フリーライダーとは
・Free rider。直訳すればタダ乗りする者。一言で言えばズルいやつ。
・フリーライダーという言葉は現在大きく3つの文脈で使われる。経済学、社会学、そして会社組織に於いて。
すべて「対価を払わないで利益にあずかる者」の意味で使われる。
基本的に寄生先は「集団」であり、「誰かがやるから自分はやらんでもいいだろ」みたいな感じで他人の成果を吸い取る。だからタダ乗りなのだが、もっと露骨に「盗む」場合もある。
・特に会社組織においての『給料泥棒』を指す意味で見かけることが多い。
ただし給料泥棒は雇用主側からの視点だが、フリーライダーは同僚や部下など周囲の視点が強調される。
フリーライダーのせいで不当に分前が減る、仕事が増えるなど。
・社会学的なフリーライダーという言葉には、非協力的な行動や抜け駆けが含まれる。
・経済学的なフリーライダーの場合、その背景として対価が未払いでもペナルティを受けない(排除したくてもできない)という非排除性/非競合性がある。
例えば家族の中で1人が電気代を払わなくても、そいつの部屋だけ都合よく電気を止めることはできないみたいな。
このため「足元見ている」とも言えるかもしれない。
フリーライダーはテイカーか
・職場においてのフリーライダーはテイカーにかなり似ている。
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・フリーライダーの特徴とされている点が、
- 責任感がない
- 仕事を怠ける
- 同僚の成果を横取りする
- 部下や後輩に横柄な態度を取る
- 自分の能力を過信している
となっており、テイカーとかなりかぶる。
・横取りは分かり易い。評価や報酬がもらえることなら他より働いてないのに『自分は頑張ったアピール』をするとされている。もっとひどい場合には他人の手柄を自分の物だとする。
逆に話が責任問題となると自分に責任はないアピールを始めるし、そもそもその仕事を引き受けないように逃げる。
・部下に横柄な態度はテイカーによく見られる行動であるレッキングに近い。簡単に言えば自分を上位だとアピールする行為。レストランで店員にイキるとかがそう。
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・自分の能力への過信も、他者に自信がある素振りを見せたいだけならレッキングに近い。実際に認知が歪んでいる(失敗は他人のせいだと本気で思い込むなど)ケースも多いが。
ギバーとフリーライダー
・ギバー(与える者)は、組織全体に貢献するような行動を取る。例えば「誰かがやるだろう」として誰もやらないような仕事を、自分の仕事でもないのに行うなど。あるいは他者への協力を惜しまない。
このように全体的に『所属集団への貢献』の意識が高い。
このためフリーライダーの『集団への寄生』と致命的に相性が悪い。『全体に貢献する者』と『全体の成果を盗む者』となので。
・元から、テイカーがいるとギバーやマッチャー(与える与えられるのバランスを取ろうとする者)が出し惜しみをするようになるとされている。
このため全体の生産性は落ちる。直接ではないが、テイカーはこのような形で全体の足を引っ張る。
・ギバーにも2種類おり、相手がフリーライダー/テイカーだと気づいた場合にはマッチャーに切り替えるタイプが居る。この場合は被害は最小限に抑えられる。
(ギバー、テイカー、マッチャーは『対人モードの種類』のようなもので、持って生まれた性格というわけではない)
ただし、犠牲型ギバー、例えば断れない、嫌われるのが怖いなどのタイプは(過剰適応/自己破壊的同調)対抗できず、どこまでも寄生されることになる(モードを切り替えられない)。
(テイカーもフリーライダーも組織論の話なんだが、個人間でこそ致命的な関係になりやすい。逃げられない相手に対して本性を見せるので)
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