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テイカーとは:テイカーを知り、避けるために

投稿日:2022年2月7日 更新日:

テイカーとは

・テイカーとは、人から奪う者を指す。公平感がなく、自分だけが得をしようと考える。

他人から奪うためには、近づく必要がある。このため外面は良い、最初だけは愛想が良いなどの傾向が強い。後で正体を表すことになる

ただし、人間は誰でもテイカーの要素は持っているともされる。まぁずるいこと思いつくくらいは誰でもあるだろう[efn_note] このため短い文脈、一つのやり取りの中でのみテイカーってこともあり得る。「あの時のあの行動はテイカーだった」と。 [/efn_note]。改めて「テイカー」と呼ばれるような人間は、実行に移している者を指す。

・組織心理学のアダム・グラントが提唱した概念。著書『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』に於いて提唱された。
この概念の中ではテイカーは「持ち去る者」「奪い取る者」のニュアンスが強い。

・グラントは「チームに一人でもテイカーがいるとだめになる」と主張している。
これは「テイカーに奪われる/利用される」として全体に貢献しようとする者が萎縮したりするため。
テイカーがいるだけで周りは疑心暗鬼になり、出し惜しみをするようになると。

グラントが言うまでもなく、フリーライダー(タダ乗り野郎)やダークトライアド(悪の性格)、他にもソシオパス(反社会性人格障害)やサイコパスなど、「外面は良くて他人に近づき、奪う/騙す者」はそれぞれの分野で危険性が指摘されている。
「テイカー」という概念は、広くそれらを包括して示す。

ただし性格上の問題だけではなく、価値観や世界観由来でテイカーでいることもある。
例えば「騙される方が悪い」という世界観や、競争主義やゼロサムゲーム(誰かが得すれば誰かが損をする世界観)など。
このため後天的にテイカーになることはある。

・ギバー(与える者)やマッチャー(バランスを取る者)とセットで語られる事が多い。
テイカーは利己的であり、組織の疑心暗鬼を生む。ギバーを利用または取り分を奪い、ギバーとマッチャーに嫌われる。

ストレートに「関わらないほうがいい人の特徴」みたいに言われていることもある。


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テイカー気質とは:テイカーの特徴や性格

・テイカーの特徴は一言で言えば「利己的」。人のことを考えず、自分勝手。

グラントが言うテイカーは、自己愛性人格障害やソシオパスのような、利己的であり積極的に独占や搾取、支配をしたがる人格に近い。

・「テイカー」という呼び方に拘らなければ、元からこれらの性格的特徴を兼ね備えたダークトライアドやダークテトラッドと呼ばれる人格(「悪の素質」とされる要素が複合した性格)は組織にとって重大な問題を引き起こすおそれがあるとされる。

「悪の素質」はマキャベリズム、サイコパス/ソシオパス、ナルシシズム(自己愛)。この3つの性格特徴の複合がダークトライアドで、サディズムを加えるとダークテトラッド。

これらの性格の悪さは、「それは特にリーダーシップポジションに置かれた時は顕著となる」ともされる。

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このため横暴な権力者や、愛想よく近づいてくる詐欺師のイメージが近い。

・一方で「対価を払わないで利益にあずかる者」はフリーライダー(タダ乗り野郎)と呼ばれ、こちらは日本でも研究されており論文もある。寄生がメインであり他人にから奪おうとする積極性は(比較的)ないが、性格や言動はテイカーと酷似する

  • 責任感がない
  • 仕事を怠ける
  • 同僚の成果を横取りする
  • 部下や後輩に横柄な態度を取る
  • 自分の能力を過信している

上記の通りやる気も責任感もないが、評価や報酬がもらえることなら「自分は頑張ったアピール」をするとされる。もちろん他より働いてないのにだ。
加えて他人の手柄を横取りするケースもある。

・厳密に言えば、テイカー/ギバー/マッチャー的思考は全ての人間に素養がある。思いつく程度ならおかしくはないということ。

この上でギバーだテイカーだと言われるのは、日頃の行いに他ならない。

・チンピラやヤクザの価値観がかなり近い。自己利益を追求し、他人の迷惑は考えないが、メンツ(外ヅラ)は過度に気にする。

全体的に操作性(人を利用したり操ろうとする)、不公正さは共通する。これはソシオパス(反社会性人格障害)や悪性自己愛の特徴。

競争主義者である。「他人が得をすれば自分が損をする」と思っている。

この心理もまた万人にあるようで、ある実験では「政府が社会的弱者に救済措置を与える」というニュースを見た人々は拒否反応を起こした例がある。理由が「自分が損する気がするから」だそうな。

