

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  • ヒーロー
  • スケープゴート
  • ロストワン
  • クラウン
  • プラケーター
  • イネイブラー

ASKではプラケーターとイネイブラー(どちらも他人の世話を焼きすぎる)は「ケアテイカー」という名でまとめられている。

・クラウディア・ブラックは、4つに分けた。

  • 責任を背負い込む者
  • 順応者
  • なだめ役
  • 行動化する子供

この内スケープゴートは「行動化する子供」に入ると考えられる。行動化は心理学用語で、意識したくないことを意識しそうな時に回避しようとする防衛反応を指す。後述。

動機次第では「責任を背負い込む者」にも入るだろう。

不登校とスケープゴート

・登校拒否/不登校などもスケープゴートや行動化に入ることがある。もちろん全てではないが。

これは子供に問題があるとされやすく、家庭の話ではないと思われがちだが、案外自分でもはっきりした理由がわからず「学校に行きたくない理由」を詰問されてから捻り出すパターンもある。

・家族はこれで自分たちの問題から目をそらせるため、喜んで問題視する。

中にはイネイブラーのように、表面上は解決を志しているがその実悪化させるようなことばかりやる家族もいるかもしれない。

イネイブラーもアダルトチルドレンのタイプの一つだが、アダルトチルドレンの親がアダルトチルドレンというパターンは多い。親子で同じになることもあるが、対になる形も多い。

・当人からすればそれまでの不穏な空気がなくなり、家族がひとまとまりになるため、問題視されることはよろしいことだと無意識的に捉える。気にしてもらえるしな。

これはオペラント条件づけで言うところの強化として機能するだろう。

生贄と言うよりは殉教に見えるが。

・このシナリオの場合、きっかけはもはやどうでも良く、それを継続させる家族が現状の問題であり、やはり家族の病だろう。

特に統合失調症で多い話だが、家族が隠そうとして医者に見せることを嫌がるのは(時には当人が望んでも邪魔をする)、心当たりがあるからか、便利だからではないのか。「世間様」に明るみになって困るのは、患者の存在なのか、その原因として疑われることか。

スケープゴートになりやすい人

機能不全家族

・スケープゴートは「家族の問題を行動化する」とも言われている。ジレンマ(心理的葛藤)が言葉によらずに行動に現れることを指す。非行とか自傷とか。

行動化は基本的には個人の内部的葛藤が行動に現れることを指し、家族の問題が自身の行動化として現れる時点でかなり個が薄い。

家族としてまとまってはいるが、個人の線引が機能していないものは纏綿(てんめん)状態と呼ばれる。これも機能不全家族の一種。家族間で自他の区別がついていない。

簡単に言えば「自分の最小単位」が自分ではなくて家族。だから家族に居場所がないと存在価値はないと思いがちになるし、家族の問題は自分の問題のように同一視する

空気が悪くなることを極度に恐れて道化を演じるのはクラウンだが、家族の問題を行動化するスケープゴートも似ていると思える。

家族の問題が表面化しようとしたタイミングで問題を起こしていないか。

・機能不全家族の特徴として「家族の問題を口にできない/公然の秘密がある」。家族自体が発生源はありうるし、そこから目をそらすことにスケープゴートは一役買う。

あるいは既に精神的、言語的、人権的、肉体的に虐待されており、その合理化(つじつま合わせ)に「お前が悪いからだ」と洗脳されることもあるだろう。

・自分から生贄になるタイプは、自他境界線が曖昧で家族の問題を自分のせいだとしやすい。つまり家族に対して勝手に罪悪感を持つ事が多い。このため罰を求めることもある。後述するが無意識レベルのそのような心理はある。

反射的に自分のせいだ、と思いやすいタイプ。まぁなんでそんな性格になったのかって考えれば、家族はやっぱり怪しいが。

・纏綿状態の反対の遊離状態は家族としてのまとまりが見られないことを指すが、これは全員がバラバラなこともあれば、今回のように特定の誰かを「除け者」にしてそれ以外は密着している状態もある。

