アイデンティティ 人間関係

自分を出す/打ち明けることである自己開示とその個人差

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自己開示とは

  • 自分に関する情報を他者に伝えることを自己開示と呼ぶ。
    • 自己開示の内容には自分の感情、考え、今日あった嬉しいこと嫌なこと、プライベートなど様々なものが含まれる。
    • 言語を介して自分自身に関連する情報を特定の他者に伝達する行為、と定義される。
      • つまり相手は不特定多数ではない。内容もまた盛大なカミングアウトとは限らない。
  • 「自分自身をあらわにする行為であり、他人たちが知覚しうるように自身を示す行為Jourard(1971)」と定義される。
  • 自己表出行動の一つとされる。
  • 基本的に自発的な行為。他人にわかるように伝える必要があるため、他者視点を持つ必要もある。
  • 自己開示をどの程度するか/したいかは個人差がある。その内容も。
    • 強制してくるようならそいつぶん殴っていいと思う。
  • ジョハリの窓で言えば、自分は知っていて他人は知らない「秘密の窓」から、自分も他人も知っている「開放の窓」へ情報をシフトさせることとなる。

自己開示と自己呈示の違い

  • 他の自己表出行動としては自己呈示がある。こちらは「こう見られたい」と言う願望由来の印象操作であり、背伸びしている所がある。演技的でもある。
  • 反面、自己開示の場合は(陳腐な言い方だが)等身大の自分の一部を開示することになる。このため抵抗感を持つ場合は多い。
  • この2つは他人からは区別がつきにくく、紛らわしいとされる。
    • 自己開示は相手に何らかの影響を与えることにおいては最も低い重要性だとされている。
      • ただし、自己開示される側にとってはこっちも結構影響大きいよねともされる。他人のカミングアウトはまぁ、大体重いからな。
    • 自己呈示はこの対極に位置するとされる。こう思われたいっていう「狙い」があるから。
  • 自己開示にしても、例えばこれで同情を得られるだろうと予期するならば、「狙い/期待」はあることになり(そうじゃなくとも何らかの期待がなきゃやらんだろうが)、特に女性に於いてはコミュニケーションとしてだいぶ狙いは含まれている面がある(後述)。あまり違いはないのかもしれない。

自己開示の男女差

  • 性差があるとされる。女の方が自己開示をする傾向がある。
    • これは生物学的な理由というよりも、「男は愚痴や弱い面を見せない」というステレオタイプが理由として挙げられている。
  • 自己開示が他者に受け入れられるかという効果の予期に対しても違いが見られる。
    • 男は弱みを見せることになる、拒否される、などネガティブな予測をする傾向がある。
    • 女は相手との親密さや信頼感が増すだろう、相手に受容されて心理的距離が近づくだろうとポジティブな予期をする傾向がある。
  • 自己開示を抑制する要因も異なるとされる。
    • 男は重い関係になることを嫌って、そのような話は避ける傾向がある。
      • 相互理解や共感に対しても悲観的。
    • 女は開示相手の反応を恐れる傾向が強いとされる。
  • 相手が異性か同性かでも違いはあるだろうと考えられている。

自己開示のメリット

  • 自己開示が当人にもたらすメリットは、
  1. 自分の考えや感情を明確にする自己洞察機能
  2. 胸の内の情動を発散するカタルシス(浄化)機能
    • シンプルに「話したらスッキリした」などもこれに当てはまるだろう。
    • 悪い例としては「愚痴」があるが。まぁ適度なら受容されるだろう。相手の分もちゃんと聞けよ。
  3. 自分の考えに対して理解や共感などのフィードバックを受け、不安を和らげる不安提言機能
    • 相互の不可解さを解消し、関係性を透明にする。このため、人間関係に於いての精神的健康に関わる。

自己開示のデメリット/リスク

  • 自己開示のメリットは「期待」となる反面、相手との親密性、関係性、自分へのイメージの変化に対しての「恐れ」がある。
  • 自己開示の内容はプライベートの属性が強い。このため不適切な場面では歓迎されないこと。
  • 不適切な相手に自己開示をした結果の、自分の対人魅力の減少。
    • 相手が信用できない、あるいは人間不信などが考えられる。ただ、これは自己開示の内容との対比で考えるべきだろう。
  • 相手からの悪い評価を得ることへの恐れ。
  • これらは自己開示ができない/したくない要因となる。

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