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公正世界仮説と帰属理論

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>帰属とは

成功、失敗、問題などに対しての原因として何らかの要素を挙げる心的過程こと。
属性としては能力(自分の先天的な要素)、努力、難易度、運の4つが多い。

なにか失敗した時にそれぞれ、

  • 自分には向いてないんだ(能力)
  • 予め出来ることをやらなかった(努力)
  • それが難しかったからだ(難易度)
  • 運が悪かった

となりやすい、という話。あくまでも当人の心理的な決着であり、現実がその通りかとは別。

今回のポイントとなるのは、帰属の価値は自尊心やストレスから自らを守るためであるとも考えられていること。

認知バイアスの温床である。例えば自己奉仕バイアスは成功は自分に帰属させ、失敗は外部に帰属させる。

「何を」「どこへ」帰属させるかはいくらか個人単位でクセがあるように思える。特に上手く行かなかったことを自分のコンプレックスに帰属させることは多い。

 

>公正世界仮説とそれによる被害者への攻撃

公正世界仮説とは、悪因悪果、善因善果、因果応報、世界は公正、という世界観。自分に訪れる出来事は自分の言動に「」しているという世界観。

「人が酷い目に遭うのはそいつが悪いやつだからだ」というおとぎ話の価値観。

「悪いことをしなければ平和でいられる」という指針とセットなる。まぁ妄想に過ぎないが。

公正世界仮説を信じている者は主観的な幸福度は高いとされている。また理想が高い傾向がある。これは「努力は報われる」というのも公正世界の要素だからだ。

理想が高いと言えば聞こえが良いが、それが他者に向けられる場合、他者志向型の完璧主義に近くなるだろう。これはダークトライアド(ナルシシズム、マキャベリズム、サイコパスの性格特性をもつ)の可能性が高いとされ、人格的にやばい。

限度も割と際限ない。まぁ「世界」だからかな。実際にいるぞ。「貧困国や治安が悪い国で酷い目にあってる子供は前世で悪いことしたからだ」とか本気で言っちゃってる奴とかな。前世に帰属とか規模でかいな。

失敗したやつを見るとすぐに「努力不足」と口にするやつとかもそうだろう。そこまで努力を信奉出来るのがそもそも公正世界なのだから。残念なお知らせとしては私達は多かれ少なかれ公正世界仮説がベースとなった世界観を信じていることであるが。

ともかく、公正世界を信じていられるうちは当人はハッピー、というか脳みそお花畑なわけだが、その幻想が打ち砕かれた際にひどく混乱する。世界が崩壊したんだから当然だろう。

公正世界仮説の信者が被害者を責めるというのは、「お前が悪くない限り、お前はそんな目にはあっていない」ということ。もちろんそのようなことも多々あるだろう。だが全てじゃない。

だがこの理由からしても被害者を「攻撃」する動機とはなりえない。そいつの頭の中じゃ馬鹿が馬鹿なせいで馬鹿な目にあった、という帰属をしただけだ。元から自分とは無関係。スルーできるはずだな?
でも実際には「できない」。実際の攻撃的言動まで行くケースは悪目立ちしているだけで少数だろうが、頭の中はどうかな。

>攻撃性の理由

可愛そうな目にあっている人が「助けられない」と知ると、人は被害者を「あいつは悪いやつなんだ」と考え憎み始めるという結果になった実験がある。公正世界仮説を維持するためとしてみればこれは「無難な落とし所」なのだろう。全然無難ではないのだけれど。つまり何らかの理由で帰属先が変わることがある。そしてその帰属先は心理的な理由により選ばれることもある。自尊心を保ちたいから失敗を人のせいにする、など。

興味深いのがこの実験、電気ショックを受け続ける(演技)人間を指を加えて見ているしか無いというものなのだが、初めは明らかに動揺したらしい。その後憎む/軽蔑するようになった。つまり「切り替わっている」。これは「実験で辛い目にあっている哀れな被験者」という認知から、「同情するには値しない」という認知に変わったからだ。感情も、どう見えるかも、もちろんその対応も切り替わる。

そしてこの実験では「被害者が辛い目にあっていればいるほど軽蔑は増した」とされている。共感により感じる「痛み」と、その拒絶。

そして被験者が報酬を受け取ることを予め知っていた場合、変わった反応はしなかった。こちらは「取引」であり、「公正」だからだろう。

別件だが、共感と論理的思考は両立できないという実験結果もある。どうにもできないとか見てて辛いとかで「共感したくないから憎んだ」という可能性は大きいと考える。

憎んでいる相手の否定的意見なんてボコボコ出てくるだろう。逆に好きな相手のどこが好きかってのは言葉にしづらい事が多い。これは憎んでいる状態の方が論理的思考に近く、共感が抑制されているとも見れる。
逆に強く共感してしまっている状態でそれを打ち消すためには、強く憎むしか無いのかもしれない。優しさにも精神力がいるのかもねぇ。まぁ相手の痛みに共感する必要があるんだからそりゃそうか。逆に共感能力や同情心が「高いだけ」なら、優しいと言うよりは危険人物ってことにもなるか。

これは犠牲の上での精神的平和だ。捏造された安心だ。しかも無関係な奴に対して自分の世界を守るために殴りかかるという行為の上での。これによる攻撃的な言動が「共感しないため」であるならば、公正世界を強く信じる者ほど「無関係の人間の不幸にとどめを刺さずにはいられない」という攻撃的な異常者ということになる。当人としては恐らく、共感による痛みにのたうち回っているだけなのだろうが。

>共感→痛み→帰属先を変える

共感とそこからの痛み、それを解消する落とし所としての能動的な帰属。公正世界に限らない。

帰属は認知バイアスに近く、「それしか見えてない」状態になりやすい。直感的な分析でもあるだろうが、「思考的な分析の方針」そのものだ。いくら考えても補強する材料しか見つからないだろう。

答えが見つかった上で更に答えを探すってのは、知的な場面なら珍しくもないが、直感的な場面ではまずやらない。暇つぶしにスマホ弄ってるのが知的な場面か直感的な場面かは、まぁ言うまでもないだろう。

ここまで言っといてなんだが、問題の原因はどうせ何かしらに帰属はされる。それが公正世界でも別に構わないだろう。上記のような攻撃性に繋がるのは「例外の存在を処理できない」という頭の固さの方が要素としては大きい。

公正世界仮説を信じている者が理不尽なニュースを知ったとして、「例外」として見なかったことにするなら少なくとも攻撃性とはならないだろう。あるいは薄情と思われたくなくて、それもできないか?

攻撃性を発揮しているのは無理に例外を公正世界に取り込もうとした結果だ。「不幸な目にあったのだから、お前には落ち度が無くてはならない」と。狂信者と呼ぶことに躊躇はない。

要するに、世界は公正だったら良いなとか、大体は公正だよなとか、その上で「でも例外はあるよな」としてるなら問題はないと思う。







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