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燃え尽き症候群/バーンアウトシンドローム

投稿日:2018年8月27日 更新日:

燃え尽き症候群の症状

・生き方や仕事などに人並み以上に頑張っていた人が、突然「燃え尽きた」かのように意欲の低下、投げやりな態度となった状態。

やる気や集中力がなくなる、心身の疲労状態になる。

本人にしたって突然のことで、なぜできないのか、やりたくないのかわからないこともある。

 

何よりも「燃え尽きた感覚」が大きいとされている。自分への抑制や激励などによるエネルギーの消耗により「枯れた」感覚。

 

・そのまま治らずに離職などのケースも。特に「人」を相手にする職業に多いとされる。

 

燃え尽き症候群の精神面の症状

  • うつ状態
  • 意欲減退
  • ストレスによる身体の症状
  • 感情が枯れる
  • 無関心(脱人格化)
  • イライラする
  • 自己嫌悪
  • 今までに行っていた日常的なことが困難となる
  • 希死念慮/自死念慮(死にたいという欲求)

うつ病の症状でもあるねこれは。

燃え尽き症候群の行動面の症状

  • 朝起きられない
  • 仕事に行きたくない
  • 酒の量が増える
  • 金遣いが荒くなる
  • 人付き合いを避ける

意欲減退、ストレスを避ける、憂さ晴らしに見える。

 

燃え尽き症候群の重症度を測る3つの要素

 

・クリスティーナ・マスラークのMBI。

MBI = Maslach Burnout Inoventory

 

情緒的消耗感

・「仕事を通じて、情緒的に出し尽くし、消耗してしまった状態」と定義される。

情緒が枯れ果てた感覚。これが主症状だとされる。

 

前述の症状に於いての人への無関心、人付き合いを避ける傾向はこれが枯れたためだと見られる。枯れたのであって「やりたくない」よりは「もうできない」と言った感じが近いか。

逆を言えばエネルギーを浪費する環境では燃え尽き症候群になりやすい。相手の表情を読み、気遣いをし、行動を予測し、信頼関係を構築し、それらが日常である環境。

看護・介護職などの対人サービス業において多いとされるのは妥当だろう。

 

脱人格化

・情緒的なエネルギーが枯れることにより、対人関係に問題が出てくる。脱人格化は「相手に対する無情で非人間的な対応」とされる。簡単に行ってしまえば「人の気持ちがわからない人」みたいな言動になる。

テンプレな対応や、人として見ていないかのような対応となる。逆に事務的な仕事などに生きがいを感じ始めるとされる。

くれぐれも言っておくが、今まではむしろ正反対の熱心な仕事ぶりだった人間が、こうなる。人格の話じゃない。状態の話だ。だが現実には人格的振る舞いの問題として取り上げられるだろうね。

これは既に枯渇しているエネルギーの「節約行動」、これ以上エネルギーを使わないための防衛反応であるとされる。

対人サービス業で多い点、それまでは精力的だった点から、必要なエネルギーを使いすぎて言葉通り燃え尽きた、あるいは枯れ果てたと見るのが妥当だろう。

 

個人的達成感の低下

今まで真面目に、一生懸命、熱心に仕事をしてきた当人自身が、誰よりも今の自分の能力・言動に落胆している。それによる今まで持っていた有能感、達成感の喪失・低下。

能力や活力の低下は自覚できるため、「今まで通りにできなくなった」ことが嫌でもわかる。

 

このまま自己否定、自責の念に繋がることも少なくないとされる。

 

燃え尽き症候群はうつ病の一種

・燃え尽き症候群は心因性(反応性)うつ病の一種とされることもある。

心因性というのは、まぁうつ病と聞いてイメージされるうつ病だ。メランコリー型と呼んだほうが通りはいいか。新型うつ病などとは別物。

このうつ病は性格や環境が原因として強く関わっている。

この場合は環境だけではなく、後述するが個人の性格はやっぱり影響ある。

 

燃え尽き症候群の原因

一定の期間、強い緊張とストレスを与える環境にいると発生が多いとされている。

燃え尽き症候群になりやすい職業

当初は対人サービスの職に就く人々がなりやすい、とされていた。医療や介護。

今では、

  • ビジネスマン
  • スポーツ選手
  • 教師
  • 研究者
  • エンジニア
  • 受験生
  • 子育てする親

何でもありである。

もちろん職業だけが原因ではないが。

 

燃え尽きやすい人の性格

・性格的特徴を挙げたほうが早いだろう。

燃え尽き症候群になりやすい性格としては、

  • 仕事人間
  • 仕事をするための能力が不足している
  • 仕事熱心
  • 完璧主義
  • 真面目
  • ひたむき

などが挙げられている。

仕事の能力不足は、結果として勉強したり、トレーニングをしたりという意思決定を引き出すだろう。今まで以上に。仕事熱心に見えるだろうね。

完璧主義はほんともう、常連だな。本人たちも難儀しているらしい。

 