家族の遊離状態は子供が不安に感じるため、特に不登校の原因とされる。


・スケープゴートにされやすい人の話としては、
①「スケープゴートを求めている人間」が家族に居る
②当人は大人しい性格

この条件を満たせばリスクはある。なんてことはない、イジメと同じ。

攻撃的/競争的な兄弟姉妹がいる

・アダルトチルドレンといえば親子間が強調されやすいが、スケープゴートに関しては兄弟姉妹で誰かを「生贄」にしようとする者の話が割とある。

讒言、つまり他者を陥れるための嘘を目上(今回は親)に広めて評判を落とす、捏造ゴシップの槍玉に上げるなど。特に妹が姉を敵視して有る事無い事言いふらすという話はうんざりするほど聞いた。まぁ弟がってのもあるだろう。

逆パターンは余り見ない。歯牙に掛けてない感じ。むしろ弟/妹が攻撃的でうざいって話の方が悩みとしては多い。

親戚間でもあることないこと言う輩の話は多く(こっちも大体ババアだが。ジジイは大体イキる)、スケープゴートは「家族」の範疇に収まらないかもしれない。赤の他人として法的に制裁を加えてやったらどうか。

・このような「加害者」は、その場にいないロストワンもスケープゴートとして活用する。その場に居ないから被害者は弁解の余地どころか悪評を流されてることに気づいていないこともある。

閉鎖的で権威的/独裁的な親

・後サディストと過干渉。

・優秀だとスケープゴートにされるって話をいくらか見かけたが、まぁありえる。

独裁者は賢い人間を嫌うんだよ。賢いやつ相手だと自分のオツムの程度がばれたり、嘘に気づかれたりするから。自己愛性人格障害とかがわかり易い例だが、「威張れる相手以外は怖い」ってタイプの人間不信はいる。威張れる相手は逃げられない相手ばかりなので、見捨てられ不安の一種だね。

古今東西、本を焼き、学者を殺した連中はいくらかいるだろう。つまるところこの手の類の人間は愚民化政策がしたい。

・子供が小難しい本を読んでいると嫌がる親、というのは事実としている。追い抜かれる焦りや不安。自分の知らない知識を習得されることへの恐れ。そればかりでもないが。

反抗期で子供の心理が取り沙汰されることは多いが、その反対となる子離れ(子供が子供じゃなくなることを含める)に抵抗する親の心理というのもある。交流分析の禁止令で「大人になるな」があるしな。

・単に家族から浮いている場合もある。発達障害一家なんてのは普通に存在するし、そこに定型(発達障害じゃない人)が生まれたらその時点で条件は満たす。まっとうなことを言っても数で負ける。

あるいはカルト信仰の家に生まれて本人だけ正気の場合でもそうだ。これで虐待されるパターンは何度か聞いたことがある。


・ちなみに Dan Neuharth による「健全でない親」の8つの兆候が以下。

  • 条件付きの愛情
  • 非尊重
  • 発言の抑圧
  • 感情の強制
  • 嘲笑
  • 過大なしつけ
  • 内面の否定
  • 社会に対する機能不全、または社会からの孤立

いわゆる毒親。まぁ自尊感情が毛ほども育たんなこれは。

毒親って言葉もぽんぽん使われて反感買われて久しいわけだが、案の定対抗としてか親ガチャならぬ「子ガチャ」にハズれたとかのたまう輩も出てきてるわけで同レベル。

まぁガチでハズれな親も子もいるし、ハズれだと言ってる側がクズのことも割りとあるし。
個人的には儒教的クソである「父母を無条件に敬え」的なクソミームの破壊になればなんでもいいんじゃない。

