未分類

旧優生保護法について

投稿日:

旧優生保護法の簡単な説明

・えらい簡単に言えば、「障害を持つ人に子供を産ませない法律」だった(それだけでもないが)。そのための手術費用も国が出した。

優生学に基づいて「不適格」な人は子孫作らないでね、という割ととんでもない法律だとされている。

障害だけではなく、遺伝性の疾患、ハンセン病などを含める。

 

・具体的に何をやらかしたかというと、日弁連によれば不妊手術を8万4千人に実施、内1万6500人が本人の同意を得ずに行われた。

NHKのアンケート調査では手術を受けた未成年者だけでも926人。その内最年少が9才。

 

・旧「優生保護法」。1996年に「母体保護法」として改正されている。「旧」と呼ばれるのは今はないからだろう。新優生保護法とかはなかった。上記の強制不妊のような項目はこの際削除されている。

 

1996年の改正は,従来の〈不良な子孫の出生を防止する〉という法律の目的を削除し,あわせてこの優生思想に基づく障害者などに対する差別規定をすべて削除した。

https://kotobank.jp/word/%E6%AF%8D%E4%BD%93%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E6%B3%95-172927

 

・2019年5月28日、旧優生保護法は「違憲」だったとの判決が仙台地裁より下されている。

 

・優生学(後述)が当時流行っており、各国が強制的に堕胎、不妊手術を受けさせた。日本に限らない。

最たるものがナチスドイツ。要するに一種の選民思想。

 

本人の同意は不要だった

 

・ただし、日本では国が強制的にできたとも語られていない。

少なくとも当人の希望よりも、親族の希望が優先されていたようだ。

 

性的暴行など性的加害者になった際に再犯を繰り返す者でも心神喪失や責任能力欠如を理由に罪に問われないことへの被害者側や世論からの批判、

親族の目の離れたところで妊娠や加害繰り返すことへの親族の負担・既に面倒を見ている親族による産まれた子供まで更に面倒を見れない等の負担増加拒否などを理由とした親族らが、

障害者への中絶や不妊手術を可能にすることを希望した。親族の要望の後押しを受けたため、1948年に国会でも与野党全会一致で可決した。

齋藤有紀子によると障害者の面倒を見ている親族が手術を希望したり、容認した場合にのみ手術が行われた。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AF%8D%E4%BD%93%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E6%B3%95

 

「介護問題」として見れば、重い話だ。

これはそれほど珍しくはない選択らしい。

 

齋藤有紀子はこの親族らの考えは世界的に珍しくなく、中絶の合法化された国家で障害を持つ子供を妊娠した時点で中絶を選択する率がどこの国家も高いことから、

障害者の要望とその親族の要望では、親族の要望が優先されていると指摘している[8]。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AF%8D%E4%BD%93%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E6%B3%95

 

・遺伝性とされた場合、手術費用は国が負担するため、頼みやすかった面はあったかもしれない。

一応本人の同意を得るという規定もあったらしい。当時は障害者の立場や発言力が今と比べても低かったため、本心なのかは疑問だとする声もある。

障害に限らず「ステレオタイプからの圧力」は強いだろう。

 

・一応、理由として流産などで「母体が道連れにされることを防ぐため」というのもある。

これより前は産むことを奨励していため「堕胎罪」があった。

 

堕胎罪

 

・堕胎罪自体は現代でもある。堕胎の罪(刑法212条~刑法216条)。

ただ「中絶」はこれに当てはまらない。年間20万件は行われているし。

 

・元は明治新政府が制定した。それまで暗黙の了解として間引きや見よう見まねの堕胎などで色々と危険があったことと、「産めよ増やせよ」ということで。

敗戦後は貧しくなった上にベビーブームまで始まりかけていたから人口増加を問題視するようになった。

この状況から「堕胎の基準」を緩める必要があったとされる。ここから「人口政策だった」とする声も。

 

