誹謗中傷について

・誹謗とは謗ること。悪口とかだね。

中傷とは根も葉もない事を言うこと。根拠のないことや嘘。

 

誹謗中傷による事件は昔からある

・最近、誹謗中傷による自殺者が出た。だから今関心を集めている所はある。

ただ、昔からこの手の話はある。海外でもタレントが誹謗中傷を苦に自殺、というのは割と聞く。

 

スマイリーキクチの誹謗中傷事件

 

・国内での有名所だと、スマイリーキクチの誹謗中傷事件がある。Wikipediaでは「中傷被害事件」となっている。

これよりも10年程前に残虐な事件が起こり、犯人グループは未成年のため実名が伏せられていた。割と吐くレベルの事件なため、犯人を憎む者や関心を持つ者は多く、書籍も出ていた。

 

しかし、殺人事件の犯人に対する糾弾が繰り返されるうちに「犯人を仕立て上げたい者」・「犯人を何としても見つけ出したい者」によって誤った情報が投稿されたことがきっかけで、「出身地が犯行現場である足立区」で「犯人グループと同世代」で「10代の時にグレていた」芸能人であるキクチが、同事件の犯人としてネット上で扱われるようになっていた[9][10]

https://ja.wikipedia.org/wiki/スマイリーキクチ中傷被害事件

 

結果、彼のことを犯人だと決めつけた者たちにより彼は「攻撃」された。後に裁判沙汰になっているからデータが残っているが、確認されているだけで攻撃側の人数は1,200人以上となっている。

 

攻撃手段
デマ情報の拡散
多くのサイトへの中傷・脅迫の投稿
出演番組の放送局、スポンサー、制作会社へのクレーム

攻撃側人数
大多数(1200人以上)

武器
パソコン、携帯電話
電話、メール、手紙

被害者
キクチの恋人および親族、太田プロダクション、キクチの出演番組の放送局・関連企業、キクチの女性ファンや知人の女性ブロガー、荒らし被害を受けたウェブサイトやチャットサイト

損害
噂によるイメージダウンに伴うキクチの芸能活動への支障
キクチやその他標的者の精神的ダメージ
ストレスによるキクチの体調悪化
事務所や番組の関連企業へのクレーム対応

犯人
男女19人[注釈 2](2008年~2009年における検挙分、このうち7名が書類送検)
1〜2名(2017年に検挙された犯人)[1]

 

ちなみに、この1,200人以上の攻撃者は特定されている

事件当時は1999年であり、SNSではなく匿名掲示板でのこと。逆を言えば、現代で同じことが起きた場合、もっとスピード感があることになる。もっとエスカレートするだろうな。

 

誹謗中傷は日常的にある

・現在進行系。所詮、問題になるのは表面化したときであり、日常的に起きてはいる。

ゲストであるタレントのダレノガレ明美さんによると、多い日は1日で千通ほどの誹謗中傷メッセージが来ることがあるといいます。

番組に出演するたびに「消えろ」「死ね」「国に帰れ」といった匿名のメッセージが何百通も寄せられるのだとか。

https://grapee.jp/829442

まぁ日常的だから許されるわけでもない、というかこういうのはそのうち根こそぎ狩られるのが相場だが。

 

・この一日1,000通って点。大体の人は1,000人の誹謗中傷者がいると想像するだろう。そうでもないかもしれない。

この点に関してちょっと別の話をしよう。ロンドンのヒースロー空港には、2017年7月~9月の3カ月間で20,642件もの苦情が寄せられた。騒音に対してだね。

これも素直に捉えれば20,642人のクレーマーが出たと思う。だが現実には、人数は1,190人。しかも上位の10人だけで13,038件のクレームを入れていた。

参照:https://gigazine.net/news/20171121-heathrow-noise-complaint/

 

まぁどう考えても異常な執念と行動力だ。別に外国に限らず、日本でもしつこすぎて市役所出入り禁止になった老人とかいる。1件着信拒否にしたら事務所が静かになって社員の快適度が跳ね上がったなんて話もある。

基本的に「しつこい」ってのは、他の手段を取る気がない、自分のやり方で思い通りにしたいなどの現れだ。この思考が他の人間に向いた時、かなり危険になる。

 

誹謗中傷をする人

 

不誠実で異常な肩入れをする人

・例えば男性アイドルの性的な犯罪などで、被害者側を執拗に攻撃するファン、というのはいる。どうも言い分をまとめてみると「お前が居なければ彼はこんなことにはならなかった」的なアレになってる。

