目標達成

部分最適のリスク:コブラ効果やそれに類似した「目の前のことだけに対処していたら酷いことになった」例

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・嫌なバタフライ効果というか、『風が吹けば桶屋が儲かる』の正反対というか。

部分最適と全体最適

全体最適は、本来はビジネス用語として扱われており、会社経営や組織運営でシステム全体が最適化されている状態を指す。

部分最適はその反対で、チームやシステムの一部などの「部分」のみに着目した最適化を指す。当然他との連携に支障が出たりして、全体としてはよろしくない。

部分最適は「全体不最適」に必ずなるとも言われる。チームワークを乱す、目立ちたがり屋のスタンドプレーに近い。

・今回の話も似たようなもので、計画に置いて「目の前のことしか考えていなかった(部分最適)」ことにより、後から大規模なひでーこと(全体不最適)になる。

コブラ効果

・イギリスの逸話として語られている。

・植民地時代のインドにて、インド総督府はコブラを脅威を見なした。そこで、コブラの死骸を役所に持ち込めば報酬を支払うことにした。もちろんコブラを駆除させることが目的だ。

初めは良かったんだが、その内にコブラを捕まえるより繁殖させて増やせば効果的(笑)に儲かると気づいちゃったアホどもにより、その通り実行された。転売厨みたいな連中だな。

この施策がコブラを増やすことになったと気づいた総督府は、死骸に報酬を支払うことを中止した。

その結果、コブラを繁殖させまくってた連中は「金にならない」と繁殖させたコブラを野に放った。結果、死骸の買取を始める前よりもコブラが増えた。


・総じて何もしないよりももっと悪い結果になったというお話。コレ自体は真偽不明だが、現代でも部分最適の愚としてコブラ効果が挙げられることがある。
(日本のどっかが虫に対して賞金掛けてたんだよなー同じ目的で)

ラット効果

・コブラ効果と同じシナリオの事件がフランス植民地支配下のベトナムで発生している。こちらは対象はラット。

・ラットが蔓延していたため、死骸を持ち込めば報酬を支払うことにした。
コブラの例よりもやべーことに、死骸の「一部」でOKとしてしまったため、役所にはラットの尻尾だけが持ち込まれ、街には尻尾のないラットがやたらといるようになるだけだった。

ラットを放った理由もコブラ効果と同じく「後でそこらで子を作るだろうから、尻尾のあるラットが増える」ことを狙いとしてだった。ネズミだからねぇ……。

・歴史家のマイケル・ヴァンはコブラの事例は証明できないが、ラットの事例は証明できるため、この効果は「ラット効果」と呼べる、としている。

猫投下作戦

・1950年代にWHOがボルネオ島で実施したとされている「環境保全活動(笑)」である。

 1.ボルネオ島でマラリアの流行があった。このため、媒介する蚊を撲滅するため、殺虫剤を広範囲に散布した。蚊は駆除できたが、無関係な虫も大量に死んだ。

 2.体内に蓄積した殺虫剤により島中の猫がだいたい死んだ。このためネズミが大量発生し、チフスやペストが憂慮される状態になった。

 3.以上のことから、WHOはイギリス空軍の協力の下、猫にパラシュートを付けて空から投下する作戦を実施した。数は一説によれば1万4千匹だという。

・まぁ実際にはこの話は背びれ尾ひれがついた状態で、実際の英国空軍記録では「1960/3/13に各種資材と同時に『かごに入れられた20匹以上の猫』が投下された」とあるだけだ。つまり実際に猫が投下されている。何やってんだこいつら。

今現在、バリ島の土産物屋では「パラシュートを付けた猫のデザイン」の小物が売られているそうな。

「悲観主義者のように考え、楽観主義者のように動け」

・まぁなんというかとりあえず計画が雑だった。結果論だけど。というか「やったらどうなるか」を考えていたような話が欠片もない。

コブラとラットは、民衆がそこまでアレだと思ってなかったのかも知れないが、貧困が元の場合は予想はできたとも言える。

・準備が楽観的だと抜けがある。実行で悲観的だと腰が抜ける。陸上自衛隊でも準備は悲観、実行は楽観で行けとしているそうな。

悲観と楽観はどちらも使いみちがある点は強調しておきたい。だからこそ「性格」なんていう言葉でアイデンティティとしてはならない。意図して使い分けるツールとするべきだろう。

・今回挙げた例は全て、計画(準備)が楽観的すぎたと言える。良い悲観主義、防衛的ペシミストの場合は悪い予想をして対処しようとするため、これは防げる余地がある。

・楽観主義は行動力が褒められやすいが、結局「よくない可能性」に気づけないでやたらと動くなら衝動性と同じとなる。こうなる余地は十分にあるということ。

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また、「すぐやる人」は宜しいとされがちだが、手の速さだけ真似してもこうなるだろうということ。

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