不安・恐怖

「明日が怖い」という状態についての考察

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  • 不安と恐怖に違いはあるけど、もう分けなくていいんじゃねぇかな
  • 嫌なことを思い浮かべた時点で、追体験/仮想体験している可能性
  • 先走った感情の処理

・これは考察であり、それ以上ではないです。

・対象が「明日」である限り「この場で解決する」ことが絶対に無理なため、厄介な悩みとなる。
この点は予定がストレスになるという話と共通する。

不安と恐怖の違い

  • 心理学では不安と恐怖は別物とされるし、神経回路も別
  • 脳や体の反応としては、別に違いはないように思える
  • 不安に対して恐怖と同じ反応をしてないか

・不安と恐怖は心理学では別物とされる。不安は対象が目の前にない。恐怖はある。

このため「明日が怖い」というものは不安に属する、はずである。明日は今じゃないからな。

・内面、主観的な不安と恐怖の違いとしては、恐怖はやはり具体的な対象があり、それへの恐れとされる。

不安は対象が漠然とした内的葛藤とされる。つまり心の悩みであるし、「よくわからんがなんか不安」とかもあるということ。
これには可能性も含まれる。明日○○だったらどうしよう、みたいな。

思考の幅/範囲は不安の方が広い。恐怖は感情的、不安は思考的(予測や推論)な側面がある。


・脳的に見ると、不安も恐怖もノルアドレナリンが分泌される。これは扁桃体を活性化させる。

扁桃体は不安や恐怖といった感情の中枢とされている。これらのマイナス感情を感じている時、扁桃体は活発になっている。

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不安と恐怖の違いはこの面では確認できない。

神経回路で言えば、不安と恐怖は別物らしい。(大阪バイオサイエンス研究所による発表

ただ、どちらの情報を受け取っても脳のリアクションとしては同じなのではないか。

・ノルアドレナリンは身体を特定のモードにする。
ファイト・オア・フライト、逃走か闘争か、あるいは「戦うか逃げるかすくむか反応」なんて呼ばれる、要するにテンパった状態。

動物園から逃げ出したライオンと出くわした場面でも想像すれば早いと思う。
じっとしてる暇はない、今すぐ動かなければ、みたいな心境にする。これは逃げることも含まれる。

すくむのはなんでか知らんが、多分行動方針を閃くことに失敗した状態じゃなかろうか。どうしたら良いかわからない状態。

この反応は本能的なものであり、どう見ても「危機にさらされた者の反応」だ。
当然、眠れなくもなる


・「不安」の場合、ファイト・オア・フライトになるのは明らかにまだ早い。逃げるべき危機も殴るべき相手も目の前にはいないので。

「良くないかもしれない」みたいな未確定の状態で、目の前に危険な存在がある反応をしている。

つまり、不安に対して恐怖の反応を身体はしていることにならないか。

追体験 仮想体験:メンタルタイムトラベル

  • 過去を思い出したり未来を想像すると、それにふさわしい感情まで湧くよ
  • まるでその時のその場所にいるようになるから、メンタルタイムトラベルと呼ばれるよ
  • 「その場にいるような気持ち」になるんだったらもうそれ「恐怖」の感情じゃないのかな

・メンタルタイムトラベルとは、過去や未来を鮮明に思い浮かべることを指す。
主に過去を回想する意味で使われるが、未来を思い描く場合も含まれる言葉。
毎回思うんだが名前がダサい。だが論文でも使われている概念だ。

・メンタルタイムトラベルに於いて、内容に従って感情も呼び起こされる。例えば楽しい思い出にタイムトラベルするなら、その時の感情も呼び起こされる。逆もまた然り
このためトラウマと同列に扱われることもあるが、「人間の根本的に重要な能力である」という見方を多くの研究者はしている。
(身近な例を上げると、報酬への期待がモチベーションに関わるとかね)

・未来を想像する時と過去を回想する時で、脳の同じ部位(前頭葉内側部と海馬)が関わっている。このため想起と展望は裏表の関係にあるとされる。

思い出すのと思い描くのは脳の同じ部分使ってるってこと。

・恐怖はともかく、不安は思考(推論)や想像に基づいている
この文脈で言うなら不安とは「ネガティブな未来」の「想像」となる。イコール、メンタルタイムトラベル。その「ネガティブな未来」に飛んでいる。安らぐわけねーな。

