ストレスホルモンとは

 

・まぁ字面からして碌でもないものっぽいオーラを醸してるんだが、そうでもない。

 

・定義としては「ストレスを刺激として放出されるホルモン」ということ。これに依ってストレス反応を引き起こす。

 

やっぱり碌でもないじゃないか、と思われそうだが、問題はこれらは別の役割があり、そっちの方はなくてはならなかったりすることだ。

 

 

プロラクチン

 

・ストレスにより過剰になる。

 

・性に関わっているようだ。過剰になった場合、男女で違いがある。

男はインポテンス、性欲低下。

女は無月経、月経不順、流産の原因ともされる。

 

 

・ドーパミンが過剰生産のブレーキ役となっている。ここが機能しないとプロラクチンの過剰となる。

 

・朝と夜で数値が変動する、かなり変動が激しいホルモン。

 

 

・ちなみに少ないと変態になるっぽい。冗談抜きで強迫的な性的行動、異常性欲、性的倒錯の発症例があるそうな。

 

 

オキシトシン

 

・妊娠・出産時に大量に分泌される。陣痛促進剤に使われる。名前の由来がギリシア語の「迅速な出産」らしい。

 

・オキシトシンを分泌できなくさせたマウスは「乱暴者」になったそうだ。あと下痢もした。強いストレスがある人間も同じ反応を見せる。

この為ストレス症状の緩和として、ストレス時に分泌されるのだと思われる。

 

 

・抱擁ホルモン・愛情ホルモンとも呼ばれる。ハグだとか、犬を撫でくりまわしたりしても出る。このとき犬もオキシトシンを出しているのでwin-winやね。

 

ちなみに大量に嗅がせると騙されやすくなるらしい。嫉妬深くもなる。メディアの伝え方では「あればあるだけいい」ような印象を与えるが、そうでもないようだ。

 

 

・「人と人のつながりを強化させるホルモン」だとする説もある。

 

これはきれいな話でもなく、嫉妬、妬み、よそ者の排除=既存の集団の強化などの強化も確認されている。「仲間意識」と「排除願望」は表裏一体の一つのものだということ。

 

 

・心理学で言うシャーデンフロイデ(成功者が失敗することを喜ぶ心理)や、俗に言うメシウマとか他人の不幸で飯がうまいとか、嫌いな奴が痛い目にあってるのを見てざまぁとかそういう心理にも関わっていると考えられている。

で、こう言った心理状態って「ストレス溜めこんでる奴が好みそうなこと」と言ってもそれっぽいだろう。まぁ相手が超嫌な奴でも成り立つわけだが。

 

 

バゾプレシン

 

・バソプレッシンとも。「体液を保持する意義がある」とされる。抗利尿ホルモン、血圧上昇ホルモンとも。

 

多いとパゾブレシン分泌過剰症(SIADH)となり、倦怠感、食欲低下、意識障害などになる。これはナトリウムの不足に依るらしい。

 

お察しの通り少ないと多尿になる。

 

 

コルチゾール

 

・過剰に分泌されると脳が萎縮する。

 

・朝起きれるのはコルチゾールのおかげ。起床の1時間前に自然に分泌され、速やかに目覚めることができる。

 

・「抗ストレスホルモン」ともされる。疲労回復に大きく影響するとも。

 

コルチゾールは副腎に貯蔵されており、ストレスに依って放出される。

 

副腎に貯蔵された分が少ないと、疲労回復に悪影響を及ぼす。ここに余裕があるうちに寝る必要があるということ。

 

 

・ストレスを原因としての不眠、疲労感に関係がありそうだ。

 

 

レニン

 

・血圧を上昇させる。単品でも血圧を上げるが、他のものを分解して血圧を上げるものに変化させる効果もある。

血液検査の項目として「レニン活性」というのがある。これとアルドステロンのバランスで症状を探ったりする。

 

 

アドレナリン

 

・ストレスに限らず興奮すると分泌される。

 

・血糖値と血圧を上げる。血糖値は闘争/逃走のエネルギー源として使うため。

 

また、血管を拡張させ、消化管の運動は低下する。加えて感覚を麻痺させる。

 

