- HSPは敏感すぎる人。繊細すぎる人。
- HSPは小さなことでも大きく考え込む傾向はあるため、予定があるだけで落ち着かない気持ちになってもおかしくない。
- 病気じゃない。体質に近い話。治そうとするのではなく、理解して運用していく方針で。
HSPも予定があると落ち着かない
HSPとは
・HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)とは、要するに繊細な人、あるいは繊細すぎる人である。5人に1人くらいはHSPだとされている。
後天的な性格や人格ではなく、気質(先天的な特徴)とされる。脳の体質とでも思っとけばいい。
思考や感情だけではなく、光や音に対しても敏感。
・HSPの特徴は大きく4つある。
- 深い処理:慎重に行動する。考えすぎにつながる。
- 過度な興奮:刺激に対して敏感に反応するため、疲れやすい。
- 感情反応の強さ・強い共感力:感情移入しやすい。気持ちが強く反応しやすい
- 些細なことを察知する:五感が鋭い。人が気にしないことを自分は気にする。ただし何に気づくかは個人による。
要するに物事に対して気にしやすい、悩みやすい、ストレスに感じやすい。このため「予定があると落ち着かない」というのはHSPあるあるらしい。
・HSPは病気なのか、治し方は、病院に行くべきかと考える人もいるようだが、個人の特性であり、病気じゃない。HSPを扱っているところもあるが、カウンセリングに近い。
HSP (Highly Sensitive Person(非常に繊細な人)」は心理学的な概念のため病名とは異なります。
https://besli.jp/highly-sensitive-person-2.html
よく「私はHSPではないでしょうか? 診断をしてください」と言われる方がいらしゃいますが、医学を取り扱う病院ではHSPの「診断」は行っておりません。
HSPなのかどうかではなくHSPの特性をもち、どう生活を送っていくかを考えることが治療になるのです。
自らを受け入れ和解せよみたいな。
・診断をしたいなら、尺度(質問リスト)自体は日本人用に作られた物がある。
https://www.japansensitivityresearch.com/questionnaires
ここに青年用、児童用、本場の物を日本語化した物の3種類があるのでお好きに。
内容を大雑把に言うと、
- 強い刺激を不快と感じるか
- 美的感受性が高いか(色、香り、音楽、美術など)
- 忙しいと慌てたりオロオロするか
とかその辺り。
・HSPの人はめんどくさいなんて声もある。まぁ自分でもそう思ってそうだが。
人は結構「加害者」になることを恐れている。社会的な意味で攻撃対象になるに等しいから。
このため「傷つきやすい人」の近くにいると無意識に気を使ってしまう。丁寧な扱いを強制されているような気持ちに、勝手になってしまうことはあるだろう。
この辺りでめんどくさいと言われることもある。
・HSPは7割は物静かなのだが、3割ほど「活動的なHSP」がいる。HSE(Highly Sensitive Extrovert:外向型HSP)。
敏感さを持っているがアクティブで、「大胆なのに繊細」「外部の刺激を欲しがる」「元気なのに傷つきやすい」などの特徴がある。
傷つきやすくてこれだと周りが気を使うので(人間関係的には当たり屋に近い)、めんどくさい人扱いされてることもある。
・人類の2割がHSPなんだから、マジでめんどくさいのも混じってんだろとも思うが。めんどくささがHSP由来のものかそうじゃないのかは確認するべきだろう。
HSPの提唱者も釘を差しているんだが、「HSPだからと言って別の問題がないわけではない」。彼女はHSPというわかりやすい特性が見つかることで、それらが見逃されることを危惧している。
HSPが予定があると落ち着かなくなる原因について
