楽観バイアスについて

楽観バイアスとは

楽観バイアス概要

自分自身の行動や能力などを実情よりも楽観的にとらえ、危険や脅威などを軽視する心的傾向。

https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E6%A5%BD%E8%A6%B3%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%82%B9/
  • 物事の「予測」に対しては、楽観的な補正を加える。簡単に言えば、危険なレベルで「なんとかなる」と思ってしまう。
  • 今後予測できるリスクに対して「自分は大丈夫」と思ったのなら、だいたい楽観バイアスかかってる。
  • 賭博者の錯誤 「次は勝つに違いない」
  • 自己奉仕バイアス(いい結果は自分の実力、悪い結果は他人のせい、など)とセットで説明されることが多い。
  • 費用、納期が最初に思ったより倍以上かかったり、十分間に合うと思っていたら数倍の期間がかかったり。
  • 投資でもこのせいで損失がでる。シミュレートでいくら上手くできても、本番では自分自身が練習通りの予測・行動をしていない。

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当初は「世界一コンパクトな大会」を宣言していた東京オリンピック2020、最初の予算は7,000億円と見積もられていました。しかしながら、その後の試算で予算が3兆円を超える話が浮上しました。

https://asu-yoku-laboratory.com/optimism-bias
  • 政治や経済ですらバイアスがかかっていると言える。もちろんこれは初期の「試算」だったはずだが、夢物語ではなく、現実的な金勘定のつもりだったはずだ。それなのにこれ。
  • これから起こることが対象。自分の身には、不幸は降りかからない。
  • 奇跡によって楽観的な未来が実現するのではなく、「実力で達成できる」と思っている。つまり実力自体を過大評価している。
  • ターリ・シャーロットによれば、80%の人がこれを持っている。強弱の問題もあるだろうが。
  • 良いことが起きる確率の過大評価、悪いことが起きる確率の過小評価。
    • 癌になる確率や交通事故の確率は過小評価。キャリアアップや長寿は過大評価が見られる。
  • 反対に、確率が低い悪いことが十分に起こりえると感じて怯えるのは、カタストロフィバイアスと呼ばれることもある。
  • 「身内の贔屓目」も楽観バイアスに入る。「自分」じゃなくても肩入れする相手が関わっている場合に、楽観バイアスは動く。

大事な時に邪魔をする、ものすごくしつこい、わかっていてもかかる

計画立案とその実行において、非常に邪魔になる。どれだけ重大でも、どれだけ真剣でも、かかると思っていいだろう。

  • 老後破産の原因とされる。つまり人生がかかっている計画すら失敗させる。
  • 計画を立てても、計画自体に楽観バイアスが掛かっており、非現実的な計画になる。
  • 命がかかっており、情報も十分であるはずの消防士ですら負傷し、「火がああ動くとは思わんかった」と言う。予測できるだけの情報があった上で。
  • 主観的なワーストシナリオすら、現実よりも甘い。最大限厳しく見積もったつもりで、まだバイアスが掛かっているということ。
  • 離婚率が高いと知っている専門家でも、自分が離婚する確率はかなり低く見積もるという話。(「自分」がシミュレートに入ると、計算結果がおかしくなる。おかしいと言うかおめでたく。)
    • ちなみに楽観主義者の離婚率は変化ないが、再婚率は高いという。まぁ否定的に見ればこれは「こりてない」「学ばない」とも言える。

ターリ・シャーロット: 楽観主義バイアス

  • 脳自体に「そうする部分」があるとわかっただけでも収穫だろう。
  • いいニュースは喜んで取り入れ、悪いニュースは拒絶する傾向があるとも言える。
  • 都合のいい情報だけ取り込み、都合の悪い情報はほとんど取り込んでいない。フィルタリングが起きている。
    • 自分は50%で癌になると思う→平均30%と知る→35%くらいかな
    • 自分は10%で癌になると思う→平均30%と知る→11%くらいかな
    • ただこれは、おめでたい奴でも学習を繰り返せば、「相場」にだんだん近づいていくということでもある。もちろん悲観主義者も。
    • むしろ悲観主義者は学習することにより効果的に認知を改めることができるといえる。
  • 学習していないわけではない。逆を言えば、「その情報が自分に関係あるかないか」、情報の重み付けをどのくらいにするかにバイアスが掛かっていると考えられる。
    (自分に不幸は訪れない、とする誤信念を持っていた場合、悪いニュースはほぼスルーだろう。)
  • やはり「計画性」に於いて問題になると指摘している。
  • 楽観バイアスを知ったところで、その恩恵に影響はない。実感(錯覚を含む)と知識は別物、ということ。
  • ペンギン見ながら思ったが、ライト兄弟とか、楽観バイアスなきゃ有人飛行成功しなかっただろうしな。