まぁ、ファンだからだろうな。そいつらにしてみれば「被害者のせいで自分が相手を鑑賞する機会が減った」ということへの怒りになる。視点が酷く個人的なものであり、口に出すべきことではないだろう。

客観的に見れば犯罪犯したほうが悪いんだが、このタイプは主観的にしか物を見れないため、それが口に出すことが自分にとって良いか悪いかの判断を間違える。

 

・この個人的かつ客観性や公正さがない姿勢というのは身近にある。一部の親が子供絡みの時に見せる態度だ。モンスターペアレント。

子供が何か問題を起こした場合、道理もへったくれもなく全力で逆ギレするようなアレ。

 

・上記の様な異常な肩入れは、女に多い。男の場合馬鹿なことをやりやがったと、残念に思いながらも割と諦めが付く傾向が強い。

で、脳内物質で女のほうが多く出るのがオキシトシン。これは愛情ホルモンなんて間違った名前で呼ばれているが、過剰だと明らかにやばいことになる。

  • 身内贔屓
  • よそ者の排除
  • 騙されやすくなる
  • 嫌いなやつの失敗を喜ぶ 嫉妬深くなる
  • 攻撃性
  • 不安感

以上の傾向が増す。えらいざっくり言っちゃえば、敵と味方の区別がえげつないことになる。

この内誹謗中傷に繋がるのが身内贔屓と攻撃性だろう。

騙されやすさ、よそ者の排除、不安感も拗れれば攻撃性などのダメなアクティブさに通じる。

オキシトシンは高濃度でいると受容体が減るとされる。つまり効きにくくなってくる。エスカレートする余地があるということ。

まぁ、男は男でテストステロンが過剰だと「金払ってでも悪人を懲らしめたい」とか思う傾向が上がるらしいが。

 

・人間の男も子供ができると脳が変化するが、出産に於いて肉体的な通過儀礼を果たしていないのに脳が変化する点には注目したい。

そもそも女が妊娠中、男も同じ様に太る共感妊娠という現象まで確認されている。つわりとかも経験することがあるという。

肉体的な経験ではなく情報的な刺激で脳が変化するということになる。元から、ネットやテレビで見ている対象に親近感が湧く事自体は珍しくない。ではもっとエスカレートして、まるで親のように依怙贔屓する可能性はあるのではないか。

 

精神を病んでいる可能性

・スマイリーキクチの件で検挙された19名の中に、精神の病にかかっている可能性があると見られるものが多数いた。

精神の病にかかっている可能性のある犯人も4分の1近くいた。

https://ja.wikipedia.org/wiki/スマイリーキクチ中傷被害事件

 

何人かは辻褄が合わなくなるまで友人や同僚・知人のせいにするなど擦り付けをして容疑を免れようとした[56]。

https://ja.wikipedia.org/wiki/スマイリーキクチ中傷被害事件

 

・刃物を持ち出した輩もいる。

2009年4月下旬、新聞報道直後の同年2月10日に2ちゃんねる上でキクチの殺害予告を書き込んだ容疑で、事件担当の刑事たちが、書き込みを行った東北地方在住の女を連行するため、女の自宅を直接訪問するも、女が意味不明な言動をした後包丁を持ちだして暴れ出し、止めに入った父親を切りつけた。

父親に生命の別状はなかったが、女が精神病を患っており心神耗弱状態にあることが認められたため、摘発は見送られた[80][81]

https://ja.wikipedia.org/wiki/スマイリーキクチ中傷被害事件

 

・また検挙された者は、面白半分だった一人を除いて本気でスマイリーキクチを犯人だと思い込んでいた。

言い方を変えれば、信じやすいし、騙されやすい。相対的に自分で考えるということがかなり苦手なようだ。

犯人たちが「『情報の仕分け』・『考える力』・『情報発信者を疑う能力』の3つが欠如している」、「他人の言葉に責任を押し付ける」、「自分の言葉には責任を持たない」などの共通点があるという印象を受けた[68]

現代でならこれは「リテラシー能力がない」の一言で片付く。

ただ個人的にはもっと根本的な部分が気になる。「みんながやってるから自分がやってもバレないだろう」と思ってストレス解消に殴りかかった様に見える。事の真偽は元から「口実」に過ぎずに。

これが連中の「話の通じ無さ」の一端でもあるだろう。殴りたいから殴ってる。話をするつもりが初めからない。殴る口実がなくなっても困るので話は聞かない。

以上から、初めから喧嘩腰な輩は即ブロックか即通報でよろしかろうと考える。

 

