「早く寝たい」「眠らなくてはいけない」のに眠れない

眠れない理由

・「必要性」を感じてる上で早く寝ようとしてるからだね。

プレッシャーがある=眠れない上 + 元から大して眠くないのに寝ようとしていることになる。

・基本的に無理に寝ようとすると眠れなくなる。

眠らなければと緊張すると交感神経が活発になり、副交感神経がおとなしくなる。これは眠れる状態の正反対。

簡単に言えばリラックスしなければ眠れないが、意識すること=緊張だから眠れない。

・「別に意識しても眠れる」というのは、睡眠物質やらなんやら「眠れる要素」が他にあるからだ。寝る時間になったから、疲れているから、それこそ慢性睡眠不足とか。

逆を言えば、寝ようとして眠れないのは、不眠の可能性もあるが、「元からまだ眠る必要がない」可能性もある。

この上で寝ようとしている状態。今回はこちらについて。

眠気の種類

・一説によると、「眠気」は3種類あるそうな。

1:安心だから眠くなる

2:疲れたから眠くなる

3:夜だから眠くなる

この3つ。

今回の不眠は少なくとも1と3に逆らっている。寝なければと「緊張」して、「早く(いつもはまだ寝る時間じゃない)」寝ようとするのはそういうことだ。

時間が早いと眠れない理由

・本来、就寝2時間前くらい(起床後15時間ほどで)には体温が高くなる=熱が放出されて体温が下がり、身体の「寝る準備」が出来上がる。

逆を言えば、早すぎると身体がまだ準備が終わってない状態。早めに寝ようとするにしても、極端にずらさないほうがいいだろう。

あくまでも理由の一つ。睡眠はかなりいろいろな要素がある。日中の眠気の理由も昼食に依る血糖値の上下や生体リズムなど色々。

・ちなみに起床の方は、1時間前からコルチゾールが分泌され、30分前には脳の血流が増加し始める。

このようにスムーズに起きれるようになっている。本来は。

朝起きるのしんどいんだったら、やっぱ睡眠足りてないか、レム/ノンレムのタイミングと起床時間がズレてるのかもしれない。

寒いからとか会社行きたくないとかそういう理由もある。色々。

睡眠の必要性に対するプレッシャー

・睡眠負債と総称される、睡眠不足の様々なデメリットがある。

酔っ払いと同レベルに馬鹿になるとか、

作業効率は超低下するとか、

情緒不安定になるとか、

免疫能力が落ちるとか、

早死にするとか、

これらの上で自覚は殆ど無く、当人は普通だと思ってるだとか。

これらは事実ではあるだろう。加えて毎日の睡眠が足りないと、「負債」は「蓄積」するとも言われている。

これらの事柄を知れば、「早く寝よう」と思っても不思議ではない。

・かなりの数の人間が、「自分は睡眠に問題がある」と感じている。

つまりは「自覚」が十分にある。

この状態で「睡眠が足りなければどうなるか」も十分に広まっているわけだから、まぁ焦るわな。

・睡眠負債などへの危惧から睡眠が「自主的な義務」になった。

その早く寝る理由は正しいのか

・「明日朝早いんだ」というのはしょうがないとして。

・サイバー心気症と呼ばれる現象がある。

1:自分の症状と合致した病名をネットで検索して見つける(大体重大な病気)。

2:自分の症状と同じことが書いて有り、この病気で、これが原因だとする情報を知る。

3:「それしか見てない」のに、これで間違いないと思いこむ。

4:不安からさらに検索しまくる。

これは強迫性障害に近い状態だとされる。

・このように、自身の感じる異常、または能力に対しての不満点などを「睡眠不足のせいにしている」可能性もある。

一応試しにしっかり眠ってみることはやってみたほうがいいとは思う。

ただ、十分眠ればすぐに元通りという話と、長期間十分に眠らなくては本来のスペックには戻らないという話がある。当人が気にしている症状にも依るのが、よく調べる必要がある。

ちなみに実際にサイバー心気症だった人は、「自分の調べ方で本当の病名は一度も出てこなかった」そうだ。病院に相談に行った方が早いかもしれない。

・あるいはシンプルに日中眠い、朝起きるの辛い、だから早く寝よう、とすることもあるかもしれない。ただ、いくら寝ても朝しんどいし、昼食後に眠くなることもある。

早く寝るためには?

・まず「自分に必要な睡眠時間」を把握しなくてはならない。「眠らなくてはいけない」との思いが間違いないのか確かめる必要がある。

目安は「日中耐え難い眠気があるか」。まぁ14時前後の「食後の眠気」はスルーするとして。

「いつもは何時に寝ているか」も大きく影響を与える

・睡眠時間を多く取ることを考えた場合、大抵は早く寝ることを選ぶ。今よりも朝遅く起きるのは大体の人は難しい。前述の通り、身体は「いつもどおりの時間に」寝る準備を始める。

少なくとも起床時間との開き(15時間ほど)は気にした方がいい。

・そもそも、睡眠についての情報もかなり錯綜している。

睡眠時間一つとっても、

1:一日8時間寝ないと駄目だ

2:個人差があるからそんなこと無い

3:やっぱりみんな8時間寝ないと駄目なんじゃ ← いまここらへん。

正直付き合ってられん。日中眠気がないなら十分、としたほうがいいのではないか。

逆効果になること

・「眠れなくても目を閉じていれば脳は休まる」との話もある。

しかし眠れなく、暗い部屋で、目を閉じていることは嫌なことを思い出しやすい状態なのであまりよろしくない。どちらかと言えば仮眠の時のテクニック。

・「寝ようとして眠れない」状態が続くと、今度はベッド=眠れない場所と脳が学習し、本物の不眠症になる。

これを精神生理性不眠症=PPI(Psycho Phisiological Insomnia)と呼ぶ。そこそこ多い。

ソファの方が眠れるって人はちょっとこれかもしれないね。

・有名な話だが、ナイトキャップ=寝酒は逆効果。眠れはするが、睡眠効率がかなり下がる。

アルコールは沈んだ気分を上げ、浮かれた気分を鎮める「気持ちを規定値に戻そうとする効果」があるらしい。わかりやすくダウナー系扱いされてたりもする。

そもそも酒飲んで眠れるならそれまで緊張してたことになる。その理由によっては元からいらない可能性も充分ある。

眠れる方法

・呼吸法やら弛緩法やらの「眠れる方法」を試すと余計に目が覚める人におすすめ。

ケンブリッジ大学が2003年に発表した実験がある。不眠症の患者を、

「寝ようと意識するグループ」

「あえて起きていようとするグループ」

の2つにわけて、ベッドに寝かせてみた。

結果を端的にいうと、起きていようとしたグループの方が先に寝た。ギャグか。

裏を返せば「寝ようとすると眠れない」良い証拠。

「逆説志向」と呼ばれる認知療法の分野らしい。

・ただ、眠るまいとしている間にやることには注意が必要。

パソコン、スマホ、そして読書もNGだそうで、「ただ目を開けて横たわり、眠らないようにする」。

要するに何もしないでひたすら起きていようとする、割と苦行。

刺激はない状態 + 眠るまいとする(寝なければとのプレッシャーがない) = 眠れる

こんな仕組みのようだ。アメリカの睡眠医療学会で不眠症対策として推奨されているらしい。

・ただ、これだと「眠らないようにしよう」との意識的努力=緊張での覚醒は眠気に劣ることになる。

目的によって影響が違うのか、それより眠気がまさるのか。

寝なければ、としないことによって、眠る機能が自由に動けるようになるのだろうか。

だとしたら眠ろうと意識する努力は「余計なこと」、となるか。

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