・不眠や中途覚醒の原因の一つ。日中だるい、眠いなどの原因にもなる。
・症状は名前の通り。わかりやすい。
・RLS(Restless Legs Syndrome)とも呼ぶ。日本神経学会用語集では「下肢静止不能症候群」らしい。
症状
・名前の通り、脚がムズムズする。わかりやすい。このムズムズは「虫が這う」「炭酸が泡立つ」などとも表現され、とにかく不快。
また、痒み、痛み、ピリピリした感じがすることもある。「激しい痛み」であることもあるという。
・唯一、名前の通りでない部分は、「脚とは限らない」という点だ。腰、背中、腕、肩などもあり得る。
・特徴として、これらは身体の「表面」ではなく「内側」に感じられる。
この不快感のために「脚を動かしたくてたまらなくなる」。
動かすとこの感覚は軽くなったり、収まったりする。
このせいで眠りが浅くなり、眠った気がしない、夜中に目が覚めることにつながる。
・夕方、夜、特に就寝時に現れることが多く、不眠の原因の一つとなる。昼間にこれになるようだったら「進行している」ということらしい。
・じっと座っている、横になったりする時になりやすい。
具体的には座ったり横になってから1時間以内に症状が出る場合が多く、集中の邪魔になることも。
・一般の認知度は低い。医者にも認知度が低いという話。
・RLSの患者は周期性四肢運動障害(PLMD)をかなりの数で併発しているという。
寝てる時に腕や足が20~40秒毎に筋収縮(脚で言えば蹴るような動き)が見られる症状。
こちらは寝てる間なので基本、自覚できない。
原因
・原因は現状では特定されていない。
むずむず脚症候群は2つに分類される。
一次性:原因がはっきりわからないもの
二次性:他の病気、薬などが原因で起きているもの
・一次性の仮説としては以下。
ドーパミンの機能低下
中枢神経における鉄分不足に依る代謝の異常
脊髄や末梢神経の異常
遺伝的な要素
特にドーパミンと鉄分不足が有力な仮説とされている。鉄分不足でドーパミンの分泌量も減るため、とりあえず鉄分取っておいたほうが良さそうだ。
・二次性の原因としては慢性腎不全、鉄欠乏性貧血、糖尿病、パーキンソン病、関節リウマチなど。
また、妊娠中にも起こりやすい。授乳期間になる頃には自然に治まりやすいという。生理周期に合わせて症状が悪化するケースもある。
対策と予防
・薬で治る。
ドーパミン受容体作動薬
抗てんかん薬
血中フェリチン濃度が低い場合(簡単に言えば鉄分貯蔵量が低い)には鉄剤の処方
反対に睡眠導入剤や抗うつ薬は逆効果とされている。眠気は増すが、ムズムズ感は消えないため悪化する。
また、保険適用が効く薬としてプラミペキソール塩酸塩水和物製剤、ロチゴチン、ガバペンチンエナカルビル、ビ・シフロールが承認されている。
・非薬物療法(日常生活で気をつけるべきこと)としては、
カフェイン、アルコール、タバコをやめる
就寝前にストレッチや軽い運動をする
規則的な就床
健康的な食事と適切な運動
また個人差があるため、睡眠日記をつけて自分にあった方法を探すことも重要だとされている。
これらは予防にもそのまま使えるだろう。
・「この症状と戦うな」と言われたりもする。症状を我慢したり、抑えようとすると悪化する経験をした者は多いのだとか。
体を動かしている限りは症状は強くならないため、家事を夜にまとめてやる人もいるそうな。
メモ
・運動不足か栄養不足という印象。
・ついでに調べてみると、鉄分はドーパミンに始まりセロトニン、ノルアドレナリンと思いっきりうつ病に関わっているものを伝達するための酵素を作る作用があった。
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通常言われる貧血は鉄分欠乏性貧血であり、これはヘモグロビン値で判断される。
前述のフェリチン値が低いことを潜在性鉄欠乏症と呼び、この場合ヘモグロビン値は正常であることが多く、健康診断では見逃されやすい。
うつ病やパニック障害に「とても多い」のが、潜在性鉄欠乏症だという。
https://jisin.jp/life/health/1618355/