助けを求められない人、助けを断る人の心理

  • 「お返し」をする自信がないよ
  • 「お返し」をしないで平気なほど厚かましくもないよ
  • 周囲に「お返ししない奴」と見られたくないよ

助けを求められない人、助けを断る人の心理

・珍しい話でもないが、助けを求められない人がいる。それどころか助けられたくなく、申出された助けを断る人もいる。
そこまでじゃなくても遠慮をしたり、放っといてもらいたい心理。困っているのに。

確かに「助けを求めること/助けられることのデメリット」は、多くの人が何となく分かることだろう。これ自体は「裏側の心理」って程でもない。

・反対に、人を助けたい心理というものがある。他者への同情や共感が「思いやり」と呼ばれる行動や態度に繋がり、助ける行動(援助行動)となる。

この共感の元となる「他人の心を推測する機能(心の理論)」が、今度は「助けを断る心理」ともなる。

・結論から言えば、自分が周囲へ貢献している感覚(貢献感)がない場合、援助を断る傾向が高くなる。理由は返せるものがないから。あるいは自分に返す能力がないから。

要するに、「お返し」をする能力が自分にはないと思っている場合、援助を拒絶しやすい。


・図表などは『貢献感と援助要請の関連に及ぼす互恵性規範の増幅効果 社会心理学研究 第31巻第1号』より。

職場で助けを求めやすいかどうかの論文。

・この心理はマッチャー(バランスを取る者)の属性が強い。助けを受ける側だから状況的にギバー(与える者)ではないし、テイカー(持ち去る者)にはなりたくないし、そうだと見られたくもない。

助けられる資格

・彼/彼女たちはこう口にする事がある。「自分には助けてもらう資格がない」。

・まぁぶっちゃけて役立たずの穀潰しな上で権利どころか妄想上の配当金を赤の他人に要求するようなのは割といるしそういうのよりはマシだろうから、なんかこう遠回しに困ったアピールでもしとけよとは思うが。

・ともかくその「資格」とはなんぞや。

自分は身近な人の役に立っているか?

・「自分という存在は、身近な人たちの役に立つことができている」という感覚を貢献感と呼ぶ。

主観であり、客観的な証明は必要としない。要するに自己評価。勘違いで自分のことをお荷物だと思っていたり、重要人物だと思いこんでいたりはあり得る。

周囲に必要とされているが貢献感が低い場合もあり得る。これも一種の「自己評価が低い」「自尊心が低い」と呼ばれるメンタリティだろう。

・貢献感はこんな感じの質問で測る

高すぎてもキモイ気がしますが。

・このある意味での「社会的価値の自己評価」は、「仕事で困ったら助けを求めるか」に直結する。

互恵性規範はまだ気にしなくて良い。単純に左と右を見比べれば、貢献感が高いほうが遠慮せずに助けを求められている。

つまり、自分が普段から周囲にとって役立たずだと思っていれば、助けを求めにくい。逆に普段から役に立っていると思うなら、比較的抵抗はない。「こっちもやってやってんだからそっちもやってくれ」みたいな。

・まぁ難しいこともなく、「自信」で「態度」が変わるという一つの例だ。

お返しによって成り立つ助け合い

・人の役に立てば、自分もお返しをもらえるという関係の成立を互恵性と呼ぶ。
要するに助け合い。

助け合うのが人間性ってわけじゃなくて、むしろ本能で。双方利他的に振る舞い、双方がお返しを受け取る。これにより人類が発展してきた説もある(互恵的利他主義)。1

・互恵性が「保たれているべきだ」と考える強さを互恵性規範と呼ぶ。「規範」は手本とするような理想的なものという意味があるが、どちらかといえば今回は「ルール」に近い。

