テイカーの見分け方 レック判別

・「1人でもいると組織がダメになる」と言われるテイカー。排除しろとも言われているが、表面的な人当たりが良くてグループに潜り込むため、気づいた時には手遅れのことも多い。

・テイカーの判別方法にはレック判別と言われるものがある。簡単に言えば自分(だけ)が目立とうとする行動をどれだけ取るかが目安となる。

テイカーは悪い意味で社会に適合しているため、社会的評価、他者からの称賛などを得ることが本懐となっていることが多い。この上で手段を選ばないため周囲からは詐欺師や成果泥棒と認知される。

テイカーとは

・テイカーは奪い取る者、持ち去る者とされる人間を指す。
利己的であり、他人の成果を啜り、自分の物とする。

・厳密に言えば人はだれでもこういった素質自体は持っているとされる。多くは例え思いついてもやらない。実際に言動に出ている者がテイカー。

・テイカーのせいでその他が疑心暗鬼となり、ギバー(与えるもの)やマッチャー(バランスを取る者)に取っては居ないほうがいい存在となる。

テイカーがギバーの親切を全て奪い取り、ギバーやマッチャーはテイカーに警戒するため互恵性(助け合い)が減るため。

テイカーには引くほど酷い人格障害レベルの者も実際にいるが、テイカーに搾取され続けた「燃え尽きたギバー」もいるとされる。つまり、ある意味感染することがある。

・提唱者のアダム・グラントは、チームに1人でもテイカーがいるとダメになるとしている。また「テイカーを排除しよう」とも。

ただし人に寄生する生態をしている関係上、テイカーは表面的には愛想が良い。このため見分けることが難しい。

・テイカーには様々なタイプがいるとしている。その中には自己愛やサイコパスが含まれている。

・この概念は本来、職場での態度が前提となっているような感じなのだが、広まっていく内にプライベートを含めた人間関係全体で見かける「クソ野郎」の話に変わっていっている印象を受ける。


ギバー、テイカー、マッチャーとは何か:お人好し、搾取、礼には礼を/目には目を。
・利害関係に於いての、人間の思考と行動を3タイプに分類した言葉。 ・ギバー:与える者。提供する人。自分が受け取るよりも多く与えようとする。 ・テイカー:利益を得ようとする者。利用する者、奪う者とも。与えるよりも多く受け取ろうとする...

テイカーの見分け方 レック判別

『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』の著者、アダム・グラントによれば、テイカーの見分け方の一つにレック判別がある。

どうもアダム・グラントの造語? ってほどでもないが、少なくとも「レック判別」という手法はギバーとテイカーの話題以外では見かけない。

ただ発情期の鳥の行動として「レック」と、その場で行われる「レッキング」がある。どうもこれを例えに使っているようだ。

レックについて

・lek。本来は一部の鳥類に見られる交配目的の集まりを指す。合コンを想像すれば大体合ってる(?)。

メスが選ぶ側。オスは選ばれる側。当然ライバルも多く集まるため、レックの場ではオスは自分が選ばれるために他よりも優れているとアピールしたい。このため競争的な求愛行動が始まる。

・レックでの競争的な求愛行動はレッキングと呼ばれる。

内容は種類によって違うが、代表的な例だとクジャク。尾羽根を広げるあの行動。後は求愛ダンスとか。

ちなみにレックをやる鳥は一夫多妻ないし乱婚だとされる。

・ヒューマンもレッキングと似たような行動をする個体が散見される。借金してまで羽振りをよく見せたりだとか、よく思われようと善人ぶったりだとか。自分を実体以上に優秀に見せようとする傾向。

ヒューマンの場合は異性絡みに限らない。競争主義やマウンティングを動機としたハッタリや誇張みたいな話となる。これには社会的、道徳的アピールも含める。
ちなみにモラハラ加害者も一部は、動機が「上位にいる自分」をアピールするためだったりする。

テイカーのレッキング

・鳥のレッキングと同じく、全体を通して自己主張が激しい印象を受ける言動をやりまくる。

(裏を返せばその人物に「控えめな印象」を受けるのならテイカーではない可能性が高い。根本的に「大人しさ」はテイカーにはない。)

写真の使い方

・アダム・グラントが出した例の一つだと、2人のSEOの年次報告書に使われた写真がある。どちらも肩から上の写真であり、面構えだけ見ても区別はできない。

ただしその写真の使われ方が、テイカーは紙面いっぱいのドアップであり、テイカーじゃないCEO(こっちはギバーだった)は右上に履歴書の写真のごとくちんまりと置いてあるだけだった。

参照:https://www.kenchiku-shikaku.net/docs/r3deta/hitoyasumi3-give-take20201221.pdf
(右下の図3)

・ちなみにそいつがどんなテイカーだったのかというと、名前はケネス・レイ。総合エネルギー取引とITビジネスを行っていたエンロン社を一代で築いた創業者で元CEO。

巨額の不正経理や不正取引に拠る粉飾決算が明るみに出て、2001/12月にエンロン社は破綻した。その後、市場を騙して自分の利益を追求したことで有罪となっている。加えて外国政府には賄賂を渡して契約を取っていたこともバレた。

