ある日突然できるようになる現象 1

経験上、できるようになろうと努力を続けていたことに対して、成果は伸び悩み、それでも続けていると「ある時急にできるようになる」ということは結構ある、と言える。これはなんなのか。

自分だけか否か

まぁそれが私だけだったとしても調べるには調べるんだが、とりあえずここから。

・対象はスキルと呼んで差し支えない物に限定する。嫌いなものが大人になったら食べれるようになりましたとかは除外。

サンプルとして、相談サイトなどを回ってみる。

どのような場面でこれがあるか

https://oshiete.goo.ne.jp/qa/2892449.html

まるで出来なかった事が、ある時急に出来るようになった経験ありますか? という質問とその答え。
質問者自身は子供の頃、名前を漢字で書けない、作文を書けない、というのがその後自然とできるようになったとしている。

回答の内興味を引くものをピックアップ。

・水泳で同様の現象。心当たりとしてはリアルな水泳をしている夢を何度か見たこと。当人は夢の中で練習しているのではないかとしている。気づいたら隣のやつを追い抜いていたそうな。

・作文が苦手だが、空想を小説にしようとした際、スラスラと書けた。

・走るのが苦手だが、急に身体が軽くなった気がした。以降徐々に走るのが実際早くなった。

・実技テスト前日に、急にハーモニカができるようになった。それまで全く出来なかった。

・何度聞いてもわからなかったことが突然できるようになった。

・バレーボールに於いてあった。偶然にいつもと違うタイミングでスパイクを打った所、上手く言った。以降それが身についた。要はコツを掴んだ。

突然英語ができるようになるという話

http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2004/0711/007324.htm

・突然英語ができるという話があるが、そのような経験はあるか、という質問。

「突然英語がわかる」という話自体は結構あるらしい。

・自分は無理だが周りはそうだ、という話。この場合語彙、ヒアリング、文法など下地ができてきたらそうなった、とのこと。

・本当である。ある時突然、理解している自分に気づく、という意見。

・経験した。ある時相手の言っている言葉が頭の中に出た。それ以降少し会話できるようになった。

・自分にはそのようなことはなく、勉強した分できるようになっただけだった。

・単語が一つだけ聞き取れるようになった。それが2つ、3つと増えて行った。

・突然、ではなくて「気づけば出来てた」という感じ。ある時、理解できている自分に気づいた。

・それまでは聞こうとしなければただの音だったが、ある時突然聞こうとしなくても英語として認知できるようになった。

・あるけど気づかない。気づいたらできるようになってた。

・英語のマシンガントークにさらされ辞書と格闘する毎日。ある時英語で喋っている夢を見た。それ以来辞書いらずに。

他にも質問者へのアドバイスは色々あるが割愛。

ある時急に数学がわかるように

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1192340756

・大学教授が「数学がある時急にわかるようになった」と言う。それについての質問。


多変数解析で有名な数学者である岡潔は、「春宵十話」(光文社文庫)という本のp36で、次のように言っています。

「全くわからないという状態が続いたこと、そのあとに眠ってばかりいるような一種の放心状態があったこと、これが発見にとって大切なことだったにちがいない。

種子を土にまけば、生えるまでに時間が必要であるように、成熟の準備ができてからかなりの間をおかなければ立派に成長することはできないのだと思う。

だからもうやり方がなくなったからといってやめてはいけないので、意識の下層に隠れたものが徐々に成熟して表層に現れるのを待たなければならない。そして表層に出てきたときはもう自然に問題は解決している。」

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1192340756

・数学に限らず、わからない状態が続き、理解が進み、の繰り返し。

可能性

非言語的、無意識的な学習

ほとんどが「感覚的/実践的」な理解を語っている。できるようになった、わかるようになった、聞き取れるようになった、思い浮かぶようになった。

「学習」の内、覚えるようなものと、できるようになるべきものとは扱いを分けるべきなのかも知れない。

物事が身につくのに時間がかかる可能性。特に技能に於いては丸暗記は通じない。脳が「馴染む」ためには時間が必要かもしれない。

努力の成果の種類

逆に、自分にはこのようなことは起きなかったが、そうなった人を見た、羨ましい、って話もちらほらある。この場合、語り手達は自分は勉強した分できるようになっただけ、としている。

この時点で、努力なり経験なりの「実り方」が二種類あることが考えられる。即ち我々が努力に期待するような「やった分が身につく」タイプと、「ある程度変化がなく、突然目覚める」タイプに。

どうやら感覚的であればあるほど後者のほうが多い? 勉強法が確認できないため、これ以上はなんとも言えない。

ブロックとその解除

マインドブロックとか、カマス理論とか、ノミのサーカスとか言われている「できない」という認知に依ってできない現象。その解除が突然為された可能性。

これは期間をおいて再チャレンジしたらすんなりいけた、などは説明できる。

また努力によるブロックの解除。阻害要因が急に消えたなら、「急にできるようになる」現象は再現されるだろう。

元からできる余地があった/出来上がった上で、「できる」とその時気づいた

複数見られた意見の一つとして「ある時できるようになるのではなく、できるようになっていたことにある時気付く」という感覚がある。

一見ありえないと感じるかも知れないが、恐らく多い。「目標」が高く、それしか見ていない場合には「一歩」は見ないからだ。それらの下地が気づいたら出来ていた、だから気づいたらわかるようになった、というのはあり得るだろう。

・まぁ「突然」「急に」じゃないのも混じってはいるが。自分の成長にいつ気づけるか、ってのも大きいかもな。小さなことに気付ければ「突然」ではないだろうし、そうじゃなければある時急に、という主観的な要素もあるだろう。

・基本的には、このような経験をした人も別にラッキーなんじゃなくて、やることはやっている。

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