やる気

セルフ・エフィカシー(自己効力感)とは

投稿日:2018年10月12日 更新日:

・自分がある状況において(以下『課題』と呼称)、必要な行動を上手く出来るかどうかの認知。認知なので、実際の所どうなのかとはまた別の話。

・簡単に言えば、課題を前にして出来ると思うか、出来ないと思うか、そして実際にやるかやらないかは、自分にその能力があるかどうかの認知に掛かっているという話。

・カナダの心理学者、アルバート・パンデューラが提唱したもの。自己効力、自己可能感ともされる。セルフ・エスティーム(自尊心)とは別物。

・人間の動機づけ(積極的なやる気)に大きく影響を及ぼす要因の一つと考えられている。

・実力と乖離した自己効力感の持ち主もいることだろう、と言えば調子こいた無能をイメージするかもしれないが、逆のほうが多いと思われる。即ち、実力はあるのに自信がない状態=自己効力感が低い人。

・理想としては自己効力感は能力に見合った高さであるべきだと考えるが、現実にはそれは無理があるかもしれない。

・要するにこれは、その課題に対しての「主観的・直感的に思い浮かべる成功確率」に直結している。実際の所うまくいくかどうか五分五分だったとしても、自己効力感が高ければ100%に見え、低ければ0%に見える、という話。当然前者は躊躇なくそれを始めるだろう。後者は諦めるか、手をつけるまでに決死の覚悟がいるとかになる。

2つの予期

・パンデューラは、人が行動を起こそうと思った時に、実際に実行するかしないかの要素を2つ挙げた。

  • 結果予期:ある行動がある結果を生み出すだろうという予期。「こうすればこうなるだろう」。知識や過去の経験に基づくとされる。
  • 効力予期:自分はある結果を生み出すために必要な行動が出来るという予期。「自分はその結果を生み出すことが出来るだろう」。要は「自信の有無」。

・これらがない場合は、それぞれ「どうしたら良いか/どうなるのかがわからない」「自分がそれを出来るとは思えない」とも言える。

・俗に言う「自信がない」ってのは、効力予期に於いて成功イメージが持てない、と言えるだろう。また、こういった人に対しての「やればできる」系の励ましは結果予期に近く、まぁすべってんな。

その人の自己効力感を生み出すもの

・5つ。

  • 達成経験:当人が何かを達成/成功した経験。最も重要な要因とされる。一般的には「努力の果ての達成」が必要とされる。
  • 代理経験:他人が何かを達成/成功する様を観察すること。
  • 言語的説得:それを為すことができる能力があることを言語的に説得・励まされること。
  • 想像的体験:自分や他者の成功体験を想像すること。
  • 生理的情緒的高揚:酒や薬物などの要因により気分が高揚すること。「酔って気が大きくなった」って言いかえると印象悪いな。まぁ酒はともかく薬は必要な人もいるだろうけれど。この要素はカットされ、要素は4つとされることもある。

・当人の客観的な能力・実力ではなく、主観的な「体験・経験」によって生み出される。当然「それをどう解釈したか」も影響を与える。失敗を「上手く行かなかった」と感じるか、「もうちょっとでできそうだった」と感じるかなど。

・まぁなんというか、どれにどれだけ「受け皿」があるかは人によって違う。言語的説得が逆効果、ってのもあるし、他者の成功を見ても代理経験とはならずに劣等感が募るだけ、ということもあるだろう。技術的な要素も含まれるか。励まし超下手とか。

・穿った見方をすれば、達成経験はビギナーズラックもあるし、代理経験はお前じゃできねーよってこともあるし、言語的説得は唆しや嘘の可能性もあるし、生理的情緒的高揚はそもそも実力じゃないし、想像的体験なんてもう、想像だし。

一見してこれらは「やろうとしていることが正しく、自分にはそれが可能である」とする根拠とするには説得力はない。これらが自己効力感を生み出すということは、自己効力感は論理的・思考的な物ではなく、経験則・体調・気分・前例の有無などの単純な計算で生み出されていると考えられる。ぶっちゃけ直感レベルだろう。ゴミ箱モデルが近いだろうか?

・単純で素早いと言えばヒューリスティクスを連想するが、自己効力感は実際そのような「本能的な分析・判断」に属するのではないか。言語的説得にしたってその結果は認知の更新か、気分的な高揚を狙ってのことだと考えれば、「その気にさせる」事に他ならない。

自己効力感のタイプ

・これは対象によって区別される。「何に対して自信を感じるか」。

  • 自己統制的自己効力感:自分の行動を制御する事ができる、という自己効力感。真面目、理性的、努力、集中力がある。
  • 社会的自己効力感:対人関係における自己効力感。友達いっぱい、人気者。
  • 学業的自己効力感:学習能力における自己効力感。頭いい。賢い。

これらは自己認識であり、現実と乖離している可能性もあるが、その上で多少は多めにあったほうが良いかもしれない。単純に自己効力感があったほうが積極性が増す=挑戦回数が増える。これは現実での経験値を稼げるということだ。実際は残念な結果だったとしても課題発見にも繋がるだろう。

立ち直りの早さ

・自己効力感について言われているのが、これが高い人間は立ち直るのも早いという点。

・ここまで述べてきた要素は当人の頭の中で完成された自己イメージに近いが、立ち直りの早い遅いも織り込むと自己効力感の「回復速度」のような要素もあると考えられる。

まぁ言い方悪いが「しつこさ」とも言える。良く言えば粘り強さ。再び同量の自己効力感になるためには、当然ながら自己効力感を生み出す要素である達成経験、代理経験、言語的説得、想像的体験が必要となる。本質としてはこちらだろう。「自分には出来る」という、論理的とはあまり言えないが、少なくとも「当人がそう感じられる材料」の質と量。これが積極性、、やる気に繋がる、と。

・また、結果予期ができなくとも効力予期があれば積極性「だけ」なら賄える。だがこれは「何やったら良いかよくわからんが自分ならうまくできる」とかそういう感じだ。良くないとも言い切れないが、予習とかそっち方面での工夫の余地があるのも事実だろう。なんというか、打たれ強いんだけど同じ失敗しまくるタイプは「うまいやり方」について考えたほうがいいんじゃないか。

・セルフ・ハンディキャッピングなどの「自分が傷つかないため/自信を失わないための嘘や小細工」に拠って自信を維持し続けるという状態もありえる。まぁやっぱり自信だけじゃ論ずるに値しないだろう。巷で自身を持てって言われてるのはやるべきこと、やりたいことに対して尻込みしている者たちに向けられてであり、自信だけ持てって意味じゃない。

参考文献

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%B7%B1%E5%8A%B9%E5%8A%9B%E6%84%9F

https://kotobank.jp/word/%E8%87%AA%E5%B7%B1%E5%8A%B9%E5%8A%9B%E6%84%9F-178781







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