連続睡眠と分割睡眠

 

・通常の6~8時間ほど続けて眠る睡眠は連続睡眠/単相性睡眠。

 

数回に分けて取る睡眠を分割睡眠/多相性睡眠と呼ぶ。

 

 

・別に推奨はしない。

 

 

分割睡眠について

 

 

・眠り初めの1.5時間程が、睡眠全体の中で最も深い眠り。睡眠回数を増やすなら、この「深い眠り」も回数に比例する。

 

だから分割睡眠を取れば効率的な睡眠になり、睡眠時間そのものを減らせる、というのがライフハック的な考えのようだ。

 

深い睡眠に早く入れるとも言われている。通常は45~75分かかる。メリットに見えるが、慢性睡眠不足が寝落ちしただけにも見える。

 

 

・今では睡眠が不足するとスペックが落ちるという話のほうが知名度が高いが、外洋ヨットで分割睡眠を取り、スペックが上がった話もある。

 

この時の睡眠は20~60分の睡眠を計4時間ほど。

 

ただ、短い眠りを繰り返すという非日常(彼らは普段は単相性睡眠だった)により、火事場の馬鹿力というか、それ系の状態である可能性も否定できない。

 

ヨットを漕げりゃ後はどうでもいいわけで、他に問題があっても表出してないだけかもしれない。「生活/仕事スタイル」として採用して安全である保証はない。

 

 

・この話では一日あたり4~5時間の睡眠に切り詰めたほうが効率がいい、としている。

 

同じくクリスティアーノ・ロナウドが似たようなことやって効果が出てるが、共通点として体育会系だな?

 

デスクワーク組にそのまま転用できるかどうか怪しい。

 

 

・ストレスが多いと、不眠になることもあるが、逆に睡眠は長くなる傾向もある。睡眠時に「何か」を処理している可能性は高い。

 

 

人間には元から分割睡眠の素質はある

 

・ペットを飼っている人ならわかるだろうが、動物たちは単相性睡眠ではない。人もまた、どうやら本来は単相性睡眠ではないようだ。

 

・まず赤ん坊。寝るか泣くか食うか。一日にこのサイクルを何度も行う。育児で辛い要素の一つが夜中に泣かれて眠れないことだって話もあるね。

 

これは成長によりサイクルが長くなっていき、最終的に24時間スタイルに落ち着くことになる。

 

 

・次に日照時間が少なく、照明がない環境では、成人でも自然と睡眠が二回に分かれたという実験がある。

 

1992年に発行された睡眠研究の雑誌に、7人の被験者が光に10時間当たり、14時間は暗闇で過ごすという実験が掲載されました。

 

数週間後、彼らは暗闇にいる間に2回眠りについていて、その間には数時間起きているようになりました。

 

https://logmi.jp/business/articles/320889

 

日が暮れてすぐに眠り、途中で起き、また眠って朝を迎えるというのが本能的なスタイルらしい。

 

 

分割睡眠のパターン

 

均等分割タイプ

 

・24時間をいくつかに分割し、短いサイクルで睡眠、起床を取るパターン。

 

 

海軍式睡眠

 

・24時間を2分割。

 

4時間寝て8時間活動。

 

この場合24時間で8時間の睡眠は取ることになる。

 

・どこの海軍かは知らん。

 

 

ウーベルマン

 

・24時間を6分割。

 

4時間ごとの各ブロックで20分の睡眠。

 

一日2時間睡眠になる。

 

 

・ウーベルマンUbermanは「超人」の意味。

 

超人になれず、5~18日程で体調を崩すものが多々。

レオナルド・ダ・ヴィンチとサルバドール・ダリがこのスタイルだったらしい。

 

 

・今風に解釈すれば、「パワーナップ(20分ほどの仮眠)」だけで睡眠を済まそうということになるか。

 

言い方を変えれば必要な睡眠を全てその場しのぎでごまかすということだ。まぁ不調になるな。修羅場なら使えるかもしれない。

 

 

ダイマキシオン(ダイマクション)

 

・24時間を4分割。

 

6時間ごとに30分の睡眠。

 

バックミンスター・フラーが提唱?

