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カフェインのデメリット

投稿日:2019年3月4日 更新日:

・全てカフェインを「摂りすぎた」場合に限る。

「摂ったら悪い」ではなくて「摂りすぎは良くない」という話。

カフェインが入っているもの

・様々なものに入っていることは、安全視されている根拠でもあるが。このせいで意図しない摂取量にはなりやすいだろう。

コーヒー

エナジードリンク

コーラ

緑茶

紅茶

ココア

チョコレート

栄養ドリンクなどの医薬品(第3類)「眠気覚まし」とされるドリンクの大半

頭痛薬・風邪薬(解熱鎮痛作用があるため)

その他「添加物」として使用されることが多々。

疲労感が減る。逆を言えば「疲れが自覚できなくなる」

・疲労感が減っても疲れてるものは疲れている。カフェインは脳を興奮させ、疲労感を「感じなくさせる」だけ。

肝臓が「沈黙の臓器」と言われていることは知っているだろうか。再生力が強いため、多少の損傷では痛みがなく、自覚症状がないからだ。

だから「わかった時にはもう遅い」、となりやすい。
「感じない」ことは事体を「手遅れ」にするかもしれない。

不眠

・知らない人がいないだろう。入眠の邪魔になる。

・コーヒーのんでも眠れる人もいるが、遺伝的にカフェインの感受性が低い、分解が早いタイプだと思われる。

・100mgで、

眠りにつくまでの延長
睡眠時間の短縮
眠りが浅くなる

などのリスク因子になるとされる。

不安

・カフェインには不安誘導作用がある。

・大量摂取の場合、不安誘発リスク因子になるとされる。健常者でも取りすぎると不安の症状が出る。

・他にも神経過敏、イライラなど。

・「不安」や「イライラ」というのは何かしら理由があって頭の中をつきまとうと思われがちだが、このような物理的な理由で「最初に」ネガティブな感情が発生し、そこからアレやコレや思い出すパターンはある。

パニック発作を引き起こす

・アデノシンはパニック発作を引き起こすノルアドレナリンに対してブレーキ役ともなる。カフェインはアデノシンの働きを阻害する。

・特に45歳以上でのパニック障害の発症の場合、身体疾患や薬物が原因であるとされることが多い。

このためカフェインの摂取をやめることが回復につながることもある。他にはアルコール、向精神薬が挙げられている。

カフェインに代表される「覚醒作用を持つ物質の大量摂取」は、パニック障害の「一般的な原因」であるとされる。

・カフェインに対する「感受性」の個人差についてはADORA2A遺伝子が作用するとされる。アデノシン受容体の一つ、A2A受容体の遺伝子。

CC,CT,TT型の3つがあるが、この内TT型はカフェイン摂取後に不安感が出やすいとされる。

重要なことだが、「日本人はTT型が多い」とされる。

この上でなんぞビジネス臭がするような、ダイエットにいい、記憶力が増す、注意力が増す、癌を防ぐ、などなどの売り文句で無理をしてコーヒーを飲んでたりする人もいるだろう。

少なくとも気持ちが不安定になるような症状に自覚があるのなら、止めたほうがいいかもね。

頭痛

・カフェイン感受性が高い場合、適量とされていても頭痛になることがある。

・非常に迷惑なことに、カフェインを摂り過ぎても頭痛になる上、そのような人間がカフェインを摂るのを止めても離脱症状として頭痛になる。

・逆に偏頭痛、群発性頭痛にはそれを和らげるとも言われている。

カフェインの循環器系の影響

・カフェインを摂取すると血圧が上がる。

・加えて運動終了後の血圧低下を軽減するとされる。つまり血圧が上がりっぱなし。

・また、不整脈誘発のリスクが上がる。

・一時的ではあるが、カフェイン200mgの摂取から1時間以内では心筋梗塞のリスクが高まる。これは時間と共に低下する。
ただこれについては、カフェインを常に摂取しているようだと耐性が出来てくる可能性も示唆されている。

依存性がある

・カフェインに依る「疲労を感じない状態」への欲求と、常飲することに依り効果が薄くなることから、エスカレートする傾向があるとされる。

簡単に言えばコーヒーに対して「飲まないと調子が出ない」とか思ってたらやばいかもね。

・タンニンがこれを和らげるとされる。このため紅茶、緑茶の方がマシである。

 

