ライフハック 目標達成

if-then プランニングと習慣化

投稿日:2021年1月6日 更新日:

if-thenの概要

いふぜん。

ハイディ・グラントが提唱。著書で紹介して広まった。内容はシンプル。

やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学

IF(もしも)○○だったら、Then(その時は)○○をする、と予め決めるだけ。
トリガーとアクションのセット。

条件型計画とも。
計画に対しての積極性、行動力が増す。習慣化のライフハックとして扱われることが多い。

if-thenの効果

習慣化と言うよりは、計画実行能力の上昇。

ジム通いの習慣化にて、if-thenを行わないと31%が、if-thenを行うと91%が習慣化した。

ピーター・ゴルヴィツァーの実験では、

  • エッセイを2日以内に書いて投函しろと学生に指示。
  • if-thenやらせると71%が投函
  • 計画なしだと32%だけ。

 一般的な目標におけるゴール達成率が、if-thenでどれだけ上がるかについて。
ピーター・ゴルウィツァーの調査では、if-thenの効果量が0.65。ちなみにポジティブ心理学のテクニックが0.34、マインドフルネスでも0.36。

効果量の計算方法は統計学的な計算式が複数あり、どの計算式が使われたかがこちらではわからない。多いほうが効果がある。

相対で見て、マインドフルネスなどより2倍程度の効果量があると解釈していいだろう。

 健康に対しての良い習慣をつける使い方だと0.51。悪い習慣を減らす使い方では0.29。

脳は否定系の言葉を理解できないなんて巷で言われることがあるが、やる習慣よりやらない習慣のほうが難しい。

if-thenとは関係なく、接近目標(何かすることが焦点)の成功率が59%、回避目標(何かをやらないことが焦点)の成功率が47%なんて話も有る。

人間は「○○をしない」よりも「○○をする」という目標の立て方の方が向いているのだろう。この点から、「言い方」を変えるだけで成功率が上がるともされている。

if(Aをやりたくなったら)-then(Aを我慢する)よりも、
if(Aをやりたくなったら)-then(代用Bをやる)としたほうがいいだろう。
消去よりも上書きが有効。

 メンタルヘルスに対しての効果量は0.99。異常なレベル。2016年、1636人の調査。
(プラシーボ効果入ってないか?)


参照:https://yuchrszk.blogspot.com/2017/05/if-then.html(外部サイト)

テニスプレイヤーに対し、不安や緊張を感じたら(IF)、深呼吸する(then)とのプランを作成させた所、遥かに高いパフォーマンスを発揮したという話はあるが。

 行動面で積極性が2~3倍になると言われている。

  • レポート課題への取り組みが2.3倍
  • 運動習慣の確立が2.5倍
  • 乳がん検診の受診が2.0倍

などの例も。

 乳がん検診の受診が2倍になったという話は、if-thenしなかった群が51%(53%としているところもある)、if-thenやった群が100%でカンストしている。二倍以上の効果があった、と解釈した方がいいだろう。

if-thenのコツ

条件の注意点は、

  • できる限り具体的に目標設定する
  • ifは時間や場所、状況を具体的にする
  • 障害を明らかにしておく
  • 紙に書き出す

などが挙げられている。

 具体性について。ifにおいては、見逃しては意味がない。thenにおいては、行動イメージは実行しやすいとされている。どちらのためにも、できる限り具体的に設定しておいたほうが良い。

if-thenは条件反射を自分に組み込むことに近いと考えることができる。だったら尚更「条件」と「反射」がしやすくなるように具体的な条件指定、具体的な行動設定は必要だろう。
「筋トレをする」では抽象的であり、「セットメニューをn回こなす」とした方がいいということ。

 紙に書くことについて。当たり前の話だが、いくら条件を設定しても「忘れてた」では意味がない。

if-thenを設定することにより心の準備、心理学的に言えば「構え効果」や展望記憶はいくらか期待できるが、これだけではいつか消える。

反芻するための工夫として、紙に書いて見える所にでも貼っておくのは悪くない。
 
関連ページ:
 アインシュテルング効果について
 展望記憶:予定・目的・期待・予測

 Ifについて。
いつ、どこで、どのような状況で、などがifとなる。
設定することにより、脳がifを見つけに行くようになるとされる。当然その後の行動thenも連想できる。頭が準備できているということ。