・そのまま「闘争か逃走かのホルモン」とすら呼ばれる。FIGHT OR FLIGHT。

 

・ちなみに医薬品としてのアドレナリンはカフェインとタバコとの併用は厳禁とされている。相互に作用を増強させるため。

 

 

ノルアドレナリン

 

・感情や肉体的ストレスで分泌される。交感神経の活動を高める。血圧上昇、心拍数の増加。

バランスが取れている限り必要ものだが、一度おかしくなると神経症、パニック障害、うつ病を引き起こすとされている。

 

 

まとめ

 

・まぁ要するに脳内物質そのものを嫌うのは間違いだ、ということ。

 

・これら脳内物質は「ストレスホルモン」として作用する際、闘争/逃走反応とされる状態を作る。今すぐに戦うか、それとも脇目を振らずに逃げるか、このどちらかを実行できるだけの状態に身体を持っていくため。

 

ほとんど血圧や心拍数などの身体を戦闘態勢にする役割が多い。出なかったら敵にやられっぱなしだ。

 

 

メモ

 

・面白いことに「咀嚼」の刺激がストレスホルモンの放出を抑える。「やけ食い」は本能的なストレス緩和かもしれない。

 

まぁガム食わせたらストレスホルモン値が下がったという実験があるので、やけ食いで太る必要も特に無いが。

 

「食ったら落ち着いた」というのも、腹が膨れて落ち着いたというよりは咀嚼に依って落ち着いたのかもしれない。

 

・オキシトシンは「敵意」だろうか。ストレスダメージを緩和するために出てるのだ、と解釈をする所もあるみたいなんだが、だったらはじめから加減しろよって話だし。

 

それが本当ならストレスホルモンではなくて、ストレスホルモンをトリガーに分泌されるメタストレスホルモンと呼ぶべきだろうし。

 

ストレスをトリガーとしているのなら「その必要の有無を考えずにとりあえず抑えようとする」という最悪な偽善者みたいなことになる。

 

 

一方、肯定的に考えれば、出産時に出ることに注目するべきだろう。「大事」だ。緊急事態だ。あとすげぇ痛いわけだ。

まぁ「緩和」がとりあえず出てもおかしくはないってことになる。

 

オキシトシンを出ないようにしたラットは乱暴者になったわけで、「やりすぎないように」出ている、ということも考えられる。

こっちに注目すると一周回って「とりあえず」で出ても不思議じゃない。でもやっぱメタストレスホルモンじゃないのか。

 

「共感能力が高い」ことによる人間の問題。過干渉や、一方に全力で味方してもう一方を理不尽に攻撃するなどの異常行動にも関わっているのではないか。

こいつらには話が通じない。個人的には正直、オキシトシンは警戒対象でもある。

そういえば、苦しんでいる者を見て初めは同情心を抱くが、それが続くと今度は相手に憎しみを抱くようになった実験結果があったな。

 

・プロラクチンだけわからん。必要で出てると言うよりはドーパミンが出ないことに依って垂れ流れてるのかもしれないが。ストレスで抑制されるホルモンについても調べる必要があるか。

 

これらは割と心身に負担をかける。この上で「我慢するストレス」はこの状態を長続きさせる。結果、自律神経が狂ったりする。

 

・また、これらは適切ならば問題がなく、むしろ必要なものだ。後ストレス関係なく出ることもある。起床前のコルチゾールも。オキシトシンも。

加えて他のホルモンと関連していることが多い。巷で言われるような、なんぞ食ったり飲んだりして極端にどれか1つだけ上げる、というのは大丈夫なのかという気がしないでもない。

 

・コルチゾールがわかりやすいが、どうも「ストレスのせいで余計なことに消費される」ことも問題のようだ。「本来の仕事」の分がなくなる。出てはいけないと言うより出たらもったいない。

 

ストレスとは基本的には外部要因であり、緊急の対応が必要になる。その分優先度は高い。後々体を壊すとしても。

 

このため「精神的なストレス」に見られる、記憶やフラッシュバックなどの「その場には存在しないストレッサー」のせいでFIGHT OR FLIGHTになるのは非常によろしくない。特に反芻思考。

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