・旧優生保護法は女性議員も成立させようとしていたが、堕胎・出産関係での母体への負担を問題視していたとも取れる。

 

戦後の優生保護法においては、戦後の治安組織の喪失・混乱や復員による過剰人口問題、強姦による望まぬ妊娠の問題を背景にし、革新系の女性議員にとっては、妊娠中絶の完全な合法化させるための手段である側面があった。

1946年(昭和21年)4月10日に行われた戦後初の選挙である第22回衆議院議員総選挙で当選した革新系の女性議員らは、第1回国会において国民優生法案を提出した。日本社会党の福田昌子、加藤シヅエといった革新系の政治家は母胎保護の観点から多産による女性への負担や母胎の死の危険もある流産の恐れがあると判断された時点での堕胎の選択肢の合法化を求めた。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AF%8D%E4%BD%93%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E6%B3%95

 

とりあえず、価値観や状況、女性が持つ選択肢が今と違うことは留意しなければならないだろう。

 

彼女らは死ぬ危険のある出産は女性の負担だとして人工中絶の必要性と合法化を主張していた。

加藤などは外国の貧民街を見て帰国直後の1922年には社会運動に理解のあった夫と日本で産児調節運動を開始していた。

石本静枝として産児制限運動を推進するなど母胎保護には望まぬ出産への中絶の権利や母胎への危険のある出産を阻止する方法が女性に必要だと訴えていた[7]。

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AF%8D%E4%BD%93%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E6%B3%95

 

 

障害者への強制について

 

・現在「望まぬ不妊治療を受けさせられた」として、当時の旧優生保護法の対象者が各地で訴訟が起きているわけだが、「強制」だったのか。

 

状況によっては家族や後見人が中央優生審査会、地方優生審査会に手術申請を行うことや、中絶や放射線照射の処置を可能としていた法律である[3]。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AF%8D%E4%BD%93%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E6%B3%95

 

少なくとも本人以外の「他者」が申請して受理される余地はあったようだ。前述の通り意見が真っ二つに割れていたとしても、家族や後見人の方が優先された可能性は高い。

また9才でそのような処置を受けた、という話が先程あった。自身の判断だったとしても、「説得」をされたとか、半強制的だったとか、そういった疑いは残る。

まぁ多くは自由意志による選択じゃないだろう。

 

 

 

・wikiによれば、優生学は一般に「生物の遺伝構造を改良する事で人類の進歩を促そうとする科学的社会改良運動」と定義される。

20世紀初頭に大きな支持を集め、今回の旧優生保護法のようにいくつかこれに基づいた法律などもあったようだ。

 

・ナチス政権がやった人種政策もこれ由来。ナチス政権下で10年に満たない間に45万人が手術を受けさせられた。

優生保護法みたいなことはアメリカでもやっていた。こちらは性病や性犯罪者も対象。6万4千人が断種手術を受けさせられたとなっている。

 

・アメリカがドイツに影響を与えたともされる。アメリカではナチスドイツのような「積極的駆逐」は全く行われていない、とされているが。

ただ、暴力的犠牲者はいなくとも、今回の日本のように政治的/社会的犠牲者は多数いたことは想像に難くない。

ナチスがやったせいなのか、戦後以降に優生学は支持を失う。現代では特に人権問題に抵触しやすい。

 

・昔のいくつかのディストピアものとか、SFとかがこれと似た世界観だが、なんてことはない、当時の世相だったのか。

 

ナチスの優勢政策

 

・有名なところではホロコースト。「優秀なアーリア人」がユダヤ人を絶滅させようとかそういうのだが、対象はユダヤ人に限らず身体障害者や同性愛者も含まれる。後に極度の近視も含まれていたらしい。

 

・ナチスの政策としては、金髪碧眼高身長(アーリア人らしい身体的特徴)ばっかり集めて無理やり結婚させるなどの「品種改良」を試みていた。

 

・「T4作戦」として、数十万の精神的/肉体的に「不適格」とした人々の強制断種、または殺害を行った。

 