互恵性規範が強い人は「助けられたらお返しに助けるべきだ」と考える。弱い場合は「そんな堅苦しく考えなくてもいいっしょ」みたいな感じ。

・ここから助けを求めない人の気にする「助けられる資格」は2つ考えられる。

  1. 自分は助けを「受け取る」資格はあるのか?:過去の自分は周囲への「貸し」があるか
  2. 自分は助けられて「お返し」をする能力はあるのか?:未来の自分は「返済能力」があるか

できない場合は(気分的に)債務不履行を覚悟しなくてはならなくなる。
本当に金の貸し借りに近い感覚かもしれない。助けられたことを「負い目」に感じる人は結構いるものだ。

・互恵性規範はさらに2つの要素がある。2

  1. 当人がお返しをするべきと思うか
  2. 周囲がお返しをするべきだとしているか

1は主観だが、2は客観的であり、環境要因とも言える。2は要するに「職場の空気」みたいなものだ。

そちらを測るために使われた質問が以下。

返報必要が高い質問と、返報不要が高い質問がある。後者は「お返しとかは別に気にしなくて良い」みたいな空気。

恩知らずに一見見えるが、中身は互恵的な形になっている。個人の価値観ではなく、職場の空気感がこれなので。
逆に返報必要の側は「義務」のバッドスメルがキツく、むしろこちらのほうが病気になりそうに思える。

なお実際の調査の結果、職場では返報不要と返報必要の雰囲気は混在していると出た。このため個人個人がどのように判断するか、同じ職場でもわかれるかもしれない。

・返報不要の方は、心理的安全性が高い職場と似ている。これは「意見を言うことにリスクがない」という暗黙の了解が共有されているかどうか。安全性がなければ部下は萎縮して言うことを聞くだけになりやすく、安全性があるなら積極的にアイデアを出す。

「言いやすいか言いにくいか」としてみれば今回も同じで、「助けを求める」ことのリスクが気になるような空気なら、やっぱり助けは求めづらいだろう。

職場に限らず社会にも言えることだが。

公正世界と周囲の目

・今回の話は「礼には礼を」という価値観がかなり大きく関わる。このため、ほぼ全ての人間にあるだろう公正世界仮説を説明しておきたい。論文には出てこないんだが、中身はかなり似ているため。

「仮説」の他には公正世界信念、公正世界誤謬(ごびゅう)と呼ばれることもある。信念は自発的な思い込みであり、誤謬とは「間違い」を指す。
つまるところは「世界は公正である」という思い込み、あるいは間違い。

具体的には「因果応報」のシステムの妄想。いくつか種類はあるが、どれも最終的には帳尻が合うと当人は想像する。

・これはほとんどの人間の「世界観」であり思い込みでしか無い。1年で隕石が自分の家に5回落ちてきたおっさんとか実在するからな。理不尽である。3

このためたびたび現実と不一致が起き、その時人間はなんとか辻褄合わせをしようとしたり(合理化)、発狂したりする。

例えば被害者バッシングの心理はこれだとされる。理不尽な目にあった被害者に「お前が悪い」と言うような。これは「世界は公正であるはず」だから、酷い目にあった奴は「悪い奴じゃないとならない」というクソみたいな合理化だ。

インドでは低いカーストに生まれたものは前世のカルマが悪かったからなんて意見が、日本でも発達障害児の親に似たような言葉を吐く輩というのはいるらしい。

反対にこの妄想が維持されている間は理不尽への警戒や不安が取り除かれるため、理性的になれる。偽りの平和の幻想を持っているから、落ち着いていられると言えるか。


・閑話休題。「助けを求められない人」あるいは「助けられたくない人」の心理は公正世界に基づいた考えに近いことがある。これは偏りを許さない。

自身が公正でない(受け取るだけの立場)だから、との理由もあるのだが、「公正ではない人間を見た人間」への恐怖心もある。

助けられたら「助けなきゃならない」。できなければヒスを起こした奴らに何をされるかわからない。この場合、自分に助ける能力があると思えなければ受け取れない。

・またどうでもいいことで助けられたらいつか返さなければならないという「負債」が残ることになる。できれば助けられずに自力で切り抜けたいという気持ちは湧いてもおかしくない。
無理やり貸しを作って後で利息付きで取り立てようと企むのは、まぁ実際にいるのだし。4