「自己利益と他者利益は両立できる」ことが理解できない、あるいは「他者より有利になることこそが幸福だ」という価値観ため、「パイの奪い合い」あるいは「ゼロサムゲーム」と呼ばれる奪い合いの世界観で生きている。
結果、受け取るが返さない=テイカーとしての行動は増える。なので「タカリ」もそうだが「ケチ」であることも多い。

まぁ、その果てに「居るだけで邪魔」になる。

・テイカーにも色々ある。サイコパス自己愛性人格障害の可能性もあるし、「燃え尽きてうんざりしたギバー」の可能性もあると言われている。

前述の通り素質としては誰にでもあるため、後天的に変わる余地はある。変わることができるとも言えるが。

・由来はどうあれ「テイカーとしての振る舞い」をする者は割といる。天然もいれば、悪意を持って近づいてくる者もいる。

テイカーの見分け方

・基本的には外ヅラばかりで中身がない。影で軽蔑されていることも多い。

表面上フレンドリーだが「お願い」が多いようなら警戒した方がいいだろう。

・自分が持つ相手の印象が、

  • 都合のいい時だけ話しかけてくる
  • こちらが用がある時と向こうが用がある時で態度が違う
  • 関わっていると損をする
  • 疲れる、または騙されたと思うことが多い

などの場合、その者はテイカーだと思ったほうがいい。少なくとも自分にとってはそんな奴だ。

利己的な性格、つまり自分勝手であるためこのような印象を受ける。
マウンティングも多いとされている。

最後通牒ゲーム


・テイカーかどうかは最後通牒ゲームで見分けられるとされる。金を二人で分け合うゲーム。例えば10万円を二人で分けようという話で、どのような分配を選ぶか。

両者の分配比率を片方が提案し、もう片方が受ければその金額が両者に分配される。相手が「その金額では納得できない」と拒否した場合、両者とも何も得られない。
(前提として、相手がどこの誰かわからないように手配される。やろうと思えば後腐れなく自分勝手に振る舞えるということ)

テイカーは、例えば相手の提案が6:4など自分が微妙に少ない場合には拒否する傾向がある。提案する側の時はもちろん自分が多い

ちなみに5:5ならマッチャー、自分が少ない時はギバーとされる。


店員への態度

・グラントは、相手の人となりを知りたければ「レストランの従業員やタクシーの運転手への接し方を見ること」としている。
テイカーは想像の通り偉そうになる。「上か下か」の世界観の住人だから。

・よく聞く話だが、例えばレストランでもラーメン屋でも従業員に「ごちそうさま」と言ったら、「こちらの方が偉いのだからそんなこと言うな」と言ってくる同行者みたいなのもテイカー気質。

「客」の方が偉いという判断も「立場でものを考える」ことを示す。
これだけなら別にいいが、「ごちそうさま」という言葉を惜しむというのはどう考えてもケチだろう。このように言葉ですら「与える(支払う)ことを惜しむ」というのはかなり目立つ特徴だ。

このようにテイカーは「自分の方が偉い」と思っている、またはそうアピールしたがることが多い。この上で与える、または相手が潤うことをかなり嫌がる

アダム・グラントの見分け方

・アダム・グラント自身が使う見分け方は、「自分のおかげでキャリアが劇的に向上したと思う人を4人挙げてください」と質問すること。

ギバーは目立たない人、地位が自分より下の人を挙げる。
テイカーの場合は自分より影響力が高い人の名を挙げる。

これはテイカーが上に媚び、下を虐げる性格をしてるからだとされている。この性格は権威主義的パーソナリティと共通する。権威に対してマゾ、弱者に対してサド。ただしこちらは大衆の心理とされる。逆を言えば多くの人間はその欲求を抑え、理性的/社会的に振る舞っていることになる。

