計画通りに進めることが好きな人、嫌いな人。

マップヘイター、マップラバー

マップヘイター、マップラバーという概念がある(マイナーだと思うが)。言葉通り地図好きか嫌いか。
今回で言えば、計画(地図)通りに進むのはマップラバー。自身の感覚や状況に応じるのはマップヘイターとなる。

本の読み方も変わってくる。構成や伏線回収が好きなマップラバー、先行きがわからなかったり結論が出ない物を好むマップヘイターなど。

人間が思考を用いてことに当たる場合は、マップラバーにかなり近い。予測、計画、あるいは懸念に対しての準備など。

性格とそうじゃない部分があるのでは

これはまぁ、地図に限れば好き嫌いはでようが、他にもそのまま当てはまる「性格」とは思えない。対象によるだろう。いつもどおり。

計画立てるの好き→そのとおり実行するのつまらん、というのは居ると思うというか私がそうだ。この場合、計画に対してマップラバーで、実行に対してはマップヘイターといえる。

ただ、防衛的ペシミズムあたりと同じように、「どっちもできるが、相性が良いのはこっち」みたいなのはある気がする。
つまり元からの性格的部分と、思考法的な部分としてのマップヘイター/ラバー。

双方の方略のリスクについて

何度か言っているが、うかつに「性格」としてしまうとどうもね。運命論的な解釈するのも居るし、重く受け取られやすい。今回はそれより軽い、方略として扱ったほうが良いだろう。意識すれば多分、普通にどちらも出来るはずだし。

今回の話は能動的な場面であり、自分が目標達成や課題への取り組みを行う際の、自然な姿勢・考え方と捉えたほうが安全かと思われる。

マップヘイターのリスクは言うまでもないね。迷子になり得ることだね。目的からの脱線とかね。ただし意図せぬ「よろしい結果」になることもあるけれど。

そう言えば、レオナルド・ダ・ヴィンチが雇われ画家だった頃、「注文されたものと違うが出来が良い」物を作るというやらかしをした、なんて話を見かけたことがある。これは完璧主義(おそらく自己志向型のエピソードとして語られているが、「マップヘイターがノリに乗った結果」とも取れる。

マップラバーの方は簡単だ。「マップラバーが地図がない時にどうなるか」を考えてみればいい。
調べたりはするだろうが、まともな情報へたどり着くまでの試行錯誤はマップヘイター的なものとなる。これが出来ないなら、途方に暮れるしかない。

以上から、「どちらのやり方も出来る必要がある」と言えるだろう。だから性格の話にするわけには行かない。スキルとして、思考フレームとして扱うべきだと判断する。


能動的に使い分けている様に見える例として、某小説家があとがきに書いてた「途中まで書けてたのにその先が書けなくなったら、先にラストを書く。次にその間を埋めていく」というのが挙げられる。

今回の視点で見れば、マップラバーからヘイターへ、そしてまたラバーへという流れに見える。
(「ゴールを作ることに依ってそこを目指す収束的思考がしやすくなる」とも言えるが)

この様に、「手法」としてどちらも心得ておくものに感じる。ベースは当人の自然体で、行き詰まったら切り替えてみる感じの。

開始地点が違うから進め方も違ってくる

思考フレームとしてのスキル化も必要だと思うが、まぁデフォルト設定としてのマップヘイター・マップラバーはあるだろう。「最初にそれをどう見るか」「初手でどのような関わり方をするつもりになるか」という部分。こちらも性格とするより、「好み」程度の話とする。

このあたりは変えようとするとめんどくさいだろうし、後からの修正で十分間に合うだろう。ただし自分の「仕様」としては、理解しておくべきだとも思う。


このサイトでは、「絵が上手い人の中に、いきなり細部を描き出すタイプ」がいることについて書かれている。目や口から描いて、全体に向かっていくと。

「まず細部」からスタートし「全体に広げていく」という形で物事を完成させるパターンはある。

これは「好みの方法」で、出来るできないとは直接的な関連はない。
タスク単位でこの「好み」は違うかもしれない。計画と実行が違うように。

マップヘイターの手順は、初手で物事の「コア」あるいは核、中心を作れる。あるいは基準点、アンカー。
最初にこれがあるのだから、芯が通ったもの、まとまったものが作りやすいかもしれない。

小説家の、自分の小説の書き方みたいなので読んだ記憶があるが、まずシーンだけ浮かび、その前後を考える、というスタイルの人もいるらしい。これもマップヘイターと言えるだろう。

かと思えば、「アウトラインをキッチリ作って埋めてくだけだ」、というライターもいるわけで。

作業か創作かにも依るように見えるし、やはりタスク次第で当人がどうあるかも違うのではないかとも思う。
もちろん「熟練」の概念を忘れてはならないだろう。基本形がマップヘイターでも初めてのことには慎重に、「地図」を見ながら、というのは十分に考えられる。

自分の特性+自分のタスクのやり方=マップラバーかヘイターか、みたいな。


何れにせよ、社会規定的視点での「これはこの手順で片付けるべき」という信念を持っていると、自分の素質を殺すかもしれない。

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