この時、それにふさわしい感情も呼び起こされるわけで、不安のせいで眠れないとか落ち着かないという状態となる。

これを別の捉え方をすると、「ネガティブな未来」に「飛んだ」、つまり今、目前にあるのがその状況なわけだから、その時の感情は不安ではなく恐怖になる。

・以上から、不安でも恐怖でも最終的に状態一緒になるんじゃないのと言いたい。

もっと詳しく言うなら、不安感(恐怖とは別物)→想像→メンタルタイムトラベル→恐怖感となるか。

先走った感情の対処

・恐怖は緊急事態を伝えるシグナルであり、本来は命を守る側にある。ただしそれは全力を尽くすべき案件のため、身体を強制的に興奮状態に持っていく。

不安もまた「この先に用心しろ」とのシグナルと解釈できる。ただし人間の想像力は、子供が老人になった自分を(精度はともかく)想像することも可能であり、そして想像したならば「それにふさわしい感情」も湧いてしまう。

・先走った感情を防ぐには、そもそもメンタルタイムトラベルを起こさなければ良い。考えないようにするというのは人間には難しい。別物に意識を向ける方が有効だ。

しかし恐怖も感情も「必要なもの」であるため、それに対処してからであるべきだろう。

また、不安や恐怖は「行動に駆り立てる」という属性がある(逃走や防御を含めるが)。逆を言えば行動すれば解消は可能なのだが、「不安」の場合は対象が目の前には存在しないため直接的な行動は不可能になる。準備とかならできるが。

・オーソドックスに「書き出して整理する」というのは使える手だろう。
人間の頭は自覚されるよりも「狭い」。人間の悩みがループするのはそれが難解だからではなく、複数の思考が入り混じっているのが理由であり、書き出してみれば量的には大したことない場合も多い。質はともかく。

不安を書き出し俯瞰して、できることは行い、それ以上は気にしない……というかそれ以上は気にしても解決しないことだ。
(認知方面ならリフレーミングとかでなんとかできるだろう)

・不安に対しては、やることやったら後は考えないようにするというのは有効だろう。できたら苦労しねーよって話だろうが、単に気を紛らわせる、別の何かに意識を向けるなどがいい。
反対に「考えないようにする」というのは逆効果になるとの研究結果がある。

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一種の錯覚で、悩んでいる方が安心できるとか、考えればなんとかなるはずとか思いがちなもんだが、少なくとも「今の自分」にそれが可能なのか、有効なのかは考えた方がいい。デメリットの方が大きいかもしれない。

メモ

・「答えのでない事態に耐える力」という概念がある。ネガティブ・ケイパビリティと呼ばれる。
短気に事実や理由を求めることなく、不確かさや、不可解なことや、疑惑ある状態の中に人が留まることが出来る時に見出されるもの』とされる。

逆にこれがない状態とは、不確かさや不可解なことに耐えられずに短気に事実や理由を求めることとなる。不安に駆られた人間がこの状態。

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少しは耐えて、この力を鍛えようとしてもいいかもね。

・認知の認知をメタ認知と呼ぶ。今回で言えば不安を感じた(認知)ことに対して思いつく/やろうとする対応(認知に対しての認知)などが該当する。

これは直感や本能よりも理性的な物との扱いを大体受けるのだが、「間違ったメタ認知」はある。
例えば「蚊に刺されたら痒くても掻かない方がいい」というのは誰でも知ってるわけだが、「痒い(認知)から掻こう(メタ認知)」という形でよろしくないアウトプットが出てしまう。

メタ認知って言うよりスキーマ(自動思考)に近いと思うんだが、まぁこれもメタ認知と呼ばれることがある。「認知」って言葉がそれぞれだから紛らわしいね。

不安に対しても似たようなもんで、「不安だから解決するまで考え続けるべきだ」なんてメタ認知ができてる人はいるかもしれない。

前述の通り、やることやったら後はネガティブ・ケイパビリティの修行だとでも思ってた方がまだマシだと思われる。

・メンタルタイムトラベルによる不安感は、本物よりも強い可能性がある

ある実験では「これから嫌なことがある」と想像すると脳が痛みのシグナルを発していたが、実際にそれを行っている時には痛みのシグナルはなかった

陳腐な言葉だが、『案ずるより産むが易し』と言う通り、案ずることが相当なストレスになっているかもしれない。

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