成功につながるユダヤ人の文化 1

前回参照。まぁともかく、表向き「ユダヤ人」という言葉は人種を指さない。イコール、ユダヤ人の頭の良さについての話も遺伝子とかの話にはならない。

ぶっちゃけ頭いいのはDNAがすごいからですぅとか言われても役にたたんしな。助かった。

ここではユダヤ人のミーム的な部分、つまりはユダヤ人が知識という概念に対して持っている態度、習慣、価値観がどのようなものかのみとする。

ただ、ユダヤ教の中にも保守派、改革派、正統派など色々あるらしく、さらには文化的にはユダヤだが宗教的には特に信仰心はない人もいるらしい。逆に戒律を厳しく守る派もある。

この辺りは今回問わないでおく。用があるのは文化的、教育的な部分だ。

ジューイッシュ・マザー(Jewish Mother)

・英語で「ユダヤの母親」という意味。教育熱心という意味もあるが、実質的には親バカというかバカ親というか、過保護で子供に甘い母親という意味として使われていたそうだ。ただ、近年はそればかりではないともされている。特徴は以下。

1:服従や協調を美徳とは教えない

やはり独立心、自立心が高い。

2:独自性を築かせる

自分の長所を伸ばさせるということ。

3:体罰をしない、懲罰をしない

タルムード(ユダヤ教の聖典のようなもの)に子供を決して脅し、罰してはならないと書いてあるそうな。

・総じて個人主義を教育している印象。これらが向こうの国の伝統的子育てと対称的だったため、揶揄されたというのもあるのだろう。ということは日本人の汚い協調性の強制みたいなのもアングロ・サクソンとどっこいどっこいかもしれない。

子供の視点で見て、ジューイッシュ・マザーは「才能が開く環境」としては申し分ないだろう。少なくとも母親から夢や才能を潰される余地は一切ない環境。まぁ甘やかしすぎると自己愛になるって話もあるんだが、肯定的態度で接するのと甘やかすことは区別が難しいが、おそらく違う。

・過保護で子供に甘い、というのはキリスト教徒がユダヤ教徒の母親を見た視点だろう。当人たちにとってはそのようなつもりは恐らく無い。

・以上のように手間や時間は掛けるし、教育に対しては金払いも良いとされる。ただし小遣いやプレゼントは倹約してあまりくれないとの説も。

・じゃあ父親はどうなんだ、って話だが、普通に父親も教育熱心らしい。

・家庭環境としては好ましい方だろう。離婚率、少年非行率、アルコール依存になる率において、ユダヤ人は他よりも低い傾向があるそうだ。

暗唱/暗記について

彼らはトーラーやタルムード、要は教典や聖典のようなものを暗記することを志す。5歳で既にトーラーを読み始めるらしい。どちらも膨大な量であり、多分タルムードよりは六法全書暗記するほうが楽なレベル。

・幼少期からの読み聞かせ。

・トーラー(モーセ五書。1200ページくらい。ヘブライ語で『教え』の意味)を暗記するが、「体をゆすりながら暗唱」するらしい。

動画のように、「音読」も重要だとされる。

テキストと一体化することで真に理解することがどうこう。言ってはなんだが、「目指しているものが元から違う」感はある。大抵は子供に医者か弁護士を目指させるという話もあるし、タルムード全巻暗唱できる者もいるらしい。5歳でトーラー読むらしいし。

思考活動に対してのイメージが「頭を使うこと」ではなく「全身を使うこと」の様なイメージを持ってるかも知れない。

・タルムードに蜂蜜を垂らし、赤ん坊に渡すそうだ。少なくとも苦手意識は持たなくなるだろうな。べっちょべちょになるけどいいのか。

・繰り返し続けることをとても重視した。反復の重要性。

逆に知識に対して広く浅くを求めているような部分は見当たらない。対象がトーラーやタルムードだからなだけだろうか。それよりも「深く」知る、理解することを目指しているように見える。

・「受け身で学習してはならない」との教えがあるとか。この傾向は他の特徴からも散見される。

・生涯学ぶことが教義の一つらしい。

・暗記することを重視する傾向があるようだ。トーラー、タルムードは言うに及ばず、フォン・ノイマンにしたって本を一冊丸暗記、なんてエピソードがある。

「丸暗記」というのは聞こえが悪いイメージがあるが、あれは丸暗記で終わり、そのまま実践しようとするからだろう。批判されるのは自信満々な生兵法であって、暗記そのものじゃない。少なくとも「頭の良いユダヤ人」達は丸暗記したことをベースとして更に考察をする。

俗な言い方だが、「自頭がいい」ってやつなんだろう。ただし天然ではなく、文化的にそう努力するのが自然な環境によって。

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