睡眠

眠気とアデノシン

投稿日:2018年12月19日 更新日:

アデノシンは睡眠物質の一つ。

習慣的に決まった時間にも眠くなるだろうが、別の要素としては眠気は覚醒時間に比例する。長く起きていればその分眠気は強くなる。まぁ体験知として誰もが知っているであろうが。

体内時計には複数ある。代表的なのは目に入った強い光でリセットされる視交叉上核だが、こちらは「起きる時」を司るとされる。

前脳基底部付近に蓄積するアデノシンは、疲労により貯まり、睡眠に拠って減少する。起きている時間、というより疲労の蓄積を察知し、一定以上になったら「眠れ」と指示をするような役割をしている。

アデノシン

最も強力に脳を覚醒させるというヒスタミンの放出を抑える。ちなみに睡眠導入剤もヒスタミンの放出を抑え、眠気を呼ぶ。

アデノシンはブドウ糖が分解されて(解糖)発生するATPを利用した後の燃えカスというめんどくさい位置にある。食事のカロリーとはATPに変換される部分のことを指すらしい。

ちなみに食事の直後の眠気は血糖値が上下する際の眠気であり、アデノシンとは恐らく関係ない。ただ、細胞内ATPとインスリンは関連があるらしい。

アデノシンは血液脳関門は通れるようだ。頭脳労働に限らず、肉体労働で眠気が増加することもあるとなる。まぁ体を動かせば興奮するようなホルモンもでるから実感は難しいかもしれない。

アデノシンはカフェインで阻害される

脳内に於いて、アデノシンと受容体の結合が一定レベルになるとそれは眠気になる。

カフェインはアデノシン受容体と結合できる。つまり、アデノシンが受容体と結合することを阻害する。疲労度が測れなくなる。

カフェインがアデノシン受容体と結合しても疲れを感じることができず、睡眠の必要性を身体が感じない。逆にこれを目当てでコーヒーでの眠気覚ましやエナジードリンクなどとして摂取されている。ある意味でこれは部分的な「麻痺」であり、何かが回復してるとかなわけじゃない。

カフェインの作用は個人差が大きいが、5~8時間で半減すると言われている。言われてはいるのだが、完全に抜けるには丸一日ほどかかるとも言われているし、就寝6時間前に200mgのカフェイン(コーヒー約2杯分。一般には豆から抽出したコーヒー一杯は90mg前後。レッドブルで80mg、モンスターエナジーで142mgなので結構摂取したことになる。)を摂取しても睡眠に悪影響があったという実験結果もある。個人差のせいとも取れるが、「半減程度じゃ悪影響は免れない」とも取れる。

また、離脱症状(カフェイン常習者が摂取をやめることに拠って出てくる症状)のピークは48時間後、収まるのは2~9日後と期間が長い。

カフェインの効果も個人差が有り、アデノシン受容体の感受性も個人差がある。同じだけコーヒーを飲んでも眠れる者と眠れない者が出てくる。

カフェインはコルチゾールを分泌させる。睡眠阻害ホルモンであり、ストレスホルモンでもある。起床時にはこれが自然に分泌され、本来は夜にはほとんど分泌されないのでそれほど怖がることもないが、「夜にはお呼びじゃない」のは確か。

メモ

眠るためには「燃えカス」が必要だとしたら、夜眠るために朝食や昼食は食べたほうが良いのかもしれない。

アデノシン受容体を遺伝子操作で欠失させたラットでも眠気を感じるため、眠気の要素は他にもあると思われる。

ただ、これだけで考えると肉体的には起きる時間はほぼ固定で決まっている。視交叉上核は概日リズム、所謂体内時計の中心的存在だともされる。そして寝る時間は元から決まっていないとも取れる。カウントしているのは疲労の蓄積だ。時間とか、タイミングではなくて疲労の「量」をカウントしているだけだ。

だとすると不眠の認知行動療法にある「眠くなるまでベッドに入るな」は道理となるが、今度は睡眠時間が足りなくなるな。そのままぐっすり眠ったら起床時間はズレる。それを強制リセットするための起きる時間の固定か?

「覚醒時間をカウントしている」とする意見もあるが、どうなのだろうか。極度の疲労で泥のように眠る、というのはあるのだし。

昼寝の注意点でよく言われるのが、寝すぎると夜眠れなくなる、という話だ。これはアデノシンで説明がつくだろう。これを「解消」してしまえば、そりゃ入眠のタイミングはその分遅くなる。20分以内なら大丈夫と言われている。

参考
http://news.livedoor.com/article/detail/12867237/
https://toyokeizai.net/articles/-/218763?page=4
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/15/403964/082900048/?P=3







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