このため典型的なテイカーだとされる。日本でも数人似たようなのが居た気がするが。

・SNSなどでもテイカーのこの傾向は見られ、過度に実物とかけ離れた写真を使っているなどは怪しいとされる。

成果アピールの時だけ「私は」とやたら言う

・誰だって「私は」なんて一人称は使うわけだが、テイカーは何か成果が出た時に使用頻度が跳ね上がる傾向がある。

自分が成果を出した、これは自分が頑張ったからだ、などの表現が多い。これもレッキングと解釈できる

・もちろん成果を出した時だけこれなので、責任感があるとかではない。

・チームの成果でもこれをやるので、ナチュラルに他人の成果を奪い取ることにもなる。
確信犯とも限らない。他人が目に入っていないことも多い。どの道自分勝手ではあるが。

(つまりテイカーの本心としては集団への帰属意識はかなり薄い。自分が目立つことだけ考えている)

・一方のギバーが同じ状況で自分を指す時は、「私たちは」みたいな集団の一員である表現が多いとされている。

私達が成果を出した、これは私達が頑張ったからだ、みたいな。だいぶ印象変わるね。

サイコパスや自己愛とレッキング

・サイコパスやソシオパス(反社会性人格障害:後天的なサイコパス)、そして自己愛は表面的な魅力があるとされる。「受けが良い振る舞い」ができるというか。

俗に言う自己愛は、元から嘘や自己主張が多いとされている。特に自分をよく見せようとするために。被害者からは「関わった時間すべてが損だった」なんて言われることもある。

本質的には詐欺師のやる愛想の良さだ。狙いのあるアピールであり、これらもレッキングに近い。

・ナルシシズム(自己愛)、サイコパス、マキャベリズム(目的のために手段を選ばない)は「悪の気質」とされる。
どれもが基本的に自分のことしか考えてなく、手段として他人を利用する傾向がある。
つまりテイカーに近い。ってかそのもの。

・この3つの気質を持っている者をダークトライアドと呼ぶ。ちなみにサディズムを追加してダークテトラッドなんてのもいる。

これらは犯罪を起こし、社会的苦痛を引き起こし、組織にとって重大な問題を起こす恐れがあるとされている。

アダム・グラントが言う「チームにテイカーが1人でもいるとダメになる」との言と繋がるのではないか。

悪性自己愛とダークトライアドとダークテトラッド
一言で言えば犯罪者レベルで超性格悪い。この3つの性格は、各人格障害の「性格の悪さをかき集めた性格」と言える。3つあるが、内訳としてはほぼ共通している。ダークトライアド以下の性格的特徴を併せ持つ。ナル...

・ダークトライアドやサイコパスは短い期間の人間関係を好む(長く続く人間関係を意識しない)。人間関係が焼畑農業

このようなタイプの人間は、いい人のフリをした所で3年くらいしか同じ環境にいられないとも言われている。
https://news.mynavi.jp/article/20201120-1491563/
日頃の嘘がバレて、被害者たちが「あいつはおかしい」と経験をすり合わせ、ボロが出るのがそのくらいだという話。このため職場や住所を変えてリセットする。

・異性関係も同じくより多くを求める傾向は強く、「緩くて責任感がない」と言われている。浮気や複数と付き合うなどは多い。つまりレッキングする鳥と同じく思考/志向が一夫多妻や乱婚の気がある。

メモ

・一概に承認欲求はよくない、というのではない。前述したが、通常は承認欲求にしても「実力によっての承認」を求める

じゃないと「自分の価値」ではないから当然なのだが、テイカーはそう思わない傾向がある。承認そのものではなくそれによっての社会的利益(報酬、称賛、発言力など)が目的のような。

知ってもらいたいか、すごいと思われたいかの違い

・個人的なテイカー判別としては、まぁ初対面で分かるだろと思うが。そこで見下してきたりクソアピール(媚びを売ることを含める)してこなきゃまぁ並だろう(上下意識が異様に強い)。並がキレイってわけじゃナイケドナ

・人がやる自己紹介ってのは内訳としては二種類ある。

  • 相手に自分を知ってもらおうとする
  • 相手に「理想の自分」を印象付けようとする

後者はやっぱりレッキングに近い。

・承認欲求も自分を知ってもらいたい受け入れてもらいたいという比較的自然なものと、他人にすごいと思われたいというのがある。
後者は称賛獲得欲求と呼ばれるのだが、自己愛性人格障害の称賛獲得欲求は一般人のそれとは「似ているが別物」とされる。

具体的に言うと普通は実力に拠る称賛を求めるのだが、自己愛はこのこだわりが比較的ない。つまり嘘やハッタリで得られた称賛で満足できるため、卑怯なことをやる可能性が相対的に高い。

SNSでも有名人のなりすましとか、他人の成果物を自分の物として発表するやつとかいるだろう。つまるところ、たまにいる。

これは承認欲求ではなく自己顕示欲と呼ぶべきだとも思うが。顕示するものが捏造なんだったら実際にはなんにもないことになるが。

・通常、初対面で自己紹介すること自体がイヤな方が多い。このため消極的か無難かになるのだが、超張り切るのはやっぱりいる。

・まぁ文脈にも拠るけどね。面接だったら嫌でもアピールはするし。そういった意味では面接でテイカー見分けて排除するのは無理がある誰もがレッキングする場だから

「採用したい」と思ったら、それはもう騙されているかも知れないな?
そら、もうテイカーのせいで疑心暗鬼だ。

だからこそ横や下への態度でテイカーかどうかがわかるわけだが。


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