テイカーとは

テイカーとは

・テイカーとは、組織心理学のアダム・グラントが提唱した概念。
ギバー(与える者)やマッチャー(バランスを取る者)とセットで語られる事が多い。

著書『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』に於いて提唱した。

・「テイカー」の意味は言葉通りなら「受け取る人」だが、この概念の中では「持ち去る者」「奪い取る者」のニュアンスが強い。

・テイカーは利己的であり、組織の疑心暗鬼を生む。ギバーを利用または取り分を奪い、ギバーとマッチャーに嫌われる。

ストレートに「関わらないほうがいい人の特徴」みたいに言われていることもある。

グラントは「チームに一人でもテイカーがいるとだめになる」と主張している。


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テイカーの見分け方

・基本的には外ヅラばかりで中身がない。影で軽蔑されていることも多い。

表面上フレンドリーだが「お願い」が多いようなら警戒した方がいいだろう。

・自分が持つ相手の印象が、

  • 都合のいい時だけ話しかけてくる
  • こちらが用がある時と向こうが用がある時で態度が違う
  • 関わっていると損をする
  • 疲れる、または騙されたと思うことが多い

などの場合、その者はテイカーだと思ったほうがいい。

利己的な性格、つまり自分勝手であるためこのような印象を受ける。
マウンティングも多いとされている。


・テイカーかどうかは最後通牒ゲームで見分けられるとされる。金を二人で分け合うゲーム。例えば10万円を二人で分けようという話で、どのような分配を選ぶか。

両者の分配比率を片方が提案し、もう片方が受ければその金額が両者に分配される。相手が「その金額では納得できない」と拒否した場合、両者とも何も得られない。
(前提として、相手がどこの誰かわからないように手配される。やろうと思えば後腐れなく自分勝手に振る舞えるということ)

テイカーは、例えば相手の提案が6:4など自分が微妙に少ない場合には拒否する傾向がある。提案する側の時はもちろん自分が多い。

ちなみに5:5ならマッチャー、自分が少ない時はギバーとされる。


・グラントは、相手の人となりを知りたければ「レストランの従業員やタクシーの運転手への接し方を見ること」としている。
テイカーは想像の通り偉そうになる。「上か下か」の世界観の住人だから。

よく聞く話だが、例えばレストランでもラーメン屋でも従業員に「ごちそうさま」と言ったら、「こちらの方が偉いのだからそんなこと言うな」と言ってくる同行者みたいなのもテイカー気質。

・アダム・グラント自身が使う見分け方は、「自分のおかげでキャリアが劇的に向上したと思う人を4人挙げてください」と質問すること。

ギバーは目立たない人、地位が自分より下の人を挙げる。
テイカーの場合は自分より影響力が高い人の名を挙げる。これはテイカーが上に媚び、下を虐げる性格をしてるからだとされている。

テイカー気質とは:テイカーの性格

・一言で言えば自分の損得しか考えてない。

チンピラやヤクザの価値観がかなり近い。自己利益を追求し、他人の迷惑は考えないが、メンツ(外ヅラ)は過度に気にする。

全体的に操作性(人を利用したり操ろうとする)、不公正さは共通する。

・競争主義者である。「他人が得をすれば自分が損をする」と思っている。

「自己利益と他者利益は両立できる」ことが理解できないため、「パイの奪い合い」あるいは「ゼロサムゲーム」と呼ばれる奪い合いの世界観で生きている。
なので「タカリ」もそうだが「ケチ」であることも多い。

「客」の方が偉いというのも「立場でものを考える」ことを示す。
これだけなら別にいいが、「ごちそうさま」という言葉を惜しむというのはどう考えてもケチだろう。このように言葉ですら「与える(支払う)ことを惜しむ」というのはかなり目立つ特徴だ。

・テイカーにも色々ある。サイコパス自己愛性人格障害の可能性もあるし、「燃え尽きてうんざりしたギバー」の可能性もあると言われている。

実際に何人か「良い子にしてても報われない」と言ってグレたのは知ってる。大体は天然よりも悪どくなる。

またソシオパス(反社会性人格障害)の特徴として操作性が挙げられる。相手を偽り騙す行為。

マキャベリズムも対人操作、搾取、自己中心、欺瞞が特徴としてある。

要するに、由来はどうあれ「テイカーとしての振る舞い」をする者は割といる。天然もいれば、悪意を持って近づいてくる者もいる。

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・薄々気づいているかもしれないが、テイカーは「自分の方が偉い」と思っていることが多い。

利益追求ってだけなら、最後通牒ゲームで自分の取り分が微妙に少ない程度で拒否はしない。拒否したら取り分ゼロなんだから。
拒否するのは「相手にナメられた仕返し」になるからだ。相手の取り分ゼロにできるから。