・HSPでは、予定が書いてあるから手帳を見たくないってレベルで予定が嫌いな人もいるようだ。
ただ予定が無事終わると「行ってよかった」と思ったり、達成感を感じることも珍しくない。予定への認知や意識に今回も問題がある可能性が高い。
社会に疲れてるから
・HSPはそれ以外と比べて、周りの人間に合わせようとしすぎて既に疲れている場合も多い。過敏なので人の顔色で感情が分かってしまうことも多い。
HSPは「心の境界線が薄い/脆い」とも言われる。自分と他人との区別のことだが、これがはっきりしていないと「自分がない言動」になる。
相手から影響を受けやすく、無意識に合わせてしまいやすい。ついでに言えばこのせいで自分を見失いやすくもある。HSPが感じる生きづらさの理由の一つ。
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・HSPは気疲れしやすい。生まれつきの疲れやすい体質と言っても大体合ってる。脳が色々と拾って、それを深く処理しようとするため、負荷がかかり脳疲労が溜まりやすい。
疲れやすいが、寝付きが悪いなどもHSPの特徴として挙げられることがある。
・寝付きが悪くて睡眠が浅い傾向があるため、疲れが取れない。時間的にはよく寝るパターンもあるが、十分に寝てもなんかスッキリしないことも多い。
・これらはうつ病と似ているため、当人が勘違いすることもある。
うつ病と同じく死にたくなることもあるようだが、脳が色々拾ってしまう体質なので何が原因かは判断しづらい。
後、結構死ぬこと考えたことがある人はいる。程度はそれぞれだが。日常会話にしにくい話題だから、当人は自分だけだと思いがちだけどね。
・予定とは、誰が決めたかに関わらず、予定通りの時と場所で自発的にそのように動くべきとするプログラムだ。
加えて作業として完了させたり、人に会ったりと「これから疲れる」と予測するに充分な内容である場合、気が進まないことに対して自発的に動くという、人間が最もやる気が出ない対象となる。多いけど。
・疲れてる時に、この後さらに疲れることが待ってる状態で、更に自分からそれを始めなきゃいけない。そりゃ気が重いし落ち着かない。
予定が予定通りに終わるかどうか不安
・アクシデントへの不安。予想外の何かが起きるかもしれない。できれば予定がなくなって欲しい。
日本語版では削除されているのだが、本来のHSPの尺度には「動揺するようなことを避けることを優先して生活しているか」という項目がある。
・HSPは敏感なため、刺激を嫌う傾向がある。元から考え込む傾向があるため、急を要する不確定要素やアドリブが必要な場面は特に苦手なことが多い。
計画通りに物事を進めたり、落ち着いて対処できるような状況を好む。計画通りに行かないとパニックになるとの声もある。HSP尺度にもそのような項目はある。
もしも仕事の予定よりも、遊びに行く予定の方が落ち着かなくなるのなら、自由度が高い = 不確定要素の多さを処理しようと頭がパンクしてるのかもしれない。
・似たような話がアスペルガー症候群にもある。いつもと違うことに対してはパニックやヒステリーを起こすことがある。
例えばアスペルガー症候群でもルールや規則に拘る傾向が高い。未来を予測することが苦手なため、対応ができずパニックを起こすからとされている。
・HSPの提唱者であるエイレン・N・アーロンも、HSPだと思っていた相手がアスペルガー症候群だった例を2つ挙げている。
理由は違うが、どちらも「臨機応変に対応することを苦手」としており、普段からそれを織り込んで予想外のことが起きないように立ち回っている。特に「割り込み」に弱いとの声がある。
わざわざ「予定」として意識する程度には、日常とは違うイベントなわけで、緊張や不安感はあるだろう。これ以上何かあったらどうしようみたいな。
HSPは人嫌い?
