25分集中 5分休憩:ポモドーロ・テクニック

ポモドーロ・テクニックの概要

・開発者、起業家、作家であるフランチェスコ・シリロに依って発明されたとされる。

25分集中、5分休憩、これを繰り返す。

・彼は大学生活の中で、自分の集中力やモチベーションの低さを感じていた。「短い時間、本当に身を入れて勉強できることができるか」と試したことがきっかけだとされている。最初は2分だったそうだ。

これがうまく集中できたので色々試したところ、25分作業、5分休憩という形に落ち着いた。

この時使ったタイマーがトマト型で、イタリア語ではトマトをポモドーロと呼ぶのがこのテクニックの名前の由来。発明者は今でもキッチンタイマーを使っているらしい。「今から仕事をするのだ」という気持ちに切り替わるんだとか。

・本人のポモドーロ・テクニックについてのサイト(英語)
https://francescocirillo.com/pages/pomodoro-technique

・開発者による著書。

・発明者本人が公開している手順としては、

    1. 実行するタスクを選ぶ
    2. タイマーを25分に設定
    3. アラームが鳴るまでタスクを行う
    4. タイマーが鳴ったら作業を終了する(たとえ途中でも、あとちょっとで終わるとしても)
    5. 5分の休憩。作業と全く関係ないことをして過ごして脳を休ませる。
    6. 以上を2~4回繰り返したら長めの休憩(20~30分)を取る。こちらも脳を休ませる。

他にも「今日やることシート」にチェックを入れて業務改善に活かすんだが、今の所はカット。全体を見直す時間は必要だとは思うが。

・小道具としてタイマー/アラームを使う。これは必須と思っていい。

アラームが鳴るまで「時間を忘れて集中できる」という状態を作る。依ってタイマーを使わずチラチラ時計見ているようじゃ意味がない。

・いくらかはテクニックではなく、トレーニングの属性がある。

脳を短時間に集中させる訓練にもなり、続けていけば、注意力や集中力も強化されます。

https://www.lifehacker.jp/2014/07/140714pomodoro.html

集中できない理由の1つとして、他の何かが気になるからという理由は多い。漠然とした不安や焦燥。

例えば今やってることの次にやることを気にしている、今これをやっている間に何か忘れてはいないかと気にしているなど。

これらに対して何をどれだけやるかを決め、その間は他を気にしないという認知的な訓練にもなる。

・ライフハック、特にポモドーロ・テクニックはカスタムというか魔改造と言うかが活発であり、紹介しているサイトで細部が違うことが多い。集中時間や休憩の内容など。

ポモに求めることも、止まらずに動き続けること、ゾーン/フロー状態に入ること、一日中集中して効率的な作業を行うことなど様々だ。

別にそこは構わないのだが、だからこそ自分に合ったものを選ばなくてはならない。


・オリジナルでは25分間が最小単位であり、邪魔が入らないようにするべきとされる。無理ならポモドーロを中断し、急用に対応してから改めて始めること。話しかけられたりしたら、基本はその場でメモを取り、後で対処とすることが推奨されている。

同様に集中できなかったら「失敗」として改めてスタート。

むしろアイデアが湧いたりの方がよく邪魔になる。これもtodoやメモにさっと書いてターゲットに意識を戻すべきだろう。

ポモドーロ・テクニックの原則

1. 時間に沿って働け。時間と戦うな
時間を敵対視している人は少なくありません。仕事を〆切までに終わらせるために、時計と争ってしまうのです。ポモドーロテクニックは、時間と戦うのではなく、時間に沿って働くことを勧めています。

2. バーンアウトを避けよ
短い休憩を定期的に挟むことで、ハードに働き過ぎたときに感じる「煙を出しながら走っている」感覚がなくなります。このシステムを守っている限り、働き過ぎることはありません。

3. 雑念を管理せよ
電話、メール、Facebookのメッセージ、車のオイル交換をとつぜん思い出すなど、私たちの集中力を削ぐものは、急に訪れます。しかも、それらの雑念は待ってくれないことがほとんど。ポモドーロテクニックは、雑念を記録に残し、後々の優先順位を付けるのに役立ちます。