ヒトは真っ先に思い浮かんだことを、過大評価する傾向がある。逆にすぐに何か思い浮かばないことには、過剰に用心深くもなる。if-thenにより行動する機会、脱線の前兆などを設定し、それに対しての反射的行動を設定し、さらにそれに対して注意し続けることができる。

何より「真っ先に思い浮かぶこと」がthenになりやすくなるので、その分行動もしやすくなる。

 thenの部分が選択式だと良いという話もある。if-then(AorB)という形。
余裕がある時と無い時、時間がある時と無い時、体力がある時と無い時など。筋トレだったら普段用と疲れてる時用みたいな。

特に習慣化においては、計画を立てた時には予想しなかった状況なども起こりうる。何よりもやったかやらなかったかの違いは大きいので、このような「滑り止め」を設定しておいたほうがいいだろう。

 障害への対応について。if-thenでは予測される障害を、予め炙り出しておけとされる。
本来のifに対して行動しようとした時に障害がある場合(これもif)、それへの対処thenをしてから、本来のthenをする。

入れ子構造。if-thenの中にif-thenが入ってる。プログラムで言うところのネスト、ネスティングに近い。
これも予め設定しておくとスムーズになる。

メモ

意思だの努力だのやる気だのではなく、今回はかなりヒトの「仕様」を織り込んだ方法になっている。自然と馴染むことも多いだろう。

また、ヒトの多くが習慣化に失敗するのは、ヘタレの根性なしだからではなく、きっかけを決めていないことによる「やり損ね」とも言える。車でいつまでも右折できないヒトみたいな。

なぜ実行能力が上がるのか

シンプルな条件で自制心の浪費を防ぐ。継続して動けるようになる。
シンプルな条件で、難易度を下げる。行動しやすくする。

 If-thenの構文は、脳が実行しやすい形式だと言われている。条件→行動。
腹が減ったら飯を食う、というのもif-then。ヒトの「仕様」に沿った形式ではあるだろう。

反対にヒトが動けなくなる時というのは、欲求や環境に流されるか、考えすぎて実行することを再検討してしまうことが挙げられる。何よりも「今やるべきかどうか」という(大抵の場合は)クソどうでもいい逡巡をしなくてはならない時。

考えすぎにしても、「いつやるか」を決めていないからと言うのが大きい。今じゃなくて後のほうがいいかも、なんて先延ばしにしたり。
決断ではなく判断をしようとする時、対象がどうでもいいことの方がむしろ悩むことになる。決め手に欠けるからだ。

このような思考のでしゃばりは阻害要因として大きい。何より今回は行動計画を既に立ててることが前提だ。この上で直前になってまた考え込むのはおかしいだろう。

if-thenは単純化によって考える暇を与えず行動に移させること、条件設定により「流されるトリガー」への感受性を鈍くさせるなど、手を付けるだけではなく継続と達成においても効果は期待できる。

if-thenと習慣化

グラントの本自体が習慣がテーマのもの。

やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学

グラント曰く習慣化のポイントが、

  • 決めた行動をする機会を逃さない
  • 望ましくない行動を抑制する
  • 目標達成の邪魔になる感情・思考への対処

if-thenはこれを防ぐと主張されている。

 ヒトが計画を建てる時は、大体「やる気」に頼った形になる。だが脳科学者が言うことすら有るが、脳はかなりの怠け者だ。実際には相当な節約傾向といったほうが正確だと思うが。

一方で人間が立てる計画は、相当にやる気に依存している。この時点でかなり旗色が悪い。
「習慣化」を意識した場合、毎日、毎回、いつも、同じことをする必要がある。やる気しか宛がないなら破綻する可能性のほうが大きいだろう。

やる気だよりの計画が失敗フラグなのに、そうなってしまうのは「やること(then)」は決めるが「いつやるか(if)」がしっかり決まっていないからと言うのが大きい。結果的に「何を」、「いつまで/いつまでに」やるかくらいしか決まらない。後者は期間や締切であり、ここでいうifとは違う。

良くても時間を決めるくらいか。それで十分なこともあるけれど。だからこそ「時間割」もライフハックとして紹介されてることもある。

「条件に対しての反応」として動くのがヒトの自然体ならば、「その行動をするきっかけ(if)」を行動ごとに設定するのは有効だろう。

これは自身の自動化であり、習慣化を望む者が求めるものだ。これを求めて「やる気」に頼った計画って相当アレだと改めて思うが。

 目標の邪魔となる感情、思考は、ポモドーロ・テクニックのシリロが言うところの「内的中断」だろう。他のことが気になる、急用を思い出す、違うことをやりたくなるなど。集中をするものにはお馴染みの自動思考。

