条件付けと報酬の制限時間

http://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/admin/release_20140926.pdfより。

古典的条件付けなどにおける行動に対して報酬を与えるタイミングについて。
ドーパミンがこの学習機能のカギを握ると見られてきた。
報酬に反応してドーパミン神経細胞は一秒以下の発火をし、これにより学習が誘引される。
他にもグルタミン酸の刺激がシナプス強化に係るとされる。

グルタミン酸はアミノ酸の一種。
グルタミン酸自体が興奮性神経伝達物質。ただ、大量だと有害性がある。

グルタミン酸の刺激が強すぎると脳内の受容体のほうが死ぬらしい。アルツハイマーの原因として仮説が立てられている。刺激がなきゃないで統合失調症の原因と考えられている。

グルタミン酸は血液脳関門を通れない=直接摂取しても脳には届かない。「グルタミン」の状態なら通る。酸加水分解によりグルタミン酸となる。

グルタミン酸刺激は、要するになんか見たり聞いたり学習した状態を指しているだけ=神経情報を伝達する物質であるグルタミン酸の刺激という話ってことで良いと思われる。

上記文献によれば、条件付けの学習にはドーパミンとグルタミン酸の2つが関わっていると思われていたわけだが、この2つをそれぞれタイミングをずらしてマウスの脳で放出させ、その反応を見た。グルタミン酸刺激0.3-2秒の間にドーパミン刺激があった場合、スパイン頭部増大が見られた。

スパインの頭部増大について。興奮性シナプスは特有の棘構造=スパイン/樹状突起スパインを持つ。このトゲの頭部が増大することでシナプス結合強度を増加させる。「シナプスが強化される」って言葉の具体的に強化される部分のこと。

要するに学習した(=グルタミン酸刺激)2秒以内に報酬(=ドーパミン分泌)があったら条件付けになるとわかった、という話。

以上から、条件付けに於いて「報酬は二秒以内に」と言える。それより長いと達成と報酬の関係性が多分、脳は理解できない。

逆に自分のためになることでもやる気が出ない理由も、いつまでも嫌いなことがある理由もわかるだろう。報酬が見えていないし、それを得た時には「何の報酬だったか」が脳には分かっていない。

これは少なくとも条件付け、つまり本能的な「それをやる価値を学習する」点としては機能する余地がないことを示す。じゃあ本能的に嫌がり続けてもおかしくないな、という話。

給料が手渡しの日払いだったらモチベあがるのかね? 管理コストかかりそうだが。

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