飽きっぽいとは
飽きるとは退屈。刺激がないこと。これはその物事に「慣れた」ことも意味する。
脳は勝手に学習するため、どんな物事でも慣れる=飽きる余地はある。
この基準が人より低い人は「飽きっぽい人」となるが、それは慣れやすい=コツをつかみやすいとも取れる。
単純に理想が低く、やる気がない場合にも該当してしまうが。
どんな理由で飽きっぽいか
・別のやりたいことを思いついた
一箇所にしかエネルギーを注がないタイプ。思いついた時点で今やってることの目標や価値はどうでもよくなる。
・とにかく今やってることが嫌になった
これは嫌になった理由による。
進展しないからか。
価値が変わったからか。
興味がなくなったからか。
同じことの繰り返しだからか。
今回「飽きっぽい」という割と性格面での話だから個別の理由は扱わないが、「嫌になった理由」が毎回同じなら、それを気にする価値観の人、と言えるだろう。
進展・成長が好きな人かもしれない。
価値観が変わりやすい人かもしれない。
興味がある限りは続く人かもしれない。
繰り返しより新しい刺激のあることが好きな人かもしれない。
・これを続けていても意味がない(勝てない・成果が出ない)と思った
合理主義か、急いで/焦っているか。たいてい競争心が高い状態。「敵」を意識している。
基本的に急いだり焦っていたりする時は、即効性があるものを求めるようになる。このため「価値あることだが成果はすぐには出ない」というタイプの物事を投げ出しやすい。
また、これは転換期でもあるだろう。別の方法を探すべきというサイン。ただし方法を変えるのは熟練度の「リセット」にもつながる。
本番で試すよりは前例くらいは調べたほうがいいだろう。相性の問題もあるだろうから、それでも完璧に安心はできないが。
・やりたいことがなくなった
モチベーションがわかなかったり、目標としたいことはあらかた消化したりした状態。
それが「娯楽」の分野なら、「自分の中では終わった」たとして次に行けばいい。
逆にやり遂げることが求められる分野なら、歩を進めるための新しい目標が必要になる。
一般的なゴールではなく、恐らく自分なりのゴールを設定し、達成するタイプ。その分周囲に左右されにくいが、内側からのモチベーションが枯れると止まる。
ただ、自分でゴールを決めて、モチベを維持し、達成できるのは才能でもある。大抵の場合自分なりの目標達成よりも、それが他者に認められるかどうかを気にしてしまう。
言い方を変えれば大抵の場合、自分で決めたことの重要度は「軽い」が、それを達成できるほど大切に思えるのなら、活かしたほうが良いと思われる。
大きな目標と、そこに続く小さな目標を設定するというやり方が非常に向いているタイプ。
・別のやり方のほうが効率が良さそうだと思った
これも飽きっぽいと言うよりは急いで/焦っている状態だとなりやすいので、一概に性格とは言えない。せっかちな場合は素でやりかねない。
実際それが見つかれば構わないが、何度もそのような「リセット」をやって大して進まないのなら、「素晴らしく無駄のない効果的な方法」を追い求めていつまでも達成できなくなる。
「素晴らしく無駄のない効果的な方法」は魅力的ではあるが、まぁ大体そんなものはない。時間に追われているとこう言ったものへの妄想が捗るものだが、裏目に出ることは多い。もう一度いうがそれは「リセット」に近いからだ。周りの人にも意見を聞いたほうが良いだろう。
・思ったより難しかったから
下準備や調査はそこそこにスタートダッシュするタイプ。後で行き詰まり、進展がなくなり、飽きやすい。
この点は多分、別に悪いことじゃない。物事に取り組む時に一番重要なのは、「始めること」だ。ここに抵抗が少ないのはメリットと言えるだろう。
次に重要となるのは「やり遂げること=グリット」だが、まぁここはちょっと弱くなるか。
ただ、「やらなくていい」と判断したことには注意を払ったほうがいいかもしれない。こちらも同じ様に調査をそこそこにしての結論だった場合、後で困る可能性がある。
もう一つ、理想が高すぎたタイプ。スタートダッシュとの違いは、始める時に気楽だったかどうかで判別が可能だろう。
この場合、ゴールが遠すぎて進んでる感じがしないため飽きる。
理想が高すぎたタイプも見切り発車している点は同じ。もう少し計画を練るべきだった。
まぁせっかく飽きたんだから、その時点で計画の修正しないともったいないだろう。そうすれば少しは楽しくなると思われる。
・成果を出して評価されると飽きる
これも「達成した」と感じたから次に行きたいタイプ。
人間関係で相手と仲良くなると別の人の所に「新規開拓」しに行くってパターンの人もいたりする。まぁ営業には向いてるかもしれない。
逆を言えば、行動原理が「評価されること」や「成果を出すこと」であり、そのために今まで頑張っていたということ。
飽きっぽい性格の人
・上記に散見される要素は、せっかち(すぐに結果を出したい/知りたい)、開放性(刺激や新しいことが好き)、焦りか性格からか効率主義的な要素もある。あと多分だが、「楽しさ」を求めている傾向が高いように見える。
いくつかは「つまらないから飽きた」というタイプとも言える。これも作業量や時間と感情的リターン(楽しさ、爽快感、ストレス解放)とのコスパが悪いからある意味効率主義と取れる。
・また、タイミングとしていくつかは個人的な目標を「達成した」と感じた後、飽きるタイプが有る。
これは脳的にも有り得る話で、「もうすぐ終わりだ」と考えると脳が勝手にクールダウン始めるという話がある。短距離走の選手がゴール前で途端に失速するなどはこれが理由とされる。
今回で言えば、個人的な目標を「達成した」と感じたら、脳はそれ以降やる気も興味も失っても不思議じゃない。
これらは「低い目標で満足した」と言える。それが良いか悪いかはケースバイケースだが、自分で「もうちょっと行ける/行かなきゃならない」と思う対象なら、(恐らく)無意識に設定される低いハードルを再設定する必要があるだろう。
これは高すぎてもいけない。再び低くハードル設定してクリアのたびに再設定するでもいい。
このハードル設定は、恐らくどんな人間でも無意識が勝手に行う。完璧主義者の場合はハードルが天を衝くわけだ。くぐれそう。
無意識的に決まるため、これに対して鈍感であることは多い。低い場合はクリアして喜んでから再設定ができるので得かもしれない。
・恐らくビッグファイブという5つの性格要素の内の「開放性」が高いだろう。原動力が興味、探索、好奇心の人。
飽きっぽいとは言うが、どちらかと言えば「飽きた」と感じる感覚(=退屈を感じる感覚)が人よりも過敏。
飽きっぽい分、そうなる前までは好奇心と関心から没頭する傾向もある。
・また、知的探究心は高い(知る・経験する)と思われるが、アウトプットの価値を軽視しているようにも見える。つまり何らかの形にすることを。総じて「体験重視」、とでも呼ぼうか、そのような人。
少々もったいない気もする。なにか形にしてみたら、誰かの刺激となるかもしれない。
・スペシャリト(専門家)というよりはジェネラリスト(広範囲に渡る知識を持つ人)が向いていると思われる。
簡単に言えば、何かを極めるより、手広くやるほうが性に合っているのではないか。
深い知識より幅広い知識を身につけるのが向いている。
自分の「飽きっぽい性格」を治すというよりも、うまく飼いならしつつ活かす方向のほうが良いと思われる。