スケープゴートの心理

アクティングアウト

・クラウディア・ブラックのアダルトチルドレンの分類にアクティングアウトがある。

「行動化」と訳される心理学用語。防衛機制(心の防御反応)と扱われることもあるし、ジレンマ(心理的葛藤)が言葉によらずに行動に現れるともされる(葛藤の外在化)。

要するに「本当の問題」から目をそらそうとした結果、何らかの衝動・欲求・感情・葛藤が行動に出ること。行動内容としては家出、盗み、暴行、非行の各種や自殺未遂などもある。いじめる側の心理でもあるね。

・スケープゴートにはイジメ被害者みたいなタイプもあるが、「悪役」と言われるくらいには悪い行動を取る者もいる。盗んだバイクで走り出す系の何がしたいのか自分でもよくわかってないような行動。

不登校もこのような原因のことがあるとされるため、ロストワンもアクティングアウトと言えるものがあるかもしれない。

いくらかは当人の行動化が、周囲の人間にスケープゴートとして「再利用」されている可能性はあるだろう。ゴシップ好きな人間の心理だね。

・一方で攻撃性が自身に向くこともある。懲罰的超自我とか。後述。

自他境界と感情の巻き込まれ

・自他境界は自分と他者との境界線。これがしっかりしてないと、自分の常識は世界の常識(自分の領域を他者にまで広げる)というクズや、他人の責任を自分のものとして引き受けてしまう(他人の領域を自分にまで広げる)避雷針みたいな人間になる。スケープゴートはどう考えても後者だろう。

・自他境界は「自分の輪郭」だ。これが「家族」にまで広がっており、なおかつ問題があるから、自分の問題だと思う。事実まるで罪滅ぼしであるかのように、罰せられたい心理も働く。

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・自他境界が弱いと、感情の巻き込まれが多くなる。一種の共感であり、他人の感情に振り回される。

情緒的巻き込まれとも呼ばれ、「心理的に自他の境界が曖昧な状態と関連した、不安定な心配し過ぎの関わり」と定義される。他人の反応に過敏になり、容易に動揺する。

この時、自他の区別が曖昧なため自分の問題(じぶんのせい)と捉えやすい。そこから逃れようとする。

ここからアダルトチルドレンで言われる咄嗟に無意味な嘘をつく、いらぬおせっかいなどの反射的な行動にも繋がる。
クラウンやケアテイカー系が該当するが、スケープゴートも「つい嫌われるようなことをしてしまう」のなら、これに近いかもしれない。