レック判別

・テイカーの判別方法にはレック判別と言われるものがある。簡単に言えば自分(だけ)が目立とうとする行動をどれだけ取るかが目安となる。

テイカーは悪い意味で社会に適合しているため、社会的評価、他者からの称賛などを得ることが本懐となっていることが多い。[efn_note] ちなみに悪性自己愛と呼ばれる行くところまで行った自己愛の場合は、社会的評価や称賛を既に得ているとの妄想を持っているため、むしろそれらを求めなくなるという。 [/efn_note]このため基本的に目立とうとするし、自分が優れているとアピールしたいためマウンティングもする

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テイカーの人間関係

・まぁ、このザマで嫌われないと思ってるなら頭おかしいが。

目的が「搾取」なのでテイカーは向こうから近づいてくる。被害者は逃げるか、逃げ損なう。そんな構図になりやすい。

人当たりの良いテイカー

・外ヅラは良いタイプのテイカーも多い。人に近づけないと奪えないからね。

グラント曰く「多くの人はテイカーの人当たりの良さに騙される」。

グラントはこのタイプのテイカーを「詐欺師タイプ」としている。

・サイコパス、ソシオパス、自己愛性人格障害なども表面上の魅力を兼ね備えているとされている。

これらは元から人を騙す、人から奪う傾向が高い。

愛着障害の脱抑制型のように、過度に馴れ馴れしいなどもある。天然で距離感がおかしいタイプ。これは認知的に自他の区別がついていない場合もあり、当然「受けた/与えた」ことにも鈍い可能性はある。

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・グラントはパンピーがこの手の輩に「騙される」としているのだが、個人的にはそうじゃないと思う。

大抵の人は表面上の無難な交流の望むので、フレンドリーであることに抵抗するつもりがあまりない(なお実際には馴れ馴れしいとかなりの確率で気持ち悪いと感じている)。

テイカーは地盤を固めてから本性を出すので「気づいた時には手遅れ」という形になりやすい。

つまり騙されているのではなくて「接近を許してしまう」。この時点で敵のペース。庇を貸して母屋を取られるって感じになる。

・他者への侵害/侵食の傾向は隠せてないので、初対面でなんか嫌な感じくらいはわかるだろう。
プライベートを探ってくる、馴れ馴れしい、マウント臭いなどは初見で分かる。

恐らく感覚的に分かりやすいのは「まだ近づくつもりがあるのか」と感じることだろう。人は本能的に、これに対してかなり気持ち悪さを感じる。
普通は懐に入り込もうとはしない。むしろ傷つけることを恐れるため、近づこうとしない傾向のほうが強い。

勘違いしてる人もいくらかいるが、初見で「遠慮がない」のは天然か舐めてるかしかありえない。フレンドリーではない。

普通は初見の相手にその態度は取らない。「何が失礼になるか/相手を傷つけるか」がわからない状況で自分を出そうとはしない。

テイカーから見たギバー

・自己犠牲型ギバーはテイカーのエサになりやすい。

・ギバー(与える者)は二分されている。自分を売り飛ばすか大事にするかの違い。
 ①自己犠牲型ギバー
 ②他者志向型ギバー

・自己犠牲型ギバーは「損ばかりしているお人好し」をイメージすれば良い。誰彼構わず自分のことより人のこと。アダルトチルドレンに近い。テイカーに寄生あるいは利用される。

報われると信じて望んでそうしていることもあれば、一種の対人恐怖症で反射的にそうしてしまうこともある。

・他者志向型ギバーは相手を選ぶ。与えるのはマッチャー(受けたら返す)までであり、相手がテイカーだと判断したら、自分はマッチャーに態度を切り替える。

このスタンスは投資家に近い。与えることと自分のためになることがイコールになるように判断し、駄目だと思ったら(相手がテイカーだったら)損切り(損した状態でも縁を切る)ができる。


・自己愛性人格障害を始めとした、幼児性が高い性格しているタイプは「甘え」感情が強いとされている。

甘ったれだとは思われたくないため、回りくどく「こうするべきだ」「こうあるべきだ」と道徳の形で自分の望みを説いたり、泣くだの怒るだのと感情に訴えたりすることも多い。