カフェイン摂取の中断について

・「離脱症状」がでる。

・症状は、疲労感、頭痛、倦怠感。特に頭痛。

他にも眠気、集中できない、疲労感、不安、抑うつ、運動能力の低下、発汗、悪心、カフェインへの渇望など。

・12~48時間以内に現れる。2~4日以内に消える。

これらはカフェインを再摂取すると軽減される。意味ないね。

この点については「徐々に減らしていけば離脱症状を回避できる」とされている。

カフェインの代謝について

・また、カフェインは代謝スピードにかなりの個人差がある。1.5時間から9.5時間とされている。この点はカフェイン入りの商品を販売しているメーカーはかなり甘いこと書いていることが多い。

友人や親兄弟と同じものを飲み食いして自分だけ調子悪くなってきたとかありえるので、自分の感覚を信じたほうがいいだろう。

・CYP1A2という酵素がカフェイン代謝に関わる。タイプがあり、米国人の50%は高活性型、つまりコーヒー飲んだら頭が冴え、早く効果が消えるタイプだとされる。

日本人の場合は長年コーヒーじゃなくて緑茶だったわけだが、緑茶にしたって一般的になった記録があるのは江戸時代(200~400年前)からだ。

遺伝子が適応するだけの歴史があると言えるだろうか。全体的にカフェイン耐性弱いのかも知れない。金持ちの家系だったらあるかも知れんが。

仮に緑茶によりカフェイン耐性があったとしても、テアニンが鎮静効果を持ち、カフェインに依る興奮を抑制する働きをするため、緑茶に依るカフェインの効きは含有量と比べてマイルドだとされる。

つまり緑茶はコーヒーよりカフェイン少ないが、カフェインの効き具合はそれ以上に差がある可能性。

以上から、カフェイン摂りたくてたまらなければ緑茶で誤魔化したほうがまだマシだとも言えるし、逆にカフェインの効きを感じないままに摂りすぎる可能性もある。

テアニンは効果としてカフェインの逆に働くだけで、カフェインを「中和」しているわけじゃないことには注意。

カフェイン効果の個人差について

・前述のCYP1A2という酵素の話。タイプがあると言ったが、これを作る遺伝子が高活性型と低活性型がある。両親から受け継ぐものであり、この組み合わせで人のカフェイン代謝は3パターンある。