計画錯誤

  • 心理学者のダニエル・カーネマン(ファスト&スロー=システム1、システム2の概念を発展させた)は、楽観バイアスがかかっている状態を「計画錯誤」と呼んだ。(この通り、計画にバイアスがかかる)
    • 必要なリソースの過小評価、計画遂行の容易さの過大評価。「予測」のエラー。(簡単に言ってしまえば「ナメてかかる」)
  • 別の心理学者の実験。
    • 学位論文を書いている大学4年生。「いつごろ書き終わるか」について、最短でどれくらいか、最長でどれくらいかの2つを尋ねてみた。
    • 平均で最短27日。最長は49日。
    • 実際に掛かった日数は平均で56日。
    • 最短での予測どおりに終わった者は一握りしかいない。
    • 最長での予測どおりに終わった者も、半分もいなかった。「最長の予測すら足りてない」ということ。(これらも「普通の人間」にかかる身近なバイアスだという証拠)
  • カーネマン自信も計画錯誤に。教科書執筆にて、チームメンバーの予想は最短1年半、最長2年半だった。
    • 実際には8年かかった。(思うに、難易度も必要リソースも、最初から分かることなんてあまりないのではないか。楽観バイアスは「推論」の時に働くと言える。)
    • ちなみにダニエル・カーネマン、認知心理学者である。ノーベル経済学賞も取った。つまり世界トップレベルの専門家。
  • 計画錯誤の修正についての話。
    • 教科書の執筆チームの一人は、他のメンバーと同様に執筆完成時期を2年範囲内と予想した。
    • ただし、「他の教科書の執筆チーム」は、「これまでの実績に基づけば」、あとどれくらいで完成するか? と聞いた所、「7年以内には完成できない」と回答した。
    • 前述の論文を書く学生たちもそうだった。「過去の自分の経験に基づいて予測を立てる」ように指示した場合、その予測は現実に近づいた。
      「自分以外がいつまでに論文を終わらせるか」と質問した場合、さらに正解に近い予測を立てた。
    • カーネマン自身は、これは主観的なデータからの予測と、客観的なデータからの予測との違いとしているようだ。
      (つまりプレイヤーの立場だと楽観バイアスがかかる。相手に思い入れがあるサポーターの立場では怪しくなる。オーディエンスの立場だと楽観バイアスはかからないか極度に弱い。)
    • より正確な予測を立てたければ、客観的なデータを集めたほうがいいということになる。(真逆の位置にあるのが「自分はどう思うか」だろう。ここに楽観バイアスがかかっている)
    • 裏を返せば、「自分と同じ状況の赤の他人がどのくらいできるか」と考えるのがベターだと言えるか。
      ちょっと違うがティム・フェリスが、自分が怖気づいているタスクに対して、「自分より馬鹿な奴でもこれが出来るか」と己に問い、答えがYESなら実行に移す、みたいなことを言っていた気がする。

楽観バイアスと幸福

おめでたいだけあって、幸福度とは関連している。

  • 楽観バイアスは未来への期待を高め、期待が高いほうが幸福度が高い。
  • 「期待」の状態そのものが幸福である。上記動画ではそれをより味わうための期待の先延ばしの話をしている。
    (これは動物にもあると小耳に挟んだことがある。すぐエサが貰えるより、わざわざ遠回りする手順を好む動物実験の話。)