モースの贈与論

・そうじゃなくても比較的まともな人間にとって、「もらいっぱなし」は非常に居心地が悪い。

マルセル・モースは儀礼的な贈与を比較研究していたが5、彼によれば「贈与」とは、

  • 与える義務
  • 受け取る義務
  • お返しの義務

複合からなる。

中でも不可解だったのは「お返しの義務」だったそうな。「贈与」は見返りを求めないから贈与なのに、なんで返そうとするのん、と。彼の研究対象の地域では、「お返し」で破産する例もあったらしい。

中でも「ポトラッチ」と呼ばれる贈与形態は、贈与の競争とされる。特に北アメリカのインディアン社会に見られ、威信と名誉をかけて大盤振る舞いし、受けた側もまたそれ以上のもてなしをするとかなんとか。6

・今回も同様に、助けたい奴が助けたいから助けてそれで終わりじゃん、と思おうと思えば思えるが、まぁ大体はそうはならない。特に自分が助けられる側の時は。

「お返しの義務」を考え、自分にはそれができなさそうだと思ったら、受け取りたくないだろう。この上で「受け取る義務」を意識するなら、「助けを申し出られた時点でアウト」になる。

相手が「与える義務」を持っていると想定する場合、相手は断れずに「助けるしかない」ことになり、まともな感性をしていれば負い目は尚更に強くなり得る。

と考えればまぁ、困っている/弱っている人ほど詰むことになる。

・田中角栄がこの辺りの心理を意図的に利用していたとの説があった。お返しがある限り当然「相場」はあるのだが、それを上回るお返しをしていたそうな。

一見すると誠実だかなんだかに見える。短期的にはそのような受け取られ方もしていたようだが、これは「返しきれない重荷」になっており、「借り」を意識させ、一種の「力関係」として機能していたらしい。7

相手側の居心地は悪かったらしく、田中がロッキードで捕まったときも友人として助けようとする者はおらず、脳梗塞で倒れた後は派閥が分裂した。

またこの話の中でも「返しきれない贈与は権力関係になっていく」とされている。与える側が偉いというよりは、返せない側が負い目を感じることで。

一見ギバーでも実際にはテイカー、というタイプと言えるか。戦略型テイカーが、「まず与え、次に欲しい物を奪う」とか言われているし。8

周囲はどう見るか


・簡単にまとめてしまえば、

  • お返しを「しなければならない」という空気、あるいは世界観の持ち主は、
  • 自分が普段貢献していない、またはお返しする能力がないと判断した時に、
  • 周囲の目を怖れて自粛する傾向がある。

と、考えられている。

今回参考にしてる論文も「フリーライダー(タダ乗り野郎)だと周囲に思われたくないから助けを求めることを抑制する」と考えている。またフリーライダーのことを「裏切り者」と、そして周囲はフリーライダーのような者を「排除しようとする」とも。これは「テイカーへのマッチャーの態度」と一致する。

互恵性によって成り立つ社会において、吸い取るだけの存在は相当なリスクとなるから。9

・互恵性規範、また職場でそれが共有されているかどうかは、そのまま「自分が助けを求めた時にどう思われるか、どう扱われるか」を考える材料になる。

・「助けを求められない/求めたくない人」の話の範囲は個人の性格や考えに収まらず、環境要因(周囲が助けること、助けられることをどう思っているか)にかなり影響を受ける。相手がいる話だからね。そりゃそうだね。

ただ、「相手」だけではなく「第三者」の視点もかなり意識される。

・『周りの目』は、特に「お返しはするべきで、しないことは許されない」と思っているタイプに強く影響を与えている。

さっきの貢献感と援助要請のグラフを再度出す。

一つだけ上がり方がおかしいのが、『職場は返報必要規範が高く、返報不要規範が低い』と認識しているタイプ。
貢献感が低いと援助申請も低いが、貢献感が高いと遠慮のなさも極端に上がる。