自己否定と確認行為

・「そういう役割」を担ってきたため、自分が悪い、自分はだめだ、という念はやはり強い。

・自罰感情というか、ある意味歪んだ「虐待慣れ」みたいな状態も示唆されている。

今回の場合、恐ろしいことに、「不幸じゃないと落ち着かない」「いじめられている時に存在意義を感じる」などは心理としてはあるとされる。

アイデンティティや世界観/人生観がかなり歪んでいる。人間ここまでになることは割とある。

イジメ単品でこのような話はあるな。それが自分の「居場所」と「役割」だと認識している子供。

・交流分析のゲームでも「キックミー(私を蹴って)」と呼ばれる、挑発的に振る舞い嫌われる交流を仕掛ける存在は示唆されている。

これの目的が、「やっぱり自分は嫌われ者なんだ」みたいなラケット感情(偽物の感情)を得ることだとされている。自分で喧嘩売っといて。

またこのような強制的に巻き込むゲームそのものがストロークを得る(要するにかまってもらえる)ことに繋がるため、癖になりやすい。

・客観的に見れば自罰的だが、恐らく当人的には嫌な意味で「生きている実感」を感じているかも知れない。

これも、自分が問題を起こして嫌われていれば家族がひとまとまりになり、構ってもらえて、居場所が確固たるものになるというスケープゴートに近い話。

懲罰的超自我と自己犠牲/自罰

・そういった下心があればまだ自分があると言えるかもしれないが、家族イジメで「自分が悪い」と洗脳状態にでもされてるようなタイプだと自罰感情にまで行くこともある。

これに関しての心理は、奇しくもアダルトチルドレンを日本に広めた齋藤学氏が「懲罰的超自我」として語っている。

・超自我はフロイトの用語で、理性的道徳的な無意識を指し、元から自分を責めるような面がある。誰でも持っているとされる。

これが「自分が悪い」と判断して罰しようとしている状態。当人に破滅的な行動を取らせるため、一種の行動化に繋がる。

・例が一つ挙げられている。斎藤氏が弁護士に依頼されて意見書を書いた時の話。

被告は万引きで捕まっている。その前から夫からの叱責や批判が絶えずあった。幼少期も暴力があり得る家庭で育っている。自分の夫へもある種の恐怖感があったらしい。そのせいか当人は小心で、夫へ言いたいこともあったが言えないでいた。

被告の万引きは懲罰的超自我が由来の行動であり、まず根拠のない罪の意識があり、次にそれにふさわしい恥や屈辱を自分に与えるために犯罪を犯すとしている。そこまでが目的なので、このタイプは容易に捕まるとも。

個人的にはこの例もスケープゴートだと考える。その果てか。

・ちなみに懲罰的超自我の対存在は自我理想とされている。
簡単に言えば「あるべき姿」と「ありたい姿」の対比。自我理想が育てば、超自我に代わり個人の規範となるとされる。

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本当は自分のせいじゃないことを知っている

・自責の念により心から自分のせいだと思いこんでいることもあるが、そうでもないこともある。彼らの問題は「つい自分のせいとして引き受けてしまう」ことになる。

・アダルトチルドレン全体に言えるが、殆どが「咄嗟にそうしてしまう」という条件反射レベルでリアクションをしてしまう。

今回で言えば、まず真っ先に自分のせいだと思ってそれを認めても、そうでもねーなと後で気づくことはあるだろう。むしろ「そうだ、お前のせいだ」と言ってる奴がどう考えても犯人だよねみたいなこともあるだろう。

ただ、これまたアダルトチルドレン全般に言えるんだが、「空気」を優先するため一度丸く収まったことを蒸し返すことができない。自己主張が出来ない。どうも想定しているものが「自分」VS「それ以外の人間全部」みたいな感じがする。

スケープゴートは自分が騒ぎを起こしてるようなのもあるわけだが、自分が悪者になることでそれ以外が丸く収まっているため、それを覆そうとはしない。そのラケット感情の塊みたいな偽の空気に抵抗できない。

こうしてみるとクラウンよりも遥かに空気のために自己犠牲的である。

・そんなこんなで潜在的には人間嫌いも多い。まぁ今回の話で「人間」が好きになれる要素ねーからな。

スケープゴートから抜け出すには

・家族を捨てたという話が多い。はっきり言ってしまえば、ロクでもない人間は大体性格が治らない。自分以外の誰かに責任転嫁して自分は今のままで居続けることの方が圧倒的に多い。人に媚びる時だけ態度が変わるタイプも居るけど。

