ツールやアプリでのマインドマップが私には向いてない。
コピー用紙。ボールペン黒、赤。これだけでいい……。
ただ単に私の使い方が独特なのかもしれないが。
マインドマップ概要
図を用いて思い浮かぶことを書き込んでいく。アイデアとアイデアをリンクでつなぐ。考えをまとめるのではなく、場に出すために有効。
ブレストで使われることもあるが、マインドマップ上で方針を決定するのではなく、場に出たアイデア・情報を元に議論する感じ。
思考には拡散的思考、収束的思考がある。マインドマップは拡散的思考のためのものであり、収束(結論を出す・まとめる)とは方向性が逆。
デジタルの問題点・不便な所
FreeMind から Mindly 、Frieve Editor(なぜかついてる背景アニメーション機能は好き) まで色々使ってみてはいるんだが、しっくりこない。Obsidianのグラフビューはマインドマップとは別物だろう。
ツールやアプリの出来の話以前に、少なくとも私にとっての現状は手書きがベターなのではないかと思う。
まず、知性には、流動的なものと結晶的なものがある。
私の嗜好に過ぎないのかもしれないが、「過程」である流動的な情報処理は紙。一定の「結果」であり、別件の材料となりえる記録・保存的な結晶的情報処理はデジタルが一番しっくりくる。
マインドマップに「完結」のルールはない。マインドマップはその場でアイデアを出す、生む、捕まえることに特化しており、結晶知を扱う方法と比べるとインスタントな方向に傾いている。
書きやすいのでいらん事まで書く
自業自得なんじゃが。
前にもやった気がするが、「手間がかからないことによるデメリット」というものがデジタル入力にはある。「書くべきか書かざるべきか考えるよりも書いたほうが早い」ので、書いてしまう事が多い。加えて書く時に手書きなら行われるコーディング(理解して整理して書く)が行われず、そのまま垂れ流れる。
結果、関連性が薄いものや無関係なものが出てくる、一文で済むものが3つや4つに分散するなどが起こり得る。
出力もタダではない。後で処理する必要がある。整理やら取捨選択やら統合やら(収束的思考)。つまり調子こいて出力しまくると、収束させる段階では「負債」になる。8割使えるものが出せる状況を作れるのに、それをわざわざダメにする真似はしたくない。
マインドマップだと一覧性があるからな。目に入る。単に目障りなもん増やしたくない。
全体の把握がしづらい
全体が見えてないと落ち着かないというのがある。ペラ紙一枚で済む話を、拡大縮小したりするのがつらい。私はこの段階ではテーマからは逸脱しない俯瞰的な視点を維持したいのだが、不可視範囲があるということは近視眼的になっていると言える。
加えて、私が触ったツール・アプリは1アイテムの「タイトル」と「メモ」がわかれているものばかりだった。タイトルをクリックしないとメモが見れないか、設定いじれば表示される。
ともかく、「目に入る機会」が減るタイミングがある。
そもそも紙に書くこと自体が、ワーキングメモリの拡張に属するものだ。それが見えたり見えなくなったりしたら困る。
これらは手書きだったら違う色のペンで書くだけで目を引ける部分だ。それが長々としていたら嫌でも目を引くだろう。
この上で「書きやすいのでとりあえず全部書く」というマーライオン的所業と重なるとひどいことになる。私はこの傾向が酷いので、書く段階で絞りたい。向いてない。
デジタルで書いた文字(活字)は目が滑る
本を読む人にはお馴染みの感覚。
これは見慣れすぎているからだろう。
基本日常的に見る文字はデジタルなので多分自覚はないが、改めて手書きの文字と見比べてみればいい。そちらの方が目を引く。
読みづらい読みやすいで言えば活字の方に軍配が上がる。よほど上手くなければ字の綺麗さに太刀打ちはできない。で、「読みやすい」から目が滑ってる。
「読みづらい」方が良い根拠の一つとして、Sans Forgeticaという名のフォントがある。
これは認知心理学の「望ましい困難」という心理を応用した「記憶の定着を上げる」フォントだ。
実物を見てみればなんてことはない、斜体になり、文字の一部が削られている。単純に「読みづらいからよく見て覚える」ということ。反対に読みやすければ目が滑るのも道理だ。
これは文字に限らない。枠線、リンクの線、全てにおいて当てはまる。デジタルは「目を引くものがない」と言える。綺麗すぎて。
見た目を気にしすぎる
これは私は気にしないが。紙に書いてその日の内にデジタルに清書してシュレッダーにかけてるし。
アウトプット目的で、実質的にはリンクされた箇条書きと対して変わらんのに、無駄に整形できるから見た目に拘りやすい。画像検索してみりゃ分かると思うが。
個人的な意見だが、額に入れて飾るもんでもないし、いつまでもそのままでとっとくもんでもないだろう。書き出すことに特化してるんだから元から単純に見づらい。
私にとってのマインドマップは紙コップみたいなもんだ。元から使い捨てるつもりでいる。使用中のみ価値がある。