エゴグラム 性格分類
・エゴグラムは、エリック・バーンの「交流分析」の内、自我モデルという概念を元にした性格分類。分類と言うよりは解析に近いかも知れない。
・自我モデルの5つの要素の高低のバランスにより性格を診断する。
・本来は自己分析法であり、デュセイ・Jの恒常仮説(人は一定量の心的エネルギーを誰もが持っている)を元にする。
そのエネルギーの「配布」がどのような常態か、棒グラフに依って示すもの。
まぁ実際に自分がどうなのか知りたければ、そういうサイトで50やら100やら質問に答えた方が正確だろう。これは後で紹介する。
・ちなみにデュセイ自身は「直感で描くのが最も良い」としている。
交流分析 自我モデル(PACモデル)について
・自我状態とも呼ばれる。これらは思考、感情、行動の全てを含める。頭の中だけじゃなく、実際にどういった態度を取るかなども含めるということ。
・この5つは一人が全て持っている。ただ、「よく使うモデル」は各々偏りが出る。
P:親
parent。基本的に相手よりも立場が上の者が取る態度になる。子供を相手にするような態度。叱るか、守るか。
CP:批判的な親
・Critical Parent。
・ポジティブ:責任感が強い、ルールを守る。
・ネガティブ:批判的、支配的、独断的、排他的、世間体にこだわる、中途半端を許さない完璧主義者。
NP:保護的な親
・Nurturing Parent。日本人はこれが高い場合が多いとされる。
・ポジティブ:思いやり、寛容、共感、相手の面倒をみる。
・ネガティブ:過保護、過干渉、甘やかし、相手の自主性を奪う、余計なお世話。
C:子供
child。基本的に相手よりも立場が下の者が取る態度になる。親を相手にするような態度。自由に振る舞うか、萎縮するか。
FC:自由な子供
・FreeChild。日本人はこれが低い場合が多いとされる。
・ポジティブ:奔放、自由、自発性、積極性。
・ネガティブ:自己中心的、動物的、感情的、我慢ができない。
AC:従順な子供
・adapted child。
・ポジティブ:順応性、我慢、忍耐、従順。
・ネガティブ:感情の抑圧、臆病、遠慮がち、依存的、PACモデルの中で最も自己表現が苦手とされる。
A:大人
・Adult。これは一つしか無い。他人を相手にするような態度。
・ポジティブ:合理的、論理的、理性的、社会の役割をまっとうする。
・ネガティブ:機械的、打算的、事務的で冷たい対応、「自分」を出さない。
・「無難な対応」が可能な部分。この部分だけが高いとプライベートな交流は難しくなり、「冷たい人」と評されやすい。「仕事中の社会人」をイメージすると早いか。
また、自分を客観的に評価できるともされる。
・「今」に適応した感情、態度、行動パターン。と、されるのだが、エリック・バーン自身はこの「A」の概念にはほとんど手付かずだったとされている。
・一人の「自分」の中にこれらがあり、状況に応じて各々が機能するとされる。連携するのが基本。
エゴグラム
・確認した最多で29パターンある。やってられるか。
どうせ診断テストとかすれば結果として出るんだから別にここでやらなくてもいいだろう。
・注意点としては、重要なのは「全体のバランス」つまり相対的な高低であり、絶対的な高低はあまり問われない。
例えば厳しさCPと優しさNPの両方が高くても、表に出るのはCPがNPを上回れば厳しさが、逆なら優しさ/甘さにはなるため。
・例外として平坦型(全てがほぼ横一列)の場合で尚且全部低い場合はエネルギー不足の状態だとされるが、「健常者には見られない」とされる。
何かが特化していることは振る舞いに「クセ」がでているということ。
・また、PACの自身の各側面は固定ではなく、変化する。つまり、変わることはできる。まぁその分素直に答えないと、意味はないね。
エゴグラムテスト
エゴグラムテスト:https://commutest.com/egogram
・診断の基準としては、「どれが一番高いか」「どれが一番低いか」「グラフがどのような形を描いているか」が主。
・例えばNPが一番低い場合は思いやりにかける、高ければ社会協調性に富むが度が過ぎればおせっかい、など。このため一番高いのと一番低いのを自分で調べても構わないだろう。
(正直な所、診断結果の方はあまり信用しないほうが良いと思う。どうもその辺りから「占い」の匂いが濃くなってくる。基本的に「総合的な評価」は最も当てにならないと思っている。自分を知り、調整したいなら、各要素の高低だけで十分な情報量だろう。占いしたいんなら話は別だが)
エゴグラムチェックリストPDF
http://www.e-goose.com/wlh/ta/egosheet.pdf
・当然手動のほうが採点がめんどくさいが、「どのような要素が、どの部分に影響するのか」はこれを見たほうがわかるだろう。
・例えば「自分のやり方にこだわる」という質問は一見するとFC:自由な子供とも思えるが、CP:批判的な親に加点される。そういった間違いを正すことができる。
・自分にちょっと変えたい部分があるなら、こういったものも役に立つだろう。「具体的にどこが過剰/不足なのか」がわかるため。
例えば目指す所が問題のない平坦なグラフだったとすれば、高い要素に該当する行為は控え、低い要素に該当する行為は意識してみればいい。
・ただまぁ、「変わりたい」って思ってる人は、時に力いっぱいにキャラと正反対のことをやりがちなので、そこは力加減を意識するべきだろう。
メモ
・過去も取り扱ったことがあるが、今になって思えば、少々複雑すぎるかもなPACモデル。詳しく言えば1つの自我モデルが他のモデルを侵食するとか、A1あるいはLP:リトルプロフェッサー(小さな教授)というモデルもあるとか、色々あるが割愛。
・これは相手の態度に依って引き出される場合もある。わかりやすいのは、そうだな、おっさんを幼稚園児のようにあやしたとしよう。つまりNPの態度だね。
まぁ相手怒るね。馬鹿にしてんのかと。FCの反応だね。そういうこと。
では、しつこく、特定のモデルで接し続けてくる相手がいたら?
或いはそう接する必要がある相手が身近にいるとしたら?
あなたの自我モデルはそれに対応したモデルが「発達」するだろう。
・一番他人に依存しているのが、実は「親」だ。子供はその場に一人でいても子供。大人はその場に一人でいても大人。「親」は、子供とセットじゃなきゃ親じゃない。誰かとの関係上でなければ「親」の態度は取れない。
ACは生存戦略的に他者を必要とするが、Pはどちらも「自己表現」として他者が必須になる。
メサイアコンプレックスやヒーローコンプレックス、自己愛が強い者が他者承認が強いのとも繋がるだろう。「親」としての自分を周囲に「見せたければ」、「子供役が必要になる」。まぁそれが「だめな自分を叱咤激励する自分」とかそういう形もあるんだが。
加えて禁止令の元ネタの再現か、拮抗禁止令の実行とも言える。C:子供よりもP:親のほうが注意が必要な気がするが。どっちもどっちかな。
Pは特に集団内で推奨されている面がある。そこそこなら優しい/真面目だから。これは「歯止めが効かない」ことも意味する。エスカレートしないようにむしろ気をつけたほうがいいかもしれない。
ともかく、Pの強く人間関係に出る場合は、おせっかいか偉そうかにはなりやすいだろうね。
参照:
http://www.kiyoshi-ohta.com/ronbun/2013/20131016harada.pdf