・HSPは友達と一緒にいると疲れる、だから人嫌いなんだ、みたいな話が自他共見られるが、別にそんなこともない。この特性は「気質」であり、脳の体質のようなものであり、個人の好みとは違う。
人好きなのに人と会うと超疲れるとかは普通にある。別に愛は奇跡を起こさないので、相手のことが特別好きでも普通に後で疲れる。内向型も同じ。例え親友でも会うのは週一でお腹いっぱいって声もあるくらい。
彼/彼女達にとっては、人付き合いが「疲れること」には変わらない(好き嫌いとは無関係)ため、苦手意識を持ちやすくはあるが、拒絶や断絶ではなく、ペースの問題だろう。
・HSPはお世辞をお世辞と見抜くのは上手いとされる。このため薄っぺらくて馴れ馴れしい人間は苦手なことが多い。逆に一対一の対話が得意。これも内向型と同じ。
自称「人間嫌い」も、結局嫌ってるのは中身がなくて要領だけいい軽薄な人間のみであることが多い。まぁ誰だってそう言うのは嫌いなんだが、HSPはそういうのに気づきやすい。HSPなのか、人嫌いでこれらを見抜くセンスが磨かれたのかは人それぞれ。
・HSPの特性である「処理の深さ」は観察眼とは違う。勘違いや思い込み、または深く考えすぎ/裏の読みすぎの可能性もあるのだが。つまり悪く考えすぎる所はあり、悪く考えすぎての警戒/緊張で疲れてる感じはやっぱりある。
予定への不安や焦燥への対処法
・行くしかないなら覚悟を決められるが、キャンセル可能な余地があるから迷う。だから覚悟を決めてしまえ、自分を追い詰めろ、みたいな話もあるんだが。
まぁいつでも使えるほど心の耐久力があるとも思わない。たまにならいいかもね。
・対策としてスケジュールに余白を持つことが挙げられている。バッファ(緩衝)と呼ばれたりする。「何かあっても対応できる」という時間的な根拠で安心感を増やす。
・注意点として、HSPもアスペルガー症候群もそうなんだが、不安からくる完璧主義になりやすい。やることを細かく定義してその通りにしようとするような。このため自分から余白を無意味に潰している可能性はある。
どうでもいい予定を取り除く、細かすぎる予定をあえて大雑把に書いておくなどしないと、スケジュールを見るだけで吐くかもしれない。
不安が原動力なので、書いておくと安心、むしろ書いておかないと不安となる面はあるのだが。
この情動に従ってばかりでは実働フェイズで苦しむため、自分がやっていけるバランスを見つけるしかない。
少なくともやればやるほど良いってことは殆どない。パラケルススも服用量こそが毒かそうでないかを決めるって言ってるし。
今回の場合、「細かさ」が毒となっている可能性。
・予定のあとでゆっくりできる時間を設ける。アフターケアの補償。
HSPが予定に対して「負荷」が大きいのは間違いないため、その後での回復期間を自分に約束する。なるべく裏切らないこと。
彼/彼女たちには社会は刺激過多なので、元から1人で休める時間を大切にし、刺激を避けた方がいいとは言われている。
一方で予定とはもともと「仕事を連想してストレスになる」なんて説がある代物だ。このため遊ぶ約束でもストレスになる余地が始めからあったりする。
・HSPの疲れのとり方としては、スマホなどに触らず、静かな時間を過ごすことが挙げられている。デジタルデトックス。
「情報」が負荷となるため、その最前線であるスマホやPCは大体ストレスになる。電話も。
また情報の深い処理をしてしまうというのは、スルースキルが大分ないことを意味する。「見てしまった」だけで、「気になってしまう」という形で悪循環は起きやすい。少なくとも休息では、SNSとかはやらない方がいいだろう。
暇つぶしなら、何度も読んだ本とかの方がよほど良いと思われる。
・HSPが楽になる方法はあるのか、といえばまぁ難しいかもしれないが。朗報としては、HSPの特性は何らかのメリット自体は存在してそうなこと。
HSPというか「感受性が強い子供」が対象の調査だが、通常の環境下だと、他の子供と比べて病気も怪我も少ない。
反対にストレスが多い環境化だと、病気や怪我がの子供よりも多くなる。
どうも「ストレスの影響を極端に受けやすい体質」とも言えそうな内容で。良い環境に移る、または構築していくことは一つの方針となるかもしれない。防衛的ペシミズムにも同じことが言えそうだ。
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メモ
予定があると落ち着かない/予定を立てるのが苦手な人
・「予定があると落ち着かない」という傾向は割と一般的であり、これ自体は珍しい話じゃない。HSPの方が頻度や強さは強いかもしれないが。
・特に自分の時間や自由と対立する、社会的要素が多い「予定」が、休日や自由な時間を埋めるのは面白くない心理などはある。
・「これからこれをやらなきゃならない」と考えると、人は性能が落ちるとの研究がある。どれも予定内容だからじゃなくて「予定だから」嫌になる感じが強い。
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