上記特徴を前述のメランコリー型うつ病になりやすい「メランコリー親和型性格」と比べてみると、

秩序を重んじ、配慮的で几帳面。仕事が熱心で規範を好み、社会的役割への愛情がある。メランコリー性格や粘着気質がある。

http://www.dr-maedaclinic.jp/da0501.html

だいたい一致している。

 

・もう一つ。完璧主義とも繋がる話だが、理想が高すぎる傾向。

メランコリー型だって見方を変えれば「立派な人間として振る舞うよう心がけている」ように見えるだろう。そのイメージがハードル高すぎると、日常が苦行になる。

 

高い理想が動機づけを高めることは否定できないが, あまりに現実とかけ離れた理想をもつことは, Bramhall & Ezell(1981)の言葉にもあるように, 燃え尽き症候群の第一段階にあると言わざるをえない。

http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2007/01/pdf/054-064.pdf

 

 

燃え尽き症候群になりやすい環境

・こちらも大きい。燃え尽き症候群になりやすい性格特性は上記のとおりだが、「そう考えざるを得ない」ような環境も存在する。逆を言えば性格が該当しないからと言って、すぐに安心とはならない。

まず、「ストレスが溜まる職場」が挙げられる。そりゃそうだ。他には、

  • 長時間勤務
  • 厳しいノルマ
  • 仕事をするためのサポートの欠如

などのオーバーワークになりがちな要素は、燃え尽き症候群になりやすい環境として挙げられている。

 

・上記のような厳しい環境の上で、さらに給料が安いことにより仕事に意味を見いだせなくなり発症、というケースも。意義や重要性を感じられない仕事の場合、燃え尽きやすい。

ただ、燃え尽きるまではこれらに付いてこれてたわけで、当人の感じる「やりがい」に依って気づかずにオーバーワーク、臨界点を超えた疲労が一気に出る、という感じか。

 

・加えて環境/当人の行動両方に当てはまるが、時間的に仕事の比率が高い(ワークライフバランスの偏り)、適切なセルフケア(運動や食事)をしていない、という点がある。特に食事は雑になるらしい。

 

・これらのなりやすい原因を、やりがいとかを抜きにして見れば、「ストレスをためやすい性格、ストレスを感じやすい環境、ストレスを発散していない生活」となる。

 

燃え尽き症候群の詳細

燃え尽き症候群の由来

・燃え尽きる=燃え尽き症候群。

精神科医であるハーバート・フロイデンバーガー自身が目にした光景から。

 

・当時彼は保護施設に勤務していた。一年余りの間に、精力的で目標に満ちた同僚たちが、次々と仕事に対しての意欲・関心を失い、精神的、身体的異常を引き起こした。まるで燃え尽きたかのように。

 

名付け親のハーバート・フロイデンバーガーによる定義

この症状を「燃え尽き症候群(燃え尽き)症候群」と名付けたフロイデンバーガーによる定義。

持続的な職業性ストレスa)職務上の義務・責任感や圧力、要求、自分の能力では足りない場合などでもやらなきゃ/我慢しなきゃいけない。それを続けなきゃいけない。今日も、明日も、明後日も。そういうストレス。に起因する衰弱による。

そこからの意欲喪失、情緒荒廃、免疫力の低下、乾いた人間関係になる、人生への不満と悲観、職務上の能率の低下、職務怠慢をもたらす。

その他の定義ではWHOの「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」に於いて「重要な枯渇の状態」とされている。障害とはされていない。

 

燃え尽き症候群のチェック

・ネットに尺度がある。

http://needtec.sakura.ne.jp/mentaltest/burnout.html

まぁ自己診断と他者診断も違うと思ってるが、「こう感じたら注意しよう」という指針としては割とベターなんじゃないだろうか。

項目は信頼できるだろう。リンク先に記述されている通り、日本版バーンアウト尺度を参照しているようだb)http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2007/01/pdf/054-064.pdfの4枚目に同じ表がある

 

頑張ったつもりはない 苦しかった覚えはない

・さて、ここらへんでちょっと疑問が湧く。実際に燃え尽きてしまった人々の中には、それまで心から楽しんで、充実していたと過去の日々を振り返る人もいる。

要するに、この場合心当たりはないわけだ。今現在の定義でも、フロイデンバーガーの定義でも、「慢性的な強いストレス」であるはずなのに。

 

ところで、努力家は一般人が引くような活動量の上で「このくらい普通だろう」みたいなことを言ったりすることがある。要は自分でも普通に思っていても、体や心が追いつかない可能性はあるだろう。

意志が心身を引きずり回している状態。火事場の馬鹿力を発揮するような状態が常だとしたら、ガタが来ても不思議ではない。

フロイデンバーガー自身が目にした光景も、同僚たちはそれまで精力的だった。

 

