・エルンスト・クレッチマー(1888-1964)。ドイツの医学者、精神科医。彼の著書の一つ、『医学的心理学』は現在の精神科医の教科書とほぼ同様とされる。
・クレッチマーは性格の中心が「気質」にあると考えた。これと体型を結びつけたものがクレッチマーの3気質と呼ばれる。
- 肥満型=躁鬱気質/循環型基質:社交的なときと静かなときが交互に出る。
- 闘志型/筋骨型=粘着気質:几帳面、熱中しやすい、頑固、興奮しやすい。
- 細長型=分裂基質:非社交的。静か、控えめ、真面目。敏感さと鈍感さを併せ持つ。
これらを細かく見ると6つ。
N型:神経質タイプ
感受性が鋭い、内外に対して敏感、知性が高い傾向。
内省が過剰気味であり、必要以上に感じ取ったことを気にしてしまい安い。
傷つきやすい面があり、普段と違う場面では消極出来で弱気な面が出る。このため実力が発揮できないことは多い。
対人に於いては攻撃的になることはないとされ、信頼ができるタイプとされる。
E型:粘着質タイプ
礼儀正しく義理堅い。着実で手堅く、非常識な面がない。
我慢強いが、その分ストレスを貯め込む。限界を超えてしまった場合、その怒りは暴走する。
非常に頑固であり、意見を変えないことも多い。独裁者になり得る素質とされる。
地道な努力家だが、「手際が悪い」とも評される。
対人に於いては信頼できるが面白みがないとされる。
H型:顕示質タイプ
わがままで、勝ち気で、嫉妬深く、見栄っ張り。
ストレスを我慢するよりは、外に発散することを好む。
流行に敏感、華やかで賑やかな雰囲気。
他人に好かれ、尊敬されることに価値を感じる。このため無視が一番嫌い。自
分が話題の中心であることを好み、自慢話が多い。
会話の主語が高頻度で「私」。私は、私が。
対人に於いては、好き嫌いが激しい。一見社交的で誰にでも親切そうだが、実は打算的であり、日が経つに連れ他人が離れていく、とされる。
P型:偏執質タイプ
固い信念、強い自信。これらに支えられる自己中心的性格。
実力があれば有能。決断力があり、逆境を物ともしないリーダーシップを発揮する。
実力がなければ、傲慢、支配的、横柄、無謀などだけが目立つことになる。
積極性はあるが、その方向は自分の都合が良い方に成りがち。
対人に於いては、攻撃的とされる。人の気持ちを汲み取るのが下手、心の機微には疎い。wikiでは「自ずと他人から愛されにくい性格である」とされている。
S型:分裂質タイプ
デリケートな性格で、自分の世界を作り上げ、それに熱中する。その分通俗的なものを軽蔑する傾向。芸術面で才能を発揮することが多い。
観察力と分析力に優れる。理路整然とした思考をする。
「貴族的なほど洗練された上品なセンスと冷酷さを持ち合わせている」とされる。この分粗野で下品なことに対しては極端な嫌い方をする。
一般的には物静か、社交的、真面目であり、ユーモアはない。
以上のように、内面は豊かだが外面の振る舞いは基本無難であり、何かしらの意思表示、言動をしない限り第三者からは理解しがたい性格とされる。
対人に於いては、有能ならブレーンになれる。
好き嫌いが激しいため、嫌なイメージを持った相手には興味は示さない。自分の世界観をわかってくれそうな人だと興味を持つ。
Z型:循環質タイプ
社交的、善良、親切。わかりやすい「優しい人」。
気分が乗ってきたら冗談を言ったり、活発になったりする。だが反動のように周期的に気分が沈む時期がある。
思考は状況に左右されやすく、一貫性がない軽率さと思慮の浅さがある。その分理解自体は早く、自惚れない限りは社会で最も成功尾を収めやすいとされる。
対人に於いては、人間関係の潤滑油として機能し、人に好かれやすいとされる。
メモ:
・まぁ私は体型とは直接は関係ないんじゃないかとは思うが。というか後から変わるだろ、体型。
「この性格だとこの体型になりやすい」、とするならまぁ、超好意的に解釈すれば、あるかもね。
・過敏型、誇大型のそれぞれの自己愛性パーソナリティ障害にも類似した特徴がある。
・S型の分裂質(分裂気質)は、名前がそれっぽいが分裂病質とも分裂病とも違う。混同しないよう。
尤も、フェアバーンという分析家の意見としては、誰でも幼少期頃に一度はこの地点を通過するとされている。
また、S型の一部は「異様なサービス精神」を持つことがあるとされる。太宰、三島、芥川がそうだったのだとか。
人とあって、盛り上がって、解散したらどっと疲れるようなら、S型かもね。