・他者に求めるものが多い。それをしてもらうのが当然の権利(タダ)だとの態度をとる。これで言動はテイカーそのものになる。

こういった回りくどい屈折した甘え自己愛的な甘えと呼ぶ。他者への配慮の要求許容への過度の期待など。

自己犠牲型ギバーはアダルトチルドレンに近いといったが、どちらも世話焼きの要素がある。このため悪質な甘ったれと繋がりやすい。


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テイカー同士だとどうなるか

・競争社会の住人なので、基本は排他的。マウンティングし合ったり、ディスり合ったり、足を引っ張り合ったりと仲がいい。

力関係がある場合、面従腹背も多い。表向きは従うが、裏では逆らっている。

・類は友を呼ぶ、と言わんばかりに大体同じようなのが集まりやすいとは言われている。

ただドケチとドケチなので奪うものがない。テイカーが付き合いたい相手は獲物なので、同じテイカーには魅力がない。このためお互いに干渉しないとも。

・テイカー同士で群れをなし、ギバーにタカることもある。
何度か「テイカー同士によるギバーの取り合い」を見たことはあるよ。仲いいね。

テイカーへの対応

・「付き合うな」「関わるな」との声は多い。関わって得することはない。
テイカーの言動は嫌われるから、バレなくてもうざいし疲れると思われて無視されたりも多い。
関わらないのが吉というのは大体のギバーやマッチャーが感じるところのようだ。

・一方で悪性進化して「自分の相手をさせる技術」を発達させたテイカーとかもいたりする。
なんとか相手をさせよう、なんとか言うことを聞かせようとしていると、前述の人格障害などに見られる「操作性」が発達する。

操作性が高いと言動が軽薄になる。その場その場で人を動かすためだけに都合のいい「汚い綺麗事」を吐き、自分の思い通りにしようとする。言動に一貫性があるかどうかは見分けるための大きな要素だろう。

はっきり言ってやるが、「テイカーは良くない!ギバーになろう!」って言ってるテイカー絶対にいるぞ。

・それでもマッチャーはテイカーを排除しようとする。グラント曰く「テイカーに出会うと、存分に懲らしめることが自分の使命であるかのように思う」

テイカーの成功者は少ない。これは「正体がバレてマッチャーに懲らしめられるから」だそうな。

身内がテイカー

・マトモな損得勘定をするなら身内から「奪おう」とは思わない。利害関係が一致していることも多く長い縁となるため。

ただし相手を「自分を甘やかしてくれる人」と見ている場合、あるいは自分のことしか考えていない人間はこの計算はしていないのでやる

・一部は「立場を笠に着る」みたいなことが多く、当然その「立場」が通用する相手がターゲットになる。身内と呼ばれる人間関係はその代表例となる。

同様に腐れ縁のある相手にも図々しい。職場や家庭など。モラハラやDV加害者も同じく「簡単には切れない縁」がある相手にだけ本性を曝け出す傾向がある。

・一方でどこまでも調子に乗るようで、普通に家族からも縁を切られている話も多い。

そこまで行かなくても、みんなが集まるような所では煙たがられているが、本人は自慢話に一生懸命(レッキング)で気づいていないことも多い。

テイカーの自覚は持てるのか

・自分がテイカーの場合に自覚できるかって話だが。さてどうだろう。テイカーをやめたい、なんて意見もあるようだが、状況がよくわからない。

・私の目に入った限りの話となるが、グラントが提唱したギバー、テイカー、マッチャーの話を聞くと、大抵の人間が「自分はマッチャーだ」と思う。

テイカーの数は全体の19%と言われているが、自覚している人間は明らかにそれより少ない。

・また、実際のテイカーはドケチであり、与えることを惜しむ傾向がある。このため出来心で何か与えたような時、誰かが得をした時、うざいくらいに自己主張する。

アダム・グラントの見分け方がこことつながるわけだが、「やってやった」と思ってるなら、自己評価はテイカーどころかギバーだと言えるだろう。かなりめんどくさい。

・ギバーとテイカーは内面的にはどちらも誰もが持っている。だから燃え尽きたギバーがテイカーになることもあるし、テイカーが改心することもあるかもしれないな。期待はしてないけど。

どちらとしても振る舞えるのがマッチャーであり、恩には恩を、目には目を、と振る舞える。自覚としてマッチャーが多いのは当然と言えば当然なのかも知れない。

だからマッチャーはギバー予備軍でもあるし、テイカー予備軍でもある。社会的にギバーでいても損をしない構成を作れるなら、ギバーは増えるだろう。そうじゃないならテイカーは増える。即物的なわかりやすい得を追い求めるべきだと社会が言うのなら。