4. よりよいワークライフバランスを
先延ばしの罪悪感とあまりにも親密になっている人が多いのではないでしょうか。仕事を生産的にこなせなかった日は、自由な時間を楽しみきれません。ポモドーロを習得すれば、効率的なスケジュール管理ができるようになります。優先順位の高いものから順に仕事を片付け、自由時間も楽しむことができるのです。

https://www.lifehacker.jp/2015/11/151111how_work_16hours.html

1は時間不安について。多分意味わからないからスルーしたと思うが、ここは結構重要である。集中のためには、時間を意識するよりは、時間を忘れたほうが良い。

2は集中によるオーバーワーク。これは短期的に見れば結構だが、一度火が落ちると次にやる気を出すのが難しくなるという欠点がある。長期的に見るとマイナス。

3はポモドーロ・テクニックの中で語られることがあまりないが、やってることと無関係なことが思い浮かんだらメモに書いて忘れること(アイデアの価値は関係ない)。「書くことで頭の中から追い出す」という概念は他のライフハックにも見られる。これで頭の中の反芻を止める。

付け加えると、他のことをやりたい欲求に対して単純に「我慢する」のはコスパ悪い。気になった時点で反芻は始まり、それを意識的に無視することは意識リソースを無駄食いする。

何かやりたいと思ったらメモだけ取ってタスクに戻る。休憩時に見返して、やりたきゃやりゃいいし、どうでもいいなら消す。

4はなんすかね。布教っすかね。1とも繋がるが、一日中ずっと時間不安を抱えて慌ただしく動いていて何か終わらせた気がしない、というのはあるかもしれない。集中する対象、集中する時間、休憩する時間、きっちりと分けることでそれは和らぐだろう。

外的中断と内的中断

・中断する要因が外的か内的か。

例えば電話がかかってくるなどは外的中断だが、頭の中で別のことが気になってくるなどの内的中断をシリロは警戒した。要は雑念。こちらの方が頻繁で、害も大きいと。
内的中断には、

  • 他のことをやりたくなる
  • 急用を思い出す
  • 何かが気になる

等がある。言葉通り心の中に何かしら発生し、集中を妨げること。

これによる中断もオリジナルではリセット案件となる。
つまり、「集中できていない」状態を「失敗」だと判定する。

・オリジナルでは内的中断が起きることを、目標設定の不適切さによるものと判断する。比較的重要ではない、このタスクより他に優先するべきこと、気になることがある状態だと。タスクや環境を見直すべき場面。個人的にこの点は疑問があるが。

ともかくこれは、無理に集中しようとはしていないことになる。

「無理をして机に齧りつく」
「欲求を我慢しながら無理やり意識を作業に向ける」

というような根性論ではなく、自然に集中できる環境構築もある程度意識しているといえるだろう。

その分、集中できないのはどこかに無理があるからだとし、計画や目標設定などの「何をやるか」の精度を重視している。

・あまり内的中断に対して過敏になるのもよくないと思うが。いろいろ調べてるから知ってるが、人間はものすごく平常心を失いやすい。

ある研究ではメールの返信をするだけで心拍数が上がっていたくらいだ。リセットは「気が散ってしょうがない」というレベルの場合に限ったほうが良いだろう。

ポモドーロ・テクニックで疲れる

ポモドーロ・テクニックで疲れることと、自分とポモドーロ・テクニックの合う合わないについての考察
ポモドーロ・テクニックで疲れるのは何故かポモドーロ・テクニックのルーツから考えてみよう。ポモドーロ・テクニックの誕生は30年以上前の1987年に遡る。シリロは当時、大学生。家族との休暇先である、ローマ北方のストリと...

・ポモドーロ・テクニックは疲れるって意見が結構ある。

体感的な話に限れば、集中していると「疲れを感じなくなる」というのがまずある。そのまま没頭すればこれは都合がいいが、やりすぎの原因でもある。

これが25分で中断されるため、疲れが認識されやすい。また不完全燃焼の感は、慣れるまではあるだろう。ポモは「テクニック」と呼ばれてはいるが、人によっては「慣れる」必要がある。

休憩で補う

集中してるんだからそりゃ疲れる。密度の濃い時間を過ごしているのだから普段より疲れる。

ポモドーロ・テクニックはどうやら「いつまでもできる疲れない集中法」みたいな紹介のされ方が多いようだ。

しかし前述の通り、オリジナルが開発された経緯は「本気で勉強に取り込めるか」というものだった。本気出せばまぁ、疲れるさ。

ここは織り込むべきだろう。その分、休憩の面でケアするべきだ。

・今回考えられる疲労は2種類ある。

1つは気疲れ。飽きも含める心理的なもの。

もう1つは同じ姿勢でいる事による肉体的な疲労。「姿勢ごときで」と軽視されがち故に放置されやすい。

・集中特有の問題ってのはある。よくあるのが妙な力みや同じ姿勢が続くことによる疲労。

特に目が疲れやすい。自然体だと目線は結構動いているのだが、集中状態だと視野は限定され、一点を凝視することも少なくない。
この一部分だけを酷使した疲れが、そうだと感じられずに全体的な疲労だと感じられることはある。

