ストレス

レジリエンスについて

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レジリエンスとは

・心理学ではストレスに対しての柔軟性、耐久性。及び回復力を指す。
精神的耐久力と精神的回復力と言えばわかりやすいだろうか。

広義ではストレスへの抵抗力や回避力も含めているが、研究論文などでは主に回復力がメインになっているようだ。

レジリエンス(resilience) とは,“困難で脅威的な状態にさらされることで一時的に心理的不健康の状態に陥っても,それを乗り越え,精神的病理を示さず,よく適応している”(小塩・中谷・金子・長峰,2002)状態のことを指す概念である。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/personality/19/2/19_2_94/_article/-char/ja/

 

・一貫した定義は存在していない。だが、生きてりゃ何かしらあるため、結構研究はされている。
例えば不妊治療後に流産を経験した女性のレジリエンスだとかも。

かなり細分化されている。教師用、新人看護師用、大学生用、家族用、育児関連、幼児用、スポーツ競技者用などのレジリエンス研究がある。自分に該当するものを探してみるのも良いかもしれない。

 

レジリエンスの要因

・各国での研究において、レジリエンス要素はバラバラだとされる。スペインで2因子、ドイツで1因子、スイスで5因子など。
個人的な素質に留まらず、家族仲だとかソーシャルサポートだとか、社会的な要素を入れたり入れなかったりする場合もある。

今回はセルフヘルプのつもりで個人に拘ろう。大体において人間関係がストレスの元だしな。

 

・その者のレジリエンスを決める要因は、日本では大きく分けると3種類あるとされる。

  • 周囲から提供される要因
  • 個人要因
  • 獲得される要因

前述の通り周囲からの提供の要素は今回除外する。

個人要因と獲得要因が複雑で区別しにくい。例えば楽観主義は元々の性格とも言えるし、後から獲得することも可能だろう、など。
この2つを区別し、獲得しやすいレジリエンス要素を見つけようとする研究が上記引用元。

クロニンジャーという学者の考えた性格分類が、気質と性格、つまり私達がラフに「性格」と呼ぶものの内、先天的なものと後天的なものとに分ける作りになっている。
これに基づいてレジリエンス要因の分類が試みられた。

 

レジリエンスの資質的要因

・先天的、つまり本人の資質的なレジリエンス要因。

・楽観性:将来に対して肯定的な期待を保持する傾向。逆を言えば将来に対して不安を持ちづらい。

・統御力・行動力:統御力は、体調や感情などのコントロールしにくい部分を統御する能力。
行動力は、物事に対して目標や意欲を持ち、それに向かって努力・達成する能力。
この2つは自己統制力に近いとされる。自己統制力はネガティブな感情の制御と、意志の実行を統御する能力から構成されている。

・社交性:元々他者と関わるのを好み、コミュニケーションを取るのが容易である傾向とされている。対人不安や緊張の有無、他者へ感じる安心感や信頼感などが影響するとされる。

・どうもこれらは「元から楽観的であり、感じる不安が少ない」というのが大きいらしい。

そしてこれらが資質的な要因とされている点から、向いてないのに無理なポジティブシンキングとかは無駄な可能性もある。

レジリエンスは広義では、ストレッサーへの耐久力(重く受け止めない)や回避力(気にしない)のような意味も含まれる。
こういった「元からの性格のおかげで不安が少ない」というのは、嫌な考えや緊張、恐怖などを感じることが少ないため、耐久力や回避力に近いと考える。ダメージ軽減率みたいな感じ。

これは回復力とは別物ではないだろうか。これらに恵まれた人間の、一度折れた時の復帰力はどうなのだろうかと思ったが、改めて見るとすぐに復活しそうでもある。

・ただ、このような「受け流す認知」は、やりように依っては再現できるのではないだろうか。

 

レジリエンスの獲得的要因(鍛えられる部分)

・後天的に獲得できる、つまり鍛えたり体得したりすることができるとされる要因。

・問題解決志向:問題を積極的に解決しようとする志向性、解決スキルを学ぼうとする傾向。つまり問題に対して前向きになれるかどうか。
これに似た概念として「学習目標志向」が挙げられている。自分が成長することを重視する目標を持つ者は、評価を重視する(遂行目標志向)者と比べて情緒的、心理的に強いとされる。

・自己理解:自分自身の考えや特性について理解、把握していること。それを元に、自分に合った目標設定や行動をする力。

・他者心理の理解:他者の心理を認知的に理解する力とされる。協調性による正の影響があるとされる。共感能力に近い。

自己理解と他者理解は関連しながら発達すると推測されている。

 

以上の3要因を概観すると,獲得的レジリエンス要因とは,自分の気持ちや考えを把握することによって,ストレス状況をどう改善したいのかという意志をもち,自分と他者の双方の心理への理解を深めながら,その理解を解決につなげ,立ち直っていく力であると示唆される。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/personality/19/2/19_2_94/_article/-char/ja/

 

・転じてこちらは意志や理性、メタ認知的スキルが並んでいる。伸ばすことができるというのは朗報だろう。

・以上から、素質によるところが大きい楽観的になろうとするよりも、前向きになろうとした方が良い、とは言えるか。

この2つは混同されがちだが、全く違う。

楽観的とは「問題なんてない」という態度だ。
前向きとは「なんとかしよう」という態度だ。

 

その他

・知的スキルはレジリエンスと直接の関係はない。それによる行動での自己効力感や問題解決能力としてなら関係があると考えられている。

・社会的外向性は個人だけの素質ではなく、外的要因(ソーシャルサポート)と関連があると予想された。

 

参照:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/personality/19/2/19_2_94/_article/-char/ja/







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