・恐らくだが、大抵はテイカーも自分のことをマッチャーだと思っている。
「自分の中ではこれは公平」という世界観で正当化している場合、自覚は持てない。サイコパスやソシオパスの場合は「自責の念の欠如」があるため尚更だ。

思うに人の天然の悪は、その殆どが合理化、正当化によって補強される。ただの「失態」をこれでいいのだとしてしまうことで。

・逆に「自分の中の公正さ」に反する場合、自分をテイカーだと思うこともあるだろう。客観的に見てどうでもよかったとしても。

この構図は「助けを求められない人」にも共通する。自分が周囲に貢献していると思えば助けを求められるが、そうでなければ求められないという心理。自分に助けられる資格が無いと思ってしまう。

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・認知的な視野の狭さ、いわゆる自分のことしか見えていないのは、想像以上にタチが悪い。

与えられたものが「見えていない」、奪っていることが「分かっていない」というのはあり得る。知能指数とか感情知能とかの話。これらがマトモだとしても、価値観次第ではテイカーをマッチャーと正当化することはできる。

この場合、自分は公正なマッチャーだと自覚し、その他大勢からはテイカーのお墨付きをもらうことになる。これは結構多い。

・ついでに言うと、ギバー/テイカー/マッチャーの概念は「人は悪いことをしようと思わなければ悪いことはしないはずだ」みたいなのが前提になっているように見える。

認識のズレ、解釈の違い、価値観の違い、天然のアホなどは織り込まれているようには見えない。

例えば人間は得よりも損に過剰反応する(プロスペクト理論)。同じ金額を得たか失ったかで、人の感じるインパクトは違う。
失った時の方がインパクトは強い。恩を与える/受けるの認知も当然偏りが出るだろう。「恩を感じるが返したら損(赤字)」という認知もあり得る。

・権利意識が過剰な者もテイカーに近い。
なにかしてもらっても当人は「当然の権利」とするため、恩とも思わない。
あるいは他者に対して「義務を果たせ」と取り立てることもある。
あるいは人のものを自分のものだとし「返せ」と喚くものもいる。

当人からしてみれば妥当だが、実際には強盗だ。

・「公正」はかなり難しい。人が肌感覚でマッチャーをやっていた所で、せいぜいが「バランス取ってるつもりの人」としか言えない。他人から見たら、さてどうなるだろうか。

少なくともここで述べてきたようなテイカーと比べれば大抵は「ここまでひどくねーよ」くらいは言えるだろうけれど。

まぁ組織論から発展したんだから共通する目的と価値観があることが前提になっているのかもしれないが。裏を返せば、目的や価値観が不揃いであるプライベートにまで範囲を拡大すればテイカーになる人は19%よりもっと多いだろう。

・思うに、気にするべきは3つ。

  1. 自分にとって相手は何者であるか
  2. 相手にとって自分は何者であるか
  3. 社会(その他大勢/客観的視点)からみて自他は何者であるか

メモ

・ギバーがキレイかっつったら怪しいんだけどな。いくらかやばいのも混ざってる。

孔子が言うところの「徳」への批判で、こんな話を聞いたことがある。
「お前が人を助けようとする時、『これで徳が稼げる』というとても嫌らしい顔をしているぞ」と。

助けを求められない人、助けを断る人の心理

実際に何人か「良い子にしてても報われない」と言ってグレたのは知ってる。大体は天然よりも悪どくなる。

・グラントは「テイカーを排除しよう」と言ってるわけだが、前述の通りテイカーには燃え尽きたギバー、つまり「かつてギバーだった者」も含まれる。これも排除するのか、なんて意見もあるようだ。

まぁ現テイカーな時点でテイカーですね。自分を騙したテイカーにやり返そうってんなら「マッチャー」と表現されるはずだし、テイカーと呼ばれる時点で「無関係な人間から奪う」ことをしてるのは確定のため、排除しない理由はないだろう。

真面目な話、「自分は可哀想だから、やられた分をやり返す」として無関係な他人に八つ当たりするような生き方を選ぶ者はそこそこいる。復讐になってない。

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