周囲に対して「堂々としていられるかどうか」とも見える。

(似たような話で面白いのが、内向型と外向型のどちらが幸福かという話。とある研究のこの答えが、「世間全体の内向/外向具合と一致していると幸福度が高い」という結果だった。「周囲に自分の自然体がどれだけ受け入れられるか」で主観的幸福度が決まったとも取れる。)

貢献感が高いってのは、普段は「与える側」だと思っているということだ。この場合でかつ職場の返報必要規範が強い場合、援助を要請された相手はその者に対して「助けなくてはならない」ということになる。

相手に「お返しの義務」があると見なす職場だと思ってるなら、そりゃ気楽に助けを求められることだろう。

逆を言えば貢献感が低ければ、やっぱり「自分は助けを求める資格はない」と思っちゃうことになる。グラフを見ての通り、浮き沈み激しいね。

・ちなみに先程のポトラッチの例だと、返礼が充分でない場合は相手の奴隷身分に落とされることもあるそうな。

さらに贈られる物には「返礼をしないと死ぬ呪い」がかかってるそうな。正体表したね。そもそもポトラッチは「戦争の代用でもあった」とまで言われている。

これは単なる迷信やクソ文化というよりは、人の心理にそのような機能があり、それをナラティブ(物語)化あるいは神話化したものに思える。今回と要素自体は共通しているし(返報不十分によるペナルティ、援助者と被援助者の力関係、衆人環視に依るそのシステムの維持)、一般人の慣習的な贈与の心理的背景には確かにこれが透けて見える。

「返報性の原理」なんて言われる、「礼には礼を」の心理があるが、返報性の原理は一種の「他人をコントロールするテクニック」として紹介されることもあるし、そう使われている。

助けられたくない相手

・モースが言うところの「お返しの義務」がある限り、基本的に無闇に助けられたくないってのはまぁあるだろう。

個人の心理として「恥」の概念とか、援助申請はある意味秘密の開示であり、相手の口がガバガバだとリスクがあるとか言われてもいるが、これら全て「社会的」な懸念とも言える。

それ以外にも特定の「助けられたくない人格」の相手というのはいる。助けられる側にどう見えるかってのも大きいけれど。

・孔子が言うところの「徳」への批判で、こんな話を聞いたことがある。

「お前が人を助けようとする時、『これで徳が稼げる』というとても嫌らしい顔をしているぞ」と。

で、実際そう言うのいる。ヒーローコンプレックスとか、メサイアコンプレックスなどの、一種の承認欲求のために他人を助けたがる奴。

アダルトチルドレンのケアテイカーも該当するかな。戦略型のテイカーもまた、まず相手に援助することで、自分が望む「お返し」を要求するための下準備とする。

これらに共通するのは「相手の困りごとは自分のチャンスである(大体顔に出る)」「相手が思い通りにならなきゃ不機嫌になる」ことだ。

自分から助けようと近づき、それまで親身だったとしても、急に冷たくするなどもする。ボランティアに参加しておいて途中でバックレるなどもある。

・助けようとする過干渉は、交流分析の「ゲーム」、つまり人間がよくやる汚いコミュニケーションにもある。ITHY: I’m only Trying to Help You(あなたを良くしたいだけなんだ)。相手に尽くすが結果は出ず、破綻する結末を迎える。

まぁこれ大体どっちもやりたくてやってる破綻したコミュニケーションだとされるが。

・求められていない助け=干渉とは「コントロール(自分の操縦権)の侵害」であり、フェイス侵害行為に入る。一種の「距離感」の話で、特にネガティブフェイス(不可侵欲求)を侵す。

この辺りを気にするから(つまり助けるためには相手の「許可」が必要だから)、助ける側は殆どの場合「助けたいんだけど手を出しづらい」という葛藤がある。それを一切気にしない場合は、良いか悪いかは知らんが一般的ではない。