・「テイカー」という言葉はコソドロのイメージがあるが、第三者から見た言動は、尊大な態度の詐欺師に近い。

テイカーの人間関係

・まぁ、このザマで嫌われないと思ってるなら頭おかしいが。

目的が「搾取」なのでテイカーは向こうから近づいてくる。被害者は逃げるか、逃げ損なう。そんな構図になりやすい。

人当たりの良いテイカー

・外ヅラは良いタイプのテイカーも多い。人に近づけないと奪えないからね。

グラント曰く「多くの人はテイカーの人当たりの良さに騙される」。

グラントはこのタイプのテイカーを「詐欺師タイプ」としている。

・サイコパス、ソシオパス、自己愛性人格障害なども表面上の魅力を兼ね備えているとされている。

これらは元から人を騙す、人から奪う傾向が高い。

愛着障害の脱抑制型のように、過度に馴れ馴れしいなどもある。


・グラントはパンピーがこの手の輩に「騙される」としているのだが、個人的にはそうじゃないと思う。

大抵の人は表面上の無難な交流の望むので、フレンドリーであることに抵抗するつもりがあまりない(なお実際には馴れ馴れしいとかなりの確率で気持ち悪いと感じている)。

テイカーは地盤を固めてから本性を出すので「気づいた時には手遅れ」という形になりやすい。

つまり騙されているのではなくて「接近を許す」時点で敵のペース。

・他者への侵害/侵食の傾向は隠せてないので、初対面でなんか嫌な感じくらいはわかるだろう。
プライベートを探ってくる、馴れ馴れしい、マウント臭いなどは所見で分かる。

勘違いしてる人もいくらかいるが、初見で「遠慮がない」のは天然か舐めてるかしかありえない。フレンドリーではない。

普通は初見の相手にその態度は取らない。「何が失礼になるか/相手を傷つけるか」がわからない状況で自分を出そうとはしない。

テイカーから見たギバー

・自己犠牲型ギバーはテイカーのエサになりやすい。

・ギバー(与える者)は二分されている。自分を売り飛ばすか大事にするかの違い。
 ①自己犠牲型ギバー
 ②他者志向型ギバー

・自己犠牲型ギバーは「損ばかりしているお人好し」をイメージすれば良い。誰彼構わず自分のことより人のこと。アダルトチルドレンに近い。テイカーに寄生あるいは利用される。

・他者志向型ギバーは相手を選ぶ。与えるのはマッチャー(受けたら返す)までであり、相手がテイカーだったと判断したら、本人もマッチャーに態度を切り替える。

このスタンスは投資家に近い。与えることと自分のためになることがイコールになるように判断し、駄目だと思ったら(相手がテイカーだったら)損切り(損した状態でも縁を切る)ができる。


・自己愛性人格障害を始めとした、幼児性が高い性格しているタイプは「甘え」感情が強いとされている。

甘ったれだとは思われたくないため、回りくどく「こうするべきだ」「こうあるべきだ」と道徳の形で説いたり、感情に訴えたりすることも多い。他者に求めるものが多い。それをしてもらうのが当然の権利(タダ)だとの態度をとる。これで言動はテイカーそのものになる。

こういった回りくどい屈折した甘え自己愛的な甘えと呼ぶ。他者への配慮の要求や許容への過度の期待など。

自己犠牲型ギバーはアダルトチルドレンに近いといったが、どちらも世話焼きの要素がある。悪質な甘ったれと繋がりやすい。


テイカー同士だとどうなるか

・競争社会の住人なので、基本は排他的。マウンティングし合ったり、ディスり合ったり、足を引っ張り合ったりと仲がいい。

力関係がある場合、面従腹背も多い。表向きは従うが、裏では逆らっている。

・類は友を呼ぶ、と言わんばかりに大体同じようなのが集まりやすいとは言われている。

ただドケチとドケチなので奪うものがない。テイカーが付き合いたい相手=獲物なので、魅力がない。このためお互いに干渉しないとも。この場合テイカーは本気で誰からも「いらない存在」ってことになるが。

・テイカー同士で群れをなし、ギバーにタカることもある。
何度か「テイカー同士のギバーの取り合い」を見たことはあるな。仲いいね。

テイカーへの対応


・「付き合うな」「関わるな」との声は多い。
テイカーの言動は嫌われるから、バレなくてもうざいし疲れると思われて無視されたりも多い。
関わらないのが吉というのは大体のギバーやマッチャーが感じるところのようだ。

・一方で悪性進化して「自分の相手をさせる技術」を発達させたテイカーとかもいたりする。
なんとか相手をさせよう、なんとか言うことを聞かせようとしていると、前述の人格障害などに見られる「操作性」が発達する。

操作性が高いと言動が軽薄になる。その場その場で人を動かすためだけに都合のいい「汚い綺麗事」を吐き、自分の思い通りにしようとする。言動に一貫性があるかどうかは見分けるための大きな要素だろう。

