先延ばしは良くないとされるが、「明日できることを今日やるな」なんてことわざもある。

急いては事を仕損じる。

良い先延ばしについての考察。
結論としては、「明日できることを今日やるな」にも正しさがある。やっぱ考えて動かないとアホなことになるなという感じ。盲信はよろしくないね。

やる気の問題ならさっさと手を付ける、リソースの問題なら考えた方がいいのだろう。

すぐにやるVS後でやる

今日できることを明日に回すな」との言は、なんかそこら辺で一度は耳にしたことがある意見だろう。

タスクに対しては、基本的にすぐにやることが良いとされている。反対に後でやるのは「先延ばし」として扱われ、よろしくないとされることが多い。

孫子曰く、多少ヘボくても素早く行動するのが良いなんてのもある(兵は拙速を尊ぶ)。

ただ、どんなことでもあらゆる場面で通じるなんてことはないだろう。つまりは「今日できることを明日に回さない」ことで、不利益が生じる可能性。

明日できることは、今日やるな


明日できることは、今日やるな」という格言はトルコにあるようだ。「明日まで延ばせることは今日するな」とも。

モンテルランの戯曲『スペインの枢機卿』には、「常にすべてを明日に延ばさなくてはならない。なぜならものごとの四分の三は放っておいても自然と片付くのだから」とあるのだとか。

https://magazine.air-u.kyoto-art.ac.jp/essay/1413/より。

確かにほっときゃ消えることにいちいち対応するのは時間の無駄である。そして「今日できることを明日に回すな」とのミームは、人をそう動かす余地がある。

行動すれば、盤面を動かすことになる。つまりは手を付けたが故に手遅れになることはある。時間切れではなく、着手したせいで。

すごい簡単に言えば、合法的に後出しジャンケンできる場面でフライングして負けるよりは、素直に後出しした方が利口だろという話。

人が時に衝動的に対応してしまうことを念頭に入れるなら、このようなやらない心がけは必要ではないか。


FOBOはこれに対しての怯えとしては正しい面がある。前回の場合は時が来ても動けない点がデメリットになるが、今回はFOBOを正しく活かす形になる。時が来てないから動かない

※FOBO = Fear of better options もっといい選択があるのではないかと不安になり、いつまでも決断や判断ができない状態を指す。

反対に、時間を無駄にしている感覚に苦しみ、じっとしていられないという心理もある。たとえ休日でもやることないと不安になってくるタイプは結構多い。

隙間不安シンドローム。スケジュールに隙間時間があると不安になってくる。「予定がない自分には価値がない」との心理とされる。

おそらく殆どの人間の脳内で発生する「すぐにやれ(または動きたい/じっとしていられない)」+「軽率なことはするな」のジレンマは精神衛生上よろしくないだろう。

今日やれ/やるなの2つは、うまく使い分けることを考えればいくらか脳の負担が軽減するかもしれない。

「明日できることを今日やるな」は、誰向けの、どのような視点の言葉なのか

2つ考えられる。


「明日できることを今日やるな」との言葉は、例えば今日やるべきことをほったらかして明日でいいことをやってるの相手に言うのならば全くの正鵠を射る言葉となる。

ではそのようなのが実際にいるかというと、まぁ居るわけだが。問題は、そのような人物とは我々そこらへんの人間だということだ。厳密に言えば、それをやらかす余地を持っている。

露骨に該当するのが完了バイアス。締め切りなどの優先度ではなく、簡単に終わることから(だけ)やりたがる傾向。悪い達成感中毒と言える。

完了バイアスの最悪なパターンは、達成感を感じられるタスクを捏造しいつまでも味わい続けるという自作自演だ。
一言で言えば、仕事したつもりとか、努力したつもり。つもりで終わる。やること自体に価値がないことを一生懸命やってるんだから、全力で、一生懸命で、無駄となる。

他にはオーバーアチーブメント(過剰達成)がある。一言で言えばやりすぎで、ゴールしたのにまだ走る感じ。不安が動機とされる。
こちらもそれ以上の労力の投資に生産性はない。

これらは、やるべきことよりもやりたいことを優先していると言える。


誰向けの言葉であるか。可能性の2つ目としては、目の前のことをとりあえず片付けることに一日が終始している者。要するに忙しすぎる人。

「明日できることを今日やるな」は一見するとスローライフ推奨スローガンみたいになるが、実質的には正反対の可能性がある。
無駄なことに時間を使うな=今日やるべきことがあるだろうという意味に捉えることができるから。この場合、効率性を指摘した言葉となる。

忙殺されていると、判断力は失われる。動き続けなければならないから。その行動が既に計画されたものであればいいが、他所から飛び込んできたものであることも多い。場当たり的な「対処」の繰り返しの状態。

この上で「今日できることを明日に回すな」というのは利口なのかと言えば、怪しい。というかそれやったらうつ病/過労死コースに入る。
元から手が足りないような状況では、尚更「明日でいいこと」は明日に回すべきだろう。

まぁそもそも断ること覚えたほうがいいんだが、生活かかってるから断れないとかもあるな。

やらないことを決めることなら、既に言われているわけで。

盲目的に「今日できることを明日に回すな」というのは、何の優先付もしてない。せいぜいができる/できないの区別だけであり、要領がとても悪いことになる。
時間を有効に使うためにはできる/できないではなく、今やるべき/今やるべきでないを考えるべきだろう。

逆にそこにあるタスクが全て「やるべき」だと結論付けたものしかないのなら、ここで初めて「今日できることを明日に回すな」という言葉は活きることになる。

アイゼンハワーマトリクスを初め、重要性とともに緊急性で優先度を決めるパターンは結構ある。まぁ言われるまでもなく締め切りオーバーはしたくないわけだが。


やらないことリストも「明日できることを今日やるな」にかなり近い。

経営者の中には方針としてやらないことを決め、そのルールを守ることで自社の得意分野にリソースを集中させるタイプが居る。

ウォーレン・バフェットの25:5の法則では、やりたいことを25個書き出し、その内の5個を選び、それ以外は「絶対やらないリスト」に入れる

これらは全て余計なことをやらずに、やるべきことにリソースを集中させるためであり、スローライフなんてとんでもない、むしろ目的のための積極的な姿勢となる。

気になることがある場合、サイト内検索をしてみてください。

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