充実感の心理学での定義

現代青年の充実感に関する一研究 現代日本青年の心情モデルについての検討から。

「生きがい」と「充実感」はほぼ同義とされる

  • 自我同一性(自己統一性=アイデンティティ)にまつわるものとして研究されている。
  • 青年の充実感は、その青年の健康な自我統一性の実感だとされる。
  • 「生きがい感」も充実感と似たような意味と解釈されるが、それよりも範囲が広い。
    • この論文では特に「青年が健康な自我同一性を統合していく過程で感じられる自己肯定的な感情」を充実感と呼ぶと明記されている。

現代日本青年の心情モデル(西平1979による)


  • 西平(1979)では生きがい感と充実感はほぼ同義に扱われている。
  • 「生きがい感」の反対は「しらけ感」
    • 以下の3因子がある。左が生きがい感に属し、右がしらけ感に属する。
      • 信頼と不信
      • 連帯と孤立
      • 自立と甘え
  • また、生きがい感に属するものが自我同一性の「統合」の方向を、しらけ感に属するものが自我同一性の「拡散」の方向と対応している。
  • 自立は生きがい感に通じるが、孤立はしらけ感に通じることに注意。

大野(1980)により見いだされた充実感の3因子

  • 第一因子:充実感気分-退屈・空虚感因子
  • 第二因子:目標・時間的展望-目標・時間的展望の拡散因子
    • 例として「私には生きていく上で目指す目標がある」という項目が挙げられていることから、何かを目指す=時間が経つに連れ物事が良くなるか、それとも悪くなるかの認識だと思われる。
    • ただの時間経過=待つだけの話ではないため、これには自己効力感=自分が物事を良く出来るか、学習性無力感=自分には物事を良くする力がないと思うかも関わっている。
    • 心情モデルの信頼-不信に対応すると考えられている。
  • 第三因子:連帯-孤立因子
    • 例として「私をわかってくれる人がいないと思う」という項目が挙げられていることから、周囲の理解や共感への実感などを指すと思われる。
    • 心情モデルの連帯-孤立に対応すると考えられている。

メモ

  • 話の中に充実感を感じる「対象」が存在していない。強いて言うなら日常に対して、生活に対して感じるものとされている印象を受ける。
    • 充実感を感じている対象はタスクやプロジェクトではなく、アイデンティティに依る「今の自分」に対して、ということだろうか。
    • この場合本来感と立ち位置はかなり似ていることになるか。
  • アイデンティティの中核を為すのは「連続性・一貫性」「自己イメージの自他の共有」だ、とエリクソンは仮定している。
    • 社会的な承認による自尊心は一時的なものだとする結果が出ているが、「居場所の確保」という環境要因として解釈するならば内的な自尊心となるか。
    • この場合「褒められること」ではなく「受け入れられること」の方が価値があることになる。
    • 逆を考えてみると、否定されることと拒絶されることと、どちらが辛いかという話になるか。
  • しらけ感というのも言い得て妙だ。シニシズム(冷笑主義)は甘えはともかく不信と孤立はあるだろう。この上で充実感とは無縁そうでもある。
    • 加えて冷笑主義は他者を見ている。自分に目が向かないのは充実感がないから、というのはあるのかもな。
  • まぁゆうても充実してますアピールしてる奴の方がよっぽどうさんくせーんだが。アピールしてるヒマないだろ本物は。「楽しいし忙しい」って感じになるわけだから。
    • 楽しく忙しくするためには、どう考えても気力と体力が必要になるな。寝ろ。

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