林成之による5つの脳の本能 

 

脳神経外科医・林成之著「脳に悪い7つの習慣」より。が、本の内容とは今回あまり関係ない。脳が最初に情報を受け取る脳神経細胞には、まず3つの本能があるとする。

■生きたい

生存欲求。まぁ、少なくとも人体は生きるように出来てるね。人体は。

■知りたい

知的欲求。成長欲求とも言えるだろうか。ともすれば出歯亀根性にもなろうが。
興味、好奇心。これらが本能としてあるため、興味が無いものはあまり覚えず、興味があるものは覚えやすい傾向があるとされる。

同様に「それはもう知っている」という態度を取る場合、スペックは落ちるとされる。

■仲間になりたい

所属の欲求。社会的な認知の欲求。ストロークや他者承認欲求などはここに含めていいだろう。

これがあるため、他者貢献は本能を満たすとしている。どんな相手にも尽くすべきだって話でもないだろうけどね。

また、社会的な貢献はこれを満たすことになる。サイコパスも英雄願望があるし、誇大型の自己愛も目立ちたがり屋だ。「エゴイスト」のイメージが強い彼/彼女たちに人目を気にするようなこの欲求がある理由として「本能だから」というのはまぁ、そこそこ納得できるかもしれない。

まぁこの後で自分が上か下かとかで臭い話になってくだろうけどな。特に人間は群れで餌を確保する生き物だ。「群れでの立ち位置」を気にしても不思議じゃない。

・上記3つの本能がベースとなっており、自己保存、統一・一貫性はそこから発生するとされる。

■自己保存

「脳は自分を守ろうとする」とされている。「生きたい」という本能に根ざしているともされる。

簡単に言えば消極的な行動、防御的な反応、不安や恐怖からの攻撃的な言動など。
ともすれば臆病さとも見られるが、時には必要にもなるだろう。ただ、過剰にこれが働きやすいともされる。

安全欲求とも取れるだろうか。

■統一・一貫性

言葉通り。人間はだいたいこれが好きである。

嘘つきが嫌われるのはこれに反するからだろう。嘘をつくのにも一貫性必要だけどな。

また、自己暗示というか、「呪い」というか、「私は◯◯だから」/「お前は◯◯だ」みたいなレッテルの通りになろうとする傾向など。

頑固さの理由とも。自分の意見に反するものは受け付けないということ。また、反対するものを意見としてではなく人として嫌いになるのもこう言った一貫性(笑)のせいだとも。

もちろん、普段の言動の安定性に一役買っている必要なものだ。

これも安全欲求に近いと思う。情報的な意味での「刺激」がなく、一貫性がありつまり見晴らしが良い状況で「判断」も必要無い状態が好ましいとしているのだから。

総じて、脳は変な所で不器用なようだね。

・見ての通り、この2つはバイアス発生の理由とされている。特に一貫性はフィルタリングや拡大解釈と言った認知の歪みに関わっているように見える。恐らくは自己保存・一貫性の2つは「調整」が特に必要なものだろう。

だが、見方を変えればこの2つは「理性」にも見える。自分のために不都合なことはしない、一貫性のある言動をするなど。過剰だと臆病・頑固になるのだが。

■メモ

まぁ正直、この著者別のところでは4つの本能とか言ってるし、暗記しても得はしないと思うよ。ただ概念としては使えそうだ。

自己保存と一貫性は過剰に働き、生き辛さの理由にもなり得る。実際「仲間になりたい欲求」が高い上で「自己保存」が過剰なのが自己愛だろう。誇大型・過敏型問わずに。

認知した情報は思考するより前にA10神経に入り、その段階で好き嫌いのレッテル貼りが行われるとされている。思考より前だから好き嫌いの区別をつけるのも「本能的」と言えるだろう。

人間社会は本能と相性が悪い。だが、人間がスペックを存分に発揮するのは、目的と本能(自然な脳の働き)が一致している時だ。上手いこと調和させる必要がある。

ヘンリーマレーは13の臓器発生的欲求と27の社会的欲求に分類している。

マズローの欲求階層説は私は懐疑的なのでパス。

クレイトン・アルダファーがマズローの欲求階層説を踏襲したERG理論では生存欲求、関係欲求、成長欲求の3つに整理されている。

■クレジット

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