ヒーローコンプレックスとかメサイアコンプレックスは「自分が主役」の発想や視点なので(誇大型の自己愛に近い)、熱量の差がかなりグロテスクになる。

・ちなみに「普通の同情や共感」でも、相手を助けられないと悟ると今度は「軽蔑」の感情に変化する傾向がある。
助けたいのに助けられないストレスを、「こいつは苦しんで当然だ」と思いこむことで消そうとする。10

・共感には二種類ある11

その内の一つの情動的共感は「同化」に近い。このような共感からの援助意識は、「自分が楽になりたいから相手を変化させよう」という考えに近く、あまり相手のためにならないことも多い。

そこからの援助を名乗り出ることは「お前を見ているとイライラする」との宣言と取られかねない。まぁ受け入れたくはないだろう。援助と言うか、相手を。

またこれは「自分が助かるとは思えない」場合にも予測される結末となる。助けようとしてくれた人はその内そうなる、と。

・プライドが高ければ(=恥への感受性が強ければ)、「手伝おうか?」と声をかけるだけで「人並みにできね-んだなお前」との意味だと捉えかねない。

つまり真正の共感や同情でも、特に精神的に加害される可能性がある。受け手の問題(=勝手に傷つく)も多々あるが、当人が助けを拒絶したい理由にはなり得る。

・後はまぁ、大体困ってる時に近寄ってくるやつは禄なやつじゃないというのは、結構多くが持っている人間観だ。クソカルトとか上記メサコン系のとか。

アメリカ人がポジティブに振る舞いたがるのは「弱ってる所を見せるとタカられるから」なんて説が最近散見される。真偽は知らないが。

少なくとも事実として「弱っている人間を見つける嗅覚」みたいなものを発達させた人間は存在する。発達した理由はまぁ「獲物を探す」という動機から。

メモ

貸し借りなし

・書くタイミングなかったからここに書くが、貢献感による援助要請は、相手が家族や職場外の時は、職場ほどの萎縮はしない結果になっている。

さらに助けを求める相手が「専門家」の場合、貢献感とは関連を示していない。

金払うことを想定しているかどうかわからんが、そうだとしたら金を払えるから気楽になれるんだろう。真面目な話。言い方を変えればこれは「お返し(対価)をしっかり返せる関係」となる。

そうじゃない場合は「相手の仕事/役割だから当然だ」と考えることもできる。その場合はブーメランになって、自分が仕事のことで誰かに相談することもできなくなりそうだが。

どちらにせよ、職場が一番助けを求めづらい場面であるかもしれない。一番困ることも多そうだが。

投げた呪いが返ってくる

・なお、助けを求められないから努力して、助けられることがないくらいに実力をつけ、その分助けを求める他人は非難する、みたいなのも結構いる。実力主義者を名乗ることが多いな。シャドウの投影と言えるか。

『職場は返報必要規範が高く、返報不要規範が低い』と認識しているタイプだけ、貢献感による助けを求める意図の上がり方がおかしかっただろう。貢献度が「助けられる資格」だと思っているとも取れる。

このタイプでなおかつ貢献感が高い者Aが、一人の人間Bに対して事実はともかく「貢献度が低い」と評価したとする。
Bが助けを求めた時、AはBをどう思うだろうか?

仮にBを軽蔑/侮辱したとして、今度は自分が落ちぶれて貢献感が下がった時、助けを求められるだろうか。
人間は他人の心理を推論する時、自分の心理をモデルにする。つまりBに思っていた通りの考えが自分に向けられるだろうと思いやすい。毛ほども思わない場合はむしろ人格がヤバイ可能性が高い(自己愛によくある捏造された特権意識)。