錯覚の匿名性 別の意味での「無敵の人」

・無敵の人と言えば「失うものがないやけっぱちの人」みたいな感じだが、それとは別のタイプ。区別をつけるために無敵の人2と呼ぼう。

自分は無敵だと思い込んでいる。反撃されることはない、非難されることはない、あるいは自分は正しいと。公正世界仮説も一枚噛んでるだろう。

 

2種類に分けることができる。

 

匿名だから無敵

・匿名性が剥がれると弱い。しつこく悪質なクレーマーに対して、「担当者不在です。折返し連絡を入れますのでお名前と電話番号を教えていただけますか?」と言った途端に二度と掛けてこなかったって話もあるな。

 

・対称的に、ターゲットを一人の人間として見ていない所がある。政治家やタレントがターゲットになりやすいのはわかりやすい例だろう。有名だから、公人だから、金持ちだから、やってもいい、みたいな甘えがある。

被害者側も結構やり返すことがあるが、反論されれば「自分は一般人であなたは特別」という理論を展開する者は多い。

 

ある犯人は「言論の自由」を主張したが、刑事たちから「表現の自由なら自分の名前が書かれてもよいのか」と問いただされると、「キクチは芸能人だから書かれてもよいが、自分は一般人で将来もあるから嫌だ」と発言した[56]。

https://ja.wikipedia.org/wiki/スマイリーキクチ中傷被害事件

 

こういった「匿名性の無敵」や「自分は凡人/弱者だから相手より特別」という輩は割といる。

 

・以上から私は誹謗中傷の規制には反対する。それによる効果以上に誹謗中傷を元からやるような自称弱者の新たな武器と盾になりかねない。そういった「挑発」を繰り返す輩は、よく見かけるだろ。

ただでさえGoogleでDMCA、Twitterで集団ストーカーみたいにして特定アカウントを凍結させる、なんてのは既にあるんだし。

 

正しいから無敵

・どうしようもないね。止まらない。

厳密に言えば、自分が正しいと思い込んでることに加えて「だから何やってもいい」というオプションが付く。相手が実際に悪人だった場合が、最も酷く攻撃性を発揮するだろう。

 

・特にこの「相手が悪い」というのが厄介で、確かに非難が妥当なことをやらかした者もいる。

だがハッキリ言ってしまえば、別にお前が何やってもいいことにはならねーよ、と。この辺りを混同していて自分は何やってもいいと思いこんでるタイプ。

このタイプは同時に「自分の権利」にも異様に執着する傾向がある。相手の権利は無視する。単純に威張りたいのかもしれない。

 

正義と「相手が悪い」

・かなり多い。そもそもに於いて、誹謗中傷する者は自分がやってることが誹謗中傷だと思っていないことが非常に多い。自分のしていることは誹謗中傷ではなく正当な非難、苦言、忠告とかそこら辺だと思ってる。あるいは、そう名乗る。

 

・実際にそういうこともあろうが、限度があるってことをわかってない奴がそこら辺を踏み越えることもある。

2013年に仏TF1で放送された、出演者が無人島でサバイバル生活を送る番組「コー・ランタ」では2名が死亡しまた。

ことの発端は、出演者の一人が心臓発作をおこし、撮影中に命を落としたこと。すると、無人島に同行していた男性医師に対して責任を追及するバッシングが広がり、それを苦に彼まで自殺したのです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f0acfe6ef574265999cd23617bbf2abc8e48223b?page=1

 

・ここで言う「限度」ってのは誹謗中傷者の振る舞いを社会や相手が許容するかだけじゃなくて、被害者の「耐久度」を含める。

前述したが、一部おかしいのが異常な行動力で大量のクレームを入れるなどして「流れ」を作ることがある。これは正体がバレれば「一人の異常者」で済む話だ。だが100人、1,000人が釣られたら、それで済む話ではなくなってくる。

加えて、自分に言いたいことがあったとして、既にある程度賛同を得ている似たような意見が合った場合、それに乗っかるというのも多い。それだと「1意見」じゃなくて「大量のクレームの一部」に成り下がる。多少手間でも自分の言葉で語ったほうがよろしかろう。品性の見せ所ですよ。

まぁたとえ本当に正義でも、少しは慎重になったほうがいいだろうな。正義だから何してもいいって言うなら、無敵の人2だね。

 

 

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