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他人に厳しい、相手に完璧を求める完璧主義と他者志向型完璧主義

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頭の中が完璧主義なのが相手に向かって出てしまうタイプと、理想を相手に押し付けているタイプと、元からそういう奴なのがいる。

素が完璧主義だから、相手に対してそういう態度が出る

元から人間の頭の中は酷い。というより、自分に対しての自分の態度っていうのは大体酷い。

いくつかそれっぽい心理学的話を並べれば、

  • 交流分析のPACモデルで言うCP(批判的・規範的な親)の要素がある。これは父性的な「厳しい親」のようなもので、この時点で頭の中に誰もが種はあることになる。
  • ゲシュタルト心理学で言えば、トップドッグとアンダードッグと言う概念がある。勝ち犬と負け犬。
    • トップドッグは自分に「やれ」と言っている自分。
    • アンダードッグは自分の中の「やりたくねぇ」みたいな部分。
  • トップドッグはPACモデルのCPに、アンダードッグはAC(受動的な子供)の反抗的な側面だともされる。
  • 本来PACモデルは外側への態度(他人・社会)の話になるんだが、このように内面でのAとBとしても振る舞うわけだ。

まぁ要するに、「自分の子供に説教する親的態度」が、他人に向かってこぼれ出る可能性が、ある。別に子供いなくてもね。自分が子供だったことが有るんだからモデルはある(その視点での「強者」と、当時の自分)わけだよ。


メル・ロビンズは「自分に語りかける内容」についてこう語っている。

「スピーカーを設置して、あなたが自分に語りかける内容を放送したら、あなたは施設行きになるでしょうね」

「自分と話すあの感じで話してくるような人と、仲良くなろうとは思わないでしょう」

https://embryo-nemo.com/1868/

これは脳内では自然であるが、社会的な振る舞いとしてやったら、言い訳がつかない限り異常である。まぁこれをやっちゃってるってこと。


特に日本人は防衛的ペシミズム(要はネガティブ思考)であることが多く、「悪い予想をし」「そうならないように気をつける」という傾向が高いともされる。結果的に真面目となっている。元から完璧主義臭さは持ってるわけだ。

だから自分が特別に細かい自覚がなく、あたかもそれが普通・常識であるかのように語り、結果その姿勢は「相手に完璧を求める完璧主義者」とは成り得る。

後はまぁ、「真面目なのは良いことだ」みたいな幼い世界観とか。それらに依って「それをそのまま出すのは異常だが、異常な自覚を持たずに堂々とそれを出してしまう」という問題。
「マイノリティから見たマジョリティ特有のデリカシーの無さ」をマイノリティが持ってる状態になるので、ものすごい浮くことになる。

別に完璧主義に限らず、「自分の普通」に自覚がなければ人前で平気でやらかすことにはなるのだが。


「自分はできないくせに、人には厳しい口だけの完璧主義者」みたいな言もあるようだが、まぁそういうのもいる。

これは自分が絵が描けなくても他人の絵が上手いかどうか判断付くように、元から「見る目」と「やる手」は別物だからだ。眼高手低。大体の人間はこれについて自覚があるから、他人に口は出さないのだが。

この上で、自分もできないがおまえもできないしみんなできないがやるべきだみたいな自爆テロ的な完璧主義もいるっちゃいる。

言ってることは表面上正しく、その分反論はできないため、言われた側が殺意を溜め込むことにもなる。そもそも正論なんざ面と向かって言うもんじゃないだろう。発言が相手と一対一かそうじゃないかの区別くらいつけるべきだと思うが。

