時差ボケやシフト制はどのようにして睡眠・起床を調整するか

時差ボケやシフト制はどのようにして睡眠・起床を調整するか

・3交代制や早番/遅番のシフト制、或いは海外との往復などによる時差ボケを修正するには。

・例えばアメリカとの時差は14時間。昼夜逆転と同レベルでずれる。
時差ボケやシフト制に限らずとも、睡眠/起床時間を少し変えたい時、昼夜逆転などに使えるかも知れない。そのための要素と注意点。

・基本的には仮眠で凌ぎながら「寝るべき時間」までこぎつける。普通。大抵の場合「がんばってなんとかしている」と言った印象で、決め手があるというよりは自己管理の領域。

依って寝る時間、起きる時間を基準として、そこまで凌ぐ方法、そこで眠れる方法になる。

また、できる限り起床、睡眠、食事の時間は変化をさせないほうが良い。体内時計の影響がかなり大きいため。逆に習慣を守る限りは追い風になる。

生理的に眠くなるタイミング

・2~4時と14~16時が生理的に眠くなるタイミングだとされる。特に14時からの眠気は多くの人々におなじみのものだろう。

裏を返せばこの時間帯はどうあがいても眠くなるため、この時間に眠くなることは睡眠不足や睡眠リズムとは繋げないほうが良い。

逆に仮眠をとるならこの時間は最適となる。

仮眠時間と睡眠慣性

横になってからではなく実際の「眠っている時間」は、20分程度に収めるべきとされる。

それを超えると眠りが深くなりすぎ、起きた時に一時的な疲労感を感じてしまう(睡眠慣性)。

・アデノシンという睡眠物質がある。これはブドウ糖の分解の果ての物質で、これは起きている限り身体に溜まっていき、一定以上になると疲労感を感じさせ、「眠れ」という指示を出す。睡眠に依って減少する。

要は活動により増加し、その分睡眠をとらせる一種の「睡眠管理」を行っている。カフェインはこれを阻害する。

アデノシンによる眠気は眠ればその分解消される。だが「眠るために必要なもの」と考えれば、あまり長時間の仮眠は良くないだろう。昼に寝すぎると夜眠れなくなるとはよく聞く話だ。20分の仮眠を数度に分けた方が良いと思われる。

光を浴びる

体内時計は色々あるが、主となるのは視交叉上核。これは強い光を見るとリセットされる。

これは一見即効性がありそうなんだが、効果が出るのが「次の日の朝」だとする話もある。今日の朝光を浴びても、明日の朝に眼が覚めやすくなるという話。つまり即効性がない可能性。

これとは別に、光を浴びることでメラトニンが生成され、これがそのまま夜にセロトニン(睡眠を促すホルモン)の材料になる。当日に於いては少なくとも夜の寝付きには影響するだろう。

食事や睡眠を少しずつずらす

起床/睡眠はもちろんのこと、腹具合も体内時計の一種。食事の時間も一定であることが好ましい。血糖値の上下は眠気に影響を及ぼす。消化は自動的に行われるが、その間当然胃は働くため、休めない。依ってあまり夕食が遅いと睡眠の質を下げる。

・「食後の眠気」は満腹ホルモンとも呼ばれるレプチンの効果だが、これは胃腸を活発にさせるホルモンでもある。要は「消化を頑張るから動くな」という意味の眠気であり、身体を休める眠気とは違う。

・床に就いても眠れない入眠困難な人でも、食事の時間なら守りやすいだろう。「寝る3時間前」がベストとされる。これは胃が消化を終える時間。それより遅れてしまう場合は消化に良いものにすれば負担はその分減らせる。

・また、当然ながら量は少ないほうが負担も少ない。このため、どうしても睡眠3時間前にしか食事を取れない人は、夕食の量を減らし、それより前に間食の形でいくらか補っておくことも可能だとされる。

カフェイン

・眠気覚ましによく使われるのがカフェイン。だが入眠の妨げにもなる。カフェインの効果が出るのが摂取後30分前後かかるため、あまり一度にコーヒーがぶ飲みとかは止めたほうがいいだろう。

・同様に「以降はカフェインを取らない時間」も意識する。ここが難しいかも知れない。今回の状況だと、それまでは「起きていなくてはならない」というスタンスでいるため、どうしても過剰摂取気味になりやすい。

・前述の通りカフェインはアデノシンを阻害し、また睡眠阻害ホルモンであるコルチゾールを分泌させる。

・カフェインの効き方も個人差があるような気がするが、私の場合「眠気はなくならないが眠れない」という非常に迷惑な効き方をする。

・厄介なのはカフェインは「商品」であり、企業サイトでは都合のいい表示の仕方をされていること。

「3~4時間で体外に排出される」とされていることも多いが嘘に近い。実際にはこれは「半減期」であり(約4.9時間)、体内に吸収したカフェインの量が半分になる時間に過ぎない。

当然その前に大量摂取していれば半減しても睡眠に影響を及ぼすレベルである可能性は存在する。このため、「日中の摂取量」も意識したほうがいい。

まぁとりあえずは睡眠の5時間前からは摂らないほうが良いと思われる。

が、カフェインは色々なものにやたらと入っている。コーヒーやお茶、エナジードリンクは当然として、コーラ、風邪薬や解熱鎮痛剤、鼻炎用カプセル、添加剤として認められているため眠気覚ましのガムにも。

一切取らないように気にするのも難しいかも知れない。自分からコーヒーやお茶を飲むような真似だけ控えれば少しはマシだろう。

・カフェインは依存性があったり、飲みすぎて頭痛、飲むのを止めても頭痛など厄介な面がある。習慣的に飲んでいる人は少し辛いかも知れない。

緑茶はタンニンがカフェインの効果を阻害するため、コーヒーよりは緩やかだとされる。

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