 

ダイマキシオンとは動的最大張力 (dynamic maximum tension) の略であり、フラーのブランド名でもある。

 

 

係留睡眠(アンカースリープ)

 

・分割睡眠だが、そのうちコアとなる時間は固定し、ある程度の睡眠は取る。残りは分散する。

 

 

エブリマン

 

・夜3時間、昼間20分を3回。

 

トーマス・エジソンとニコラ・テスラがこのパターンに近いスタイルだった。

 

 

・ナポレオンも3時間しか眠らないという話があるが、胃潰瘍がひどくて眠れないだけだって説もある。また、よく昼寝をしていたという話も。

 

 

二相性(シエスタ・昼寝・午睡)

 

・アンカースリープのいちばん身近な例だろう。夜寝るのは当然として、昼間も少し寝ること。

 

スペインではシエスタと呼ばれる。この分就寝時間はずれ込み、トータルでは連続睡眠と変わらない睡眠時間となる。

 

 

懸念点

 

・深い睡眠は結構だが、これは「脳の疲労が取れる」だけだろう。

 

 

・睡眠の役割の一つに記憶の整理がある。

 

以前やった「ある日急にできるようになる現象」などは、期間が長く、つまり睡眠を複数回挟んでいる。

 

私は無意識レベルの技術・知識の定着の結果がこの現象であり、そのためには疲労回復ではない「情報整理としての睡眠時間」が必要であると考える。

 

えらいざっくり言えば

 

「セルフ睡眠学習してんじゃね?」

 

ってこと。脳が。

 

 

・睡眠のデメリットの話は巷に多いわけだが、これらを解消するために寝るとしたら、十分な時間、継続して、深く眠る、この3つが必要だとされる。

 

分割睡眠は「継続」を達成できない。睡眠時間をカットするために試みるなら「十分な時間」も達成しないことになる。

 

 

・分割睡眠の度に気持ちよく目覚めたとして、「スッキリとした目覚め」が脳内物質に依る「演出」である可能性も否めない。

 

本来起床時にはコルチゾールが出るおかげですんなり起きれて活動できるわけだが、これは起床の1数時間前に分泌が始まるものだ。分割睡眠のペースでは明らかに足りない。

 

別の何かが出てるんじゃないかという疑いは持てる。それが麻酔のような、疲労や眠気が「わからないだけ」だった場合には、睡眠負債は貯まる一方ということになる。

 

2003年のSleepという雑誌での研究を含むいくつかの研究では、自己申告の眠さと脳波と脳の電気活動によって計測された客観的な眠さには繋がりがないことが発見されています。

 

睡眠不足の人は、認識テストでは実際よりもずっと良い点数が取れているだろうと考える傾向がありました。

 

https://logmi.jp/business/articles/320889

 

睡眠不足に自覚がなく、さらにおめでたくなるようだ。

 

「わからないだけ」という可能性の肯定だろう、これは。

 

 

・巷で言われる分割睡眠のメリットというのは、ライフハック系の話であり、単純に睡眠を「脳の疲労回復」としてしか見ていない。

 

ストレス緩和などの「癒やし」の要素、または記憶の整理・定着などの「学習」的な要素はほぼ考慮されていないように見える。アウトプット一点張り。

 

疲労を回復できるなら構わない、というのなら結構だが、無意識で何を学習し、何を処理し、普段の私達の意識がどのように維持されているのかわかったものじゃないので、やるなら日記でも書いて。そんで発見があったら教えて。

 

 

メモ

 

・ガチ不眠なら分割睡眠に切り替えるのも手かもしれない。というか何かがスイッチになって分割睡眠に切り替わってしまったのが入眠障害や中途覚醒かもしれない。

 

・状況への「適応」として分割睡眠になるケースもあるらしい。トラック運転手は睡眠不足に対処するために分割睡眠に移行する傾向がある。

 

ナポレオンも夜眠れないから昼寝していたと言える。ただの不眠症にしか見えなくなった。

 

正直、ワーカホリックor長く眠れないから起きてるだけの奴らが後付でなんか言ってるだけじゃないかと思うことが多々あるんだが。

 

・バランス取るために連続睡眠の有名人も並べておくか。堀江貴文8時間、イチロー9時間、アインシュタインとタイガー・ウッズ10時間だそうな。

 

単純に真似するんじゃなくて、「今の自分に」どれが合ってるか、または必要か考えるべきだね。

 

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