これらは基本的にはしつこいだけで、強いか弱いかで言えば弱い。加えて、そのような自動思考よりも意思の方が強いという話もある。ただしこちらは長続きがしない。その隙きを自動思考にやられる形で負けやすい。

if-thenで効率的に自動思考に勝つことは可能だろう。

関連ページ:
 25分集中 5分休憩:ポモドーロ・テクニック

if-thenとやる気

 まず、行動するためにやる気はそれほど必要ない。本来なら。身構えるのは、やる前はタスクの難易度を過大評価するヒトの習慣と、「完走するだけのリソース」を計算してしまう式の間違いだ。

マッチ1本で、家は全焼し得る。同じく「スターター」程度のやる気で元から十分なことは多い。

作業興奮、つまりやる気は初めた後に湧いてくるという一連の話も、どちらかと言えばやる前の尻込みそのものが間違いで、手を付けることによりその異常さが消失したという話ではないだろうか。

やる気は追い風とはなり得るが、安定した行動のきっかけとしては弱いのは誰もが知ってるだろう。必要なときになかったらおしまいだしな。

 一方で、if-thenの形式に落とし込むことでの単純化、条件に対しての行動を予め設定するという明確さ、この点は「やる気が出る方法」として言われてたりもする。

要点は「行動イメージを思い描くこと」。if-thenは具体的に決め、thenの部分はさらに分岐することが推奨されているため、「できない」ということがかなり減る。ゴールまでの透明性があり、行動イメージもあるならやる気は出る。
 (この点は悪習慣を抑える面ではif-thenがそれほど効果がなかったこととも繋がる。「行動イメージ」じゃないからだ)
 
 やる気は多分、「できると思ったことにしか湧かない」。実際にできるかどうかではなく。

挑戦心でやる気が出る者は、タスクの達成ではなく、「全力を尽くす」という目的を「できる」と思っていることで湧くのだろう。

関連ページ:
 やる気/モチベーションについて

継続力とif-then

 安全装置や自動制御として設定できる。こちらの方が重要だと思う。要するに予定より欲求を優先していることに気づいたら、本来の予定に戻ると設定する。気楽に始められた所で、途中で放り出しては意味がないのも確かなわけで。

ベーシックなマインドフルネスも同じで、呼吸に意識を向け、思考や感情に気を取られていることに気づいたら、ただ再び呼吸に意識を向けるように指示される。反省や後悔などは不要。無駄どころか逆効果になる。

関連ページ:
 マインドフルネスとは?

継続の失敗原因になるのはこのような脱線だが、基本的に「脱線の入り口」というものがある。作業中にTwitterみちゃうなら、Twitter起動することがそれに当たる。あるいは見たくなったこと自体が。

これに気づかなければ、「気づいたら違うことやってた」という状態になる。

 そういった脱線の入り口に入った時に元に戻る、入りそうになった時に踏みとどまる、遅くても気づいたら戻ることができれば、自制という意味では成功だ。後は質の問題で。欲求が湧くこと自体は諦めたほうがいいんじゃないかな。その部分は、脳内とは言えコントロールが効かない部分だし。

ともかく、脱線する時は、入り口に差し掛かった時に、それに気づかず進んでしまっているといえる。
条件設定とその対応により入り口を鋭敏に察知できるようになる。

if-thenとメンタルヘルス

 メンタルヘルスの効果量に対しては、注意したほうがいいだろう。流石に高すぎる。研究に不備があったとは思わないが、あれは研究対象=指示や観察する者がそばにいることが、前提としてあったと考えたほうが自然だと判断する。

実際には心がけが裏目に出るような、逆説現象は多く観測される。野良の素人が思い込みの努力をして0.99の効果量があるとは思えない。

もっとも、「気をそらす」ようなものは大抵効果があると思っていいだろう。「考えすぎ」がそれだけ毒だということ。パニックを起こしそうになったら呼吸に意識を向けるなどは問題はないと思われる。

関連ページ:
 緊張を伴ってしっかりやろうとして裏目に出る

関連ページ

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