自己紹介が苦手な人

・自己紹介するのが好きな奴なんて見たことないけどな。普通だと思うよ。大体は抵抗感を感じる。

「発表」だから

・全員黙って座ってて、当人だけ立って喋るわけだよ。
スピーチで緊張する、プレゼンで緊張する、教師に指されたら緊張するなど、「人前で話す時に緊張する」という人は多い。自己紹介が苦手というよりは人前で話すのに緊張する人。

自分を知られることのリスク

・「他人が自分を知る」ということに抵抗感を感じる人もいる。誰もが大なり小なりこれはある。極端な話、赤の他人が自分の誕生日や家族構成を知っていたら怖い。仲が良くない相手が知っていても微妙に嫌だろう。

勝手に調べられたらそりゃそうだが、じゃあその相手に自分から言うか?という話。

人は自分のことを分かって貰いたがりな所があるが、反対に詳しくなられすぎても嫌なものだし、何より相手は選ぶ。相手のことを知らない状態でそれをやろうってのは基本的に無理がある。

本来自己紹介でそんな内面やらプライベートやら晒す必要はなく、その前段階程度の情報開示でいいんだが、自己紹介=自分を知ってもらう/受け入れてもらうとか思ってるとそこまで考えやすい。無難な自己紹介をする気がない状態。
やりすぎなことをやらなければいけないと考え、そのリスクを懸念しているという目標値の誤りだと言える。

非対称性

・自己紹介をするというのは、少なくとも一定期間所属することになるグループに対して自分の情報を開示するわけだが、反対に自分は自分でそのグループの連中のこと知らない。まぁほぼ知らないだろう。「お互い初対面」で、自分だけ自己紹介。この非対称性、不平等さに対しての抵抗感。自分が新入の時とかね。

クラス替えとかで順番に自己紹介という場面でも、一番最初の奴と最後の奴とじゃ抵抗感は違う。まぁ前者はそのうち慣れそうだけど。

ついでに言えば、例えば自分の自然体の部分の内で、そのグループとよろしくやってくためには隠しておいたほうがいい、言わないほうが良いものもあるかも知れないわけだ。そういうカードを自分から手放すことでもある。

制限付き

・単純に「発言しなくてはならない場面」とだけ見た場合にも、色々懸念点はある。
フリートークも困るものではあるが。

グループへの新入りとかなら一人だけ自己紹介する形になるが、複数が順番に自己紹介することも多い。クラス替えとか。この場合まず時間制限か、そこまではっきりとはしていないが目安は出てくる。大体一人1分くらいで、みたいな。他にも今日一日の感想を加えて、なんて条件が足されたりする。

これらは何の対策もしていないと、「即興で文章考えてぶっつけ本番で人前で発表しろ」という大抵の人間にとって難易度高いことになる。

対策

・まぁ色々並べると自己紹介嫌いなのが普通に思えてくるが、それでもできないレベルじゃないし、平気な人もいるわけで。あまり気にしすぎると、萎縮して尚更ダメになりやすい。

早口になる理由

・懸念と言うよりも、後悔として多く挙げられるのが「すげぇ早口で長々喋ってしまった」ということだ。自己紹介の内容ではなく、自分の挙動。
なんか1分っつわれたのに15分くらい喋ったとかそういう話もあった。どうも自己紹介のリスクや内容への悩みよりも、シンプルに「人前で発表することの緊張」が強いのだろう。

・早口現象は二者間(今回は自己紹介する側と聞く側)の不安レベルに差があると起こりやすい。

人前で何かしらの発表をする場合には、話者は受け入れられるか、伝わるかなど気にすることが多い。一方聞く側は興味がなければ聞くつもりがないかもしれないし、夕飯のことでも考えててもバレやしないわけで余裕がある。このギャップを埋めようとすることにより会話が促進される(今回の場合は自己紹介する側が早口になる形で)。

これは「不安のディスクレパンシー活性化モデル」と呼ばれる。

先読みと準備

・そのグループの管理者サイドで考えてみれば分かるが、「とりあえず自己紹介から行きましょう」っていうのは思いつきやすい。あるいは「抑えるべき点」でもある。逆を言えば、新人や初見の場合は自己紹介させられやすい(他に自己紹介させられる奴いない。先住民の自己紹介は新人の自己紹介の「返し」だし)。これはその機会を予測しやすいということだ。つまり準備もしやすい。

入社でもクラス替えでも、それ自体は数ヶ月前には大抵分かっていることだろう。これについてノープランで当日うろたえるようでは、特に仕事では課題発見能力とかを疑われかねない。別の意味で「自己紹介」になってしまっている。

・一方で、はっきりと自分が自己紹介が苦手と把握しており、なおかつノープランで当日うろたえるケースが割とあるようだ。

人間の頭は変な意味で器用であり、時に自分を不安にさせるようなことに気づかずに居続けることもできなくもない。精神衛生としては気にしないのは悪い手でもない。しかし土壇場でやっぱりテンパるようなら、予め準備しておいたほうが対策としては有効だろう。

「準備」というと念入りなことをしそうだが、むしろ「無難な自己紹介の練習」の方が良いと思うぞ。拍手喝采とか期待するものじゃないしな。馴染め、溶け込めって感じでよろしかろう。

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