理解力:要点をおさえる人、そもそも見つけられない人

「要点をおさえる」という言葉

要点・要所・ポイントを、押さえる・捉える・掴む、などという。
類似したところでは「コツを掴む」というのも仲間の内だろう。

押さえるであり、抑えるではない。抑えるは我慢、抑制の意味があり、ここでは不適切となる。

「押さえる」は、対象を押さえつけて動かないようにするニュアンスがあり、捕まえる、確保するなどの意味を持つ。「証拠を押さえる」というのも、犯人が隠しそうなものだという意味では「逃げるモノ」であるのだし。

この狩りのような言い回しからして、要点とは逃げ回る・見つけづらい・捕まえにくいものだという認識が前提としてあるといえる。

場合によっては、要点を押さえようとするよりも、堅実に歩を進めたほうが良いことも有るだろう。


その物事の本質と、そこを中心とした全体像の理解。

本質を見抜くといえば神通力でもありそうな言い回しだが、実際のところは類似した経験の共通点から見出したパターンの適用に近い。

例えば刑法199条、200条(削除)、201条、202条、203条を丸暗記するよりは、「要するに、人を殺したりそうしようとすると罰せられる」と覚えたほうが早いわけだ。つまり要点とは言うが「中心」のような意味とは限らず、「要するに」みたいな「まとめ」の属性も有る。

逆に殺人罪というものがあり、それは199~203条までであり、という要点を中心にした覚え方のほうが楽だし、聞くにしても滑らかとなる。

依って能力と言うよりも、経験を咀嚼することで、あるいは類似した知識を揃えることで得る「慣れ」や「熟練」に属する能力でも有る。

全体の中心ではあるが、それだけでは成り立たない。家で言えば大黒柱だろう。柱だけあっても家ではない。倒壊させたければそれを破壊すればいい。リフォームなどをする際には、それは動かしてはならない。要点を知るのもそうだが、その扱いも知らなくてはならないし、それに属する他のものも結局は知る必要はある。


学習に於いてはこの「大黒柱」を中心にすれば確かに理解は早い。全てはそこに繋がっているから、抜けがなく修めることができる。

ただし要点のベーシックな見つけ方とは、「家全体を見て大黒柱の位置に当たりをつける」感じに近い。最初からわかるとは限らない。時には丸呑みしたほうが早いし、わかるまでは地道に勉強するしか無いかもね。


「要点を押さえた話し方」をしたいなら注意が必要だ。前述の通り、柱だけでは家じゃない。要点「だけ」言った所で、相手にはイメージは伝わらない。それ以外の重要度は相対的には確かに低いが、切り落として良いわけではない。

結局の所、聞く側は自ら要点を見いださなければならない。

ただし「柱」を中心に話すのは、話しやすく、聞きやすくはある。
当人が要点を押さえていない場合、話が脱線したり、長かったり、まとまりがなかったり、結論が出なかったりはするだろう。

だから「要点を押さえた相談」はあまりない。当人が混乱しているから相談するのだし。「相手に何が聞きたいのか」とかなら絞れるだろうけどね。


時には「要点」という言葉が、要点をおさえるためには邪魔になるかも知れない。

例えば相手が何言ってるかわからん、あるいは理不尽なことを言ってきた場合、「話の要点」を見出そうとすれば余計に混乱することも有る。

相手の「目的」あるいは「狙い」を主眼にすれば、こちらに何かを期待している、ただの自己満足、あるいは操作しようとしているなどがわかってくる。

テストの問題文もそうだ。たまに聞くが、「この問題は、どの知識を試そうとしているのか」などがここでの要点であったりする。問題文が何を聞いているではなく。


総じてこちらの目的によっても「要点とは何か」は変動する余地がある。

「目的を持って勉強しろ」などの言葉は、一応は真となる。別に大学合格や資格取得などの「ゴール」の話ではない。
ダラダラとテキスト読んだりもっさりと問題解くのではなく、何を知るつもりなのか決めて読む、何を試し確認するつもりなのか決めて解く。
と、いうのはそれ自体が行動の「目的=要点」となり、効果的だという話。

けっこう大変なんだけどね。いちいち小規模な目的決めるのは。まぁそれだけの効果はある。


理解力がある人=初めから大体わかってるから要点だけ覚える
理解力がない人=全部わからないから全部覚えようとする
というパターンについて。やってる事自体が違うのは否めない。