・穿った見方をすれば、「仕事に意義を見出しすぎた」かもしれない。その分一生懸命に、その分重要に感じ、慎重を要し、楽しく疲れる充実した仕事だ。

仕事に意義を見いだせないというのは1つの大きな理由だったが、一方で「仕事の意義を見失った」ことにより燃え尽き症候群になった例もある。

https://kokoro.mhlw.go.jp/over/867/

この自分や周囲へのイメージの変化は参考になるだろう。

自信がある状態から疑心暗鬼へ、最後には報われない/割りに合わないと思い始め、風邪で寝込んだことをきっかけに引きこもった。

そして一ヶ月の療養を経て、ようやく「自分が疲れていた」と気づけたという話。

疲労に前兆があったとしたら、最初の自分や仕事への「イメージの変化」の部分だろう。ただこれは通常、疲労のサインだなんて思わない。

 

・逆を言えば、(当人としては)頑張ったつもりがない・苦しかった覚えはないのにこうなる、ということはあり得ることになる。

めんどくさいことにそれが本当に普通で、なんか一生そのまま元気で平気なのもいるにはいる。

 

・「ストレスに不快感を感じるとは限らない」というのは収穫か。

 

燃え尽き症候群しない人

Kahn(1978)は,「理想を言えば,(ヒューマンサービスの現場では)燃え尽き症候群しない人を採用すればよい」 と述べている。

もちろん, これは逆説的な表現で, ここで言う燃え尽き症候群しない人とは, 定型的なサービスの発給を常とし, 何か問題が起こると, いわゆる 「マニュアル的な対応」 で事を処理してしまうような人たちを指す。

彼らは, 確かに, 消耗することはないが, 相手から信頼され, 感謝されるサービスを提供できるかと言えば, サービスの量はともかく, 質はあまり期待できないかもしれない。

www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2007/01/pdf/054-064.pdf

 

燃え尽き症候群が、人に対して熱心に、人間的な対応ができる者がそれをし続けた成れの果てだと考えると、残念にも思える。

まぁ結果だけ見ればやりすぎたというか熱心すぎたのは否めないのだろうが。

ただ文面的に現場の裁量で最善をやれってのが当たり前になってるようなこうなんかもにょる。環境的・システム的な問題隠れてないかこれ。

サービス業に限らず、「仕事ができるところに仕事が来る」のが当たり前の認識になっている。個人営業なら結構なことだが、雇われの身の話でこれだ。挙げ句光栄なことだ、ありがたがれ、みたいな。

やってる側もやらせてる側も、自分が潰される/潰そうとしているとは気づいてないだけのかもしれない。

 

「共感」の使いすぎか

・人間の脳内の神経回路の内、共感する部分と分析的思考をする部分は別々にある

これらは片方が活発になるともう片方が抑圧されることがわかっている。

まぁ簡単に言えば、辛いことがあって泣いてる人でもいたとしよう。心からそれに同情するのと、こいつ本当に泣いてるのかと疑うのとは同時にはできないだろう。後からはできるだろうが。c)共感と分析って、言い方変えれば同意と疑念だと思う。同意するなら疑念を持てない。疑う限りは同意はできない。

燃え尽き症候群のように片側だけ酷使し(今回は共感部分)、もう片方を日常的に抑圧し続け、やがて酷使している側が「燃え尽きた」場合、どうなるか。

これが仕事だった場合どうだろう。分析的思考では共感能力は行えない。瀕死の共感能力を使い続けるしかない。それが日常で、それがずっと続く状態。

サービス業じゃなくても、「気配りができる(出来すぎる)人」は人と合うたびに酷使することになってしまう。当人が、それがやりたくてやっている、楽しいことだったとしてもだ。症状として出社拒否があったね。

 

つまり原因は「」というよりも「脳疲労」と捉えたほうが良いのではないか。そうだとした場合、自覚がないというか、日常を楽しんでいたとしても燃え尽き症候群になる可能性にも納得がいく。

腕立てが楽しいのと、腕が疲れるのは同時に起こり得るわけだ。これが「気持ち」の問題になった途端に、楽しいのに疲れるなんておかしい、なんて解釈になりがちで。

どれだけ楽しいことだろうが、毎日ぶっ続けは無理だろう。しかも今回は二本の足の内の片方しかロクに使わないで歩くような状態だ。

 

 

メモ

・個人的には、やる気のある者が突然こうなったから燃え尽き症候群って言われているだけで、そうじゃなかった場合、「ブラック企業でうつになった」というのと大した違いはないように思える。

ただ、燃え尽き症候群の場合は自らの行動によりこのようになることが、比較的多いと言える。。

問題のない職場環境でもなり得るし、自分で予防できる余地も大きいだろう。

 

参照:

https://www.lifehacker.jp/2015/04/150421_Burnout_Syndrome.html

脚注   [ + ]

a. 職務上の義務・責任感や圧力、要求、自分の能力では足りない場合などでもやらなきゃ/我慢しなきゃいけない。それを続けなきゃいけない。今日も、明日も、明後日も。そういうストレス。
b. http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2007/01/pdf/054-064.pdfの4枚目に同じ表がある
c. 共感と分析って、言い方変えれば同意と疑念だと思う。同意するなら疑念を持てない。疑う限りは同意はできない。







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