単純に、椅子や机の高さが自分に合ってない可能性もある。

後は勘違いされがちだが、座ってただけでも疲れる。というか何したって疲れる。何もしなくても疲れる。

「身体は座ってただけなのにこんなに疲れるのはおかしい」と言う認識のほうがおかしいという話。休憩のたびにストレッチなり伸びくらいはしたほうが良いだろう。血の巡りは気にしたほうがいいね。

・休憩が下手な可能性もある。ともかく作業とは別のことをやって、脳の違う部分を使うことで作業に使った部分は休ませたほうがいいだろう。

休憩と言っても「疲れを取る」と言う考えより、気晴らしだと思ったほうがいい。少なくとも5分の方は。

人間が感じる精神的疲労は脳の「退屈」を指していることもある。25分同じことやって飽きたということ。
適当にそこら辺の元気な子供を想像してみると良い。普段無駄に動き回るくせにやりたくないことに対しては筋弛緩剤でも打たれたかの如くぐんにゃりするだろう。
ああいう部分は大人でもある。

肉体的疲労ではなく、精神的な疲労でもなく、飽きの可能性。つまり新しい刺激の不足。これに対しては一度別のタスクに移る手もある。

タスクの種類によって、適切な時間は違うのではないか

 タスクの種類にもよる。ポモドーロ・テクニックはやること決まってるtodoとかタスク消化にこそ効果を発揮する。

私の場合、「後はやるだけ」のタスクなら25分で良いが、ブログ書いてる時に25分だとものすごくウザい。

やることがハッキリと決まっているなら無駄なく動ける。「やることをはっきりさせる」というタスクも時に必要だろう。

シリロは「勉強のため」のペース配分として、ポモドーロ・テクニックを完成させた。人間「頭を使うこと」と「体を使うこと」は区別するが、創造的なタスクも合理的な処理のタスクも一括して「頭を使うこと」にしているフシがある。

パターン的に処理できるタスクはいいんだが、アイデアが必要なタスクはもっと長い時間が必要な傾向はある。ポモドーロにより25分で強制中断していると、徒労に終わるかもしれない。

コピーライターだったユージン・シュワルツは33分33秒を1セットとしたが、彼がその時間でやるのは執筆だが、それは事前に調査を徹底的に済ませた「消化試合」だったと考えられる。彼が書き終えるとき、彼は「そのことについて誰よりも詳しくなっている」と言われるほどだった。

ポモドーロ・テクニックが煩わしい、あるいは無駄に疲れると感じるのなら、適切でない工程が紛れ込んでいるかもしれない。分離して処理することも出来るし、いっそ長い時間を取ることも出来る。

時間の気にしすぎ

・次タイプA。時間不安。原則1「時間と戦うな」と言う部分。

ポモドーロ・テクニックは短時間の集中だ。集中するためには時間を忘れなければならない。時間を気にしながら25分作業し、休憩時間は5分だと自分に言い聞かせながら休憩しているようでは「時間と戦っている」と言えるだろう。

紛らわしいので「時間を気にすると集中できない」と言い換えたほうが良いのではないだろうか。

タイマーは「時間を忘れるためのもの」だ。25分と意識せずに、「アラームが鳴るまでこれだけを続ける」という意識を持つべきだ。

だから休憩に対してもタイマーは使ったほうが良い。「休憩時間は後5分」と認知するよりも「アラームが鳴るまで休憩していていい」としたほうが精神衛生上よろしいだろう。

時間を意識することは、専用の常駐アプリを起動するようなものだ。その時点で負担が増える。
無意識の中に確実に存在している「時間を気にする機能」を、タイマーに任せる。アラームが鳴ったら行動切り替え、というメモリを食わないシンプルなシステムで代用する。

特定の病気になりやすい性格の分類 タイプA B C D
フリードマンとローゼンマンによる性格分類 ・アメリカの医師、心臓専門医のメイヤー・フリードマンとその同僚のローゼンマンにより定義された性格分類。 それまでも特定の性格が虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)になりやすい傾向にあるとされてい...

