・ゲシュタルト療法で行うロールプレイに関する言葉。自分のパーソナリティの両極端な要素。
・まぁ意識高い系わんことヘタレわんこが頭の中で喧嘩してんだよ。
>トップドッグ
・勝ち犬。性格的な長所、精神状態の強さ、自分の強み。攻撃的でポジティブ。
・◯◯すべきだ、◯◯してはならないという形でもある。意志、目的、自制。
・するべきことを強く迫る傾向。この「するべきこと」には世間体なども含まれる。その価値観は文化・教育などの「与えられたもの」である事が多い。
>アンダードッグ
負け犬という意味。性格的な短所、精神状態の弱さ、自分の弱み。気弱でネガティブ。
・◯◯はしたい/したくない、◯◯はいやだ、という形でもある。欲求、衝動、感情。
・意思表示としては弱く、受身的、防衛的。トップドッグに表面上賛成するふりをするともされる。即ち、そのうちに、機会があったら、チャンスがあったら、後で、今は忙しい、という形。言い訳や引き伸ばし。
・この消極的抵抗は、交流分析のPACモデル(自我モデル)に於けるAC(従順な子供)の反抗的な側面に近いともされる。相対的にトップドッグはCP(規範的・批判的な親)となって面白い。
・「最終的にはアンダードッグが勝つことが多い」とされている。全くいい意味じゃなく、ここでの勝利とは当人の意志・行動などをどちらが担うかということだ。つまり最終的にやらないとか、最終的に諦めるとか、最終的に怖気づくとかそういう結果になる。
また、アンダードッグの「賛成するフリ=引き伸ばし」により、やるつもりだったが結果的にできなかった、結果的に間に合わなかった、もっといい方法があるかもしれないからそれはやらなくていい、などの形で物事が終わり、当人に自覚がない可能性。
>トップドッグ&アンダードッグ(対立分身対話法)
・一見するとトップドッグがアンダードッグを打ち負かせば良いようにも思えるが、「理想が高い」ということでの人格的精神的な問題というのもある。単純にトップドッグが勝てばいいという話でもないだろう。
また、この二匹の争いは永遠に続くともされる。一見勝ち犬が勝つが、いつも最後には負け犬の思い通りになり終わりがない、と。これを終わらせるためには「自分の本当の声を受け入れること」だとも。
・この両極端な二匹のわんこに気づくことで、ゲシュタルト療法としての対話ゲームが可能になる。
対話ゲームとしてのトップドッグ&アンダードッグ(対立分身対話法と訳されることも)は、
- 椅子を2つ用意する。座布団でもクッションでもいいだろう。
- まず片方の椅子に座り、トップドッグの立場として意見を述べる。
- 次にもう一つの椅子に座り、アンダードッグとしてそれに反論する。
- 以上を繰り返し、妥協点を探る。
・私達は基本的に、少なくとも表面上はトップドッグとして在らねばならないと考えている傾向が強い。アンダードッグとして意見を述べることの方が難しいだろう。例えその場に誰も居なくても。ただ、トップドッグは理想・役割であるのに対しアンダードッグは本音に近い。迷った時に「本当はどうしたいのか」を自らに問うならば、アンダードッグとして意見を述べることは必要だろう。
>メモ
・どちらも当人にとって大切なものとされている。対話ゲームもあくまでも両者の「落とし所」を探るためのもの。トップとアンダーで語り合い、矛盾を浮き彫りにしてそれを統合するとされる。まぁ、どちらかが勝つってことはないね。
これは「どうしたら一緒に頑張れるか」みたいな意見の中和、平たく言えば「相談」であり、白黒はっきりつけてやんよみたいな「討論」ではない。
また、自身のこのような両極性を受け止めることを学ぶことも目的とされる。
・インナーゲームとも通じるものがあるな。トップドッグ=セルフ1、アンダードッグ=セルフ2。尤もあちらはスポーツに於ける緊張の原因などについてだから、共通してるのはセルフ1のうるささか。「一方的に罵倒する」、「相方を萎縮させる」。
・ユングは自分の中の「老賢者(彼はフィレモンと名付けた)」との対話を行っていたという話がある。ゲシュタルト療法に限らず、自身との対話はそれほど珍しくはない。
参考
http://digitalword.seesaa.net/article/157085777.html
https://thechange.jp/geshutaruto-9881.html
http://www.asahi-net.or.jp/~dh4k-skmt/gestalt.pdf
http://d.hatena.ne.jp/rk0520/touch/searchdiary?word=%2A%5B%BF%B4%CD%FD%B3%D8%5D