また、実際に批難したとしたら。「お前は貢献してないから助けない」とでも明言したとしたら。とか考えると、このタイプに限って言えばブーメランだったりはするな。

・このように立場が変化した際に、人に投げまくっていた感情が自分に投げまくられるのではと怖くなる、というパターンはたまに聞く。

例えば産休で休んだ同僚のことを散々陰口叩いていた女が、今度は自分が産休を取ることになった。自分も「あの時自分が言ったこと」と同じことを言われると感じ、休むのがもはや「怖い」となったそうな。

ちなみに陰口叩かれてた最初の人はそんなこと知らんので、とても朗らかにお礼を言って復帰している。そんな話を見かけたことがある。

・逆を言えば、自分がどうなっても援助される「空気づくり」として、他者に寛容である理由は存在するってこった。契約じゃなくて投資だけどね。

受け取らないギバー

・今回の話はギバーと下手に関わると周囲からテイカーとみなされるリスクがあるって意味でもある。
多くの者(マッチャー)に取っては、タダで受け取ることは気分がいいこととは限らない。

公正世界仮説や自己責任論に落ち着く/堕ち付く人間が多いのは、それが一番安心だから、ってのはあるだろう。

ぶっちゃけて、自分に余裕がなければギバーの相手は心苦しいことは、あるかもしれない。たとえ相手が見返りを求めなくても、自分がマッチャーなら落ち着かない。加えて「周囲にどう見られるか」を気にするなら、リスクは存在することになる。

・恐らくだが、お返しを受け取らないギバーは避けられるだろう(健全なギバーは自分も受け取る権利があると考える)。

これは贈与論で言えば「受け取る義務」を果たしてないし、「返さないとスッキリしない」との相手のフラストレーションを理解していないし、それにより相手が受ける社会的評価にまで気が向いていない。

「良い人になりたい人」がよくやらかすんだがこれ。

まぁ単純に、交流においては「一方的」でよろしいことってないと思う。長い目で見ればね。

その他

・「自分が助けてもらいたいから(返報性を当てにして)人を助けようとする人」、ってのはいるもんだ。動機がそれだとしつこくなる。余計なお世話を必死にやろうとして「こっちくんな」って言われがちだが。

・自己愛の一部は、助けは(上から目線で)平気で求めるが、その後で助けた人間を恨む傾向がある。連中の価値観では助けられた=自分が下なので、なんか脳内で勝手に「見下された」みたいな帰属をするらしい。

このため「助けてやる」という態度で人を助けようとすることもある。当然後で恩に着せる。まぁ大体はフラれる。

・テイカーは「自分の権利」と「他人の義務」に敏感だが、それ以外の人間は大体が「他人の権利」と「自分の義務」の方に注意が向き、大体遠慮がちになる。

世の中の「少しは自己主張しろよ」的な指摘は当然後者に向けて発せられるのだが、なんか前者が受け取って悪化しますね。

・多分だが、「個人が助けられる」という形を取らない限りは、援助されることにそれほど抵抗感はないと思われる。環境改善とか全体的にとか。直接ではなく間接的になら。

  1. ここから考えれば、マッチャーがテイカーを排除しようとするのも本能だろう
  2.  貢献感と援助要請の関連に及ぼす互恵性規範の増幅効果 社会心理学研究 第31巻第1号 
  3.  2年後に6個目が落ちてきたもんで、おっさんは「宇宙人に狙われている」と確信して屋根を鉄板で補強したそうな。まぁ実際、学者も頭を抱えるような確率ではあった。https://www.excite.co.jp/news/article/Tocana_201609_post_10868/
  4.  戦略型のテイカーがこれをやる。 
  5.  マルセル・モース 贈与論   
  6.  https://kotobank.jp/word/%E3%83%9D%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%81-133769 
  7.  https://president.jp/articles/-/60080?page=3 
  8.  テイカーとされる起業家のいくらかは、表向きは慈善活動と称して人を集め、実際には搾取していた例もある。 
  9.  フリーライダーとテイカー/ギバー 
  10. メルビンラーナーによる公正世界仮説関連の実験による。cf.https://embryo-nemo.com/2819/
  11.  共感は心理学では2種類ある 

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