休憩について

・いくらか意見を見て回ったが、ポモドーロを4セットやらないと長い休憩をとってはならないというルールでやっているなど、そっち変えればよくないか、ってのはあった。あと長時間休憩の存在知らないとかもあったな。

額面通りに捉えすぎないほうが良いだろう。ライフハック系の話は別に全人類共通で安定した効果を発揮する方法ってわけじゃない。

大抵の場合「自分独自のやり方」がうまく行って、紹介されて、広まって、という流れを取る。自然発生したミームであり、根拠は薄いことは多い。シリコンバレー発祥のバターコーヒーとかドーパミン断食とかも割とアレだろう。持ち上げすぎなとこはある。

自分に合わせてカスタムするべきだと思う。というかポモに限っては大半が魔改造してる気がするが。

・休憩は一応ちゃんと取るつもりで。集中力の限界については諸説あるが、知る限り最も短い説でベネッセが発表した15分(学習効率においての話、対象が中学生、調査が甘いなど突っ込みどころはある)。

少なくとも「大学の授業が90分なのは人間の集中力の限界がそれだから」というのはデマらしい。思いっきり大学の都合だそうな。

ともかく業務上求められる時間よりは確実に短い。自主的に決めたスケジュールと比べても、基本短くあるだろう。

・この上で、では必要な休憩はどのくらいかと言えば、時間としてはそれほど必要はしないようだ。ベネッセの実験では15分勉強7.5分休憩の繰り返しで計1時間(実際の勉強時間は45分)が、一時間休憩なしで勉強のグループと、一週間後の学習効率が同レベルとなっている。

ポモドーロでは5分、48:12法では12分。どちらも長時間且つしっかりとした集中を目的としたものだが、このくらい。比率で言えば20~25%。

・フロー状態などの特殊な集中状態、要は「ノッてきた」というか「やる気が出てきた」時に無理をしてまで中断する必要はないとの声もある。

フロー状態だと疲労は感じないだろう。ただしこれは感じないだけで蓄積はしている。バーンアウト=燃え尽き症候群はそうなるまでは大抵ピンピンしている。むしろ精力的だ。それなのに突然脱人格化やモチベーションの低下があるのはこういった自覚のない精神的疲労の蓄積だ。

・一方でオリジナルでは休憩は「義務」に近い扱いをされる。

タイマーが鳴ることは、その作業の完全な終了を意味する(ただし一時的な終了ということだが)。

「もうあと何分か」作業を続けることはできないーーたとえ、それで終わらせられるとわかっていても。(34ページより)

https://www.lifehacker.jp/2019/04/book_to_read-pomodoro_technique.html

原則2、バーンアウト(燃え尽き)を避けよ、の話。

ただ、厄介なことに、ポモドーロに慣れてくるほどに休憩が鬱陶しくなってくる。早く集中状態に入れるようになった証拠ではあるのだが。

・休憩中何をやってりゃいいのか。

ポモドーロに限って言えば、25分間の集中は「それ以外のことを一切やらない」くらいのつもりで行うため、休憩時間は自由時間兼、雑用処理の時間としている人も多いようだ。しかし休憩を「脳を休ませる」というタスクであると捉えるとそういうわけにもいかなくなる。

それまでの25分間に学んだことなどを頭に染み込ませ、次のポモドーロの成果を最大限に高めるためのリフレッシュの時間が得られるということ。

https://www.lifehacker.jp/2019/04/book_to_read-pomodoro_technique.html/601

休憩中に仕事関係を始めとした頭を使うようなことをするなとされている。これをやると次のポモドーロを始めるための準備ができなくなると。

ポモドーロテクニックがうまく行かない時

・マイナス評価はそれほど多くないが(疲れるって話はそこそこ)、「自分には不要」って声は意外とある。元から集中できるタイプにとっては25分は短く、都度休憩を取るのも鬱陶しいと。