理想を他人に押し付ける

先程のものは言ってみれば脳内に既に上下関係が有ると言う話だが、こちらは実際に上下関係がある場合が多い。一見対等でも実質的な上下関係が生まれているケースは有る。

例えば恋人関係。

私は彼に比べれば完璧に物事をこなせません。
適度にできればいいと考える性格で、それを乱されたくありません。

ですが、「俺の彼女ならできてあたり前、努力が足りない」と説教してくるのです。
私は私なりに頑張っていることがあるし、それを口出しされたいとは思いません。
ですが彼はどうしても私のすることに口出ししたいらしく、
私にも完璧を求め、何度もケンカになります。

https://www.koibita.com/consult/index_1900

まぁ、このように。
友人関係でもそうだね。友人関係の場合はここまで馴れ馴れしくできないから、「普通」「常識」を持ち出す率も上がる。

もっとシンプルな構図としては親子関係、上司と部下がある。これらは管理あるいは成長を促すという役割を名目上持つため、強気に出やすい面がある。
特に阻害要因が無いため、支配欲・管理欲求が出やすい。

毒親とか、パワハラ・モラハラとかにも通じる。


一方で「予防的態度」と呼ばれる、特に親にある「酷いことにならないように、今のうちに厳しくしておく」的な姿勢としても出やすい。まぁ灯油タンクのすぐ側で火遊びしてたらきつく叱るものだろう。
どうしても監視的なことをせねばならない面もある。なので正当性と伝え方や管理の仕方などで恨まれない工夫をするしか無いだろう。

「俺は偉いんだから言うこと聞け」は、完璧主義とか関係なくそりゃ嫌われるので除外。こと教育的、養育的な姿勢として強権的なのは、大体「即効性が有るが長い目で見ると逆効果」と言われている。他を勉強したほうが得だろう。


亜種として、「自分が頑張っているから、頑張っていない人を見ると口を出したくなる」というタイプが居る。

ただ、自分が頑張ってるのは自分のためで、自分が口出して他人に頑張らせるってそれ自分が納得するために他人に頑張れって言ってるわけだよな、とは思うが。

当人は自分だけ頑張ってるから公平じゃないとか思ってそうだが、当人が言ってることこそが非常に傲慢で不公平となる。これは「世界観の押しつけ」となる。


ここまでは性格や人格というよりも、もう少し相手次第だったり、状況次第だったりする一時的なものとしてもある。
だからまぁ、言ってること、やってることがそうなっちゃうかもよ程度の話でいい。

人格・性格として、それらの振る舞いが安定化してしまっているなら、明らかに問題となるだろう。

「コントロールフリーク」という一種の異常がある。他人に対してのコントロール欲求。予想通り、思い通りじゃないと不安になる。他人をコントロールしている間は安心できる。完璧主義者に多いとされ、共依存とも共通点が有るとされる。私にはアグレッシヴな愛着障害に見えるが。

そもそもこのように他者が非常に目に入るのは、自己志向型や社会規定型の完璧主義ではほとんどないだろう。
自己志向型は自分の理想で頭がいっぱい。

社会規定型は社会的な不安で頭がいっぱい。こちらは他人からの評価・感想を含めるため、「人目」は気にするが、「個人」は余り見ていない。全体に対しての一括したイメージを持っていることが多い。群れ(社会) 対 自分 みたいな感じ。

「相手に完璧を求める完璧主義」は、完璧主義の中でも浮いている。「他人」への執着が有る。あるいは世界観。「世界はこうでなくてはならない」から、その一員に「義務」を求める。

他者志向型完璧主義

完璧主義は、

  • 自己志向型:自分の理想を目指す。時に拘り過ぎによるわがまま、マイペースとなる。
  • 社会規定型:社会・周囲の人々から「求められている自分」を完璧に演じようとする。
  • 他者志向型:他人や環境に対して完璧を求める。

の3つに分けられることが有る(他の分け方も有るんだが)。

ただし日本の論文読んだ限りじゃ自己志向と社会規定の話が多い。中身を知れば分かるが、他者志向型はほとんど人格障害みたいな感じなのが理由の一つだろう。完璧主義として扱われていないかもしれない。

