注意の二種類:ボトムアップ・トップダウン

 現実世界には多くの物体が存在し複雑な視覚世界を構成しているため、網膜には膨大な情報が入力される。しかしながら、脳がすべての視覚情報を高精度に処理することは困難であるため、生体にとって重要と思われる視覚情報を選択して認知や合目的な行動に結びつけている。このような神経情報処理を実現する仕組みのひとつとして「注意」がある。注意が生じる生起過程の違いからボトムアップ型注意とトップダウン型注意の2種類が存在すると考えられている。

https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E8%A6%96%E8%A6%9A%E6%80%A7%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%80%E3%82%A6%E3%83%B3%E5%9E%8B%E6%B3%A8%E6%84%8F%E3%81%A8%E3%83%9C%E3%83%88%E3%83%A0%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97%E5%9E%8B%E6%B3%A8%E6%84%8F

・人が認識するいくらかは雑。それは、真に注目するべきことにリソースを充てるためである。

ボトムアップ型注意

・下から上へ。外界から脳へ。

・視覚で言えば、他より明らかに目立つもの、異質なものなどに自然と注意が向くこと。

・例えばあなたが帰宅した時、玄関に見知らぬ靴があったらすぐ気づくだろう。この時見知った靴(普段からそこにあって当然のもの)と、その見知らぬ靴は視覚的刺激としては同レベルだが、主観的には優先度が全く違う。

トップダウン型注意

・上から下へ。脳から外界へ。

・選ぶべき事前知識を持っている場合、能動的にバイアスを掛け、それを見つけ出すとされる。この時バイアスは見つけるべきもののピックアップと、それ以外の情報のカットのために働く。バイアスは有用でもあるとは言っていたが、初めてバイアスを肯定している文献を見つけた気がする。

メモ

・簡単に言えば、腹が減ったから食うものはないかと冷蔵庫を開けて、プリンが目に飛び込んできたらボトムアップ(外の情報が内側を注目させる)。

プリンがあるはずだと思ってて冷蔵庫を開け、プリンを見つけて食うのがトップダウン(内=あるはずだ、との目的で外の情報から該当刺激をピックアップ)。

それが人のプリンだったら人非人(謝れ)。

注意したいのは、この際にボトムアップなら「冷蔵庫に他にどんな物があったか」は目に入るが、トップダウンの場合冷蔵庫を開ける前から「プリン出して食う」ための意識活動をしているため、他に何があっても除外され、あまり目に入らないこと。スムーズな動きができるのはトップダウンだが。一長一短。

・例えば作業に集中したいならボトムアップ型の注意は「気が散る情報」も拾いやすく向いてない。不確定要素を排除してトップダウン型の注意を作業に向ければそれは集中状態だろう。言ってできたら苦労しないが。

・ボトムアップを「気付き」とするならあることモード、トップダウンを実行のための注意力の使用とするならすることモードとも言えるだろう。この2つは目まぐるしく入れ替わるように思える。引用先では「2つは排他的ではなく相互作用しながら機能すると考えられる」とある。

前述の靴の例で言えば、見知らぬ靴に気づけたのはボトムアップだが、次の瞬間には来客が誰であるか確認しようというトップダウンに大体は入れ替わる。この時家族が知らない服着てても気づかないだろう。

・捜している時は見当たらないが、探してない時には目に入る、というのもこの2つの注意力に依るかもしれない。探している時にはそれがありそうな場所、そうでありそうな姿のイメージに絞る=トップダウン。そこにない場合には大抵手こずるものだ。まぁこれで見つからないのは普段の場所に無いからだけど。

・バイアスはこの様に、普段は正しく働く。またバイアスはこの様に、「注意」の対象を操作する。ほとんどのバイアスが言ってみれば「注意の対象」の間違いか、「重要度」の間違いであることと無関係ではないだろう。

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