むしろその関係が続くのは被害者側が加害者側へ未練があるような状態が多い。丁度DV男と共依存女のような。

案外、家族や親戚と縁を切ったという話は見かける。葬式にもいかない、こさせないとかね。

スケープゴートがいなくなると

・これはアダルトチルドレンでもそうじゃない方のスケープゴートでもそうだが、知ってる限り大体2パターンの結末になる。

①集団が崩壊する
②次の犠牲者が内部から選ばれて集団が維持される

ターゲットが補充される話は職場以外では聞かない。集団が元からかなり閉鎖的なのだと思われる。


・②はあれだな。ニワトリの話思い出すな。人に聞いたのだが、オリジナルなのかその分野の逸話なのかはわからない。

狭いかごに四匹の鶏がいる。狭いのでストレスが溜まる。

一番強いニワトリは、二番目のニワトリをイジメだした。二番目は三番目を、三番目は四番目を。四番目はイジメる相手が居ないのでじっと耐えている。

そのうちストレスで四番目は死んだ。かごはまだ狭い。

一番強いニワトリは、二番目のニワトリをイジメだした。二番目は三番目を、三番目はイジメる相手が居ないのでじっと耐えている。

そのうちストレスで三番目は死んだ。かごはまだ狭い。

一番強いニワトリは、二番目のニワトリをイジメだした。二番目はイジメる相手が居ないのでじっと耐えている。

そのうちストレスで二番目は死んだ。かごはまだ狭い。

一番強いニワトリはイジメる相手が居ないのでじっと耐えている。

そのうちストレスで一番目は死んだ。

ちょっとマザーグースっぽくしてみた。オリジナル知ってる人いたら教えて。

なんてことはない、根本的な問題である「このカゴは一匹でも狭い」ということに気づかないとそのうちこうなる。権力者が偽物の悪役を仕立てるのはこういったことに気づかせない意図もある。

四匹でなら、カゴから出られたかもな?

メモ

・今回の話は家族心理学や交流分析で扱われる「人間関係の病」に近い。一種の汚ねぇ生態系というか。

このため交流分析(元からアダルトチルドレンとかなり親和性が高い)における禁止令やラケット感情、『ゲーム』などで見ると結構興味深い。特に『ゲーム』は他者を巻き込むことが前提になってる。

問題行動(=相手をせざるをえない行為)を行い、強制的に自分に構わせる(これをゲームと呼ぶ)というスケープゴートもいるだろう。

また積極的なスケープゴートへの攻撃行為自体も『ゲーム』であり、その報酬としてラケット感情(偽物の感情)を手にする。「問題はこれだ。これだけだ」。

ちなみにフロイトの定義だと、代償行為によって得られる満足はカタルシスと呼ぶ。

・不登校ややばいレベルで勉強できない子供、っていうのは居るところには居るもんだが、「同レベルの別の問題」が複数家庭に存在していることは、まぁいくつか見たことがある。

そしてこの場合、殆どの親が、「子どもの問題」だけを問題視して、他の問題には一切目を向けてない。

子供は子供の都合で問題を抱えているのかもしれない。家族がクソでも、別の問題がないとは限らない。その可能性はある。ただし、周りがそれを理由にタダ乗りするせいで治るもんが治らねぇってのは多分ある。

昔から言われてるが、「子供が治ることを望まない親」がいる。この上で診察などは熱心に受けさせる。代理ミュンヒハウゼン症候群が代表的だが、そのような「活動」自体が目的になっているような。

長女とスケープゴート

・なんかそんな話もあるようだが。前述の人格障害みたいな兄弟姉妹がいればまぁ誰だってそうなる余地はある。

加えて、母親と娘と言うのは割と問題が多い。かと思えばベタベタなのもいるし、距離感が難しいようだ。

・童話に出てくる「意地悪な継母」は大体オリジナルだと実母だって話があるな。白雪姫を殺そうとしたのも実母だし、ヘンゼルとグレーテルを捨てようとしたのも実母だそうな。

・「白雪姫コンプレックス」という症状がある。簡単に言えば「自分より幸せになるのは許せない」という母親から娘への敵意。

例えば100点のテストを母親に見せたら「自慢したいの? 私をバカにしてるの?」と返すなど。なんてことはない嫉妬である。

で、これが他人だったらイジメを始める奴はそこら中にいる。それを娘相手にやるような親は、まぁいないとは言えないのが現実だ。

・交流分析の禁止令で「幸せになるな」「成功するな」ってのがあるが、まぁこういう親が居たら出来上がるわな。

逆を言えば幸せになること、成功することで最高の嫌がらせをしてやれる。マトモな親相手ならこれは親孝行ですね。

・厳密には白雪姫コンプレックスは、被虐待児が虐待親になること全般を指す(被虐待児症候群)。

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