はっきり言ってやるが、「テイカーは良くない!ギバーになろう!」って言ってるテイカー絶対にいるぞ。

・それでもマッチャーはテイカーを排除しようとする。グラント曰く「テイカーに出会うと、存分に懲らしめることが自分の使命であるかのように思う」

テイカーの成功者は少ない。これは「正体がバレてマッチャーに懲らしめられるから」だそうな。

身内がテイカー

・テイカーは大体内弁慶なので、身内が被害者になることは多い。
一部は「立場を笠に着る」みたいなことが多く、当然その「立場」が通用する相手がターゲットになる。

同様に腐れ縁のある相手にも図々しい。職場や家庭など。モラハラやDV加害者も同じく「簡単には切れない縁」がある相手にだけ本性を曝け出す傾向がある。

・一方でどこまでも調子に乗るようで、普通に家族からも縁を切られている話も多い。

そこまで行かなくても、みんなが集まるような所では煙たがられているが、本人は自慢話に一生懸命で気づいていないことも多い。

・利害関係が一致していることも多く長い縁となるため、マトモな損得勘定をするなら身内から「奪おう」とは思わない。

ただし相手を「自分を甘やかしてくれる人」と見ている場合、あるいは自分のことしか考えていない人間はこの計算はしていないのでやる

テイカーの自覚は持てるのか

・自分がテイカーの場合に自覚できるかって話だが。さてどうだろう。

私の目に入った限りの話となるが、グラントが提唱したギバー、テイカー、マッチャーの話を聞くと、大抵の人間が「自分はマッチャーだ」と思う。

テイカーの数は全体の19%と言われているが、自覚している人間は明らかにそれより少ない。

・ギバーとテイカーは内面的にはどちらも誰もが持っている。だから燃え尽きたギバーがテイカーになることもあるし、テイカーが改心することもあるかもしれないな。期待はしてないけど。

どちらとしても振る舞えるのがマッチャーであり、恩には恩を、目には目を、と振る舞える。自覚としてマッチャーが多いのは当然と言えば当然なのかも知れない。

だからマッチャーはギバー予備軍でもあるし、テイカー予備軍でもある。社会的にギバーでいても損をしない構成を作れるなら、ギバーは増えるだろう。そうじゃないならテイカーは増える。即物的なわかりやすい得を追い求めるべきだと社会が言うのなら。


・恐らくだが、テイカーも自分のことをマッチャーだと思っている。
「自分の中ではこれは公平」という世界観で正当化している場合、自覚は持てない。

思うに人の天然の悪は、その殆どが合理化、正当化によって補強される。ただの「失態」をこれでいいのだとしてしまうことで。

・認知的な視野の狭さ、いわゆる自分のことしか見えていないのは、想像以上にタチが悪い。

与えられたものが「見えていない」、奪っていることが「分かっていない」というのはあり得る。知能指数とか感情知能とかの話。これらがマトモだとしても、価値観次第ではテイカーをマッチャーと正当化することはできる。

この場合、自分は公正なマッチャーだと自覚し、その他大勢からはテイカーのお墨付きをもらうことになる。これは結構多い。

・ついでに言うと、ギバー/テイカー/マッチャーの概念は「人は悪いことをしようと思わなければ悪いことはしないはずだ」みたいなのが前提になっているように見える。

認識のズレ、解釈の違い、価値観の違い、天然のアホなどは織り込まれているようには見えない。

例えば人間は得よりも損に過剰反応する(プロスペクト理論)。同じ金額を得たか失ったかで、人の感じるインパクトは違う。
失った時の方がインパクトは強い。恩を与える/受けるの認知も当然偏りが出るだろう。「恩を感じるが返したら損(赤字)」という認知もあり得る。

・権利意識が過剰な者もテイカーに近い。
なにかしてもらっても当人は「当然の権利」とするため、恩とも思わない。
あるいは他者に対して「義務を果たせ」と取り立てることもある。
あるいは人のものを自分のものだとし「返せ」と喚くものもいる。

当人からしてみれば妥当だが、実際には強盗だ。

・「公正」はかなり難しい。人が肌感覚でマッチャーをやっていた所で、せいぜいが「バランス取ってるつもりの人」としか言えない。他人から見たら、さてどうなるだろうか。

少なくともここで述べてきたようなテイカーと比べれば大抵は「ここまでひどくねーよ」くらいは言えるだろうけれど。

まぁ組織論から発展したんだから共通する価値観があることが前提になっているのかもしれないが。裏を返せば、価値観が不揃いであるプライベートにまで範囲を拡大すればテイカーになる人は19%よりもっと多いだろう

・思うに、気にするべきは3つ。

  1. 自分にとって相手は何者であるか
  2. 相手にとって自分は何者であるか
  3. 社会(その他大勢/客観的視点)からみて自他は何者であるか

気になることがある場合、サイト内検索をしてみてください。

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