平日は休日が待ち遠しく、休日はぐだぐだして時間が過ぎ、休日夜には明日が嫌だ、となる話はよく聞く。
平日の休日の待ち遠しさは、楽観バイアスによる期待ではないのか。大抵の休日が「こんなはずじゃなかった」で終わるのは、元からそんなもんなのでは。

楽観バイアスと自己奉仕バイアス

  • 成功は自分の実力、失敗はなんかのせい。度が過ぎれば性格が悪いとなるが、適度なら自信につながるともされる。

>>認知バイアスについて

  • 楽観バイアスとの混同はされていないが、かなり強く関連付けられる事が多い。
  • 楽観バイアスの前提としての、「自分の能力の過大評価」として、自己奉仕バイアスがある。

  • ダニングクルーガー効果とか「自分は他より頭が良い(これを平均以上効果と呼ぶ(above average effect))」みたいなのもそうだろう。
    (これらは自己評価へのバイアスだと言えるが、これを前提として計画立てりゃそりゃアホなことになる。)
  • 正常化バイアスは今起きていることを過小評価し「問題ない」とする点で、楽観バイアスとは違う。
    (ただこれは「状況把握」に対して起こり得る。対応可能なタイミングで問題を見逃したりはあるので、計画実行の邪魔になるバイアスであることは間違いない。)

楽観バイアスと抑うつリアリズム

楽観バイアスないと生きていけないのかもしれない。

  • 抑うつ=うつ状態の人間は、楽観バイアスが働かないとの説がある。
  • ランダムなものを見て、自分の実力だと思うことが、うつではない者ではそこそこある。うつ状態の者は、それよりも正確に事実を認識した。
  • このような「抑うつの者は現実を正しく認知できる」という学説を抑うつリアリズムと呼ぶ。

>>抑うつリアリズム

  • この現象の理由としても、通常の人間には楽観バイアスがあり、抑うつの者にはそれが働かないから、と考えられている。
  • 軽~中度のうつ状態に限った話で、重度だとネガティブバイアスが強くなる。
  • ターリ・シャーロットも楽観バイアスがなければ、人はややうつ気味になるだろうと言っている。
  • トーク内で語られているこの内容も抑うつリアリズムについてだと思われるが、まだ未判明な部分が多い。明らかにリアリズムではないネガティブな認知をする状況などもある。

楽観バイアスと自己充足的予言

  • 予言の自己成就。動画では自己充足的予言と訳されていた。
  • そうなると信じることで、そうなるような行動を取り、結果そうなること。予言が先。
  • どうも世の中、期待を持って自ら動かない限りは、受動的でうつっぽくなるのかもな。期待の質とリアリティにもよるが。

楽観バイアスの扱いについて

  • 付き合っていくしか無いだろう。なきゃないで別の問題が出てくる。
  • 常に疑うしか無いのかと言えば、そうでもないと思う。おめでたい状態で問題ないのなら、幸福度が上がるだけで済む。
  • 自他の命や人生に関わるとかの、失敗が許されない重要ごとに対しては徹底的に疑う。それ以外のコケる程度で済む話は気楽でいいのでは。
    失敗の許容範囲からして人それぞれだけど。
  • 結局の所、真面目と天然のスイッチ切り替えこそ重要であり、適切な切り替えのための適切な視点(メタ認知)を養うのが近道か。
  • 完璧主義と楽観主義は、スイッチの切り替えをするつもりがない点では同じ。
  • ターリのトークも最後は「備えた上で楽観的であれ」という形で終わっている。
  • 人を含めた動物が、認知的ゲームをしているように見える。いかにこの世を楽しく演出するか。そのスキルが高いのなら、そりゃ幸福度は高いだろうが……、それでいいのだろうか。わからんね。

その他楽観バイアス対策

  • 死亡前死因分析。これで失敗を30%減らせるという。

プロジェクトなどを始める前に、「プロジェクト完了後(例えば1年後)にこのプロジェクトが大失敗していたとしたら、その原因は何か?」を関係者で話し合うことです。

https://asu-yoku-laboratory.com/optimism-bias
  • 見積もりは1.5倍にする。企業のプロジェクトの場合、これで丁度いいか、ギリギリかになるそうだ。

気になることがある場合、サイト内検索をしてみてください。

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