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第三世代の認知療法としてのマインドフルネス

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マインドフルネスは第三世代の認知療法と呼ばれることがある。第一世代、第二世代はなんだったかと、マインドフルネスが第三世代の認知療法であることについて。

わかりやすい仕切りはなく、各世代間で共通したり、取り込んだりもされているようだ。このため世代ではなく「波」と呼ばれることもある。

認知療法・認知行動療法とは

物事の受け取り方=認知の知覚・修正・コントロールなどを行い、行動的/心理的な問題の治療を測ること。

認知バイアス、認知の歪み、個人的な禁止令など、物事の見え方や捉え方、あるいはそれにどう対応するべきなのかという価値観そのものが何かしら歪んでいる場合、生き辛さとなる。

これらは一部の人間の問題ではなく、一般レベルの人間も「常に正常」だとはとても言えないだろう。

誰だって時に間違え、時に頑固になり、時に残酷になり、時に義務のように善人アピールをし、時に邪魔になるほどに人に親切にしたがる。これらになりやすい場面、なりがちなパターン等がある場合、それに纏わる何かしらの認知には問題がある可能性は高い。

脳自体に「さっさと決めてさっさと動く」のを好む傾向があるからその分直感的な認知は雑になる。消極的な人間も例外ではない。この場合はさっさと「やらない/できない」と決めているのは変わらない。

また、これらを誘発させるような「きたねぇ心理学」的テクニックというのもあるし、そもそも狙わずとも人間の自然な言動がえんがちょだったりすることもあるわけで。病む理由には事欠かない。

第一世代(行動療法)

行動そのものに焦点を当てた治療。

・古典的条件づけ

レスポンデント条件づけとも。身近な言葉で言えば条件反射を仕込むこと。

「パブロフの犬」が代表的だろう。犬に餌を与える時にベルを鳴らすことを繰り返すと、ベルの音を聞いただけでよだれを垂らすようになったという話。実際には「パブロフの犬」の実験を受けた犬は数百頭居たらしい。

嫌悪療法、系統的脱感作法(不安を感じることをイメージしながらのリラクゼーション)、フラッディングなどの行動療法に派生した。さらに系統的脱感作法から暴露反応妨害法が派生している。

これらは殆どが「荒療治」という印象を受ける内容になっている。個人がやるならちゃんと勉強してから用心して行う、としたほうがいいだろう。セルフケアとしては難易度は高い、というか向いてないと思われる。

・オペラント条件づけ

スキナー型条件付けとも。
「何かの目的を達成するのに役立つ行動を学習すること」、「結果に拠って制御される行動の学習」とされる。自発的な行動。

簡単に言えば、特定の行動の結果により、その行動が強化・弱化(つまり自発的に行うか、その逆か)されること。まぁ上手く行って調子こくか、下手を打って懲りるかって話。この脳の学習機能を利用して好ましいものの強化、好ましくないものの弱化を図る。

ちなみにオペラント条件付けは、犬の躾の話でやたら出てくる。犬を飼ってる人は気付かずに理解しているかもね。人間の子育ての「褒めて伸ばす」ってのもオペラントの「強化」にあたる。

総じて第一世代は「行動」に注目し、それを条件付けにより消滅、上書き、あるいは弱化しようとする傾向が見られる。
これらとセットで社会的学習(パンデューラのモデル)、即ち「見て学習する機能」も含まれるケースが有るようだ。

第二世代(認知療法/

第一世代は「行動」に焦点を当てた治療だったが、アーロン・ベックの認知療法の登場により、心理・認知などが焦点とされ始めた。

この第二世代の時点で哲学的にストア哲学や仏教の影響を受け始めているとされるが、仏教の気配は特には感じないな。

ただ、ゲシュタルト療法やアドラー心理学(個人心理学)などは禅や瞑想の影響を受けているとされているし、「いまここ」という概念もそうだ。これらを第二世代に含めるならば、そうと言えるだろう。

・論理療法

1957年、アルバート・エリスが提唱。最初の認知行動療法とみなされている。
当人の「不合理な信念」を見つけ、論理的な検討を通しての修正を図る。
「治療に何年も掛ける必要はない」と述べ、治療に何年も掛ける精神分析に挑んだ、とされている。

・認知療法

アーロン・ベックが開発。「自動思考」と呼ばれる認知の歪みを修正し、「スキーマ」と呼ばれる物事の捉え方そのものにも焦点を当てた。
これにより焦点とするべきものが第一世代の「行動(と感情)」に思考・言語を含めた「」が加えられた。

・自己教示訓練

1970年台、ドナルド・H・マイケンバウムによる開発。
自分の言葉で、自分自身に教示を与え、それを刺激として自分を変える、とされている。

自己暗示、自己催眠、セルフトーク的なものとされている。
少なくとも子供の衝動性のコントロールには有効とされているようだ。反面、内面的な苦しみ、トラウマなどにはあまり効果が見られないともされる。

・問題解決療法

言葉通りに社会的な問題に対し、どのような解決法を用いるか、最も有効な選択、最も有効な手段を見つけ出す目的のもの。この「社会的な問題」とは、理想と現実のギャップ、何らかの障害によるによる理想と現実の不一致などの状態とされる。

