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15分の集中と休憩を繰り返す

投稿日:2018年12月13日 更新日:

15分の集中と小休憩での勉強が、60分連続の勉強よりも後日の成績が良かった。

ベネッセコーポレーションが行った実験。

実験では、中学1年生29名を、事前テスト(75問)の結果に基づいて学力が均等になるように3グループに分けています。

(①「60分学習」グループ(10名、60分×1セット) /

②「45分学習」グループ(10名、45分×1セット) /

③「15分×3 (計45分)学習」グループ(9名、15分×3セット、7.5分休憩×2回))

実験の内容としては、3グループそれぞれに、中学1年生の範囲に加えて、中学2年生・3年生の範囲である未修英単語を覚えてもらうというものです。

当日・翌日・1週間後の3回に分けて事後テスト(各75問)を実施して、学習の定着度合いを調べるとともに、実験中は教室に設置した定点カメラ・目線カメラと、脳波計(2名)で集中力の推移を計測しました。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000562.000000120.html

要点

・一週間後、グループ1:60分学習が+16.00点のスコア、グループ3:15分学習を3セットのスコアが18.75点。

グループ3は、時間的には45分の学習で60分連続で学習したグループ1を追い抜いたことになる。

・映像では目立った差異はなし。

・集中状態に関わると言われる脳波=ガンマ波が、60分の勉強では40分を過ぎた頃から下降を始めている。一方、15分ずつの勉強では休憩を挟むたびに回復をしている。ただこれは2名しか測定していない。

尚、この二名のスケジュールは、15分勉強→7.5分休憩→15分勉強→7.5分休憩→60分勉強となっており、他と違っている。

・勉強直後のスコアは60分勉強のグループの方が上だった。翌日には15分×3のグループの方が上になる。休憩を挟んだグループは以降トップで有り続ける。最終的に60分勉強したグループのスコアは、45分連続で勉強しただけのグループと一週間後に同程度になっている。

これは言い方を変えれば、60分勉強したのに15分無駄になったと言える。

考察

・ガンマ波について

3回目に至っては初期値が一回目より上がっている。が、脳波測定した二名のスケジュールを見る限りは3回目の15分と60分勉強の最初の15分を重ねている(3回目の15分勉強が存在していない)。

肯定的に見て考えれば、休憩を挟んでも作業興奮はあり得るのか? 作業興奮と脳疲労は相関関係にあるのかもしれない。
また、集中力は続ける限り減り続けると見れなくもない。

・7.5分休憩

休憩時間がなぜ七分三十秒とめんどくさい時間なのか。まぁこれは、休憩を「リフレッシュして次に備える」として見ればいいだろう。

ぱっと思いつく5分休憩の場合だと、三回目の15分勉強の時点で三回目の休憩をする意味はなくなる。次がないからね。これだと55分の勉強と休憩になってしまうから引き伸ばした、ってところだろう。実践においては別に5分で良いんじゃないか。

・勉強内容

この実験は英単語の記憶という、最小単位が非常にわかりやすいものだ。効果を確認するのにも有効に働いたと思う。覚えているかどうか確認すればいいわけだし。
ただ、これを暗記以外の勉強や、作業(つまりアウトプット)に対して行ってもそのまま効果を発揮するのかどうかは不明。

・休憩の内容

ポモドーロテクニック(25分作業5分休憩)、48:12法(48分作業12分休憩)などもそうだが、休憩の重要性を意識した短時間集中のスタイルですら「休憩時間になにをしたらいいか/するべきではないか」はあまり語られない。

なんでも良いのかもしれないが、研究すらされていないようにも見える。まぁ頭使ってるんだし、頭休めるべきなんだろうが。

それとも「集中をやめることが集中力の休憩」、ってことだろうか。だとしたらスマホいじっててもOKとかゆるゆるになっていいんだけどね。逆に集中してしまうコンテンツは避けたほうがいいってことになるが。

タスクポジティブネットワークや集中の種類についてもまとめるべきかもしれない。やるとは言ってない。

・脳波測定の二名

表現が作為的だと見れなくもない。60分の勉強での集中力低下と言っても、その前に既に30分(15分を2セット)勉強した後だし、単純な疲労とも取れる。

「60分連続での勉強の際に40分ほどでガンマ波が低下」という部分も、それ以前に合計30分は勉強してるわけで、少なくとも「40分後には集中力は切れる」と言えるわけではない点に注意するべきだろう。

ちょっと実験や研究としては雑に見える。この点に於いてはスルーした方がいいかもしれない。

メモ

結局の所休憩もまた次に備えてのことで、ある意味勉強の一部扱いだし、この実験結果が今後確信を持たれるレベルになるとしても、単純に時間が浮くとは言い切れない。

時間は直接は浮かないが、効率は上がってるので巡り巡って勉強時間減らせそうだけれど。

60分連続と45分連続勉強が一週間後にはスコアが似たようなレベルになるのは興味深い。これは45分が得というよりは、60分連続で頑張っても「損」だということだろう。

既に60分の勉強のようなことをやっている人は、小休憩を増やすだけで効率は上がるかもしれない。作業時間が減るから試すのに不安を感じるだろうけれど。あるいは成果は変わらなかったとしても、休憩できるだけこっちが得だろうな。

これはスモールステップと相性が良いだろう。結構私達は、長時間物事に取り組めて当然で、それができなきゃ集中力がない、って価値観を持っている。元から無理があったのかもしれない。どの道15分で十分ならほとんどの人は集中に対して悩む必要はなくなる。

ゾーンやフロー状態を求める人は多いが、需要があまりなくなるかもしれない。15:5で集中し続けられるのだとしたら。

そんなわけで今回は15分書いて5分休憩でやってみたが、まぁ結構いい感じだった。

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