関連ページ:
 要領が悪い人
 理解力がある人、飲み込みが早い人。

要点とはなにか


・殆どの場合は要点を情報の「特徴」として捉えると早い。

似顔絵というものがあるが、まぁ喧嘩売ってんのかってほどに特徴を際立たせる。特に新聞に見られる似顔絵は出っ歯、デブ、ハゲ、ホクロとかも。白人だったら高確率でケツアゴで。

正直あの手の似顔絵は公開処刑というかモラハラ臭がするがまぁ置いといて、それを見て誰の似顔絵かは一発で確かに分る。「特徴」をおさえているからだ。つまりそれを描くためには対象の特徴を見出す必要があり、それは「強調された部分」に他ならない。

デフォルメもそうだな。簡略化しているのはまず等身、次に特徴のない細部であり、「特徴」は引き継がれる。目つき、髪型、小物とか。結果、8等身が2等身になったところで誰かはわかる。

結果、それがオリジナルを閲覧者に想起・連想させることに成功するのなら、描き手は題材の特徴=要点をよく捉えていた、と言える。技術があるのは確かだよね。

似顔絵で一番難易度が高いのは「特徴のない顔」だと聞いたことがあるな。

これらは一見すると、特徴をおさえれば全体と遜色ない再現/応用ができるということになる。ただ、そのためには必要な準備がある。

要点をおさえるために必要なこと

ベースと要点

・結論から言えば、基本ができてなきゃ無理だろう、と。

 「特徴」だけおさえれば済むというのは、裏を返せばベース部分は頭の中にあるってことだ。似顔絵の例では特徴だけあればいい感じになったが、ケツアゴやホクロだけ描いても誰かわからんだろ流石に。決め手に欠ける。

全体像として再現するためには特徴以外の部分もまた必要になる。

また、基本ができていない場合、基本に該当する部分が「要点」に見えてしまう。タコ型の宇宙人が初めてみた地球人をスケッチするとしたら、腕が2本とか脚が2本とか、それが「特徴」になる。ホクロなんて細かすぎて特徴にならない。

これは「基礎がないと見る目が大雑把になる」ということでもある。


 基本があって特徴があるというのは、ゲームで言うMOD(ファンが作った改造データ)や追加パッチに似てるな。バニラ(本体)なくてMODだけあっても意味ないからな。

本体がバニラと呼ばれるのは、アイスクリームに見立てているからだ。MODなどの追加部分は、アイスクリームのフレーバーやトッピングに当たる。

縁日のかき氷は、イチゴもメロンもレモンも果汁入ってないらしいが、気分的になんかそれっぽいのは「色」と「甘さ」という要点は抑えているからだ。赤、緑、黄色。ブルーハワイってそもそも何味だよと。

ベースとしてかき氷とシロップの甘さがあり、各々の「味」としての特徴は「色」である、と言える。


ベース+追加要素(特徴)=全体像であり、ここで頭の中には一式揃うことになる。そして要点を求めるのは、「全体を理解するため」であるので、要点だけ教えてもらっても基礎が欠落していれば意味がないこともある。

まぁ要領良すぎてベースできてないのに特徴おさえるだけでなんとかなってしまうこともあるが、それはもう天才かマグレか過学習かなんかなので、凡人たる我々は諦めたほうが建設的かと思われる。

・当然ベースを把握してない(=基本ができていない)のなら、要点をおさえること自体が難しくなるだろう。

これは全ての情報の重要度が均一で「高」となっている状態で、特徴を「見つけられない」。主観的には全部が「特徴」に見えてる感じ。あるいは全体的に見てしまい、「部分」として見れない。あるいは逆に細部しか見ずに、全部わかったつもりになる可能性もある。これが一番危険。実力なくて自信がある状態。

丸暗記をしたがるタイプは「わからないから全部覚えよう」というよりは、「全部重要に見える」「情報の群体ではなく、つなぎ目のない一つの情報に見える」と言ったほうが近いのではないだろうか。

・ここでいう情報の重要度は、自分が注目するべき/これから学ぼう覚えようという優先度のことであり、情報自体の価値じゃない。

例えば「完全に身に付けた重要な知識」は自分にとっては改めて学習する重要度は「低」になる。知ってるからその分カットできる。

ベース部分ができているなら、その分「学習ノルマ」を消せる。無意識的にそこにはあまり注目しなくなる。結果、際立って目に入るのは「特徴」だけとなり、特徴を見出す目を習得する。その物事に関しては。

例えば、玄関に見慣れない靴があったらすぐに気づくだろう。

自分にとっての要点

・裏を返せば、「何が特徴となるか」は個人差がある。自分が知っているかどうか。「見慣れないもの」は特徴であり、そして話の本題に沿っているならそれが「自分にとっての要点」となる。話の本題に沿っていなければ、「自分にとっての異物」となる。

