目標達成

目的を意識して得た成果と意識してない成果

投稿日:2020年12月7日 更新日:

 特に頑張ったつもりはないが、なんか気づいたら達成していた、成果を得ていた、ということはある。正直好みだが、良いんだか悪いんだかメリットもデメリットも良くわからんので考えを整理する。
 
 今回は「性格」ではなく、何らかの成果を得るための「方略」とする。特定の人間が、特定の方略を好む、というのはありそうだけれど。
 
 計画実行能力としては、意識して得た場合のみがフィードバックを得るだろう。
 
 達成難易度は、意識しない方が下げることができるかも知れない。
 
 このページでは、目的を意識して行動し成果を得ることをAタイプ、意識せずに行動し成果を得ることをBタイプとする。

A 目的を意識して行動し成果を得る

 Aタイプ。自身の計画実行能力により意図した成果を得る。行動はすべて最終目標のため。
 
 習慣化、モチベーション管理などお馴染みの悩みのタネがある。まぁ正統派、というか人が真っ先に思いつきやすい方略と言えるだろう。
 
これら悩みのタネはほぼメンタル面であり、裏を返せば計画にあまりこれらは織り込まれていない。

この時の「計画」は目標からの逆算に基づいた「計算結果」であり、自身にそれを実行させる「運用計画」ではないことが多い。非常に多い。

考え方が強行軍に近く、長丁場であるほどそれが裏目に出る(=持久力の問題が出てくると弱い)。さらにこの上で効率化、最短化まで図り「悪化」させる。

だから「やる気」の問題で失敗しやすい。詰めに詰めて「やる気が最初から最後まで無いと無理な計画」になりがちだからだ。

 Aタイプはフォーカスが計画全体に当てられており、その分明晰度は低い。タスクは「計画の一部」になる。

これだと達成感も薄い。
個人的な意見だが、達成感は達成したことによって得られているのではない。それまでタスクに向けられていた意識が解きほぐされた時の「脱力感」だ。風呂に入った時のアレに近い。で、計画終わってないんだから力はまだ抜けない。

求めるならば「手応え」だろう。しかしこちらも日進月歩、朝鍛夕錬であり、大きなものは期待できない。

 割と問題点だらけなのは、多くの者がこれを試み、失敗し、痛感してきたからだ。ただ「計画実行能力」としては、結局Aタイプがベースとはなる。ご覧の通り計画段階に突っ込み所が多々あるのが問題なだけで、決めたことやって、狙った通りの成果を得られるに越したことはないのは変わらない。


B 目的を意識せずに行動し成果を得る

 Bタイプ。一見すると棚ぼただが、違う。行動はするわけだから、基本やることはやっている。
むしろ因果関係としては正当なのに、なんか得した気分になったりするのでメンタルには優しい。しかし方向性には不安感がある。
 
 更に2種類ある。
 B-1 副産物的に成果を得るタイプ。
 B-2 計画ではなく実行を意識し積み重ねてきたタイプ。

B-1 副産物的に成果を得るタイプ

 例えばチャリ通だったから体力に自信がある、ていうの。この場合チャリ通の副産物として体力がついた。実際には体力がつくだけの運動をしてたわけだが。

このような感じで、すでにある習慣の副産物、特にそうなることは意識していなかった、というタイプの成果。

 意外と侮れなく、それは年月に比例する。アリ塚はアリが巣を作る過程で廃棄した土の積み重ね、つまりは副産物どころかゴミだが、高さ2メートルのアリ塚などもある。
 
 反対に硬いもの食ってるとアゴのラインが崩れてどうこう、なんて気にする人もいるわけで。副産物に気を使う、という観点では、これもまた珍しいものではないのかも知れない。薬の副作用なんかが代表例か。

B-2 計画ではなく実行を意識し積み重ねてきたタイプ

 この場合の「やるべきこと」というのはもちろん、目標達成のためのだ。
目的がある行動という点ではAタイプと同類ではあるのだが、それを意識はしていない。

このため事前に計画と、そのための行動を継続して行う狙いは存在している。AとB-1のハイブリットにも見える。つまり「習慣の作成」。

フォーカスは目の前のタスク、毎日繰り返し積み重ねるような、「目的のための一歩」の継続に当てられている。

 難点と言うか弱点は、計画全体を見直す場面が今回の中で一番無いことだ。意識的に設ける必要はある。でなければ計画の段階でそれが徒労か達成か決定する。その行動が無駄だった場合、「無駄を積み重ねる」という最悪の事態となる。
手を付けることで初めて気づくこともある。それらも計画に織り込めるため、見直しと修正は定期的にするべきだろう。
 