カフェイン代謝が早い=高活性+高活性

カフェイン代謝がほどほど=高活性+低活性

カフェイン代謝が遅い=低活性+低活性

ABO式の血液型について知っていれば、「似たようなもん」の一言で済むだろう。あっちより少ないし。

恐らく一部の調査/実験はこの点が考慮されていない。WHOなどの発表をみても「コーヒーが」どうこう、という言い方で報道されている。

カフェインに注目すればそうなるのも仕方ないのだろうが、体に良いと言われようが、体質に合わなければ意味がないことは意識するべきだろう。

・この3グループにカフェインを摂取してからエアロバイクやらせる実験があるが、面白い結果になっている。

被験者は若い男性アスリート100人。

計3回行われ、一回目は少量(体重1kgあたり2mg)のカフェイン、二回目はその倍、三回目は偽薬を摂取させる。

その後「出来るだけ早く」と指示して10km分エアロバイクをこいでもらい、スピードを測った。各グループの結果は以下。

カフェイン代謝が早い=2回目が偽薬より7%早い

カフェイン代謝がほどほど=2回目と偽薬でほぼ変わらない

カフェイン代謝が遅い=2回目が偽薬よりも14%遅い

カフェイン代謝が遅い者にとってはマイナスな結果になった。
つまり、カフェイン摂取すると、

元気になる奴

変わらない奴

元気じゃなくなる奴

の三種類がいることになる。理由は解明されていないが、代謝が遅い=血中にカフェインが残留し、長く血管を収縮させ、酸素運搬などの非行率化に繋がると考えられている。

私達がカフェインに求めているのは、活力か、覚醒かのどちらかの事が多いだろう。少なくとも「活力」は遺伝的にカフェインに期待できない人間が一定数いることになる。

・また、CYP1A2は様々な薬物・食品の影響を受けやすいとされる。食い合わせが良い/悪いがあることになる。不調があるとしても、カフェイン以外も原因の可能性。

死亡リスクについて

・まぁ事件になったから有名ではあるね。中毒に依る死亡のリスク。

ただ、何だって度が過ぎれば有害だ。水飲みすぎて死んだ者もいるし、過呼吸になればぶっ倒れる。

実際の死亡例はかなり少ないとされる。ただし身近で精神状態や覚醒状態の操作手段として頼りやすいカフェインは、度を越して摂取する余地があることは否めないだろう。

カフェイン中毒

・DSM-Ⅳ-TR(精神障害の診断と統計の手引き第4版改訂版)では以下のように定義されている。

診断基準A

・250mg/day以上の摂取している。

・ちなみに缶コーヒーのカフェイン量は30~200mgと幅が大きい。
レギュラーコーヒーだと90mgとされるが、こちらもサイトに寄ってブレブレで、コーヒー一杯のカフェインが50mgとされている論文もある。好みの濃さもあるからねぇ。自分で測るしかないかもしれない。

・また、欧州食品安全機関(EFSA)では一回の摂取量が200mgを超えず、一日の摂取量は400mgに抑えることを推奨している。常飲している欧州の基準がこれである点は抑えたほうが良いだろう。

診断基準B

・焦燥感、神経過敏、興奮、顔面紅潮、悪心(おしん=吐き気や胸のむかつき)、頻尿、頻脈の内5つが当てはまること。

診断基準C

・A,Bの上で著しい苦痛や社会的・職業的な機能の障害がある。

……となっているのだが。常飲してると「これが自分の普通/これが自分の体質」と捉えて自覚がない人もいそうだな。

カフェインを摂り過ぎたら

・まぁ摂りすぎないに越したことはないんだけど。

・wikiでは「特異的な解毒剤や拮抗薬はない」とされている。できることは対症療法と時間の経過による回復。

・水分を取る:水分補給により過剰摂取の症状は和らぐ。また、カフェインを体外へ排出するためにも必要。

カフェインは脱水、体液の電解質バランス以上を引き起こすが、給水していればこれは起きないとされる。

熱中症対策でよく言われるが、カフェインを含んだ飲料は「水分補給」としては「ゼロ」として扱う点に注意。

・カリウムやマグネシウムを摂る:カフェインによるイライラや震えはカフェインがカリウム・マグネシウムを使い果たすからだとされる。このための補給。

・軽い運動も有効とされる。

メモ

・他にも鉄分・亜鉛などのミネラルの吸収を阻害する。

また、自律神経を乱れさせる。常に興奮状態でいるようなもののため、そのうち倦怠感が出てくる。

・面白いことを一つ。DSMによるとカフェインのメリットとされる健康改善、注意力アップ、社交性の向上につながるなどは、「コカインを摂取した際の効果に似ている」ともされている。

単純にテンション上がればなんでも良いんじゃないのかこれ。

またこれらの効果が、人がカフェインを継続的に摂取する理由との推測も。

一部の学者はカフェインの依存性は言われているより強く、人はカフェイン摂取をなかなかやめられないだろうとも。まぁ害がなきゃいいっちゃいいが。

以上から、「最も成功したドラッグ」と皮肉を込めて呼ばれることもある。

・もう一つ。カフェインは涙液量を増やす。涙と言っても普段の目を湿らせるようなもの。このためドライアイの人はカフェイン摂ったら楽になるかも知れないが、目薬差したほうが早いな。

この効果も遺伝子が関連するとされる。つまり個人差がある。

・総じて上記の不調があるようなら、特に慢性的に不調があり、習慣的にカフェインを摂取しているのなら、カフェイン含有商品の習慣的な摂取は避けたほうが良いかも知れない。

依存性もあるから難しいだろうけど。アドバイスするとしたら、「徐々に減らしていけば問題ない」とは言われていることだろうか。

・めんどくさければノンカフェインのコーヒーを普通のコーヒーと混ぜて、少しずつ割合を変えていくとか。

参照
https://gair.media.gunma-u.ac.jp/dspace/bitstream/10087/10162/1/%E7%B4%80%E8%A6%81Vol6-2_p109-1-1_kuribara.pdf

https://toyokeizai.net/articles/-/218372?page=3

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%AF%E9%9A%9C%E5%AE%B3#%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%B3

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