新鮮味や珍しさ、違和感やアンバランスを感じるかどうか。同じカリキュラムに沿って勉強した者同士なら、見出す点も似たようなものになるが。

なので理解するためには、「自分にとっての要点」でいい。理解するのは自分なのだから、自分が要点だと思うものを足がかりにした方が早い。話す際には「相手にとっての要点」を意識したほうが良くなる。つまり主観的、客観的、俯瞰的なそれぞれの要点が有る。

全体との対比も影響を与える。例えば日本語で書かれたこのページに英文があったら、それは特徴と言える。英語で書かれた同じ内容のページに同じ英文があったとしても、特徴にはならず「一部」として埋もれる。

・別件として、基本ができているのに自分を信じられず、基本からまた押さえようとするタイプが居る。復習を繰り返し、新しいことを覚える暇はない。実力があるのに要領が悪い形になる。

要点のおさえ方

リバースエンジニアリング

 リバースエンジニアリングしてみよう。要点見つけたいのは、効率的に理解したいからだ。これを与える立場、すなわち「わかりやすい話」をするための注意点は、そのまま「理解するための聞き方」にも繋がる。

話は短く⇒長い話は短く区切る

 単純に長いと頭に入らない。短く、簡潔にというのはある。トピック全体の長さもそうだが、パラグラフや一文の長さなどでもそうだ。

今回逆の立場の視点なので、自分にとって長い話と思ったら、いくらかに区切り、それぞれ理解し、統合すると言う手は使える。

どこでどう区切るかは大事だけどね。

結論から話す⇒目的を持って聞く

目的を持つと、どこに注目するべきかが決まる。

要点がつかめない理由は、「どこに注目したら良いかわからない」という状態であることも結構ある。推理小説で言えば、誰が犯人かわからない状態では、登場人物全員に注意を向ける必要がある。結果としての見落としや、時間切れはあるだろう。

犯人が誰かを知っているとしたら、その人物の言動に注意が向くだろう。どのタイミングでボロを出したかまでよく分かる。二周目の楽しみ方やね。

要するに、テキストでもトークでも「目的」をこちら側が意識していると、それに関連した情報は見つかりやすくなる。「話から抜き出す」、みたいな言われ方をすることもある。

これにより抽出される情報は違う。つまらない小説は「面白いかどうか」としてみれば確かにつまらないが、文章の書き方を学ぶつもりで読む者にとっては、つまらないとは限らない。

余計な話はしない⇒余計な話はカットする

 話し手にとってはユーモアでも、聞き手には重要情報か与太話かの区別がつかずに混乱する。緊張している聞き手には、ゆっくり話してやるだけで良かったりする。

 間違ってもゲームのMODやらかき氷やらの話など脈絡もなく出さないほうがいい。

聞き手から見ると、選別は結構大変な仕事になる。判断がつかなければ一度取り除き、全体として足りないようなら再び吟味するのが早いやり方か。

ただ、初めから目的を持って聞く場合、脳内フィルタが機能し、与太話にはそれほど振り回されないこともある。

カタカナ言葉を多用しない⇒分かる言葉・似たイメージに置き換える

 要点を押さえれば大きなイシューでもアグリーされるアジェンダを、みたいに言ってもまぁめんどくせぇだけであって。どうも一部は「英語でメモするほうが早い」ってタイプが居るので、そのせいかもね。

そもそも言葉自体が暗号に近く、この「音」はこういう意味だ、というイメージを共有していなければ成り立たない。当然知らない言葉がでてきた時点で破綻する余地がある。

WEB上ではググればいいだけだからこっちは気楽にやってるが、会話などではやはり気を使う。

間違ってもパラグラフやリバーンスエンジニアリングなどの言葉を使わないほうがいい。まぁ想定する相手に依るんだが。

 言葉は暗号に近く、その役目は「イメージの送受」だ。言葉はそのための(本来は)副次的なものになる。

理解する側の目的も、話や文章が表しているイメージを脳内に「再現」することだ。逆を言えば、「言葉通り」である必要は無いことが多い。さっきのMODの話も、いきなりアイスクリームの話からでよかったわけで。


なお このぶろぐでは いっさい まもって いない

できれば元情報を形にして取得する

 「要点がわからない」とか「察しが悪い」なんて言っても、いきなり言われてその場ですぐわからなかったから程度の話も多い。

上記のリバースエンジニアリングは、情報の分解と整理が必須になる。これには結構時間と手間はかかる。録音でもテキストでも、何かしら勉強用として持ち帰れた方がいい。

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