ここでも「問題をどのように捉えるか」の志向性の段階があり、「」について些か気にされ始めてきたように見える。

段階は5つある。

  1. 問題をどのように捉えるか・考えるか。志向性の段階。
  2. 問題を明らかにし、目標をどう設定するかを明確にする。明確化の段階。
  3. 解決策をどのように考え出すか。産出の段階。
  4. どの解決策を選ぶのか。意思決定の段階。
  5. 成功か失敗か。それをどのように評価するのか。実行と評価の段階。

総じて第二世代は「問題」に対しての論理的、思考的な解決、あるいは問題そのものが思考にあるという考えと言える。「」についても出始めてきたが、まだロジカルな解決をゴールとする傾向が見られる。

第三世代

マインドフルネス認知療法(MBCT)

シーガル、ウィリアムズ、ティーズデールの3名により、うつ病の再発予防プログラムとして開発された。なんか予定してたものとは別のものが出来上がったらしいが。ただしその上で、うつ病再発予防としての効果は実証されている。

イギリスでは費用対効果の見込めるプログラムだとして国立医療技術評価機構に推奨されているのだとか。

現在ではうつ病の再発予防以外の効果が実証され、応用範囲が拡大している。
日常的な話としては、ネガティブな感情を減らし、ポジティブな感情を増やし、恐怖・不安に対しては適応できるレベルに調整されるとのこと。

MBCTのベースとなるのはマインドフルネスであり、これはヨガや禅を源流とする。マインドフルネスは「いまここでの経験に判断や評価を加えること無く注意を向けることに拠って得られる気づき」と定義される。

セッションは8つに分かれているらしいが、重要そうに思えるのは自動操縦に気づく、現在にとどまる、思考は事実ではない、という辺りか。分かっていても飲まれたり見失いがちな部分。

また瞑想法としては5種類、呼吸、静座、ボディスキャン、ストレッチ、生活に対しての瞑想。

弁証法的行動療法(DBT)

認知行動療法の一種。マーシャ・リネハンが開発。境界性パーソナリティ障害の治療に特化しているとされる。こちらはアメリカ精神医学会により推奨されている。エビデンス(医学的な証拠)もしっかり確認されているそうだ。

患者は能力や生きることに対してのモチベーションを高め、獲得したスキルを「日常で普遍的に」扱えるようになる、とされている。内容はいろいろあり、対人面や感情処理、自身の思考や感情の気づきとその対応などなど。

ここでのマインドフルネスは大きく2つのスキル、即ち把握スキルと対処スキルに分かれる。

把握スキルは観察、描写、関与。何れにせよ、まずは経験に「飲まれている」自分に気づき、距離を取る所から。

対処スキルは断定(判断)しない、一つに集中する、効果的であること、の3つ。

マインドフルネス以外にも、対人関係の保持、自尊心を保つ、感情調節スキル、ネガティブな感情を減らし、ポジティブな感情を増やすなど、社会人に求められそうな要素が多い。

・どちらの方法でも「断定/判断をしない」ことは挙げられている。また、意識のスタート地点とでも言おうか、「どのような状態から思考・感情が浮かんでいるのか」が気にされ始めている。

第二世代の辺りから存在をちらつかせていた「認知」に対しての問題の解決、というよりは扱い方と実体への理解として。ただ、マインドフルネス自体が認知行動療法と言うよりは、認知行動療法にマインドフルネスが主役級で取り込まれていると言った感じ。

メモ

・やーまぁ、どの世代も治す気満々で良いですね。

さらにベルを鳴らし続けると次第に反応は消えていくが、数日後同様の実験をしても犬は唾液を分泌する。前者を『消去』と言い、後者を『自発的回復』と言う。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%91%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%95

「消去」をしても勝手に回復する例。オペラントの「弱化」とは違い、条件反射的に染み付いたものはしぶといのか。ただこれは脳的には、よだれを垂らすか垂らさないかのスイッチのオンオフ、「1か0か」であり、行動Aをするか行動Bをするかという話とは別物として捉えたほうが良いだろう。

両立できない行動でなおかつ同じトリガーで古典的条件づけを仕込んだ例はないか。ダブルバインドになるだけか?

ただその状態こそが症例と治療による学習の状態ではないのか。第一世代はほとんど消去狙いみたいな印象を受けたが。実用/日常的に治療による学習内容が優先される状況を維持すればいいんだろうか。

・自己教示訓練:人間が悩みに対してこれを自然とやっていることも多い。自分に対しての説得、説明、励まし。やりすぎて脅迫、罵倒。そして自己教示訓練は内面的な苦しみにはあまり効果がないとされている。まぁ、そういうことだね。

反面、衝動性に効果ありということは、行動と抑制の方面に於いては有効性があるということか。大人に対しても効果があるなら、アファメーションは行動面に於いては効果がある可能性は存在するか。

参考
http://hikumano.umin.ac.jp/hosei/CBT6.pdf

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E8%A1%8C%E5%8B%95%E7%99%82%E6%B3%95

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjbm/20/1/20_1307/_pdf/-char/ja

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%81%E8%A8%BC%E6%B3%95%E7%9A%84%E8%A1%8C%E5%8B%95%E7%99%82%E6%B3%95







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