・タスクとの相性もあるようだ。基本的に「作業」には向いているが、思考や発想が必要なタスクにはほとんど向いていない。中断が裏目に出る。

ざっくり言えば、「手を動かすタスク」には向いているが、「情報処理」の要素が多いとそれだけ不向きになる印象を受ける。

ポモドーロが「銀の弾丸」やら万能酸やらだと思っていて、種々様々なタスクをそれでやろうとしてないかという疑問はある。



・「決断疲れ」、つまり一日の意思決定量には限度があるという観点から見てみると、作業→休憩でまず消耗する。休憩→作業も当然そうだ。

サイクルが短いほど頻繁な切り替えが発生する。案外作業時間が短いのが原因で、長いとしっくり来るかもしれない。確認した限りは「50分がちょうどよかった」という意見が一番長いか。

切り替えで消耗とは言うが、前述の通り「休憩したくない」という感想を抱くことも有る。
作業→休憩か、休憩→作業の片方は望んでいる状態なので、基本的に消耗はもう片方だけという認識で良いと思われる。

ただ、たまに両方に強制力や義務感を感じ、両方で消耗する気質の人も居る。こちらももっと長い作業感覚のほうが負担の数が減るだろう。

・休憩にやっていることがマイナスになっている可能性もある。
よく言われるのが、SNSや動画を見るのはよろしくないという点だ。休憩→作業に移るのに多大な意志力を消耗するため。

脳は集中しているとタスク・ポジティブ・ネットワークと呼ばれるグループが活性化する。休憩中にこれを休ませるなら、反対のタスク・ネガティブ・ネットワーク、別名デフォルト・モード・ネットワークを活性化するようなことがいい。

なんてことはない、ぼーっとするとかそういうことで活性化する。それ以外だと活性化しない。裏を返せば休憩時間に「何かやる」と、裏目に出る可能性はある。



・シリロは勉強用に本気をどれだけ出せるか時間を測ったのがきっかけで、ポモドーロテクニックを編み出した。

個人的に思うのだが、ポモドーロテクニック自体は「シリロに合わせたオーダーメイドの靴」のようなもので、他人がそれを履いて快適なのかどうかは疑わしい。
彼自身もまた、初めは2分からのスタート、かつ対象は勉強と、限定的なタスクかつ自分のために初めている。

私がポモドーロのカスタムに肯定的なのは以上の理由からであり、むしろ個々人が「自分用の靴」を作るべきではないかと思う。
ぶっちゃけて合うだの合わないだのいつまでも言ってるようなのよりも、このタスクには自分はこう言うスタイルだって話の方が私が読みたい。私は書かない。

ベースをポモにして、ルールや時間配分を変えるだけだからそんなに難しくもない。ただしタスクの属性、時間配分、ルールの3つはセットとするべきだろう。

これはどちらかと言えば「タスクに対してのプレイスタイル」の話であって、「自分が集中力を発揮できるスタイル」とは違うと思う。ここを混同すると前述の通り、ルールとタスクとで摩擦が生じる。

例えばユージンシュワルツ。コピーライターで、複数の著書と数々の仕事を残している。彼は33分33秒の作業時間であり、ルールも「仕事をしてもいいししなくてもいい」という(一見すると)ゆるいものだった。
各文筆業もそれぞれ独自のルールを設けていることが多い。単語数を目標値としたり、時間を定めたり。

・もう一点、シリロは最初は2分だったということにも注目したい。そのタスクに対して集中できる時間は「育つ」可能性がある。慣れてくると休憩時間がうざくなってくるというのもそのシグナルだろう。

目的の1つである「バーンアウトを避ける」という観点から見れば、燃え尽きそうな所まで続けるのはよろしくない。しかしそれでも作業時間を伸ばす余地は後から生まれてくるかもしれない。

メモ

・集中するための方法全般に言えるが、「やること」と「やらないこと」をしっかり分けるのは重要だろう。やることやってる時に違うことやっちゃうのが「集中できてない状態」なわけで。そういう時は「混ざってる」。

同じく時間を制限することは一見するとプレッシャーだが、「今はこれをやる時間であり、それ以外のことを気にかける必要はない」と脳が理解した途端に追い風となる。

・アラームが他人にとっては「今は話しかけていいタイミング」という通知になるとの意見もある。周知されれば邪魔も減るかもしれない。

・ポモドーロ用のアプリ、またはタイマーの1機能としてポモドーロが設定されているものもある。スマホ自体が割と集中の敵だが。レトロにキッチンタイマーのほうが良いかも知れない。

作業興奮って概念がある。やり始めた後でやる気が出てくるって話。

ポモドーロテクニックをやる気が出てくるまでの「つなぎ」として、とりあえず手を付けるために利用し、ノッてきたら無視ってスタイルの人もいる。

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