この3つは別物。紛らわしい。
統合失調症:
・スキゾフレニア。精神障害。かつては精神分裂病と呼ばれていたもの。一般には「統合失調~」と聞けば大体これを連想するだろう。
・妄想や幻覚の症状が特徴的。これに伴い日常生活に支障が出るし、自分の思考や行動を省みることも難しいとされる。
・幻覚で最も多いのは、視覚ではなく聴覚、つまり「幻聴」。
・一般のイメージとは違い、100人に1人がかかり、割と治るとされている。
自分を批判する声
自分に命令する声
自分を監視・実況する声
などがある。これらは他の現実の音と混じって聞こえるとされる。
・妄想は種類が多い。被害妄想として、
自分は狙われている
自分は見張られている
あれは自分に向けられたものだ
自分はストーキングされている
「自分が世界を動かす力を持っている」という誇大妄想のケースも有る。
参照:厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_into.html
・また、自分の考えが世界中に知られているという「考想伝播」という妄想もある。
これについては「思考盗聴」という言葉で情報がまとめられ、人が集まり、エコーチェンバーで妄想が強化されているように見える。あまりこの言葉で検索しないよう忠告しておく。
統合失調型:
・スキゾタイパル。パーソナリティ障害。
ただ、この診断は他との区別が難しいことから「一般的な使用は勧められない」とされている。
・パーソナリティ障害とは、
パーソナリティは、見方や反応の仕方、考え方、人とのかかわり方、振る舞いの仕方といったことの持続的なパターンであり、その人らしさを形成している[7]。
それが、適応的にできなくなり、臨床的に著しい苦痛や機能の障害をもたらしている場合にパーソナリティ障害である[7]。
つまり性格とか人格とか。人格障害、性格障害と昔は言われていたが、「烙印的である」との理由で現在の言い方となった。
・スキゾタイパルは、特徴として関係念慮が挙げられている。
これは起きた出来事を自分と結びつけて考えるというもの。
やたら自分のせいだと思ったり、やたら自分のおかげだと思ったり。「無関係」を認めない。
ただ、スキゾフレニアのような「妄想」と呼べる強さではないようだ。
認知の歪みのうちの1つの「個人化」。
「今日雨が降ったのは、私の責任だ」
・診断基準は以下。
DSM-IV-TRでは、以下のような基準Aのうち5つ以上を満たしている[1]。
- 関係念慮を持ち偶然の出来事に特別な意味づけをするが、確信を持っている関係妄想はではない。
- 文化規範から離れた奇妙なあるいは魔術的な信念があり、テレパシーや予知などで、簡単な儀式を伴うこともある。
- 無いものがあるように感じるというように、知覚の変容がある場合がある。
- 過剰に具体的であったり抽象的であったり、普通とは違った形で言葉を用いたりするなどの奇異な話し方をする。
- 妄想様観念を持ち、疑い深く、自分を陥れようとしているのではないかなどと考える。
- 不適切または限定された感情は、良好な対人関係を保つのに必要なことをうまく扱えない。
- 奇妙な癖や外観は、視線を合わせなかったり、だらしのないあるいは汚れた服装などの特徴を持つことがある。
- 親族以外にほとんど友人がいない。
- 過剰な社会不安は、慣れによって減じることはなく、妄想的な恐怖によってである。
文字だとキャラが濃いが、「これと言った典型的な症状はない」ともされる(参照)。ただし、場にそぐわない行動をすることがある。
・アメリカのスクールカーストでフローター(不思議ちゃん)ってのがあるが、そんな感じかもしれない。
統合失調質:
・スキゾイド。
Schizoid personality disorder:SPD。「シゾイド」とされることもある。
一応パーソナリティ障害、とされている。
従来は分裂病質人格障害、統合失調質人格障害などと呼ばれていた。
・その実態は、社会に対しての関心の薄さ、感情が平坦、孤独を選ぶなど、簡単に言ってしまえば「1人が好きで、1人で平気な人」といった感じ。
原因としては発達のアンバランスやトラウマなどとされている。
・別に迷惑かけてるわけじゃないんだからほっといてやれよと思わないでもない。
実際当人は困っておらず、周りも困ることはないので診療する必要は特にないとwikiではされている。
診断基準は次の通り。
DSM-IV-TRでは次の診断基準の内、少なくとも4つ以上を満たすことで診断される。
- 家族を含めて、親密な関係を持ちたいとは思わない。あるいはそれを楽しく感じない
- 一貫して孤立した行動を好む
- 異性と性体験を持つことに対する興味が、もしあったとしても少ししかない
- 喜びを感じられるような活動が、もしあったとしても、少ししかない
- 第一度親族以外には、親しい友人、信頼できる友人がいない
- 賞賛にも批判に対しても無関心に見える
- 情緒的な冷たさ、超然とした態度あるいは平板な感情
正直「障害」と呼ぶことに抵抗がある。
自己愛性、境界性、演技性、反社会性、強迫性などとスキゾイドは並べられて「パーソナリティ障害」とされているわけだが、タスマニアデビルの中に一匹だけチワワがいるみたいなことになってる。
ただ、「軽度の自閉症スペクトラム障害との区別が時に非常に難しい」ともされるため、上記特徴はかなり色濃く出ているのだろう。
・ちなみにスキゾイドは子供や動物には好かれたりするらしい。
・スキゾイドの特徴は「性格分類」のモデルにもなっている。
人格適応論の「スキゾイド型」、クレッチマーの「S型」。大体内面は豊かだが外面に対しては無関心な傾向とされている。
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