・「レーベンスボルン」という収容所があった。ここに収容されるのはアーリア人で、未婚の女性の保護・出産の奨励、拉致されたアーリア人の特徴が色濃く出ている子供への教育などが行われていたという。

 

・日本の旧優生保護法の前に「国民優生法」があった。国民の資質向上を目的とし、ナチスを見習って成立されたとか。ただしこれはほぼ機能しないまま敗戦を迎えたとされる。

 

 

その他の国の「断種」

 

・スウェーデンで40年間の間に6万2千人の「不適格者」が強制断種されている。

 

・カナダ・オーストラリア・ノルウェー・フィンランド・デンマーク・エストニア・スイス・アイスランドでも同様の強制断種。

 

・中国の一人っ子政策の狙いの一つも「優生」であったとされる。尤も一人っ子政策は終了したが。

 

・インドでは今現在そのような動きがある。

 

ヒンドゥー至上主義政党の中で最も過激として知られるシヴ・セーナーが、カースト制度最上位階層の多くを占めると言われるアーリア系について優生学的擁護を訴える政策をしばしば提言し、じわじわと支持を広げている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%84%AA%E7%94%9F%E5%AD%A6

 

・ちなみにインドを支配したアーリア人がカースト制度を作ったとかで、そりゃトップにいるわな。

そこから考えると、この人物の言うことは70年遅いんじゃねぇかな。

 

・またアーリア人か。気になって調べたが、かなり広範囲に分布していてインドもそのうちの一つ。

面白いことにアーリア人自体がヨーロッパ系とアジア系の混血だとされる。その結果いいとこ取りでモデル体型の美男美女が多いんだとか。エリート意識や選民思想が強いだとか。

元から混血なのを遺伝的に保護ってこれもう破綻してないか。

一方ヒトラーはアーリア人の中でもゲルマン民族が血統的に純粋で優秀とか言っててもうわけわからん。元からアーリア人とゲルマン人違うっぽいんだが。当時どういう認識だったんだここら辺。

 

旧優生保護法の外でも

 

子宮の摘出やレントゲン照射によって、子どもを産むことも、月経も奪われてしまった女性もいました。施設に入所しようっていう時に、手術を勧められることがあったので、月経の介助の手間を減らすのが目的だったと考えられています。

https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/53/

 

・昔のほうが勝手な理由でディストピアな外科治療をしてたりする。ロボトミーとか。

技術だけ進んだ結果というかなんというか。

 

メモ

・これらは社会的ダーウィニズムに基づくとも言われるが、進化論というか自然淘汰とはまた違う。人為的選択淘汰とでも呼んだほうが相応しい。

 

・特にアーリア人絡みで思ったんだが。

過敏型の自己愛性人格の要素の一つとして「潜在的特権意識」というものがある。本当は自分はすごい、本当は自分はもっと丁重に扱われるべき人間だ、と内心思っているということ。

誇大型の自己愛にこれがないのは単に隠れてないどころか思いっきり表に出てるからなだけで、特権意識は強い。実際DSMーⅣーTRでは自己愛性パーソナリティ障害の症状の一つとして特権意識はある。

ただ、これらは自己愛特有の感情ではなく、誰もが持っている。自己愛はこれが特に強いだけだ。逆を言えば誰もが飼いならす必要がある感情。

思うに他者に何らかの制限をするのは、容易く特権意識を満たせるのではないか。お前はこれをやってはいけない。自分はこれが許される、と。

今回に於いては「優生学」はこれらを表出させた。「特権意識」を飼いならす必要がなくなった。今回は表に出てこなかったが、「支持者」は市民の中にもいただろう。

まぁ妥当か不当かは内容に依る。公平だの平等だのってのもあれはあれでイカれる要素があるし。めんどくさいな。

 







-未分類
-

HN:nemo

リンクフリー

twitter

 

gnōthi seauton

mēden agan

engua para d’ atē