ゴールへの意識と実行について

 ゴールの決め方や捉え方自体が、違う気がする。
Aは明確に意識している。
B-1は意識していない。
B-2は意識はしているだろうが、Aよりは弱い。

 例えば「体力をつける」のが目的の場合、どの方法でも達成可能だ。
 Aなら計画と実行。ジム通いだとか、ジョギング始めるだとか。
 B-1なら「なんかのついで」で勝手に達成する。まぁ大分都合がいい話だが。
 B-2なら運動習慣の作成。あるいは既存の習慣(通勤や通学)に織り込むこともできる。ベタだが一駅手前で降りて歩くようにするとか、すでに徒歩なら遠回りして距離を増やすとか。
 
 実行に於いてはB-1とB-2の差別化がかなり難しい。この2つの明確な違いは「狙ったか狙ってないか」以外にないのかも知れない。
 
 AとB-2もほぼ習慣付けという点では同じになる。お題が体力づくりのせいだが。どれも実行フェイズになるとほとんど区別はつかない。言い方を変えると「やることは似たようなもん」である。

例えばジム通いはA的な張り切りすぎた計画とも取れるのだが、行けば周りも似たようなことやってる奴らばかりでサボりづらい、というのが実際に通う人たちの言であることは多い。となるとそのような流れ、習慣化を狙いとしてB-2としてジム通いは十分アリになる。

 
方略としての価値

 Aタイプの弱点はプレッシャーが発生しやすい点が挙げられる。全部大きな目標につながることが見えすぎているため、毎回正念場となりやすい。
挙げ句に前述の通り計画を煮詰めすぎる。一日やる気が出ないだけで、もう「取り戻せない遅延」となりかねない状態を自分で作ったりだとか。

加えてこれが多分最悪の1つなんだが、人間は「もうやったつもり」に非常になりやすい。ゴール直前での失速もそうだし、目標を人に言っただけでなんか頑張った気になって何もしなくなるタイプの人もいる。認知レベルでこの要素がある。
このため長期的で手応えのないことばかりだと「頑張ったつもり」になって、無自覚に手抜きをしかねない。

ただし達成した場合、「目標達成能力」としてフィードバックを得ることができるのは、AとB-2のように「目標を立てた」時に限られる。

 Bタイプはどちらも「やることをやる」という意味では達成しやすい。
 
 B-1は目標達成能力に「経験値が入らない」という致命的な欠点がある。当人的には棚ぼたなので再現するには至らない。その点はもったいなくはある。

「目標を意識したくない」時には意図的に使う価値はあるかも知れない。自分が緊張しやすい、プレッシャーに弱いと自覚するとかなら。

ただし狙いがないからこそ、成果を得た時に純粋に得したと喜べるのだろうし、これはこれで良いような気もするが。

少なくとも目標達成能力とは外れたところにある。計画実現にまつわる大抵の悩みは「できるはずなのにできない」であり、B-1の「狙ってないけどできた」とは全く正反対のものだから。あくまでも「目的を達成する」ための能力として見れば、B-1は別物。

 B-2は方針としてはB-1に近く、Aと同様に目的もある。一番正解に近いかも知れない。フォーカスをタスクに当てることで、不要に多大なプレッシャーを発生させないかもしれない。またAでは「全体の一部だから」という理由で手を抜くこともあり得るわけで、それもB-2では率は減るだろう。

Aを狙って達成する狩猟的なもの、B系を蓄積により達成する農耕的なものだとすると、B-2にあるリスクは「植えるタネ間違えた」というものだ。B-1は植えてる認識がないため間違えてても気にしない。

B-2は明確に失敗となる。ニンジンを植えたつもりで大根ができました、はB-1的にはアリだがB-2的には大失敗だ。前述の通り、定期的な確認で狙ったものがちゃんと育っているのかは確認するべきだろう。
 
 というか、現実的な計画能力+各タスクの態度はB-2+定期的な進捗確認と計画見直し、くらいやらないとまともに動かん気がするが。
 
 
 
 
 

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