自己志向と社会規定も、完璧主義と言えるのは自己志向だけじゃないのかみたいな話は有るし。


他者志向型はここまで述べてきたとおり、完璧を求める先が自分ではなく「外部」に向いている。

「他者指向型」の完璧主義者は、他者を見下し、他者に対して厳しいことを特徴とする。他者に完璧を求めるのはもちろん、その期待に応えられなかった者を容赦なく批判する傾向がある。

https://karapaia.com/archives/52195946.html

ご覧の通り性格が悪い。素で搾取的な態度を取る。こういった人を選ぶ側・評価する側に進んでなりたがる奴って大抵、劣等感が酷い上に攻撃的なのが多いが。


今回、英ケント大学のヨアヒム・ストーバー教授率いる研究チームは、3つのタイプの完璧主義者の社会的行動とユーモアのセンスの違いを研究するため、229人の大学生に聞き取り調査を行った。

結果、自己志向型は向社会的な、親和的なジョークを好んだ。
社会規定型は自虐的なジョーク。

他者志向型は他人を犠牲にする攻撃的なユーモアを好み、他者や社会規範を蔑ろにする傾向があった。

改めて言うが、特に人格障害ではない、表面上一般的な大学生からの聞き取り調査でこれだ。

私個人の持論だが、「そいつが何を見て笑うのか良く見ろ」というのは割と正しいと思うね。


「他者指向型」の完璧主義者は他者に対して優越感を持ち、かなり反社会的な存在であり、「完璧主義者のなかでも“暗黒”のタイプだと言える」と、ストーバー教授はまとめている。

この「暗黒タイプ」はダークトライアドと呼ばれる性格的特徴を指す。

構成要素は、

  • マキャベリズム:対人操作、搾取、道徳観に対する冷笑的無視、自己中心、欺瞞。非道徳性。
  • サイコパス:継続的な反社会的行動、衝動性、利己主義、無反省。良心の呵責の欠如。
  • ナルシシズム:誇大型の自己愛。誇大性、自尊心、エゴイズム、共感の欠如。特権意識。

の、「性格的特徴」を持つ。それそのものではない。

これらはそれぞれに相反する特徴もあるが、不誠実さ、冷酷さ、攻撃性、衝動性に於いては3つ全てに共通するとされる。

これに、「サディズム」の性格的特徴を加えると、ダークテトラッドとなる。

サディズムはサドのこと。精神的肉体的な加虐行為に対して性的に興奮するとされている。精神障害の一つとしても「性的サディズム障害」が存在している。

定義としては「同意してないものに対しての身体的・精神的加害」。一般には別に性的なものに限らず「楽しさ」を加虐行為に対して感じるのならサディズム扱いされるようだ。ダークテトラッドとしてはこちらだろう。

荒らし・インターネットトロールについて:ダークトライアド 

ストーバーのリサーチによれば、ただの大学生の中で他者志向型の傾向があるものだけでも「他人を犠牲にする攻撃的なユーモアを好んだ」となっている。ユーモアなんだから「面白いと思ってそれやってる」ってことでいいだろう。サディズム。

この時点ですでにダークトライアドじゃなく、ダークテトラッドに見える。縁を切ったほうがコスパ良いだろう。

完璧を「求める」「期待が大きい」と言う言葉

これちょっと誤解を招くかもなと。見りゃ分かるがこの手のタイプの殆どは有る種の傲慢さがある。だから自分が相手に何か求めている、期待が大きいと言う自覚もないだろう。

どちらかと言えば「義務を果たしていない」みたいな認知を持っている。「当然のことをしない」とか「当たり前のことをやってない」、「するべきことをしていない」みたいな。

だからこそ「自分は口を出していい」とも判断するのだろう。要するに正義感や真面目さという皮を被る。「モラルハラスメント」という言葉がかなり急速に広まったのは、元からこの手の輩が多く、それに比例して怒りや不快感も多かったからだと思われる。


自分で気をつけるべき点としては、まぁ相手に「不満」を感じたら、ちょっと注意が必要かもな。それは自分の「期待」(ここで言えば勝手に相手の義務だと思いこんでいること)と相手の行動が一致してない時だから。必ずしも「過大な期待」とは限らないが、確認は必要だろう。

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